ニトリの成長持続力分析
直近では241店舗まで店舗数を拡大しているニトリ。
来期減益予想は地震を折り込んだ保守的なものとしていったん除外するとしても、
復興後に、ここ数年のような強烈なEPS伸び率を維持できるのか?
売上高 EPS 店舗売上(※1店舗あたりの売上、年度末の店舗数で割る)
0602期: 21.1 25.4 12.0
0702期: 20.6 23.1 13.0
0802期: 14.9 15.1 13.4
0902期: 12.3 18.7 13.4
1002期: 17.3 29.9 13.5
1102期: 9.8 29.3 13.2
★売上高、EPS:伸び率(%)、店舗売上:億円
売上が順調に伸びる上、利益の伸びは売上をさらに上回っていることが確認できる。
これは不断のコストダウンへの取り組みなのだろう。
一方で順調にのばしてきた店舗売上は、1102期決算でついに減少に転じている。
これはさすがのニトリとはいえ、大型出店の余地は限られてきていることを示しているのだろう。
(結論)
現時点ではEPSを毎年20-30%伸ばしているモンスター企業であり、
それがPER15倍なのだから、買うことはあっても売る理由はまったくない状況である。
しかし今後、1店舗あたりの売上が下がり続け、かつ利益の伸びに陰りが出てくるようなら要注意。
今後3年間の目標株価、当面は、
■楽観シナリオ:3年でEPS2倍、PERは25倍→25000円
■妥当シナリオ:3年でEPS1.5倍、PERは20倍→15000円
日本電産への投資
バフェット投資術を改めて整理する
【結論】
ファンダメンタルズがしっかりしている企業を選び、一時的な要因で株価が下落している時に購入、
ファンダメンタルズに変化がない限り持ち続ける投資法。
【銘柄選択】
(条件)
●消費者独占力を持つ製品・サービスがある
●EPSが力強い増加基調にある(15%程度以上)
●多額の負債を抱えていない(当期利益3年程度で返せる範囲内)
●ROEが15%以上
●現状維持のために多額の設備投資を必要としない
●株主重視の資本政策(自社株買い、配当、有効なM&A、新規事業)
●インフレを価格に転嫁できる
(消費者独占企業の見分け方)
●消費者がそのブランドにこだわりがあり、小売が扱わざるを得ないような企業(製品・サービス)
例)コカ・コーラ、ナイキ、マクドナルド・・・
●他の企業が使わざるを得ないメディア事業
例)かつてのTV局、かつてのリクルート、地方で強い新聞
●企業や個人が日常的に使用し続けざるを得ないサービスを提供する企業
例)アメックス
●圧倒的な低価格を実現する大規模流通業者
例)ニトリ、ヤマダ、ABCマート
【購入のタイミング】
●相場全体の調整や暴落
例)リーマンショック、ライブドアショック
●景気後退
●個別企業の特殊要因
→一時的には減益要因となるにせよ、その後回復が可能な場合
●企業の構造変化
→リストラやM&Aなど
サンマルク・ホールディングスへの投資を考える
【ファンダメンタルズ分析】
・EPS推移
0603期:238円→0703期:283円→0803期:314円→0903期:282円→1003期:287円→1103期300円
※5年間で26%成長、年率5%成長
・ROE:11.8%
・有利子負債:0
・過去3年PER推移;8-13倍
→平凡。堅調に推移していると言えるため、よほどの株価急落の際にのみ買いの可能性。
【現状株価分析】
・地震後20%程度急落
・1103期予想PER:9.8倍
(総評)
今後、停電による営業機会損失や、それにともなう一時的な景気冷え込みにより、
1203期の業績が急落する可能性がある。
これに伴い株価が急落すれば、経営自体は安定しているため停電ショック後の復活を見越し、
買いを入れてもいいと考える。
その際の水準は、EPS300円に対してPER6倍程度、つまり株価1800円。
そこから業績復活後(2年程度)に3500円で売却する。
成長率性は平凡であるが、安定感はあるため、株価急落時のみ購入対象とする。
オリエンタルランド
【オリエンタルランド】
(事業) ●震災時の従業員の対応で、強みを再認識
●過去4年、売上は20%増、経常利益は2.4倍。利益率が7→16%
に、客数・単価UPに加え、減価償却減が原因。
●不安は、長期的には少子高齢化問題。利益率の劇的な向上は厳しい。
●2013年への中期計画が、既に達成されている状態。さらなる成長戦略をどう描いてくるか?
(株価分析)
●安定株主&個人ファン株主が多いためか、株価は過去7年、6000-7000円のレンジで推移
●昨年後半から、業績堅調のためか、8200円まで上値を抜けて上昇。 しかし地震・計画停電で、今期業績悪化懸念から20%ほど株価が急落
●販管費率が12%程度と低いため、操業停止の業績へのインパクトは意外と低そう。売上減≒利益減と見ていい
●営業利益増加のためには、減価償却がカギ。今後は投資抑制傾向なので、客数・単価を維持できれば、1203期四季報予想のEPS450円くらいは実現可能。
●過去4年、PERは20-40倍で推移。現状の20倍以下水準は最安値と言える。 ⇒ただし、成熟企業であるため、PER15-30倍くらいのレンジが妥当と判断する。
(結論)
■短期(半年以内):目標株価8100円/購入目安5400円
■長期(3年程度):目標株価13500円/購入目安6400円
3か月分の操業停止があると考え、今期EPSを1103期25%減の270円とする。
短期売り抜けなら、PER30倍で売ると想定して8100円が目標株価。
仕込みは操業停止の影響を見なければ何とも言えないが、EPS270円をベースに20倍で5400円。
一方で3年くらい持つなら、四季報の1203期予想の450円くらいは実現できそう。
その場合、PER30倍なら13500円が目標株価に。
購入目標は地震前のEPS356円をベースにPER18倍程度で仕込むとして6400円。
きちんと操業できるのか、客は戻るのかがリスクであるが、短期の鞘取りでも、3年で2倍狙いでも、いずれにしても妙味はある。 .