明日を創る100人の起業家

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Story-3 情熱を分かち合えるパートナーを見つけろ

前々回前回 に引き続き、株式会社アスピレーション代表取締役の人見琢也さんのインタビュー最終回をお伝えします。


今までは事業内容や起業経緯などについてお伺いしましたが、今回は現在の生活から今後の展望、さらに起業を目指す方に伝えるべき想いをお聞きします。


●まず現在の生活についてですが大学院には行かれているのでしょうか。


大学院は休学しています。恐らく「BizIO」が成功するかわかるまでそれほど時間はかからないと考えています。ダメだった場合の戻り道として、周りの人にも薦められ決めました。


●スケジュールは結構忙しいでしょうか。


今までの開発期間は自分でスケジュールを管理していたので、手伝ってもらう方との打ち合わせやデザイン会社との折衝以外は外部的な要因で忙しいということはありません。


今後は自分が開発をメインで行うのか、ユーザ数を増やすため「BizIO」の営業をメインで行うのかで状況も変わってくると思います。今後の人材募集の状況なども踏まえて流動的に対応していきたいです。


●人材募集はどのように考えておられるのでしょうか。


現在はアルバイト4名とソフトウェアの開発担当1人を外注しています。軌道に乗るまでは従業員を雇うことは出来ないので、アルバイトで頑張ろうと思います。


●今後の展望についてはどのようにお考えでしょうか。会社・個人両面についてお聞かせください。


会社としては前述しましたように「BizIO」を成功させるのみです。上場を達成したら他の事業も考えています。


個人としても「BizIO」の成功か否かによって大きく変わってきます。成功した場合はこの事業で30代半ばまではアスピレーションを経営するつもりです。その後はまだわかりません。上場した場合は投資家という形で下の世代を支援していきたいです。


夢はお金持ちになって死ぬまでに全部使い切ることです。使い道はバイオと宇宙関係です。食料不足の解決に期待されるバイオを通して社会貢献をしたいです。宇宙については「スター・トレック」(アメリカ)というドラマのような世界に早くなったら良いなと個人的に思っています。


●とても夢が壮大で視野が広く素敵ですね。それでは人見さんが好きな経営者や目指すリーダー像がありましたら教えてください。


純粋な経営者としてはウォーレン・バフェット(フォーブス誌世界長者番付2006年第2位)です。お金持ちになっても質素な生活をしているところが私の憧れで目指したいです。
有名なエピソードとして、高級ワインをグラスに注がれるところを手で止め、ワインの価値分の現金をくれと言ったそうです。投資家としてお金の10年後の価値がわかるからそう言ったと自分は思っていますが。


またIT系で成功を収めたMicrosoftやGoogle、Oracleといった企業の経営者はプログラミングも結構出来るので技術がある経営者として尊敬しています。


●最後になりますが、起業を目指す学生にメッセージをお願いします。


お金は自分が社会に提供したものの交換(対価)として存在するので、お金持ちになりたいという思いはそれだけ多くの社会貢献をしたいという思いとつながっています。それを実現するためには、働く人の力を借りて自分一人で貢献出来る枠を超えなければならないと思っています。しかしながらその部分がとても難しいと起業して気付きました。つまり、自分が優秀でも自分以外の人を使うことに優秀でないとダメだとわかりました。


●失礼ですが人見さん自身が優秀だと思うのはなぜでしょうか。


起業したきっかけの一つでもありますが、東大生の中で過ごし色々な考えを吸収した上で自分が優秀だと感じました。なぜなら自分で今何をすべきか考えられるからです。東大生は問題を解くことに関しては確かに優秀です。しかし自分で何が問題か、自分が今何をすべきか考えません。例えば卒論のテーマを決めるにしてもほとんどの人は周りから言われたテーマしかやりません。自分の能力を一番活かすことが出来るテーマは何か考える人はあまりいません。


問題を与えられた時点で、パフォーマンスはその問題を与えた人の想像力の範囲内に限定されます。しかし自分で考えることでその枠を想像力で幾分にも膨らますことができます。


正直東大生は勿体ないと私は思います。多くの人が制限の多い大企業へ就職し、上から命令された仕事をします。実際そこで東大生の能力が本当に発揮されているかどうかとても疑問を持ちます。


最後にメッセージとしては自分で考えて行動する人でないと起業は無理だと思います。そして起業しようと思っている人は同じ志を持つ人を見つけてほしいです。普通の学生とは違い、一緒に情熱を分かち合える人がいるのといないのとでは大きく違うと思います。


●ご自身の体験を踏まえた貴重なお話をしていただき、本日は本当にありがとうございました。


こちらこそありがとうございました。

(参考) ・株式会社アスピレーション

公式HP→http://www.aspiration.co.jp/
     ・「BizIO」→http://bizio.jp/index.rb

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Story-2 お金持ちになって世界を変えたい

前回 に引き続き、株式会社アスピレーション代表取締役の人見琢也さんのインタビューをお伝えします。


前回 は事業内容として「BizIO」について詳しくお聞きしましたが、今回は起業の経緯や人見さんご自身についてお伺いします。


●はじめに幼少期はどのように過ごされていたのでしょうか。


起業家がご自身の幼少期を振り返った時に起業とつながるようなエピソードを何かしらお持ちの方が多いですが、私は全くそういったお話はありません。育ちも中流ですし普通の子でした。比較的外で遊ぶことが多く、運動が得意でした。習い事は塾と体操をしていました。


●それでは大学生時代についてはどうでしょうか。


大学に入学した頃には既に起業を意識していました。ITが成長分野でPC一台あれば起業できる時代ということで、起業するとしたらIT分野だろうと考えていました。


しかしながら、入学時はPCのことが全くわからなかったので、大学にはほとんど行かず夏休みでさえも図書館や家でPC関連の勉強をしていました。大学の試験はシケプリ(試験対策プリント)を使い前日勉強で乗り切っていました(笑)


●入学時には起業を意識されていたということですが、いつ頃から起業を意識なさったのでしょうか。また併せて起業の経緯もお聞かせください。


高校の頃に「金持ち父さん貧乏父さん」(筑摩書房)という本を読みました。その本にお金持ちになるためにはビジネスオーナーか投資家にならなきゃいけないということが書かれていました。私は純粋にお金持ちになりたいと思っていたので、投資家は元手が必要なため、もう一方のビジネスオーナーすなわち起業を決意しました。


●素直な気持ちでその本を読まれたのですね。


はい。もっと深い部分は‘純粋’とは言えませんが(笑)


起業のきっかけについては大学二年生の頃に、E-Commerceビジネス入門の授業がありそこで集まったメンバー8人で起業しました。この授業では毎年同期で起業していますが私は一年上のメンバーに混ぜてもらいました。先輩方はITに詳しい方ばかりでたまたまメンバー募集を行っていた時にPCはあまりわからない自分でも可能かと尋ねたところ、やる気があれば大丈夫ということで参加させていただきました。活動場所は担当の教授の研究室の一部を借りていました。


アスピレーションの起業経緯は二次元バーコードからビジネスプランを思いつき株式会社ネットエイジグループの方に打診したことです。


●大学の授業のメンバーで起業されたということですが、大学は起業を目指す人にとって起業しやすい環境だと思いますか。


私自身について言えば、そのような仲間と活動をしていたということもあり起業しやすい環境にはありましたが大学に対してそのような学生の実感はないと思います。しかし現在は大学内のベンチャーキャピタルや起業家選手権、起業家サークルなどが存在し、数年前と比較すると起業しやすい環境になりつつあるのではないでしょうか。


●徐々に起業志向の学生も広がってきているということですね。次に人見さんが実際に起業した際苦労されたことはありますか。


ただ、一般の学生で起業を視野にいれている人はほとんどいません。
ですから現在も抱えている悩みは人です。起業する前に誘った人はいましたが、親の反対や本人の意思の問題で結局見つかりませんでした。その点では、私は親を説得する苦労はありませんでした。というのも私の親は自分のやりたいことをやれ、むしろ起業して学費を自分で払ってくれるなら起業してくれといった考えを持っていました。


アルバイトで手伝ってくれる人はいますが、パートナーの不在ということで今現在も困っています。


●たとえ同じ志を持っていたとしても実際起業するかとなると様々な障害があるということですね。それでは逆に起業して得られたことや良かったと思えることについてお聞かせください。


起業しなかったら学ぶことができなかったことが山のようにあります。特に雇う側の視点を得られたことが最も大きいです。というのも学生時代に起業していましたが社長ではなく雇われる側でした。雇われる側の視点でもっとこうすればうまくいくのではないかと思うこともありましたが、自分が雇う側になると景色は全く変わって色々と難しいと感じました。


また、アスピレーションが仮に失敗してしまい、自分が雇われる側になってもしっかりやっていくことができる自信を持ちました。なぜなら、雇う側が雇われる側に求められることがわかったうえで仕事が出来る分、より多くの社会貢献が可能だからです。


要は言ったことしかやらない人間はダメだということです。自分自身でどうしたらもっと会社に貢献できるのか言われなくても考え、行動できる人間はどこでも必要とされる人材だと思います。雇う側がどんなに不況になったとしても、支払う給料以上の価値を提供してくれる人は絶対に首にはしない、そういったことが雇う側になって初めてわかりました。そしていかにそういった人が少ないということもわかりました。


●とても核心をついたご指摘、お考えだと思います。私にとっても勉強になります。


次回 は最終回です。今後の展望や起業を目指す人へのメッセージをお聞きしたいと思います。


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Story-1 人生を賭けた挑戦、「BizIO」をリリース!

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略称)の最大手「mixi」を運営する株式会社ミクシィが9月14日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場し話題になったことはいまだ記憶に新しいでしょう。


株式会社ミクシィは現社長の笠原健治氏が1999年に有限会社イー・マーキュリーを設立したことに始まります。当時は求人情報サイトを運営、2004年2月に「mixi」の運営を開始するとともに社名を株式会社ミクシィに変更。2004年9月に10万人だった利用者が上場時には570万人以上に増えています。


さて、株式会社ライブドアの前代表取締役社長兼CEO堀江貴文氏や笠原氏のように大学在学中に学生ベンチャーとして起業を決意し、起業家としての道を歩む方が近年徐々に増えてきています。その背景にはITの浸透や、会社法の改正、起業を積極的に支援するベンチャーキャピタル等の存在などを含めた時代の潮流といったものがあるかと思います。


そこで、起業家インタビュー第6回はこのような時代の流れに乗り起業を決意された学生起業家、株式会社アスピレーション代表取締役の人見琢也さんにお話を伺いたいと思います。


インタビュアーはクロスコープの竹内史生です。


●早速ですが簡単に事業内容について教えていただけますでしょうか。


現在の事業内容は「BizIO」というwebサービスの運営と開発です。今年の4月に株式会社アスピレーションを設立しました。「BizIO」を9月にオープンさせるまでの間は開発のみで、他に事業内容としてはありません。


●それではオープンしてまだ間もない「BizIO」について詳しくお聞かせください。


「BizIO」は私たちが通常使用している名刺をweb上で管理することができるネットサービスです。また名刺を管理できるだけでなく、登録した名刺情報に基づいてweb上のニュースが自動的に収集可能になります。さらにweb上でSNSとしてユーザ同士のリンクも可能ですので各々のプロフィールを変更した時に、自動的に名刺が登録されている相手側にも通知される仕組みになっています。従ってユーザが名刺を登録すればするほどユーザにとってビジネスをする上での重要な情報が自動的に収集されるサービスになっています。


●web上のニュースを自動的に収集可能ということですが、具体例を一つ挙げてもらえますでしょうか。


はい。現在は名刺の企業名を元に記事が収集されます。例えば、AさんがB社の会社の方の名刺をBizIO上に登録しますと、B社に関する記事が自動的にAさんの元に集まります。


●では、一般に使用されている名刺管理ソフトとの大きな違いは何でしょうか。


ローカルなPCのデータではないので、外出先から携帯電話などからも閲覧可能です。また、前述しましたようにweb上で他のユーザとのリンクが可能ということです。しかしながら、普通のRSSリーダーの機能も備えていますので、SNSの機能を利用せずに、1人でご利用いただくことも可能です。


また、RSSリーダーに関してキーワード機能があります。こちらの機能によって名刺情報に関係なく自分の興味あるキーワードを基にニュースを収集することができます。


●世の中に溢れている情報をユーザの目的に合わせてより効率的に収集可能になるということですね。


そうです。そしてユーザが増えていきますと登録された方の業種などのデータを元に自分と同じような仕事をしている人がどのようなことに興味を持っているのかということまで把握可能になります。


●次に「BizIO」の開発経緯についてお聞かせください。


原型を思いついたのは一年以上前になります。最初は二次元バーコードに注目し、バーコードを読み取るだけで名刺の内容が交換できれば面白いのではないかと思っていました。その後、当時から徐々に広まりつつあったRSSの機能を名刺に組み合わせられないかということでBizIOを思いつきました。


●現在では二次元バーコードは必要なくなってしまいましたね(笑)それでは、「BizIO」の価値について人見さんはどのようにお考えでしょうか。


ユーザ様に対しては今まであまり有効活用されていない名刺を登録することによって、目の届きにくい情報までも「BizIO」を通して知っていただけるという意味で新しい価値の提供と考えています。


広告提供者にとっての価値は、他のSNSに比べて今このページを見ている人について確度の高い情報が得られるということです。年齢や性別だけでなく、勤めている企業、業種まで特定出来るので効率がよい広告宣伝が可能になります。


●ユーザ、アスピレーション、広告主の三者ともwin-winの関係を保つことが出来るということですね。続きまして「BizIO」の将来性についてはどのようにお考えでしょうか。


ユーザが増えていけば徐々に付加価値・利便性を高めることができます。例えば名刺登録の際、予めシステムの中に登録したい名刺が存在するならば以前よりも簡単に登録できます。現状の課題はそこまでのハードルが高く、いかに名刺を集めるかということです。今後は手軽に名刺を登録していただけるように改善、努力をしていきたいです。


mixiのようにそれまで線形に伸びていたユーザ数がある点を超えると急激に増えることが期待できます。要はそこまでどのようにユーザ数を増やしていけるかがカギだと思います。


●高いハードルを越えた先には明るい未来が待っているということですね。それではユーザ数によって大きく影響されることが考えられる「BizIO」の収益性についてお聞かせください。


主な収益は広告収入によるものです。先ほども述べた通り、広告主にとって名刺は信頼性と情報の詳細さが頼りですので、他のサービスよりも高い広告収入が期待できます。


またRSS提供者にもどのような人が自分のサイトを見ているのかデータを提供することも可能です。さらには、ユーザに対して一部有料機能の導入も考えています。具体的にどの機能を有料化するということは今後のサービスの利用状況に合わせて対応していきたいです。


●ここで「BizIO」という名前の由来に関するお話がありましたらぜひお聞かせください。


Business Information Office の略で、音の響きやビジネスっぽい名前ということで皆で話し合って決めました。「マイビジオ」については「マイミク」に対抗ということではなく500万人以上利用されている「mixi」のユーザ体験を大切にしたいという思いがあります。使い勝手を変えることは勿体ないので出来るだけ似せたうえに、「mixi」でユーザーが使いにくいと感じている部分を改善してBizIOは作りました。


●今後「BizIO」以外の事業を展開されることは考えておられますか。


僕自身としてはこのようなソフトウェアをまた作りたいと思いますし、事業としても成り立つと考えています。しかしながら当面は「BizIO」を成功させることのみに尽力します。


●まずは「BizIO」に全力投球ということですね。頑張ってください、期待しています。


では、次回 は起業の経緯や人見さんご自身の生い立ちやお考えについてお伺いしたいと思います。


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Story-3 向上心が成功の秘訣

前々回前回 に引き続き、おおきな木 MUSIC SPACE(以下おおきな木)代表の嶋田和子さんのインタビュー最終回をお伝えします。


前回までは事業内容や起業された経緯などについてお聞きしましたが、今回は事業をなさるうえでの苦労や今後の展望について詳しくお伺いしたいと思います。


●起業や事業を拡大されていくうえでなにか苦労された点がありましたらお聞かせ下さい。


まず教育者としてお金を儲けることに抵抗がありましたので、その点は大変でした。自分の中で教育と経営というものを別にして考えないと苦しく感じました。起業した当初と比べると現在は慣れましたが。


「友達にはなりやすいけどそこからお金をとることは下手だね」と今でも言われます。ですから、お金の話ができる良い営業マンが片腕に欲しいですね(笑)


●ビジネスにおいてお金は不可欠で頭の切り替えが必要ということですね。


私は人との付き合いがとても大切だと思っています。ですからSATOKOがデビューする時はプロモーションとして、それまで付き合っていた方々を頼りに奔走しました。


●それでは逆に、起業されて良かったという点は何でしょうか。


良かったことは毎日が楽しいことです。人間は培ってきたことが一つ実を結ぶと、次に行きたいと思うのではないかと私は思います。私は今でも教えることが一番好きで、いつも根底に流れているのは教育ですが、それに留まらず音楽教育の先に広がる所に行きたいと考えています。そのことを形として見えるものにすることが出来るのが、起業したメリットだと思います。


●起業されたことでまた次に新しい目標が見えたということですね。それではおおきな木の今後の展望についてお聞かせ下さい。


はい、おおきな木で活動の幅を広げる気はあまりありません。今はSATOKOと下司愉宇起が世の中でメジャーになるということが一番の目標です。ですからこの目標が達成出来たらまた違うことができるかもしれません。


●現在の生活についてお伺いしてもよろしいでしょうか。ご結婚されているということで主婦生活との両立など大変かと思いますがいかがですか。


主人は一人で家事が出来ますのでその点は特に苦労はしていません。女性の仕事と家庭の両立については、外で働いて素敵に輝いている女の人を好む男性を選べば大丈夫だと思います。子供も主人に似て比較的早くから独立していたのであまり手がかからなかったように思います。


●嶋田さんの旦那さんは素晴らしいですね。そのような旦那さんを見つけるのが現代の女性に共通する悩みじゃないでしょうか。(笑)それではオススメしたい好きな人物や言葉、本などがありましたらぜひ教えてください。


「おおきな木」はアメリカの絵本作家、シルヴァスタインの「The Giving Tree」からとった名前です。切り株になっても愛する少年のために全てを捧げ幸せだといえる、そんな木になりたいなと私は思っています。


それと「素敵なあなたに」(暮しの手帳社)という本は、毎日の生き方のいろんなことが少しずつ書いてあって素敵です。例えば、「お昼にリンゴをもらったから皮をむいてアップルティにして飲みましたよ」のような日々のちょっとした幸せを集めたもので自分でも作りたいと思っています。


●全てにおいてあまりストイックになりすぎない世界という共通した流れがありますね。最後に起業を目指す人、学生や若者にアドバイス等ありましたらお願いします。


夢と強い意志があればどんなことでも成功すると思いますので絶対にネガティブにならずに前向きにチャレンジして欲しいです。夢は必ず叶うものだそうです。


おおきな木の名誉理事長で医学博士の佐藤富雄氏が「口ぐせの魔術」ということをおっしゃっています。そちらによると、例えば仕事を終え家に「ああ疲れた」と言って帰るのと、「今日は一日すごい仕事をしてきた」と言って帰るのとでは全く違うそうです。言うときに口に出したものはかならず自分に返ってくるから相手のことも絶対褒めなさいとおっしゃっています。


若者が大好きで、前を向いている姿が素晴らしいと思います。学生時代にいろんなことをやってみてほしいです。いつも生徒さんたちに言っていることは、法に触れるようなこと以外は全部やっておいたほうが絶対将来自分のためになると。ただ自分に責任をしっかりと持ちなさいということは言っています。


●若者への熱い想いを感じますね。本日は本当にありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。


(参考)おおきな木MUSIC SPACE公式HP→http://www.ookinaki.jp/


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Story-2 ピアノを生かして第二の人生スタート

前回 に引き続き、おおきな木 MUSIC SPACE(以下おおきな木)代表の嶋田和子さんのインタビューをお伝えします。


前回 は、事業内容およびコンクールについてお聞きしましたが、今回は、起業の経緯や嶋田さんご自身についてお伺いしたいと思います。


●まず始めに、どういったきっかけでおおきな木設立を決意されたのでしょうか。


13年間続けていた個人の音楽教師という立場では自分の活動に限界を感じました。そこで、自分で自分のやりたいことができるのが起業することだと思い1993年におおきな木を設立しました。


当時はピアノの先生方が多くいましたので、主な活動は今までの活動を踏襲することでした。それが、徐々に活動の幅が広がり教えるだけよりも演奏活動を多くやりたいという人が集まってきて、現在の活動になっています。


●長い間個人のピアノの先生をされていたんですね。それではSATOKOさんもその時の生徒さんでしょうか。


はい、SATOKOは6才の時に私の音楽教室に来て以来、一生のお付き合いですね。彼女は大きくなるにつれCDを出すなど徐々にプロ志向になってきました。しっかりと彼女をサポートしてあげたいという思いから設立10周年を機に現在のおおきな木のようなプロモーション活動を新たに始めました。


●SATOKOさんにピアノを教えるだけでなくアーティストとしての道もサポートしていくということですよね。


はい、SATOKOに限らず人生の道筋をつけてあげることが教師の役目ではないかと私は思っています。ですから、一人一人進む道が違っても生徒だった子たちとは今でも頻繁に会う機会を設けています。そうした関係を築いていることから、その子たちは仲間のSATOKOが演奏する時には応援に来てくれています。


●チームワークのような素敵なつながりですね。ところで嶋田さんが音楽の先生になったきっかけはどういったことでしょうか。


きっかけは結婚です。結婚しても一生続けてやっていくことのできる仕事は何かと考えました。その結果今までずっと続けてきたピアノを生かしピアノ教師になることを決意しました。


●それでは結婚なさる前は何をされておられたのでしょうか。


結婚前は、銀行や広告代理店に勤めていました。私は高校までピアノをやっていたのですが、音大には行かず一般の大学に進学しました。当時は現在と違い、ピアノを習っている人は学校に一人か二人という状況でした。まして高校までピアノを続けていたら音大に行くというのが普通でした。ですから、私が受験時「音楽一筋の道はいやで一般の大学へ行く」という生意気なことを言いましたら、先生はひっくり返るほど驚かれました。(笑)

また広告代理店に勤める前にはそれまで勤めていた銀行を辞めてアメリカにも行きました。


●アメリカにはお仕事で行かれたのですか。


いえいえ、単に見聞を広めるためです。当時は外国へ行ったら帰ってこられないのではないかとまで言われる時代でした。しかしながら学校同士の交流を通じて夏休みに2ヵ月間サマーキャンプに参加しました。


●音大ではなく一般の大学へ行かれることを決心なさった時や仕事をお辞めになってアメリカに行かれることを決意した時に、決断力や行動力が必要になったかと思いますが、嶋田さんは子供の頃からそのような能力に優れておられたのでしょうか。


私自身そのような意識はあまりないですが、父が転勤族だったため私も小学校や中学校を転校するという環境の中で育ちました。その中で様々な面において自分をうまくコントロールしていかないと生きてはいけないといったことを学んだ気がします。ですから、私もいじめられた経験はありますが、その分人に優しくできるのではないかと思っています。


●「生きる術」のようなものを早くから身につけていらっしゃったわけですね。では銀行や広告代理店に勤められていた時や、アメリカに行かれた時の経験で現在の嶋田さんにとって役立ったと思われることは何でしょうか。


全てですね。まず銀行にいた時は、企業というものがどういうものか学びました。アメリカに行った時は、日本は世界の中の一つの国であり、もっともっと広い世界を見なきゃいけないなと思いました。ですから、若者には若い時に外国に行ってきてほしいです。なぜなら、若い感性は見るものを全部吸収できると思うからです。そして若い時に吸収したことはそのとき役に立つと実感できなくても、年を重ねるにつれ必ず何かしらの役に立つと思います。


●さすが教育者ならではのお言葉ですね。説得力があります。


次回は最終回 です。嶋田さんのお仕事での苦労や現在の生活、今後の展望などについてお聞きしたいと思います。


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