まず、生ビールを注文する。
蕎麦粉のガレットに海老のすり身を載せて焼き、蜂蜜をかけたものは、かなり小さいのが気になるが、味は悪くなかった。
麻婆豆腐もそれ程量はない。
以前は辛過ぎて食べられない時もあったが
その日の麻婆豆腐の辛さは普通だった。
ご飯小に載せて食べる。
麻婆豆腐は色々と食べているが、自分の好みとしてはやはり飛び切りではない。
普通に美味しい麻婆豆腐なのだが、味の繊細さというか鷲掴みにされる感じはしなかった。
生ビールはもういいと思い、ジンジャーエールを頼んだ。
このジンジャーエールはただものではない。
カクテルで使うトニックウォーターでは。ケニーヒを使っていて別格とされるフィーバーツリー社のものである。
生ビールよりよっぽど美味しかった。
焼売は何の説明もなく、醤油も出されず、小さな器に辛子だけ入っていた。
醤油はと聞くのも癪に障るのでそのまま食べてやった。
そのまま食べられないこともないが微妙でもある。
マダムは愛想がいいのだが、料理長はオープンキッチンなのに反応や帰り際の挨拶などほとんどない。
客と顔を合わせているのだから、料理を作っているだけでいいわけではないのだ。
店に来るのが疎になった原因を今更ながら思い出したのである。