「モノクローム」 乾 ルカ 著 新潮社 刊
”母さんはなぜ、僕を捨てたの? 答えはきっと、盤の上にある。母子家庭で育ち、幼いときに母に捨てられた少年・慶吾。孤独の中で囲碁に打ち込む慶吾の姿を、写真部の香田のカメラがいつも捕らえていた。香田の屈託ない態度のおかげで徐々に心を開いた慶吾は、それまで避けて通ってきた母の家出の理由と向き合おうとするが……。囲碁を通じて自分を取り戻す青春ミステリ”
ヾ(@°▽°@)ノ 青春囲碁長編 です。
囲碁において、意味のない石を打つことは、緩着・敗着 になります。
主人公の慶吾は、母親に完全に捨てられ、見向きもされないことに、自分の存在の意義に悩みます。
ひねくれているというより臆病で、そのため誤解されやすいところを、ある面KYな親友・香田が、
慶吾の憧れであり、救いでもあります。
囲碁の対局の場面は少しですが、母親の打った囲碁の再現・解説しながら、自分を捨てることになった
きっかけやその時の心情をさぐろうとします。
棋譜も本の最後についてますので、棋譜をおいながら読みすすめて、そこはおもしろかったです。
母親も息子も、なんでも一人で抱えすぎ。よく似ています。大会があるから、ちょっと預かってとか
相談できる親類(両親)、友人、行政機関がなかったのが、二人の不幸の始まりです。
母親が再婚することになり、息子の慶吾に「人を愛することを始めてしった」と言いますが、
なんじゃそれ??((o(-゛-;)ってかんじです。
息子は、愛してなかったんかい?
まあ、そんときは、”囲碁だけを愛していた”のでしょう。碁キチならありうるか