前回の投稿で、テレビ番組に出演した際の私の発言を前後の文脈と関係なく切り取り、

私を誹謗中傷する投稿が多々あることについてお話させていただきましたが、

その後の進捗についてご説明させていただきます。

 

私は数ある誹謗中傷の中でも特に悪質な投稿について、

裁判所に対して発信者情報開示命令の申立てを行いました。

先日裁判の結果が出たのですが、それは私の請求を全面的に認めるものでした。

 

私は前回の投稿で、発言を前後の文脈と関係なく切り取って誹謗中傷をすることは名誉毀損にあたりうるのではないかと述べましたが、

ひとまず私の主張が裁判所によって認められたことについて安心しております。

インターネット上の誹謗中傷は社会問題となっておりますが、

今回自分自身が被害者として当事者となったことで、

この問題の深刻さを身をもって学びました。

 

今後もこの問題について関心を寄せ、

積極的な発信を心がけていきたいと考えております。

実は、ここ数年、SNSにおいて、私が問題提起のために第三者の主張を引用した際の発言を切り抜き、あたかも私が「年収890万~920万ないと社会のお荷物」であるという見解を持っているかのような虚偽事実を投稿されることが多々あり、いわれなき誹謗・中傷に悩まされてきましたが、今回対応策を取ることにしましたので、皆様にご報告申し上げます。

 

ことの発端は、2019年放送の「林先生が驚く初耳学!」(MBS)の番組内企画として、「高学歴ニート」と言われる方々に「講義」を行ったことです。

番組の準備に際して、私が心掛けたことはまず決して彼らを否定しないことです。つまり彼らが(主体的に)選択した生き方を、第三者である私が軽々しく否定することは絶対にしてはならない、という自戒をもってこの企画に臨みました。さらには、提案はしても絶対に命令はしない。もし私の話に共感して自発的に働くようになってくれれば、それは喜ばしいことですが、「ニートはダメだから、働け」といったような発言は何があってもしない、彼らが信念を持って「働かない」という選択をするならば、それも尊重されるべきだ―そう考えての収録でした。

実際に放送されると、思った以上の好評をたまわり、視聴率も非常に高い数字を得ることができました。多くの方からお褒めの言葉をいただきましたが、クレームは一件も僕のもとには届きませんでした。デリケートな仕事ではあったが、頑張ってよかったと安堵していたのです。

ところが数日たってから、少しずつ様子が変わり始めました。この番組の一場面を、前後の文脈とかかわりなく切り取った写真がSNSに出回るようになり、私に対する批判が高まり始めたのです。

 

詳細を述べていきましょう。

番組の中で、今の日本における社会的費用の高さ(つまり、税金でまかなわれている部分が多いということです)を改めて認識してもらい、できるなら彼らのような能力の高い人にも自発的に負担してもらえないかな、と考えました。例えば新型コロナのワクチン接種は無料です。しかし、日本政府が油田を持っているわけでもないので、当然その費用は誰かが負担しています。これが福祉国家であり、昔に比べれば国や自治体が費用を負担する事柄は、年々増えていると言ってよいでしょう。こういう当たり前の話をそのまま述べても説得力がないので、わかりやすいデータも示そうと思いました。いろいろ探しているうちに、山本一郎氏の「年収890万~920万ないと社会のお荷物なのか」という記事を見つけ、ご本人にも許可をいただいて番組で引用しました。

 

以下、その引用をした発言の前後の文字起こしを掲載します。

 

「人が好きなことをやっていると、どうしても、提供されないサービスが世の中に出てくるんです。社会的なサービスにはどうしても、穴が開くんですよ。そうすると、恐ろしい世の中になりますよ。皆さん、思っている以上に、日本社会の恩恵を受けているんですよ。趣味だけで、これだけの道路網が発達するか、国防はどうなのか、警察はどうなのか。」

 

出演者

「趣味っていうワードが出ましたけど、趣味っていうのはあくまでお金を稼ぐ手段ではないわけじゃないですか。ちゃんと趣味でお金を稼ぐって決意があった上で、すべての国民が空白のスペースに対して、でも俺割とここなら好きなほうの上の段階だし、もっと俺の好きなことでは上の段階の人もいるけど」

 

「でも稼げないですよ。道路造っても、橋造っても誰もお金払ってくれないですよ。みんなの利益にはなりますが、それに対してみんなお金を払おうとしない社会的サービスが山ほどあります。確かにゴミ袋は有料ですが、ゴミを出しておいてもっていってくれなかったら怒るでしょう。なんでゴミが残っているんだ、って。でも、ゴミ一つ処理するんだって、大きな焼却場が必要です。その費用を、誰がお金出しているのか。そんなものをみんなのために造ろう、造るのが趣味だって言う人は限られますよ。」

 

出演者

「それはどうして。」

 

「それは我々が非常に社会的なコストがかかる暮らしに慣れちゃっているからですよ。

そういう社会的コストを考えると、これは、ある人の試算ですけれども、年収で890万から920万ないと足りないと、きつい言葉で、社会のお荷物だって書いている人もいるんですよ。これは、子どもがいるかいないかとか、いろんなことで変わってくる額です。たぶん独身の皆さんはもう少し下がるとは思いますが、我々は、非常に社会的なコストがかかる暮らしを、当たり前のものとして享受することになってしまっているので、今のシステムを維持するのは大変なんですよ。満員電車で運ばれてブーブー言いながら働いて、それで給与明細見て、うわ、また引かれてる、なんでって、辛い思いしながらも頑張って働いている人たちが、この社会を支えている部分って結構大きいんですよ。」

 

 

そしてその時の画像がこちら。

(引用元;毎日放送「林先生が驚く初耳学!」2019年1月6日放送)

 

 

文字起こしを読んでいただければ、私が「年収890万~920万ないと社会のお荷物」だ、などという断定を、一切していないことを明確にご理解いただけるでしょう。なお、この文字起こしの内容に間違いがない事は番組も確認済みです。この場面で僕が伝えたかったのは、「我々は社会的コストのかかる暮らしを送っている」ということだけです。「年収890万」云々は「社会的コスト」がかかることを示すための単なる修飾表現でしかありません。これが問題になるなら、「鬼のように恐ろしい」といったたぐいの修飾表現がすべて攻撃対象となり、何も言えない状況に陥ってしまいます。また、許可を取って引用させていただいた以上、原文の文言を変えることもできません。はっきり言いますが、僕自身は、「年収890万~920万ない」人が、「社会のお荷物」であるとはこれっぽっちも考えていません。そんなことを、テレビを通して発言することなどあり得ません。引用した時点で賛成していることと同じだという意見も見かけましたが、そんなことを認めたら、多様性豊かな今の社会に存在する、様々な意見さえ紹介できなくなります。これが暴論であることも明らかです。

 実際の発言は上記のようなものだったので、当然、番組放送時には僕のもとにはクレームは一切届かなかったし、実際に出てくれた彼らからのクレームもありませんでした。(実は参加者の一人からは、「頑張って働いています」という年賀状を今年受け取ったほどです)

 ところが、数日経ってネットに上がった画像は、そのあたりの事情を一切カットして、いかにも私が上記のような発言をした、差別的な人間であるかのような扱いをしており、それを見た方々が私を叩き始めたのです。

 ただ当初は、実際に番組を視聴してくださった方が、事情を説明して穏やかに収まることが多かったので、しばらく様子を見ていました。そしていったん収まったかのように見えたのですが、しばらくたつとこの写真をSNSに挙げて、様々な誹謗や中傷を繰り返す人々が定期的に現れるようになったのです。放送から、もう4年経っています。さすがにもう出てこないだろうと思っていても、いまだに現れるのです。

 しかも、時が経つにつれて、かつては存在した、実際に番組を見てくれた「擁護者」はいなくなり、誹謗や中傷だけが独り歩きするようになりました。時が過ぎれば、忘れられるだろうというこちらの読みは外れました。

 

 

 最近では、もはや画像もなく完全に私の発言として、つまりは私を差別主義者として扱う発言まで横行したり、あるいは以下のような悪質な編集のなされた画像までネット上で拡散されるようになりました。

 

(引用元:Twitter「じぶん」@eA07i0okyfQRshU、「ハリー」@sbm2657)

 

 見ていただければ明らかなように、この画像では元々あった山本一郎氏の文章からの引用を示すテロップは削除されて、いかにも私自身の発言であるかのような「編集」がなされているのです。悪質で、攻撃的な切り抜きであることは、誰でもおわかりになるでしょう。これらの5枚の写真の順序も入れ替えてあり、捏造された虚偽事実を広めて、私の名誉を侵害していることは明らかです。もともとの放送を見もせずに(見た上でやっているなら、悪意はより明確です)こういうことを行う人間が、いやしくも法治国家である日本で野放しにされていて、よいのでしょうか? さらに驚くことに、第一次情報=つまりはもともとの放送を確認することもなく、この悪質な切り抜きを信じて、僕を批判する人が多数現れたのです。安易な情報操作に踊らされる人がこんなに多いことには、憂慮の念を抱かざるを得ません。

 

 繰り返しますが、「年収890万~920万ないと社会のお荷物」という見解は私の見解ではありません。それにも関わらず、あたかも私の見解であるかのような虚偽事実を投稿することは、私の名誉を侵害するものです。ここまでエスカレートすると、さすがに何らかの措置を講じる必要があると判断し、所属事務所とも相談の上、名誉毀損として警察に何度も相談しています。さらには、弁護士の先生にも相談し、訴訟の準備も進めています。

 

 私のように、多少は知られている人間が行動を起こすことによって、軽い気持ちで人を傷つけるようなことが少しでも減れば、という思いもあって今回の決断に至りました。確かにSNSは便利です。しかし、使い方を誤れば鋭利な凶器にもなることを再認識していただきたく、今回のご報告となりました。ご理解たまわりますよう、よろしくお願いします。

 

 

 

 
 
 ちょっと前になりますが、一年待ってようやく見ることができました。面白かったですよ。今回のゲストの浜辺美波ちゃんは、上手かったですねえ。今後の彼女の多方面での活躍が、ますます楽しみです。まだ観ていないというライトなファンの方がいらっしゃるなら、赤井ファミリーの相互の認識状況を確認してからご覧になることをお勧めします。(もちろん、コアなファンの方は不要です。)
 
 ただ、初体験のドルビーは、オヤジには少しきつかったかな? 席が前過ぎたせいもあるでしょうが。
 
 
 現在、残念なことに地域によっては、上映が中止されているところもあるようです。僕が観た時は、全員マスクを着用してたうえで、当然のことですが、皆が同じ方向に座って、ほぼしゃべることもなくスクリーンに集中していました。あの状況で、どの程度の感染リスクがあるのかというエビデンスを知りたいところです。まあ、人が動くこと自体がダメだということなんでしょうが。
 
 
 
 最近の世の動きを見ていると、正確な情報、エビデンスに基づいて判断し、行動するよりも、情緒に動かされているのではないかと思うことがしばしばです。そう、情報社会ではなく、かなり不安定な
 
情動社
 
 
になっているような気がしてなりません。似たような状況は過去にもあったように思うんですが、 この閉塞的な状況を、理性的に乗り切っていきたいものです。