ジャミラ!  
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MATA / M.I.A. 10年ぶりに現れたなぜ

 

化石状態のアメブロにおよそ10年ぶりにそしてオモムロに投稿する理由ったら私の魂のルフランことマヤさんたらないよね。

日本語でこのアルバムをレビューされているのがあまり見かけられなかったのでこれはおよそ20年間追いかけ回し続けているジャミラが一筆フルうっきゃねえ。

 

10年の月日を経てブログが進化しすぎてもはやどう編集したらよいのかすらわからない浦島おじさんだけどいっくよー!

 

なんてったってねえ、「もう音楽はこれでおしまい、最後のアルバムよばいちゃ」と2016年リリースのアルバムAIMでさよなら引退宣言してからこの時までどれだけ待ち望んだことかという思い入れの強さがまず前提としてございます。わたし待つわいつまでも待つわってあみんが待ち始めてからちょうど今年で40年、流石にそこまでは待っていないけれどそれでも6年待ったわ。

 

そんな世界中の音楽ふぁんが待ち侘びたマヤさんのアルバムレビューに取り組む前に、重要なキーポイントをおさらいしておきましょう。

 

MATA WOTA(ヲタ)の掟

 

掟其の壱 マヤとバーチャルおしゃべり

ロックダウン中に私ジャミラ、縁あってマヤさんのライブストリーミング最中お喋り相手としてピックアップされ、約20分間にわたって生の会話をしました。筋トレを終えて汗だく状態でみすぼらしいけどこの千載一隅のチャンス逃すわけにいかねえ!

ずーっとね夢を抱いていたわけですよ、いつか会ったらすごい深い話するんだ、音楽的な質問とかしちゃうんだ。

そうは問屋が卸してくださいませんでした。キンチョーのあまりジャミラの口から出たのは「お母さんはお元気ですか?」知り合いでもないのに。「スキンケアは水だけって本当ですか?」   時よ止まれええええ!!!巻きもどれええええ!!!

 

掟其の弍 Antivaxer(反ワクチン)なの?

アルバム発売の二日前に、とてもマヤさんらしいと言えばらしいんだが普通のアーティストなら売り上げに影響が出るからまず触れない話題、ワクチンについてツイートし炎上。アンティヴァクサーのレッテルを貼られて世間からはこいつ終わってんナみたいに叩かれてました。ここ数年のキャンセルカルチャーったらどうしようもない。自身が過去にワクチンで酷い副作用を体験したこと、驚くほど短期間で巨大なコーポレーションが開発したキチンと検証もされていないものを体内に打ちたくないというのが真意で、ワクチンを打った人を決して責め立てるようなスタンスではありゃせん。自分は3発打ち終わってま寿司、必ずしもマヤさんの言うこと全てに同意するわけではないですが、大切なのは「あーこいつはもうダメだ」とシャットダウンするのではなく、対話するヘッドスペースを持つことなのです。

 

掟其の参 俺たちズッ友?

COVID以降ヴァイナル(アナログレコードね)収集という新たな趣味が開花、それをひたすら羅列して悦に入るというインスタアカウントを設けているのですが、マヤさんに関する投稿を続けていた先週、ご本人からフォローされわたしイッたわ。彼女のアカウント、フォロワー100万人いるんですがフォローしているのはわずか630人(しっかりチェック)、そのうちのひとりに仲間入りしちゃったるんたった。これわもう今度こそ「おかん元気してるー?」てタメ口で聞けるズッ友公認ということでいいよね?

 

         

 

前置きがかなり長くなりましたが10年ぶりだから許してよ。さあ行きます個人的レビューTrack by Track。

 

1. F.I.A.S.O.M. pt. 1

仰々しいノイズ、お決まりのガンサウンドに始まり、それと対照的に子供たちのChoirで静かに終わる。MATA ERA(時代)の幕開けお前ら待たせたなそーら行くぞーという奮い立たせ感満載。

 

2. F.I.A.S.O.M. pt.2

Freedom Is A State Of Mindの略、State of Mindとは「あたいの今のムード、ヴァイブ」といった意味合いなのですがFIASOMはフィアサム(Fearsome 恐ろしい)とも読めちゃう相変わらず言葉遊びの巧みなマヤさん。同じくタミル人でスイスを拠点に活躍する新進気鋭のアーティスト、Priya RaguがFreedome is a state of miiiiiiindとシャウトしています。プリヤラグーとも一度お話する機会があったのですが、とても謙虚で美しいお方だたわよ。

 

3. 100% Sustainable

コンセプトがビョークのMedullaアルバムを彷彿とさせる、人間の声と手拍子だけで構成されたシンプルな曲。タミルの遊び歌に被せて気だるくラップするマヤさん。

 

4. Beep

サードシングルとしてリリースされた曲。You can be who you wanna be と連呼しているのはこれまた新進気鋭モントリオールから飛び出たムスリムシンガーMustafa。(彼はブレ子(ジェイムスブレイク)ともコラボしてて素敵なので聴くがよし)

トラックはRex Kudo(工藤さん。その名のとおりハーフジャパニーズのプロデューサー)、スクリレックスパイセンとリックルービンプロデュース。爆音で流しましょう。

 

 

5. Energy Freq

タミルビートがそれとなくBirdfluを思い出させる一曲。

 

6. The One

ファーストシングルとして5月ぐらいにリリースされてから聴き続けてますわたし。数年前からインスタでクリップをチラ見させてたその全貌がようやく明らかにされてああうれし。ジーザスのビジョンを見てクリスチャンとしてのアイデンティティを再発見した己の体験がリリックに散りばめられていますがなんてったってキャッチー。

 

 

7. Zoo Girl

こちらもデモバージョンがYouTubeにアップされていてずーっと聞いてました忍耐強く待ちながら。オフィシャルバージョンはテンポが速くよりバンガー色の濃くなっています。今んところこのアルバムで二番目にSUKI。

 

8. Time Traveller

鬼才ファレルがプロデュース。ファレルの楽曲は個人的に当たり外れがあるんだけどもこちらは当たりのガリガリ君もう一本★

シンプルなベースに囁き気味のマヤさんのラップがMAYA収録曲LOVALOTぽくて聴けば聴くほど味わいが増します。

 

9. Popular

セカンドシングル。何も知らない方が歌詞だけをきくとなんじゃこの自分大好きなやつは・・・と誤解を招きそうなのですがミュージックビデオをご覧ください。ソーシャルメディア、AIに翻弄される現代人をサーキャスティックに揶揄しています。

マヤさん風レゲトン。

 

 

10. Puththi

タミル語でどうやら「知恵」を意味するらしいこのトラックは、またしても新進気鋭(他に表現方法ないのおじさんたら)のたみる人アーティストNavz-47をフィーチャー。地味に嬉しいのがマヤさんもおそらく初めてタミル語で歌唱しているトーコーロー♪

 

11. K.T.P. (Keep The Peace)

個人的フェイバリット。いっちゃん好き。Yeah Yeah Yeahsの名曲Mapsのギターリフをサンプリングしたこの曲。なんだかこのメロディとリリックを聴いて涙ちょちょ切れそうになりました。「Cause you're fighting in a place that's already won / I'm not gonna ask you where you got your gun /  You're hiding in a place that's already found / Hope you'll realize this fakeness don't count」という部分がパレスチナ、ウイグル、タミル、クルドとかの弾圧されている人々に対するエールと解釈しちゃったんだもの。

 

12. MATA LIFE

シンプルなトラックにEffortlessなラップをのっけて波に乗るようなスタイルはさすが20年選手。

 

13. Marigold

Lil Uzi Vertがバックボーカルとしてフィーチャー。アルバムのシメとしてピッタリな絶望の中に希望を見出すような曲です。

 

 

ともかくお聴きなさい。

 

 

BRING THE NOIZEうぇうぃらなぽんねーむ!!!

$ジャミラ!  

何の脈絡もなく突然更新するのは世の常このブログの常。
そして更新をかきたてるのは言わずもがなマタンギさん。

http://www.youtube.com/watch?v=cCkIYkaLBGs

このご時世に埋め込みができないくそあめぶろさんのおかげでとても
オーソドックスにURLだけのっけるという荒業で

少し前にアップされたKENZOのパリでのファションショー用MATANGI MIXの後半に
登場するマヤのリリックが盛り込まれ、かつこれまでに突如ツイートされていた
内容も盛り込まれ、曰く自身一番おきにのワンピ★なみに気に入っているトラックらしい。
愛も変わらず格好いいな畜生。髪の毛をピンクに染めてピンクのルージュに純白のスーツ
着こなしたくなったのはここだけでもない話。多分THE虎舞竜みたいな雰囲気になるのね
わしがやると。

http://vevo.ly/19CSpve

もうともかく全部キンキラキンにさりげないバージョンも公開されました。

そんなこんなで去年から延期に延期が続く新作のリリース、今度こそ秋を予定していて
さらにサマソニで来日だってばよってもう日本にいないわしへの嫌がらせこれは政府をあげての
嫌がらせに違いないってHGMS被害妄想に陥ったこともあったんだけどね、

ふふふ

米国で彼女をついに拝めるときがきたんですしかも二日連続。前回生マタンギを拝んだのって
ARULARの来日公演だもんでもうかれこれ7年ぶりになるんですきっとね吐血する。

わたし吐血します。

羽根を伸ばしにいったら肩こった

朝6時。窓の外は今どうなっている・・・気になるがまだ嵐が続いていたらと思うと躊躇してしまう。とりあえず二度寝をしよう。

7時半起床。よし。意を決し外の景色を・・・あ、あわわ・・・


晴れてはる・・・!


なんなら雲の切れ間に青空のぞいてるじゃないか。今こそ太陽に感謝ーーーーぁ

もういてもたってもいられず、歯を磨いたかと思いきや荷造りをしてみたり、部屋を片付けたかと思いきやインターネットをしてみたり、今すぐにでも出発したい気持ちを必死でおさえ、ジョエルの登場を待つ。

用もないのに海沿いの公園へ出かけ、波、落ち着いてる、ヨシ!と一人指さし確認をする。
10時頃ようやくジョエルがやってきた。「ジャーミラー。」やったね。俺やったね。こりゃ今日出られるでしょう。「飛行機も飛ぶっしょ」しかし昨日のチケット使えるかな。「使えるっしょ」

「じゃあ11時半に出発しよう、ちょっと泊まり客に飯作らないといけないから」わかった。何から何まですみません。

11時半。ジョエル来ない。

んあーー今すぐにでも駆け出したい抜け出したいむき出したいこの気持ち。

12時すぎにようやく来てくれ、とっても身軽な荷物を背負い空港へ。さあ、今度こそマリンドゥケとお別れだ。

空港に到着、「うん、飛行機きてないね。」・・・。しかし昨日とは何かが違う。車がある。人がいる。職員がいる!

倉庫に毛が生えた空港のチェックインカウンターというよりも、宅急便屋さんの受付のようなところで、かくかくしかじか昨日の嵐で乗られなかったクチで・・・と説明する。「ホールドオン。」ちょいとお待ちと

なにやら周りの人から情報を得たジョエル「うんとね、今日はもともと今日の日付で予約してた人で満席らしいよ。その上ジャミみたいに昨日乗られなかった人達がいるから・・・席ないと思うって・・・。」

席ないと思うって

そ、そうか。じゃあ仕方がないボートで帰るっきゃなかろう。まあひとまずはホールドオンの回答を待とう。

んが、スタッフがホールドをオンしてから一向に自分の予約状況を確認している素振りを見せないので、今一度急き立てる。思い出したかのように予約番号と名前をメモにとり、メインオフィスに連絡をとっている。

この空港に予約状況を確認できるシステムはない。宅急便の受付の裏側でパソコンをかたかたいじっているのかと思いきや、あ先生これ出席簿?と思わず手を挙げてジャミラ来てますと答えたくなるようなアナログな帳簿を鉛筆と消しゴムをもってして操っていた。

ねえやっぱEチケットって、プリントアウトしといたほうがいいかな?と少し心配してジョエルに二回ほど質問した自分がちょっと恥ずかしい。

しかしなかなかメインオフィスからの回答が来ない。ねえ、そんな焦らさなくていいから、乗れるか乗れないかだけ教えてよとっとと。もう焦らされるのはごめんなんだ。

電話がかかってきた!スタッフが何やらタガログ語でしゃべっている。少し笑みを浮かべている。え、どうなの。

その後、ジョエルとスタッフもタガログ語でわさわさっと会話。


え、どうなの!!!


「ラッキーユー。乗れるって。」ヤターーーーー!!!「はいどうぞ、搭乗券をお渡しします。」

なんじゃこの頼りない手書きの搭乗券!!でもね、いいの。ええんや。ええんやで。わし、搭乗券もろた!!!

ありったけのありがとうをジョエルに告げ、来年また日本で会おうなとハグをして別れ、待合スペースへ。一応手荷物検査も行われたがバッグを開けてチラ見でおうけいだった。爆弾持ち込み放題。

ここまでくれば安心だ。予定より一時間遅れたがかまやしない。私は、搭乗券を持っている。すみません奥さん、僕、搭乗券を持っているんですよ。

ジャミラ!  

マニラから飛んできた、ZEST AIRという航空会社の、緑とオレンジ色の機体がついに姿を現した。荷物を積み込み、60席に満杯の乗客も乗り込み、いざマニラへ。

さようならマリンドゥケ。青く透き通った海も、色鮮やかな魚も見られなかったけど、19年ぶりの大洪水を見ることができたよ。ありがとう。きっと忘れない。忘れたくても忘れられないこの歯痒く切ない一連の出来事。


小一時間でマニラに到着し、国際線ターミナルへ移動。某ジェットスターに今朝乗られなかった理由等々を説明しに。が、ここにはオフィスがなく、チェックイン時にカウンターが開けられるのみとのことで、別のオフィスのスタッフが電話をかけさせてくれた。

あの、今朝東京に発つ予定だったのですが嵐に巻き込まれ乗ることができませんでした。航空券を日付変更扱いにすることはできますかね?それとも全く新たに買いなおさなければいけないでしょうか。「ちょっとお待ちくださいね。確認します。」

「アイムソーリー、やはり、払い戻し不可のチケットなので、全くもって新しいチケットを買わなければいけないようです。」そうですか、じゃあまたオンラインで予約すればいいのですか?

「このまま電話で承りますよ。」とのことなのでそのまま購入。完了。

電話を貸してくれたスタッフに例を言う。やっぱり払い戻し不可だったというと、「ジェットスターですからね。」と笑顔で返された。アハ

ようやく帰国の目途が立った。よし、ではそれまで街へと繰り出しましょう。なんせ、荷物が少ないものですので。

空港近くにSMという巨大なモールがあるとジョエルに聞いていたのでそこを訪れてみることに。タクシーで200ペソ(約380円)位と言っていたが、どうにかすればバスで行かれるはず。と尋ねてみると、「バクラランまでいって、そこから黄色いジムニーに乗っていけばSMだよ」とのこと。

言われるままに空港外のローカルバスをひっつかまえて、これはバクラランへ向かいますか?「ハハ、いくよ」何故か集金係の青年に微笑まれた。乗り込む。

念のため、隣にいた乗客にも、バクラランまで、大体どれくらい?と再確認。「15分ぐらいよ」よし。

夕方のラッシュ時で混雑していたが、本当に15分位で到着。集金青年が「バクラランやで」と教えてくれた。降りるとすぐ目の前に、「SM行き」と書かれた黄色いジムニーを発見。なんと簡単な!

つくづく、どこでも英語が通じちゃうフィリピンにありがたみを覚える。

噂のSMに到着。ぎょ・・・巨大。近隣の若者やファミリーがこぞって集っている。とりあえず軽く散策をし、屋台でケバブロールと、ブコというココナッツジュースの類とマンゴーをミックスしたシェイクをいただき、モールの内部へ潜入する。

ジャミラ!  
何故か花火があがっていた

まあ、どこの国へ行ってもモールはモールだ。同じようなセレクトショップやらグローバルスタンダードな店が軒を連ねている。エアコンもぎゅんぎゅんに効いている。

スーパーで軽く土産物を買い込み、ネットカフェでEチケットをプリントアウト(格安航空会社の国際線なんかは、プリントしたEチケットを持っていないとペナルティ的に別料金を徴収されることもあったりなかったり)。

適当なレストランでピザとパスタを食べ、クリスピーなんたらとかいう有名なドーナツチェーン店で残ったペソをどばっと使い、ホットコーヒーとウィフィーを楽しみ、夜22時過ぎ、空港へと舞い戻る。

これまた簡単に空港直行のバスをひっつかまえることができた。12ペソ(約20円)。

出発フロアにベンチを発見、トイレで歯磨きと洗顔、着替えを済ませ、この日記をタカタカとしたため、アップロードするに至る。

あとは朝までここで不貞寝をかまし、飛行機が予定通りに飛んでくれさえすれば、この旅も終わりだ。

最初から最後までトラブルだらけであった。短期間でこれだけのトラブルに巻き込まれることは、我ながら稀だ。やはり、短期間で旅なんてするものではないという思し召し的何かととらえることにする。

もう短期間での一人旅はすまい。ということは、長期間、はいそうなります。そしてもう、雨季と知りながら離島を目指すことはすまい。







では、オススメの雨季の島あったら教えてね。





ウィフィ満喫度ナンバーワンのフィリピン、これにておしまい。

19年ぶりの洪水に 巻き込まれたのか 呼び寄せたのか

ジャミラ!  


8時起床。何やら不穏な響きがしていたのは朝6時の時点で気づいていた。気づいてはいたが、目をそむけ、まさかそんなと知らぬふりをしていた。

しかし、どうやら来ちゃったみたい。

台風。

横殴りってこれダヨ!と言わんばかりの横殴りの雨。確か今日は、木曜日。確か今日は、僕がマニラへ戻る日。ちょうど2日前に、何やら船+バスの7倍もする飛行機のチケットを入手していなかったっけ。

どうしてくれよう。

大体こうなることは分かっていたのかもしれない。それを証拠に、帰国したその日の夜に観に行く予定の舞台のチケットを、友達の分はしっかり先に郵送して渡しておいたのだから。

勢いを増してゆく台風。10時過ぎにジョエルも現れ、「なんかどんどん素敵な感じになってきてるね。」と笑顔。ありがとう。「今海は、シグナル2になっちゃったから、ということは船は完全に出ないっていうことなんだ。」ああ、そうかい・・・。

「でも飛行機は波が高くたって関係ないから、まだ可能性はあるよ。ともかく12時半に空港にいってみよう。」そうだね。

先手を打つべく、翌日の舞台はもうほぼ諦めたうえで友人に連絡を取り、それでも7,000円もした飛行機に一縷の望みを託し、ジョエルの車でいざ空港へ。

うんやっぱりこんな感じ。俺が外に出ようとするとね、ザザー来るの。「ほんとだ。」車へ乗りこむだけでもびしょ濡れになる。ここガサンの町から空港まではほんの10分程。降りしきる雨の中、途中の町へさしかかると

軽く町が冠水してるじゃあないっ

家がびしょびしょになってるよ。

ああもうこれは完全に、台風に見舞われたクチだなあ~といつものことながらやるせない気持ちになる。そして空港へ到着。分かってたよ、分かっちゃいたけど望んでいたよ、そこに飛行機の待っていることを!


無人?


入口も半分封鎖された状態で、知らない人が通りすぎてもただの倉庫だとしか思わないだろうほどに空港感が失われていた。が、そこに第一村人発見!こんにちは、飛行機はどんな感じですか?

おいお前ら冗談だろ、という含み笑いを持ってして、唯一いた空港職員に「うん、ご覧の通りキャンセルだよ。」とあっさり返された。ありがとう。

「まあさ、ともかくやるだけやったよ俺たち。ハッハ!」ジョエルこいつ何か楽しそうにしてるよ。でも、ありがとうわざわざ空港まで走らせてくれて。「今日は完全にデイオフだな!やったー!帰って屋上で雨に濡れて酒でも飲も」やはり楽しんでやがる。

空港へ向かう前に、「おお空港いくのか!気をつけてな!シーユー・・・」スーン!と同じタイミングで互いにスーンと言いあったジョエルの叔父さんにも、別れて20分後に再開した。

ホテルにいても停電で何もできやしない、本も謎のアフリカ史しか持ってこなかったので、退屈のあまり、雨が少し弱くなった頃海沿いの公園へ足を運んでみた。

もしかしてこの調子で雨やんで今日船出ないかな~などという呑気な希望的観測とともに。

海、大荒れですやんかあ

山から流れてきた川が氾濫して、泥の洪水と化して海へと注いでいるのだが、勢いが凄まじく、こりゃ落ちたら死ねるね。と恐怖を覚えてみていると、その上の頼りない吊り橋を、渡ってる渡ってる。村人が一堂に会して渡ってる。

「ようジャミー!」ジョエルの知り合いの近所のおっちゃんがいたので一体全体どうしたものか尋ねてみると、「橋の向こう側のみんな、家浸水しちゃって避難してるんだよアハハ。ところでジャミ今日帰るんじゃなかったっけ?」うんそうですよまさに今日帰る予定だったのですが、「残念だなー俺の友達のタカヤはちょうど水曜にマニラに戻ってたからラッキーだったぞ!アハハ!」おっちゃんに追い討ちをかけられる。

が、本当に笑いごとではないほどに海が荒れていて、びしょびしょに濡れた家族がありったけの家財を持って逃げ出している。帰国できず、翌日の舞台を観に行かれない、飛行機のチケットを買いなおさなければならないなんてことは大した問題じゃなかろう。

そんな中でも子供達はびしょ濡れになって楽しんでいる。あの活力はどこから沸いてくるのか。若いっていいよね。


ホテルに戻ると、家が浸水した人達がディスコ用のスペースに避難していた。ジョエルが場所を提供したらしい。そして、お粥の炊き出しまで。子供達は非現実的なイベントを楽しんでいるようで、お粥めがけて列をつくってきゃぴきゃぴとはしゃいでいる。

ジャミラ!  


子供達にカメラを向けると2秒で集まり、ポーズを決め始めた。この屈託のない笑み。これが見られただけでも、嵐で島を出られなかったことに感謝したい気分だよ。



早く出たい



もう一度外の惨状を写真におさめておこうと、海の方へ向かうと、昨日一緒に遊んだボイェットがいた。「あっちは大変なことになってるよ。写真とりにいく?」いく。吊り橋を渡り、浸水した集落を歩く。川に沿って建てられていた街灯が崩れ落ちて海に流れていく瞬間を見た。今でこそ少し水がひいているが、さっきまでは家の中にまで洪水が及んでいたらしい。

山から流れ出てきた大量の土砂を含んだ水が川となり、それが海へと向かい、浜辺から100mぐらい先までは土色になっていた。単純にそれだけの量が山から運ばれてきたということだろう。

集落を奥へと進むと、道がまだ冠水していて、テレビでよくみる光景そのものになった。「フィリピンで洪水 集落が冠水」洪水ジャーナリストになった面持ちで克明にカメラに記録してゆく。

驚きなのは、こんな状況でも皆笑顔を絶やしていないことだ。「写真とっていいよ!」となんなら楽しんでいる風のおじいちゃんに声をかけられた。


帰りに、避難民のためにパンを買って帰るというので、少額ながらカンパをさせてもらい、ホテルで配る。ますますテレビでよくみる光景。

町まるごと停電しているのだが、このホテルはジェネレーターがあるので皆安心して寝られる。WiFiも使えるというのがもはや奇跡だ。

夕食も炊き出しを行うというので、キッチンへ潜入、パンスィットという春雨ヌードルを使ったスープを作るらしい。洗い物程度お手伝いをして、出来上がったら巨大なパンに入れて、皆のもとへ。

また子供達は嬉しそうに列を作って騒ぐ。外の台風は一旦落ち着いたと思いきやまた強さを増し、雷もだんだん近づいてきているようだ。

ジョエルの叔父さんのギルは、「こんなの生まれて初めてだよ。ジャミは本当に凄いタイミングで来たなおい。でもこうやって皆で助け合うって・・・ちょ・・・素晴らしいな・・・なんか泣きそうだよ・・・」そう目を潤ませていた。確かに、僕にとってもこんなのは初めてだ。3.11の被災地にも訪れたことがなかったため、炊き出しというもの自体初めて体験した。

失ったものももちろんあるけれど、それと引き換えに得られたものも大きい。
夜が更け、嵐が去ることを願いつつそれぞれ眠りについた。






とシメたいけれど、本当はあー今頃マニラの空港にいて、明日の朝の便で帰ってたはずなのになあーと、予定通りだった場合の日程を思い描いてちょっぴり悲しくなったりしていたりもした。


基本的に後悔はしない性質だけれど、思い通りにいかないときは地団駄も踏む。腹も減る。


腹、減った・・・


そういえば飯を食らうのを忘れていた・・・


部屋に残された50ml程度の水で明日の朝まで耐えよう。普通飯、忘れるかなーなんでかなー!

雨にそぼ降られ 島内一周

ジャミラ!  

今日はジョエルも休みで、「車で島巡りしよう。ナイスビーチもあるからゴーグルやら足ヒレももってきたよ。ビールも氷つめて用意した!」とかなり楽しそうな雰囲気。

雨降ってるけどね

雲が途切れ途切れ町を覆って通り雨に降られる、という熱帯性気候の土地にありがちないわゆるスコール。

には全く見えないけどね

大体いつもこう。自分が天気に対して晴れを望むと、大体こうなる。洗濯物を干しにベランダにでてもパラつく。

はるばる日本からマリンドゥケくんだりまでやってきた僕を哀れんでか、ジョエルの友達のボイェットも一緒にきてくれた。

いざ出発。ザーーーーーーー

降ってるね。とっても。

ぐるりと東周りに走っているらしく、比較的舗装されたきれいな道を、海沿いから山へ入ってゆく。昨日ジョエル達がバスケで戦った相手の町、ブエナビスタを通過する頃には、小雨になり、やがて止んだ。それだけで嬉しい。

2時間程走ったところで、ポイットだかポイコットだか、という名のビーチに到着。砂浜が広がっている。水着に着替え、ビールで乾杯をし、海へ。

ザッブーーーーん?


浅。


遠浅もよいところの遠浅。なんだか悲しくなり、ここで足ヒレなどつけた日には、いたたまれなくなってしまいそうなので、水遊び程度にとどめて陸へ上がった。風もあり少し肌寒い。

しばらくビーチでまったりと過ごし、「じゃあ、いきますか」と車へ。また山道をぐんぐん走る。車の揺れとビールの酔いでばっくり眠りこけてしもうた。

起きると、サンタクルスという町へ到着していた。ここで飯を食らうとのこと。ちょっと太めのうどんのような麺が入ったスープをいただく。卵スープにうどん突っ込んだ感覚。美味い。病床に伏しているときなどによさそうだ。

「あそこでインターネットしてる子、男か女か分かる?」見た目完全に女なのにそう聞いてくるってことは男なんだろう。「正解です」タイもそうだが、フィリピンにもニューハーフは多い。

シンガポールより大きいとは言えど、小さな島なので、隣町へ行っても、その隣町へ行ってもどこかしらで親戚ないし友達に出会うらしく、あちこちで挨拶を交わしていた。

そして毎月毎週、どこかの町でフィエスタ(お祭り)が催されていて、そのフィエスタの日にその町へ行くと、どこへ行っても、どの家へ侵入しても、タダでご飯が食べられるそうだ。
なんとも楽しそうなフィエスタ。ホームレスの方々はみんなフィリピンに来た方がいいんじゃないか。

そうやってご近所さんと同じ釜の飯を分け合い、親交を深めるなんて行事、もう東京ではほとんど見られないのだろうか。

夕方頃にガサンへ帰り着き、ちょっと仕事ができたジョエルと別れ、屋台で焼き鳥を買い海沿いの公園へと歩く。

夕焼けだ。

島巡りも佳境、をこえてとっくに終わったこのタイミングで、晴れ間をのぞかせるお前って一体誰だ。

夜はまたジョエルのレストランでグリルチキンをいただき、ジョエルがどこからともなく仕入れきた卵を食べた。


開けると孵化したアヒルが入っていた。


うぎゃああ。


中国では何度も見かけていたが、まだ食べたことのなかった孵化した卵。せっかくなので、いっただっきまーす。


モム。


うん、別に美味くはない。が、これで孵化した卵がどういった食感でどういった味かを説明することができるようになった。

「何事も試してみなけりゃ分からない。試す前から決めつけたり、どうしてできる?そんなのろくなもんじゃない」とシリアで出会ったレバノン人の密輸密造おじさんが言っていたのを、ふと思い出した夜だった。

負けられない戦いがある それを端から、みる

ジャミラ!  


停電も早朝4時頃には復旧し、8時すぎまでゆっくりと眠り、さあ今日は何をしてやろうか、バイクでも借りてぶいぶい言わせてやろうか。逸る気持ちをおさえこみカーテンを開けると

う、うぅーん。うーんむ。引き分け!ひき割り!

どう反応するのが良いのか、こちらの出方を問われているような、いわゆるにわか雨。太陽は照っているのに、安いドラマの放水車のような霧雨が降り注いでいる。

出方に困ったので、とりあえずホテルの前の屋台でフライドチキンとカプチーノシェイクを朝食にいただく。ジョエルも登場。「今日はバスケの試合があるんだ。マリンドゥケ内の町対抗戦なんだよ。ジャミもよかったら観に来る?」いくいく。

14時にマリンドゥケの中心地ボワックで行われるとのこと。バイクを借りてみにいこうかな。「そこのバイク屋で借りられると思うよ。」バイク屋までの距離約20m。みるみる、面白いほどに雨が強くなっていった。うん、バイクはやめとこうかなーちょっと気分じゃないかも。午後まではホテルくつろいでみることに。

雨、降るよね。

翌々日のマニラへの帰りは、手っ取り早く飛行機でかえっちゃおう、と普段の旅なら絶対になさない選択をする自分に驚く。船とバスを使う場合は1,000円程度なのに、7,000円、7倍もする飛行機を買うなんて。まさか自分が時間をお金で買うようになるなんて。前は、時間だけはいくらでももっていたのになあ。何にも縛られないでいたのになあ。とちょっぴしの切なさを交えて。

13時頃、チームメイトと共に車でボワックへ。到着すると会場となるコートではまだ子供達がうきゃうきゃとバスケをしており、大会の気配がまるでしない。「腹へったなあ。何か食おうか。」

ウォーミングアップも何もしないし着替えてすらいないジョエルのこの余裕。とりあえず促されるままに食堂で飯を食らう。食べて大丈夫なのか?「そろそろ止めとかなきゃ・・・」といって一旦フォークを置き、少ししゃべったらその流れでまたフォークを掴み、「あやべ、そろそろ止めとかなきゃ・・・」とフォークを置いて少ししゃべったらその流れでまたフォークを掴み食べるジョエル。とまんねえわこいつ。着替えねえわこいつ。

14時も14時、半近くになってにわかに全員お揃いの、黄色いユニフォームに着替えたと思ったら、あっという間にコートに躍り出て、あっという間に試合が始まった。えぇ

対するは隣町ブエナビスタの面々。相手は緑だ。うん、よくわかる仕組みだ。緑が敵で黄色が仲間。ネットにボールが入ったら手を叩けばいいんだ。



・・・


・・・・・。





球技不得意・・・




試合が始まって、選手の友達や彼女だかなんだかの女子達は、ことあるごとに一喜一憂、黄色い声援を送っているのだが、いまいち僕にはそのキャーのポイントがつかめない。座っている位置からはスコアも見えないので、優勢なのか劣勢なのかすら分からない。


都合2時間近く死闘(なのか)が繰り広げられ、最終的に僅差だったのか、アッチが入れたらコッチが入れてキャー、を何度か経て、試合終了となった。


勝っ・・・・た?のか?負けっ・・・・たの?か?


皆の表情は至って笑顔なので、分からない。どうお声がけすればよろしいのでしょうか。
汗にまみれたジョエルがやってきたので、とりあえずお疲れーと日本人的にまずはねぎらってみた。「疲れたー!あっちい。」

で。勝っ・・・・・たのか?

はははー汗まみれじゃんーとどうでもいい返しで様子を窺う。「ちっきしょー負けちゃったよー」

負けてた。



負けたんかい!



試合前のあの余裕っぷりからして相当な強者を思わせぶりだったが


負けたんかい!


「次出てくるチームとは、木曜に試合やるから、ちょっとみてから、帰ろうと思うよ」とのことなので、じゃあ俺は適当にぶらついて、ローカルバスにでも乗って帰るね。と離団。

ジャミラ!  

マリンドゥケの中心地を練り歩く。細い道を通り、坂を上がると教会があった。とくに面白みもなさそうなので素通りをし、そこかしこに散らばる猫の姿や、一輪車で遊ぶ子供を写真におさめ、市場へ。


あの、レイバンのサングラスを100円で購入。


最近のレイバンはつなぎ目にゴム入ってるんだあ



おきにのワンピをゲットした女子よろしくゴキゲンになり、夕焼けに染まりつつある町を歩く。道端ではピーナッツやバナナチップスをおばちゃんが売っていたり、子供がタイヤのチューブを棒で転がしていたり(世界共通)、のんびりとした時間を久々に体で味わっている。

橋の上で得意の自分撮りをしたら、ポーズの決め方が不気味この上なかったりもしたけれど、素敵な黄昏時を過ごすことができた。

薄暗くなってきたころ、フィリピンの最もポピュラーな乗り合いバス、名前を忘れたがデコトラの後部がダックスフンドのように伸びて乗客を乗せられるようになっているもの、に乗ってジョエルのホテルのあるガサンの町へ帰った。

夕暮れ時のローカルバスから、流れゆく風景をぼんやり眺めるこの瞬間。ずうっと忘れていた。


夜はジョエルのレストランで、どのようにこの先うまいこと金もうけをしていこうかという談義に花を咲かせた。野心に満ち溢れたシェフだよ。

重い荷物は、おろす時だよほら 何だって手に入る

$ジャミラ!  


都合10時間近く寝続けた。加齢とともに寝ることにも体力を要し、10時間も寝ることなど滅多になくなっていたのだが、寝続けた。旅の感覚、ストレスのない世界を取り戻しつつある兆候と思われる。

顔を洗い、身支度をして車でジョエルのレストラン兼ホテルへ。そこで朝食をいただく。アドボと、チョウメン(焼きそば)のようなものと、豚肉と豚の血を何かと一緒に煮込んだ何か。血と聞くと怯みがちだが、味は日本人の口にも合うものであった。

その後、「今晩はカップルの4周年記念ディナーの予約が入ってるから」ということで市場へ買い出しに。何が好きって私は市場が好きだ。もう何もかもが入り混じったにおい。

まずはエビと魚、イカを幾グラムか仕入れ、野菜も少々。わらびに似た山菜もあった。あと小ぶりのジャガイモだと認識して素通りしていた物体が実は果物で、パッションフルーツ位の大きさだが実はライチのような触感で、味はグレープフルーツという実にとっちらかった謎めいたやつもあった。

そしてジョエルが野菜をもう少しと仕入れている隙に、驚くほど身軽な僕は古着屋さんへ足を運び、よれよれのTシャツと短パン、そして原色全開のジャケットやランニング用シューズにソックスを、合計13ドル程度で手に入れた。

一体全体自分は何をあんなに沢山の荷物を持ってきていたのだろう。失った今、無くて困るというものが何一つ無い。「あったらいいな」をベースに荷造りをし、くたびれるほどに旅をしていたが、「あったらいいな」は「なくてもいいや」であることに今更気づいた。旅も終わって随分たったこのタイミングでもって。

そういった意味では某ジェットスターのコンテナ丸ごと積み残し事件に感謝すらしたくなる。ジョエルも僕もご機嫌で市場をあとにし、ホテルへ。ジョエルはこれから仕込みに入るというので、部屋で少し休み、早速仕入れた短パン、Tシャツとシューズを装着し、いざランニングへ。

突然のスコールのために、ビニール袋に小銭とiphone、部屋のカギを詰め込み出発。快い晴れの日だったため、すぐに汗がしたたり落ちてきた。ipodを聴きながら、通り過ぎる人達に
「なんかいる。なんか微笑みながら尋常でない汗を流して走っているハゲがいる」と視線を突き刺されつつ走る。

30分ほど走ったところで速度を落とし、そのまま道沿いのビーチへなだれ込む。なにごとかと怪訝そうに見つめる少年達を尻目に、シャツを脱ぎ捨て海へ。足元は石だらけでお世辞にもリゾート風の素敵なビーチとは言えないが、ランニング後の燃え盛る体を冷ますには充分事足りるものであった。

少し先に、ビーチ沿いのレストランがあったので、コーラでも一杯ひっかけようと行ってみる。

営業されてない。

結果ただ人家に不法侵入しただけとなったので何食わぬ顔で道路まで突き抜け、シューズをはき来た道を戻る。そういえば来る途中に屋台のようなものがあったな、寄ってみよう。

あここだ。あの、何か食べられますか?「・・・・。」

ここ、レストランじゃ・・・「ない。」あは、そうですか。

空手の師範代か何かのように沈黙を貫くおばちゃんに圧倒され、それがただの民家だったのか、屋台的要素はあるものの師範代のご機嫌が悪くいただけなかったのか、真相は闇の中である。

もう少し進んだところに、今度こそ屋台を発見。何か、食べられますか?「うん食べられますよ」何を?「これ。」

刻んだ野菜と、刻んだ何かを炒めただか煮込んだだかしたおかず。うんそれ下さい。

辛い。そしてこの刻んだ何かは、あれだ。

臓物だ。モツだ。

もわーんとお口の奥地で広がるモツのかおり。嫌いじゃないがそこまで好きでもないモツ。
が、空腹は最高のスパイスなので、きちんとたいらげた。

アイスクリーム売りがいたので、それアイスクリーム?と尋ねると、「違うわよ。アイスクランボゥよ。」

高らかに宣言された。アイスクランボゥ。って何。

食べてみます。小さなカップに入った、溶けたかき氷のような物の上に、紫色の粉がまぶされている。とっても化学物質的な色だけれど、いただきまあす。

甘い。が、ココナッツ風味のかき氷だ。その名も、アイスクランボゥ。

今晩はホテルの方に泊まらせてもらえるというので、部屋に戻り、疲れて果てた。

そして夜はウィフィーを堪能しながらジョエルシェフの料理をいただき、閑散期なので従業員全員帰宅で無人のホテルに一人寝た。



夜中の停電で扇風機が止まり、暑くて目を覚まし窓を開け夜風を浴びると、そこには町の中心部とは思えないほどの静寂と満天の星空が広がっていた。


と書くと聞こえがよいが実際は暑すぎて水を浴びて全裸のまま窓際に横たえていた。無人のホテルに独り・・・。

ウィフィの飛び交う国に狂喜そして乱舞 どうなった俺の荷物

「明日は8時に出発しよう」とダニエルに言われた典型的日本人は、まさにオンタイムに起床し、オンタイムにあのー、おはよう、8時だね。と申し訳なさそうにダニエルを起こした。何から何まですみません。

いつもなら部屋に着いた途端バックパックをこれでもかというほどに開けっぴろげるのだが、今彼はいない。今、彼は、ここには、いない。

30秒で荷造り完了し、出発。

乗り合いタクシー、そしてタクシーを経てバスターミナルへ。


Jollibeeがこっち見てる。
$ジャミラ!  

このラリった赤いうさぎとの出逢いは初海外で訪れたサイパンにさかのぼる。それ以来影をひそめていたが、いた。フィリピンにいた。うじゃうじゃいた。多分1kmごとにいた。

ハンバーガーセットが1ドル以下。みんなジョリビーの虜だよ。

「Dalahikanてとこまでこのバスに乗ってってね。そんでそこからフェリーに乗ればMarinduqueだから。」おうけいわかったありがとう!これ以上ダニエルに付き合ってもらうのは申し訳ないの極みなので、もう大丈夫だから、赤子の元へ戻ってやってよ。本当にありがとうね!と別れ、バスに乗り込む。

ウィ、ウィフィー飛んでる・・・

公共バスの車内でウィフィー飛んでる・・・

嬉しさのあまり顔をほころばせiphoneを取り出す。つ。トゥナガッター!

間もなくバスは出発し、一路ダラヒカンへ。途中からスコールが降り始め、車窓からの景色も見飽きたので、文明機器を駆使し、skypeで某ジェットスターに再度メールと電話で問い合わせる。

なかなかつながらない上に保留中ずっと宣伝を聞かされるこの歯がゆさ。ようやくつながり、かくかくしかじかで私の荷物がまだ成田にあるらしいから、もう今更マニラに送られても困るので保管しておいてください。

「さようでございましたか。確認いたしますので少々お待ちくださいませ」

ジェットスターのスタータープライスなら、よりお得に航空券を・・・・宣伝やかましわ!

待つこと軽く十分。

「お待たせいたしました。そうですね、昨夜もお問い合わせいただいているようですが、こちらではそういった情報が届いていないので、どうすることもできかねます。」で、成田空港に問い合わせろとそちらに言われて成田空港に電話したら航空会社に問い合わせろって言われたんですね。たらい、回されてる状態なんですね。

「こちらは予約のセクションですので、お手荷物につきましては回答いたしかねます。」それじゃあ手荷物担当の方につないでいただけますか?「できかねます。お手荷物に関しては全てメールでの受付となっておりますので。」あのでも緊急なんですこのまま放っておくと明日のマニラ便に勝手にのせられてしまうんです。もうマニラにはいないのでもし荷物が送られでもしたらどうなるか分かったもんじゃないんです。

「しかしながら私の方ではここまでしか回答できません。」分かりました。じゃあせめてその手荷物担当の方にあなたから伝えておいていただけますか?それぐらいはしていただけますよね?「いえ、私どもは予約のセクションですので・・・」

は?

予約のセクションだろうが、「こっちに電話で問い合わせがあって、緊急らしいので対応お願いします」と伝言することぐらい20秒もありゃできるだろうが。んなろ!

自身もこういった電話問い合わせを受け付ける業務も行っているので、どう出れば響くか熟知している、つもりだ。ここで怒りにまかせてギャンギャンわめくと、相手はくそめんどくせえなこいつ、と手助けをする気力を一気に削がれるのだ。

なので、

ジェットスターさんはよく利用させてもらってるんです。こんなことで嫌な思いをしたくないので、伝えていただけますか?と下手に出る。

「少々お待ち下さいませ。私の回答できる範囲を超えておりますので、確認いたします。」

このマニュアル女が。と思いつつ待つ。ジェットスターは、国内線もおトク、成田から那覇まで・・・だまれ宣伝。

軽く20分。


20分も待たされたこと、ないよ僕。


「大変お待たせいたしました。先ほど担当部署にお伝えしましたので、後ほど担当よりお電話させていただきます。」できるんやんけ!最初っからやっとけい。とは言わず、分かりました。ありがとう。と切る。


煮え切らないやり取りであったが、少し前進。


疲れて眠る。

4時間ほどでダラヒカンの港に到着。入港料を支払い、目的地マリンドゥケ行きの切符を買う。フライドチキンを屋台で手に入れ、かぶりついたりしていると乗船時刻になり、ボートへ。

ウィ、ウィフィー飛んではる・・・

海の上でウィフィー飛んではるよ・・・!

日本よりもはるかに進んだこのWiFi事情。フィリピンを愛し始めている自分。

まだ疲れが残っていたらしく、冷房のゴンゴンに効いた船内で仮眠。
ここでもまたスコールに降られ、きれいな青い海、らしきものは見られなかったが、降り止んだ頃甲板へ出ると、丁度陽の沈んでゆくところで、空が赤く染まり、潮風が肌に心地よく吹いてきた。

ipodをききながら一人で歌っていると、3時間程でマリンドゥケに到着した。辺りは既に暗い。ジョエルが迎えにきてくれている筈だが・・・見当たらない。

おまけにiphoneの充電が切れて電話がかけられない。切符売り場のおっちゃんに、コンセントを借りて電源をつけ、かけようとするがなかなか入らない。んもーモドッカシイ!

「ジャミラー!」あジョエルだ。

いとも簡単に見つかった。約一年ぶりの再会。車に乗せてもらい、ジョエル宅へ。ここまでの経緯、ダニエルに申し訳なかった件、荷物がなくとても身軽な件などを端的に話す。

邸宅に到着。え。

邸宅じゃないかこれ。フィリピン、ここマリンドゥケではブルジョワのポジションにいるらしいジョエル。おばあちゃん達に出迎えられ、シャワーを借り、やっぱり着替えがないので同じ服をまた着て、晩御飯をいただく。

アドボやー!ジョエルが来日時に作ってくれたフィリピン料理、アドボ。チキンを酢やらにんにくやら醤油やらジンジャーで煮たもので、その美味さに自分でも作ってみたらしょっぱくて食べられたもんじゃなかった一品。

一人部屋を供され、まだ21時前だったがジョエルも経営しているレストランあがりで、僕も移動の疲れがどっぷり残っていたので、早々に就寝。



リンリン



電話鳴る。もしもし「ジャミラ様のお電話でしょうか。ジェットスターのなんたらと申します。」あ、はいなんたらさん。「この度はお手荷物遅延でご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。また確認に時間を要しお待たせしてしまいました。」あはい。

「ジャミラ様のお手荷物はやはり成田空港にございまして、メールでもお問い合わせいただきました通り、もう不要とのことですので、こちらで保管をさせていただきます。」あそうですか。よかった。安心しました。ご苦労様ありがとうございます。「あ、ありがとうございます!本当にご迷惑をおかけしました。」はいどうも。




バックパックの生息を確認。



ならばよかろう。ただ一つ、ジョエルの大好きな「メルティーキッス」をお土産に渡せなかったことだけが悔やまれるけれど。来日時、メルティーキッスの美味さにとろけていたジョエルに伝えると「えーまじで!あー残念」と心から残念がっていたので、あとで郵送してあげようかとも思ったが、きっと運搬中にメルトしてどろどろになるのでやめた。

こんなにも身軽にフィリピン

$ジャミラ!  
2010年7月に帰国と相成って以来、幾度となく海外渡航自体は実施されているのだけれど、どれも仕事が絡んでいたり、もしくは仕事が絡んでいたりするものばかりで、それはもう旅の感覚とややズレの生じたもので、腹の底から、仄暗い腹の底からヨッシャとは言えない渡航だったのである。

という「あへー」程度の書き出しから始まるおよそ数年ぶりの旅のレポートを、生々しく現地より貴様勝手にウップして行こうじゃないですか。

夕方18時成田発の、某ジェットスター便でマニラへ向かうのに、昼過ぎまで多摩川でバーベキューをかますというこの心意気、バックパックを背負って多摩川くんだりまで馳せ参じるこの心意気を誰か、まず最初に汲んでおいてほしい。

夥しい量の、焼けた肉と炭と野菜と菌類から発した煙を吸い込んだ衣服を着用したまま、渋谷へ向かい、成田エクスプレスという何やら速い電車を目指す。が、自動券売機の画面操作の方法がよくわからずに不具合が生じ、その電車を逃し、慌てて日暮里経由のスカイライナーでもって16:50に到着。

やはり機内でバーベキューの香りを漂わせるのは、公衆衛生上好ましくないと、仮にもサラリーマンをしている私はチェックインを前にトイレへ駆け込み乗車。着替えを済ませた。うんこも済ませた。

無事にバックパックを預け、搭乗口へ。時間通りに搭乗が開始され、ああそういえば俺はフィリピンに行くのだったとここで認識。

18:00

「皆様、ただいま荷物を大急ぎで積み込んでおりますので少々お待ちください。本日は満席御礼で云々・・」満席であなた共の荷物が多いから手間がかかってるのよとアナウンス。

19:40

「お待たせいたしました。ただいま全てのドアを閉め、離陸に向けた最終チェックを行っております」ドアを閉めるところまで実況中継をしながら場をつなぐアナウンス。ご苦労様。

本来の到着予定時刻は21:40。単純計算で23:00になっちゃったじゃない。
マニラの空港では、昨年家に泊めてあげたアフリカンアメリカンフィリピーノのジョエルという友達、の弟が「JAMIRA」というボードを高らかに掲げて待ってくれている手筈。「JAMIRA」が何者なのかも、果たして人として成り立っているのかも定かでないという不安を抱いたまま弟君は、きっと待ち続けているのだろうと思うと、いたたまれなくなってしまった。

4時間強のフライトを終え、無事マニラに到着。イミグレーションへ向かうと、千人規模の人間が列をなしていて、少しぞっとした。弟君ごめんやでの「ぞっ」

実はその列の九割がフィリピン人列で、外国人列はすかすかだったことに気付くまで十分程かかったこと、何の違和感もなくそのフィリピン人列に続いていたことはこの際弟君ならびにジョエルには黙秘を決め込むことにして、ようやく入国。

驚きなのは、WiFi、愛称ウィフィが飛んでいてジョエルにメールを送ることができ、なんなら巷で話題のFacebookをチェックすることすらできたこと。

ターンテーブルで荷物を受け取る。イミグレで時間かかっちゃったから、もうとっくにどこか置き去りにされてるだろうなあ。と慌てて向かうと、今まさにターンしている最中だった。

間もなくターンしなくなった。

ん?僕のバックパックはあ?

にわかにざわざわし始めるジェットスター利用者。「なんか、コンテナ一個まるごと取り残したらしいよ?」

なんか
コンテナ一個まるごと取り残したらしいよ?


そしてそのざわざわ一行はスタッフのもとへゴキブリよろしく集い、コンテナ一個まるごと取り残された証明、通称遅延証明書を作成してもらうべく、ああでもないこうでもないと言っている。

しばらくその様子をみていたが、スタッフの要領の悪さないし容量の小ささが常軌を逸していたので(一人ずつその場で記入し、記入するさまを何故か一緒に見届け、終わったら遠く離れた場所にパスポートのコピーをとりにいき、戻ってくる。用紙を先にくばっときゃいいんじゃ・・・)、その遅延証明書の入手を諦める。

手元には、ipodとiphoneとラップトップと目薬とリップクリームとカメラ。


電子的!


ようやく出口に飛び出た頃には時計は1:30。21:40にスタンバイしていた弟君・・・いるのか。

いた。疲れ果てた表情で「JAMIRA」と書かれた段ボールを抱え力なく・・・。ごめん!かくかくしかじかでもうこんなに遅れてしまっておまけに荷物ないって。「大丈夫だよ。ジャミも疲れたでしょう」

ええ奴やんか。

タクシーで今宵泊まらせてもらえるというイトコの家へ向かう。二十歳の弟君、ダニエルは大学生なのだが、フィアンセがいて、12日前に赤子をもうけたという。

ええ奴やんか。

イトコの家へ到着。時刻は2:30。中から門扉のカギがかけられていて、電気も消えている。「寝てるのかな。」近隣に響く勢いで門をたたき、

「ケーーーーイジ!!ケイジ!ケーーーーーイジ!!刑事!」

と叫ぶダニエル。反応なし。

「ケイジ!ケエエエーーーーーイジ。刑事!」

一行に反応なし。

20分ほど粘っても誰も出てこないので、意を決したダニエルは防犯用に高く作られた門をよじ登る。あ結構簡単に登れるんだー。防犯の意義

中から開けてくれ、家に入る。お邪魔しまーす。誰もいない。

寝室へ。「んわ!!!」いた。

あまりにも遅いので眠りこけてしまっていたイトコのケイジ。「ごめんね!寝ちゃってました。ジェイムスです。」え?

ケイジ・・・?じゃなくてジェイムス?

刑事ケイジ言うてたよね?誰を呼び立てていたんだろう一体。ジェイムスという名の刑事?もう分からないとにかく疲れ果てました。

シャワーを浴び、着替えはないのでまた同じ服を着て、一応心配なので某ジェットスターに電話する。そしてかくかくしかじかと事の経緯を説明。

「さようでございますか。お調べしますので少々お待ち下さい。」

「お待たせいたしました。残念ながらこちらの記録にはジャミラ様の荷物が保管されているという情報がありません。恐れ入りますが成田空港へお問い合わせください。」あそうですか。

成田空港へ問い合わせる。「さようでございますか。しかしながらそういった検索サービスはこちらでは行っておりません。航空会社さんのほうへお問い合わせください。」あそうですか。


たらいまわしの刑に処された。


この虚無感と国際電話代どうしてくれよう。




こうして僕のフィリピン初日の夜は、明ける手前に更けた。


M.I.A. COMING BACK WITH SUPA POWA POWA POWAAAA!!



何の脈絡もなく3か月ぶりに更新ですが、もはや凍結気味のこのブログを、更新しなきゃと

突き動かすのはそう、はい。マヤさん。

新曲のビデオがリリースされたのです。Vickileexxにもともと入っていた、Danjaプロデュースの曲。

兎にも角にもビデオをみればいいのです。

Bad Girls



かっこよすぎて死にそう。live fast die young bad girls do it well!!!

そしてこのミドルイースト感。てたぶんこれはエジプトかモロッコのどちらかだけれども

Bird Fluのアラブ編という仕上がりでもう、ローカルの人達をふんだんに盛り込んで

アラビアンカーチェイスみたいなんするし斜め走行の車の上で爪磨くし

光GENJIのローラースケートみたいに車から乗りだしてふっつうの靴でシューすべるし

夏にアルバム出るっていうし!!!

あたいの曲は夏ナツだからってことで夏出るんだって!

そしたらそれにあわせて来日してよフジに来てよ

Twitterでもミッシーやシアラ、オッドフューチャーのタイラーやら各方面から絶賛のARASHI

MissyElliott
@MIAuniverse I c ya Bad Girl! My chain hit my chest when I'm banging on da dashboard! Yup!

Ciara
That New MIA Video Goes Super Hard

Tyler, The Creator
This Fucking Makes Me Excited As Fuck. Finally Something Cool Is Out Man Shit Yeah!

でもって、同日にアップされたマダーナ&ニッキーとの共演曲



L U V マダーナ Y O U ユワーナ!

一聴するだけでマダーナやんさーと思うポップな曲でまさかマヤさんがチアリーディングする

なんて。三人でマリリンモンローにもなってはります。

で何故かエキストラのチアリーダーは日本のアニメ顔。

このビデオを見てあいやいやマヤさんポップだね て思った直後にBad Girlsみたらね

身震いする んああああ なる 鳥肌たっちする

$ジャミラ!  

この可愛さにも身震いする 子持ちの35,6ちゃうでしょう。

そして今日2月5日、マダーナと一緒にスーパーボウルのハーフタイムショーに現れます。

夏。夏。夏。

$ジャミラ!  

件の斜め走行中の爪磨き。
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