先月から町内会に入りました。
すると、その週から我が家に「回覧板」が届くようになりました。
「回覧板」ですよ。「回覧板」。
なんて、懐かしい響きなんだろう。
東京に出てきて早20年。すっかり、都会の空気に呑まれ、近所づきあいも疎遠になり、独り身のときには出勤時に「あの方、きっと夜のご商売されてるんだわ」とご近所のマドモアゼルから胡散臭い目で見られ、すっかりその言葉すら忘れてました。
で、最近の回覧板はどんな「情報」がのってるんだろうと思って、読んでみたら、こらがまたなかなかのもので。
いまどき「ガリ版」ですよ。「ガリ版」。
ワードとか、PDFとか、パワーポイントとか、しゃらくさいツールを圧倒的に凌駕する、説得力。
多分、近くの小学校で作った、用賀・玉川地区の歴史とやらで、どこそこのマンションは前はなんとか藩の屋敷だったとか、用賀という名前はインドの「yoga」からきているとか、「へーなるほどー、よう調べたねえ」
というものから、
盆踊りの日程の広報とか。
ちなみに、盆踊りのパンフレットのキャッチに「オモロー!」「1,2、3! ジャリズムがやってくる!」
と書いてありました。
ほんとにこの用賀の盆踊りにあの「世界のなべあつ」がくるの?
はなはだ疑問だし、これで相方だけしかこなかったら、子供たちのがっかりした顔が目に浮かぶようだし、集客に苦慮するあまり、あまり罪なことはしない方がいいのではとあらぬ勘繰りをしたり。
と、感慨にふけるうちに、なんとなく、僕がお隣へ回覧板をまわさなければならない雰囲気に。
「一応、netとかやってる会社で、一応、そのnetのサービスの責任者やってて、メルマガなんかも出してるんですけど、その僕が回覧板でしょうか?」と、ちらっと思ったのですが、逆らっても仕方がないので、お隣に「I津さん、回覧板です!」と20年以上ぶりに元気に届けにいってきました。
ま、ともあれ、こうやって、お隣からお隣へ情報が手渡され、(その間に子供たちが落書きしたり、くっちゃくちゃにしたり)、その手渡されるときにも一言二言、コミュニケーションが生まれ、って、やってるうちに地域のコミュニティってできてくんだろうなと。
よくローカルtoローカルとか、コミュニティの取り込みとか、口コミをどうマーケティングにとか商売上では話に出てくるけど、この回覧板で代表されるような地域のコミュニティは相当堅固だし、妙な入り込み方とかしてもものすごく違和感があるんだろうな、と。
そりゃ、「こんな情報伝達、netでやったら簡単じゃん」って考えもあるけど、コミュニケーションの行間にあるものが、コミュニティの中ではとても大切なんじゃないかと、たぶん隣の子がくしゃくしゃにしてしまった、ガリ版を見ながら思いました。
地域マーケットって、「取り込む」んじゃなくて、そういったことを前提に「どう入っていくか」ってのが大切なんじゃないかなあと。
というわけで、なんの脈絡もありませんが、今回も一冊ご紹介を
- 戦略の本質 (日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 (の1-2))/野中 郁次郎
- ¥945
- Amazon.co.jp
かなり、ボリューミーな内容です。
夏休み中の暇つぶしはこれ一冊でOK。
だいぶ前に新刊で買ったけど、最近単行本が出たみたいなんでご紹介しておきます。
多少解説しておくと「戦略」の本です(笑)
ちなみに、姉妹編のこちらもどうぞ
- 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)/戸部 良一
- ¥800
- Amazon.co.jp
なんで、日本が戦争に大負けしたのか、
ちょうど終戦記念日を迎えるこのタイミングで読んでみてはいかがでしょうか。
上の本より、こちらのが、ほんとに若干ですが、取っ掛かりやすいです。
ということで、今回はこの2冊。
ちなみに、上で書いた用賀の盆踊り、ほんとになべあつがきたらしいです。
http://xn--n8jl194uevd9p8c9kh31n.jp/index.php/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
用賀で営業ですか。
そろそろ、潮時でしょうか。