ジョブホッパー・ホーテの金融・資産運用ブログ
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外資系リストラ⑤ -うまくいくとき

サンチョ 「最初の契約が取れた後は結構、うまくいったんですか?」

 

ホーテ 「うまくいきすぎたぞよ。不思議なもので、日本の顧客というのは誰かがやってうまくいくと、それにすぐ続くのぞよ。こちらとしては、最初の客で培った経験を生かせるのでありがたいのじゃが、それにしても多くの顧客に恵まれたぞよ。」

 

サンチョ 「だったら良かったですね!」

 

ホーテ 「しかし、それがそうでもなかったぞよ。何せBBBアセットの日本は小さい所帯じゃったから、手が回らないぞよ。だから人を雇ったぞよが、それがまた難しい状況を生んだのぞよ。」

 

サンチョ 「そうなんですかぁ、でも、契約も取れて組織も大きくなってなら良いと思いますけどね?」

 

ホーテ 「人の質が違うのぞよ。わがはいがBBBアセットに入ったときは日本に何もビジネスがなかったときじゃった。一方で新たに採用した人たちはBBBアセットにビジネスがある前提で入ってきておる。この両者における意識の差は非常に大きくてのう。加えいて小さな所帯じゃから、人間関係が難しかったのぞよ。」

 

サンチョ 「意識の差ってどういう意味ですか?」

 

ホーテ 「当事者意識かのう。わがはいはビジネスがあっても、なかった時の辛さを知ってるからか、いつなくなるかもしれんと不安じゃったが、新しい人は今あるものを維持しようという意識じゃった。」

 

サンチョ 「それは全然違いますねぇ。」

 

ホーテ 「わがはいも若かったから、結構、きついこともわめき散らかしたりしたから、最悪ぞよ。加えて人数少ないからのう。」

 

サンチョ 「大変だったんですねぇ。」

 

ホーテ 「じゃが、ビジネスは上手くいっていたからのう。なんだかんだで楽しかったぞよ。」

 

 

 

外資系リストラ④ - ビジネスの立ち上がり

サンチョ 「でも、BBBアセットはその後、うまくいったんですか?」

 

ホーテ 「驚いたことにうまくいったぞよ。入ってから1年経った辺りぞのかのう。わがはいも、もう諦めかけておったのじゃが、3か月に1度程度は、顧客と接点は取っていたぞよ。そうしたら、ある日こんな事があったぞよ。

 

その顧客は元々わがはいの事を気に入ってくれたおったぞよが、ある日、営業に行ったら非常に好感触での。これはと思ったら、その日に電話がかかってきて翌日また行って、決まったぞよ。あの時はうれしかったぞよのう。」

 

サンチョ 「すごいですねぇ、よっぽど良い商品だったんですか?」

 

ホーテ 「実際に採用になったのは提案した商品ではなく、その中の一部じゃったんぞよ。」

 

サンチョ 「では、お客さんが逆に提案してくれたということですね?」

 

ホーテ 「その通りぞよ。このとき思ったぞよ。営業は自分の思い込みは捨てて、なるべく顧客への提案頻度は上げるべきだとの。」

 

サンチョ 「そうですねぇ、でも、そこから順調にいったんですね?」

 

ホーテ 「一筋縄ではいかなかったぞよ。何しろBBBアセットは日本に人がほとんどおらん。運用はボストンでクライアントサービスなんかはロンドンじゃった。日本の顧客に対応したことがほぼなかったので、実際のサービス開始までは大変じゃったぞよ。」

 

サンチョ 「どこが一番大変でしたか?」

 

ホーテ 「やっぱり英語かのう、というかコミュニケーションじゃのう。日本人は基本的に英語というか外人が苦手じゃろう。外人にわあわあ英語でまくしたてられるとYesと言ってしまいがちぞよ。でも、あとで日本人同士になると否定してきたりするぞよ。気持ちはわからんでもないが、その板挟みになるのは大変じゃったぞよ。」

 

サンチョ 「どうやって克服したんですか?」

 

ホーテ 「わがはいも必死だったぞよから、しつこく外人を説得したぞよ。あの頃は日本時間の午後6時にロンドン午前9時と一日に2回朝があるようだったぞよ、加えてニューヨークも絡むと、日本時間の午後10時から、また朝が始まる。寝れなかったぞよ。」

 

サンチョ 「すごいですねぇ。」

 

ホーテ 「なんにせよ、あそこからBBBアセットは成長に入っていったぞよ。」

 

 

外資系リストラ - 孤独な立ち上げ作業

サンチョ 「ホーテ様が入られた後、BBBアセットは伸びたんですか?」

 

ホーテ 「最初の1年はひどいものだったぞよ、まったく相手にされんかったぞよ。わがはいもそれまで付き合ってた客が取引してくれると思ってたが、甘かったぞよ。」

 

サンチョ 「じゃあ、大変だったんですね?」

 

ホーテ 「大変だったぞよ。見込み客といっても10や20ぞよからのう。毎日、同じ客に連絡するような用事もないし、疎ましがられるぞよからの。結果的には孤独な時間が多くなったぞよよ。」

 

サンチョ 「ある意味自由じゃないですかぁ。」

 

ホーテ 「そうなんじゃが、香港に上司がいて、そいつがたまに電話してくるぞよよ。それで毎月家賃がいくらかかってるとか説教を受けるぞよよ。嫌で嫌でたまらんかったぞよ。」

 

サンチョ 「なんで顧客に相手にされなかったんですかねぇ?」

 

ホーテ 「相手はしてくれたんだが、取引に至らなかったんぞよ。やはり実績がなかったからじゃろうのう。当時、BBBアセットは日本オフィス開設前に日本の顧客からお金を預かっていたぞよが、それ以外に日本の顧客での実績がなかったんぞよ。運用の実績は申し分なかったぞよが、なかなか難しかったぞよよ。」

 

サンチョ 「そうだったんですね。日本の顧客は新しいとこと付き合い始めて失敗したときの責任を嫌がりますからねぇ。うまくいっても社内的に評価はされないでしょうしねぇ。」

 

ホーテ 「そこなんぞよ。加えて日本人は英語が苦手じゃろう。アジアの他の国じゃと結構、英語が通じるぞよから海外での実績がそのまま評価されるぞよが、日本では日本語でのサービス提供が基本じゃから、それができないとなると難しかったぞよよ。」

 

サンチョ 「でも、じゃあ毎日どうされてたんですか?スタートアップってすごく忙しそうなイメージありますけど。」

 

ホーテ 「提案書を作ったり、たまに顧客に会いに行ったりしてたぞよ。ビジネスが停滞してると社内の雰囲気も悪かったぞよからのう。正直、全く忙しくなかったぞよ。スタートアップの忙しい時とはビジネスが取れた時ぞよ。取れなけりゃ、孤独な時間しかないぞよ。ただのう、あきらめることだけはしなかったぞよよ。良い商品はそろっておったから、時間はかかれど、どこかのタイミングで好転すると信じておったぞよ。」

 

サンチョ 「そうやって続けたことが良かったんでしょうね。」

 

ホーテ 「そうぞよ、ダメだと思ってもセールス活動をやめたら絶対に売れないからのう。コールドコールとかもしたぞよ。」

 

サンチョ 「でも、結果は上手くいったんですよね?それはどういう風にうまくいったんですか?」

 

ホーテ 「それは今度話してやるぞよ。今日からオンラインでセミナー配信を始めることのしたぞよから、そろそろ準備するぞよ。」

 

サンチョ 「わかりました!」

 

 

外資系リストラ - ヘッドハンティング

サンチョ 「やっぱりホーテ様がBBBアセットに入られた時って、ヘッドハントだったんですか?」

 

ホーテ 「その頃のわがはいはマーケットでそこそこ有名じゃったから、いわゆる人材紹介会社ではなく、ヘッドハンターのアレンジだったぞよ。」

 

サンチョ 「ヘッドハンターと人材紹介会社って何が違うんですか?」

 

ホーテ 「一般的にヘッドハンターは企業と専属契約になっておるものぞよ。普通、企業は人を採用するときに複数の人材紹介会社に声をかける、そして実際に採用された人材を紹介できた人材紹介会社だけが報酬を得るんぞよが、ヘッドハンターと契約するときは企業はその一つとしか契約しないぞよよ。」

 

サンチョ 「そういうヘッドハンターって多いんですか?」

 

ホーテ 「世界で5つくらいじゃないぞよか?有名なのはコーンフェリー、ラッセルレイノルズ、ハイドリック&ストラグルズ、スペンサースチュアート、エゴン・ゼンダーといったところぞよかの。」

 

サンチョ 「やっぱりそういうところの案件は経営層とかが多いんですかねぇ?」

 

ホーテ 「日本では外資系のヘッドなどの扱いが多いぞよ。どこのヘッドハンターも優秀な人材を採用した実績があるぞよからな。」

 

サンチョ 「そんなところから声がかかるなんてすごいじゃないですか?」

 

ホーテ 「わがはいも小躍りしたものぞよ。しかし、採用プロセスは結構長くて大変だったぞよ。」

 

サンチョ 「ヘッドハンターに声をかけられたら、そこで採用ではないんですか?」

 

ホーテ 「そんなことはないぞよ。複数の候補者がいて、三か月程度のプロセスぞよ。」

 

サンチョ 「甘くないんですね。」

 

ホーテ 「甘くはないぞよ。まぁ、良い経験にはなったぞよよ。当時のヘッドハンターとはまだ付き合いが続いておるぞよしの。」

外資系リストラ - 立ち上げに参加

ホーテ 「なんかAXGアセットの社長はクビになったらしいぞよ。」

 

サンチョ 「えっ、まだ社長に就任されてから1年くらいじゃありませんか?結構、うまくいってるようにみえますけどねぇ。」

 

ホーテ 「サンチョや、お主はまだまだ経験不足ぞよの。クビになるかどうかに業績などあまり関係ないぞよよ。」

 

サンチョ 「そうですかねぇ?業績が良ければ、リストラする必要ないじゃないですか。」

 

ホーテ 「わがはいも昔、外資系にいたときに業績良くてクビになったことがあるぞよよ。その時は到底納得できなかったが今となるとわかるのぞよ。」

 

サンチョ 「どうして、納得できるんですか?」

 

ホーテ 「そうよのう、年を取ったということぞよかのう。当時のわがはいは40そこそこでバリバリじゃった。その会社には3年おったぞよがいろいろとあってのう。結局、クビになったぞよよ。」

 

サンチョ 「どんなことがあったんですか?」

 

ホーテ 「長い話になるぞよよ。

 

その会社はBBBアセットと言って、欧州に本社を置くグローバルな運用会社じゃった。グローバルといっても、ヨーロッパと米国がほとんどでアジアでは名が売れておらんかった。わがはいが入る前の年に、業績拡大のためにアジアでの推進強化を決定したのじゃ。そしてアジアのヘッドが雇われて、日本のヘッドを探し始めたのぞよ。」

 

サンチョ 「それでホーテ様に白羽の矢が立ったんですね?」

 

ホーテ 「当時のわがはいは外資系でも日本では割と大手の会社に勤めておったが、スタートアップにあこがれもあってのう。」

 

サンチョ 「やっぱり、立ち上げ時の待遇って良かったですか?」

 

ホーテ 「最初は良かったぞよ。ベースサラリーも3割くらい上げてくれたし、ボーナスの条件も良かったし、オフィスの環境も最高だったぞよ。」

 

サンチョ 「それで移られたんですね?」

 

ホーテ 「そうぞよ、入ったときは二人目の日本人社員だったぞよ。夢を膨らませて入社したぞよ。」

 

サンチョ 「なんで、それがリストラになるかよくわからないですね。よっぽど業績が悪かったんですか?」

 

ホーテ 「そういう訳ではないぞよ。じゃが、今日はここまでにしとくぞよ。」

 

 

コロナ - 高まる不確実性

ホーテ 「まだまだコロナが終息する兆しは見えんぞよのう。アメリカで感染者数がピークアウトしたとも報じられておるが、かといって、元の生活に戻れるわけでもないぞよからのう。」

 

サンチョ 「元の生活に戻ったら、また感染者数が増えてしまうでしょうからね。だから、少なくとも一年くらいは人との接触を避ける生活が続くかもしれませんね。」

 

ホーテ 「これこそまさに不確実性の高まりぞよの。」

 

サンチョ 「確かにそうですね、この先どうなるか見通しずらいですよね。過去の経験にない事象ですものね。」

 

ホーテ 「そうぞよ。株の投資とは将来的に企業が成長し、収益が拡大するであろうという見通しを持てるから投資を行うぞよ。今でも、Zoomのようなテレビ会議を行う企業や一部のテクノロジー企業は上昇が続くやもしれんが、従来の企業はなかなか難しいぞよ。」

サンチョ 「Zoomの株価って倍ぐらいに上がってるんですね。」

 

ホーテ 「そうぞよ。ただ他の企業はわからんじゃろう。航空会社などぞの典型ぞよ。いつ海外へ旅行する人間が拡大しだすと予想できようか。」

 

サンチョ 「たしかに難しいですね。」

 

ホーテ 「ただし、こういう時にこそ、次の新しい投資機会というものが生まれるのもまた真実ぞよ。みなが世の中はこうなっていくという確信に満ちているときはだいたい割高になっておる。期待が株価をかさ上げするわけじゃ。しかし、今のような状況は悲観が株価をディスカウントするのぞよ。」

 

サンチョ 「そうは思ってもなかなか体がついてきませんよ。」

 

ホーテ 「もう、目をつむって買うしかないぞよ(笑)」

 

リモート・ワーク - 零細外資系の日常

ホーテ 「やれやれ、わが社も明日からリモート・ワークじゃのう。わがはいは好きでないのじゃ、あれは。」

 

サンチョ 「あまりリモート・ワークが好きって人もいないと思いますけど。」

 

ホーテ 「ちがうんじゃ、わがはいには苦い思い出があるぞよ。あれは、バーナード・インベストメントという米国運用会社の日本拠点の立ち上げを行った時ぞよ。」

 

サンチョ 「その時、リモート・ワークだったんですか?」

 

ホーテ 「ほぼ、そうぞよ。日本の社員はわがはい一人、オフィスは今でいうウィー・ワークのようなレンタル・オフィスじゃった。」

 

サンチョ 「自由そうでいいじゃないですか?」

 

ホーテ 「わがはいも最初はそう思ったぞよ。でも、一週間もすると、辛くなってきたぞよ。周りに誰もいないとさぼりがちになる。そして、そういう時に香港の上司から電話が入ってきたりする。出れない、何で出れないという追及にあう。といった感じぞよ。その時に思ったぞよ、忙しい最中にサボってこそなんだと。」

 

サンチョ 「そんなものですかねぇ。」

 

ホーテ 「しかも、その当時は今ほど、テクノロジーが発達してなかったから、ズームとかスカイプは仕事で使っておらなかった。半年くらいで2人雇えるくらいにビジネスが大きくなったから、良かったがの。」

 

サンチョ 「そうだったんですねぇ。そういう外資系って結構あるんですかねぇ。」

 

ホーテ 「零細じゃから、目立たないが、そこそこの数はあると思うぞよ。ビジネスがないのに、それなりに人を雇って、オフィスも借りてということをする外資系はそんなにないじゃろうからのう。日本の会社でもそうじゃろう、ある地域に支店を出すときは、それなりにそこでビジネスがあるからじゃろう?」

 

サンチョ 「だから、日本では銀行とかは支店を減らしてるんですものね。」

 

ホーテ 「そうぞよ。まぁ、今回のリモート・ワークはそんなに緊張感もないぞよかの。」

 

サンチョ 「ダメです、緊張感を持ってください。マーケットが荒れたら、ウェブ・セミナーを開催しなければなりませんから!」

 

ホーテ 「わかっておる。緊張感を持って挑むぞよ!」

東京で緊急事態宣言 - 株は上昇

ホーテ 「今日、日本政府は緊急事態宣言を発令するそうぞよのう。とうとう来るところまで、来てしまったぞよ。でも、株は上がっちょるのう。」

 

サンチョ 「シンガポールとかタイでも同様の強制力のないロックダウン(封鎖)が導入されていて、英語ではソフト・ロックダウンと言うんですって。」

 

ホーテ 「普通のロックダウンとは違うということぞよの。それはわかりやすくていいぞよの。緊急事態宣言じゃと、戒厳令みたいな印象がつよいからのう。」

 

サンチョ 「昨日のニューヨークは感染のペースが鈍ったことを好感して上がったみたいですね。」

 

ホーテ 「しかもぞよ、今日、三菱アセットブレインが発表してた情報によると、3月は投資信託の資金流入が4680憶円だったぞよぞ、わがはいの啓蒙がきいたぞよ。三菱アセットブレインズのリンク

 

サンチョ 「日本の個人投資家も昨年末あたりは割高感を感じていたんでしょうね、そういう意味では良いタイミングとなったのかもしれませんね。」

 

ホーテ 「それにしても、びっくりな事ぞよ。過去であれば、例えば、2008年のリーマンショックのころなぞは流出じゃったからのう。」

 

サンチョ 「日本株も昨日から上がってますもんね。」

 

ホーテ 「ただ、トレンドは変わると思うぞよ。例えばりそな銀行じゃ、ここの株価は2005年12月には4,800円を超えていた。リーマン前じゃの。しかし、直近はどうか。336円ぞよ。」

 

サンチョ 「日経平均株価は当時を上回っていてもそうなんですねぇ。」

 

 

ホーテ 「そうぞよ、これがトレンドが変わるということぞよ。なので、個別銘柄を選ぶときには慎重な姿勢が必要となるぞよ。ただ、だから吾輩どものような運用会社の存在価値があるというものぞよがの。」

 

サンチョ 「そうですね!」

 

原油安 - シェールオイル企業破たん

ホーテ 「昨日もニューヨークは下げちょったのう、おかげで日本も今日は下げるじゃろうのう。何とシェールオイル企業で破たんが出たのか!

 

米シェール企業ホワイティング経営破たん、原油急落が打撃

 

とうとう、出てきたか、これで終わりではないじゃろうしのう。」

 

サンチョ 「もともと、シェールオイルは原油価格が100ドル/バレルくらいに上昇していたころに、それであれば、採算が取れるということで参入が相次ぎましたからねぇ。サウジアラビアみたいに単純に掘ったら、出てくるというわけではなくて、硬い岩盤を絞って原油を抽出するからコストはかかりますからね。」

 

ホーテ 「昨日の原油価格は20ドルそこそこじゃ、2012年あたりには100ドルあったぞよ。1/5の水準ぞよ。農産物の価格が1/5になったようなものぞよ、そりゃつぶれるわい。」

 

サンチョ 「トランプ大統領も言ってましたけど、原油価格の下落自体は悪いことではないはずなんですよね、原油が下がれば、ガソリン代は下がるので、物流コストは下がるでしょうし、連動して石炭やガスの価格も下がります。」

 

ホーテ 「じゃが、デフレになってしまうじゃろうて。」

 

サンチョ 「そこは問題です。そもそも今回の原油安はアラブとロシアの覇権争いという側面と、コロナによる需要減退の二つの要素がありますが、デフレ傾向が顕著になってくると、世界的にマーケットにとってはマイナス要因となってしまいます。」

 

ホーテ 「デフレ下で強いアセットなど、現金以外ないからのう。ただし、電力、ガス、通信のような公益関連の企業にとっては追い風ぞよのう。旧来の企業もそうじゃが、新規参入企業が原油安を背景に出てくるじゃろうからのう。この破たんした企業じゃって2014年までは好調で株価は10年で10倍くらいに上がってるぞよからのう。」

 

 

サンチョ 「そうですね、大きく経済の流れが変わるときには何等か新しい動きが起こって、そこにビジネスチャンスを見出す企業があるでしょうね。」

 

ホーテ 「日本は今週末の状況が一つのマイルストーンじゃろう、ここで一気に拡大しなければ、GWくらいになれば収束するとわがはいはみておる。あとしばしを耐えようぞよ。」

債券投資の意味:低金利との闘い

ホーテ 「しかし、債券投資というのは難しい時代になったぞよのう。」

 

サンチョ 「そうですねぇ、日本国債の10年もので0.01%、米国債でも10年で0.67%、ドイツ国債に至っては10年でもマイナス0.5%ですからねぇ。」

 

ホーテ 「リーマンショック前の2007年あたりは米国債で5%近くじゃったし、ドイツ国債も4%はあった。日本国債でも1.8%ほどはあったんじゃ。それが今ではどこも1%未満ぞよ。昔は為替リスクはあれども、米国やユーロの国債に長期投資すれば、金利が為替変動のクッションになるという考え方も通ったぞよが、現在の金利水準では、それも難しいぞよのう。」

 

サンチョ 「そうですねぇ、かといって金利が上がり始めると、今、借りている企業が困った状態に陥ってしまいますしね。ハイイールド債とかに行くしかないんですかねぇ。」

 

ホーテ 「それも一つぞよが、今のアメリカのハイイールドは原油下落の影響をまだまだ受けるじゃろうからのう。なかなか踏み出しにくいぞよ。」

 

サンチョ 「そうですねぇ、ですと、債券投資はもう難しいですかね。」

 

ホーテ 「セオリーで考えると難しいのぞよ。長期金利は長期的な名目の経済成長率と一致するという考え方があるのぞよが、昨今は世界的に低成長が続いておるぞよから、金利が上がることは考えずらい。そうすると債券投資をする意味が非常に希薄になるということぞよ。マイナス金利になったら、現金で持っておる方が良いわけぞよからの。銀行預金に手数料がかかるようになったら、どうなるぞよかのう。

 

唯一考えられるのは、優良な社債への投資なんじゃろうのう。トヨタやウォルマート、マイクロソフトなどが発行する社債であれば、そこそこの利回りを得られるじゃろうからの。」

 

サンチョ 「そうですね、どこも10年であれば、2%程度の利回りは見込めますからね。ヘッジすると、1%くらいになっちゃうかもですけど。」

 

ホーテ 「もしくは、このコロナ騒動で大きく為替が下がって、利回りが上がった新興国の債券を買うかじゃの。ブラジル国債10年の利回りは12%ぞよぞ。どちらにしても、原油があれだけ下がったぞよから、世界的にインフレは起こりにくいじゃろうから、低いリターンでも納得する姿勢が大事なのかもしれんぞよの。」

 

サンチョ 「目標リターンとして年率2%達成できれば御の字ですね。」

 

 

 

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