雑記帳

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こちらは「くじういんぐ」(http://kuji-wing.com)の雑記帳です。

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【安保法】同じに日に行われた賛成派デモと反対派デモの違いがわかりやすいと話題

http://alfalfalfa.com/articles/126592.html



 思った以上に解り易くて笑った。

 わたしは左翼的思想には一切同意できませんが、それでも本当の左翼というのがこういう輩とは違うのだという事は理解できるつもりです。

 日本を良くしたい、という目的は同じでもそれに対するアプローチが違う、というのが世界で一般的な右翼思想、左翼思想なんですよね。

 だから国の象徴である国旗を掲げるし、国家を歌う。

 反対デモしているこいつらは左翼ではなく、反日でしょう単なる。こいつらを左翼と呼んだら、さすがに本当の左翼の方々に失礼だと思います。


 日本を良くしようなんてこれっぽっちも思っちゃいなくて、それどころか日本という国が嫌いで嫌いで仕方が無い連中。

 隙あらば隣国に日本という国を二束三文で売っぱらってしまいたい連中。


 そういう輩を指して、昔から伝統的に日本ではこう呼ぶのですよ。

 売国奴。

 どうも文章がダラダラ長くなってしまうので、本件については簡潔にまとめます。



ギリシャ人があまりに働かないので社会保障費増大、経済危機に
 ↓
EU「金貸してやるから緊縮財政な」
 ↓
ギリシャ人「ヒャッハー! 緊縮なんてクソ食らえだー! 働いたら負けだと思っている」
 ↓
緊縮反対派の急進左派連合(日本でいう共産党)が与党第一党に
 ↓
EU「追加で金貸せだ? アホかキサマ、緊縮財政の約束はどうした!」
 ↓
チプラス「あ、国民投票で決めます。投票は7/5で」
 ↓
IMF「ちょ、おま! うちへの返済期限6月末なんだけど!」
 ↓
ギリシャ人「緊縮はんたーい!」
 ↓
国民投票の結果、緊縮策の拒否が決定。IMFへの返済はブッチ。
 ↓
チプラス「国民の意思は示された! 我々の勝利である!」
 ↓
メルケル「……小僧、屋上へ行こうぜ、久しぶりにキレちまったよ…」
 ↓
ユーロ圏首脳会議という名の屋上に連れ込まれ、12時間フルボッコにされるチプラス
 ↓
チプラス「EU案、マルノミ! マルノミ! ウケケケケ」
 ↓
ギリシャ人「ちょ、おま! 国民投票の意味は! つか国民投票の時より更に厳しい条件じゃねーかこれ!」(←今ここ)




【登場人物紹介】


・チプラス
 ギリシャ首相。共産党の書記長。調子こいてたらフルボッコにされた。


・メルケル
 ドイツ首相。女性。実質的なEUのドン。最悪のジコチュー。


・IMF
 金貸しヤクザ。
 ここから金を借りると後が怖い。韓国などは国内の銀行をすべて外資に売り払われた。


・ギリシャ国民
 言うなれば運命共同体。
 互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う。
 一人が五人の為に、五人が一人の為に。
 だからこそ戦場で生きられる。分隊は兄弟、分隊は家族。
 嘘を言うなっ!
 猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら嗤う。
 無能、怯懦、虚偽、杜撰、
 どれ一つ取っても戦場では命取りとなる。
 それらを纏めて無謀で括る。
 誰が仕組んだ地獄やら。
 兄弟家族が嗤わせる。
 お前もっ!
 お前もっ!
 お前もっ!
 だからこそ、 俺の為に死ねっ!
 装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ!
 俺たちは何のために集められたのか。


 ボトムズじゃねーか。

 最初に、これだけは言っておきたい。
 いまの情勢で、テレビや新聞等でいわゆる「経済評論家」なる普段何してるんだかわからない胡散臭い職業を名乗るコメンテーターが、もし「中国経済は安定している」「上海の株価は今後も上昇を続ける」などと発言しているのを聞いたなら、そいつの顔と名前を覚えておくことをお勧めします。
 今後未来永劫、そいつの言うことは一切信用してはいけません。そいつは詐欺師か、とんでもない無能か、もしくは中国共産党のスピーカーです。
 
 
 さて、先週あたりからちらほらニュースになっている上海株式市場の情勢ですが、わたしが知る限り特にテレビでは踏み込んだ説明がほとんどありません。
 これは日本のマスコミが中国に媚びているというよりは、番組を作っている連中がろくに経済のことなんか知らないからでしょう。
 馬鹿には期待するだけ無駄です。
 
 
 いま中国経済で起こっていることは、実はひどく単純です。

 
中国共産党「やべぇ、不動産バブルが弾けそう……」
 ↓
国営放送「これからは株だ! みんな株を買うんだ!」
 ↓
釣られた中国の個人投資家(経済って食べ物ですか? みたいな人たち)が一斉に株式市場に殺到
 ↓
株価爆上げ
 ↓
人民「ヒャッハー! もっと! もっと利益を! 信用取引(ようは借金)だー!」
 ↓
株価更に爆上げ
 ↓
中国市場の信用取引額がいよいよとんでもない額に
 ↓
中国共産党「さすがにやべぇ、今日から信用取引に規制かけっから」
 ↓
人民「ひぎぃ! 借金返せなくなる! 売りだ! 残らず売れ!」(一斉にパニック売り)
 ↓
株価大暴落 (←ここが先週前半)


 概ねこんな感じ。
 通常先進国の市場では、海千山千のトレーダーやプロの証券会社社員が大量に居て、素人がパニック売りした銘柄を底値で買い、将来的に値上がりしたところで売って大儲けしたりして市場は調整されます。
 ですが投資家の大半が成金の素人である中国では、こうして極端から極端に容易に振れてしまうのです。
 
 株は為替などと違い、損をする人がいればそのぶん得をする人がいるようなゼロサムな性質のものではありません。株価が暴落すれば、その株を所有する人、その株を売る人、発行する企業、全員が等しく損をします。
 そしてこれも為替とは違い、株価が高くても直接的な弊害は一切ありません。
 急激な円高は輸出企業が壊滅しますし、急激な円安は国内物価の高騰を招きます。ですが株価については高騰しても一切何の問題もないのです。せいぜいが反発による株価下落が懸念されるのみ。
 極論すれば、株価というものは高ければ高いほどよいことなのです。

 その国の平均株価が暴落するような事態になった場合、その国の政府は何かしらの株価対策を取る必要性に迫られます。ここで政府が事態を傍観したり対策を誤ると、結果として経済が大打撃を受けます。民主党政権での株価低迷や90年台初頭の日本のバブル崩壊がいい例です。
 市場で株価が暴落した場合の対策としては具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
 
 ここでは代表的な先進国として日本の対策を挙げてみます。


日本の株価対策1 長期金利の引き下げ
 定期預金や普通預金に大金を預けておいても雀の涙ほどの利息もつかない、となれば、大金を持っている人ほどもっと利ざやのいい運用先を探します。
 そういったいわば「死んでいる金」が株式市場に流れ込み、株がどんどん買われ、結果として株価が上昇します。
 
日本の株価対策2 法人税率引き下げ等の企業優遇策
 株式とはいわばその企業への投資です。業績のよい企業の株は将来的に値上がりが望めるため多くの投資家が買い求め株価は上昇し、逆に業績の悪い企業は売られるので下落します。
 すべての企業に対して公平に減税等でサポートすれば、企業の業績が良くなり、結果として株価が上昇します。


 他にも色々あるでしょうが、代表的なのはこの2つです。
 なんともまぁ、風が吹けば桶屋が儲かるではありませんが迂遠な方法ですよね。
 ですが経済とは生き物です、無理に強権を振るおうものなら誰にも予測のできない反発を招くことになる。政府が経済に直接強権を振るった結果どうなるか、といういい例がジンバブエであり戦時中の大日本帝国です。
 
 上記の方法は確かに迂遠ではありますが、堅実に効果を発揮し、民主党政権の「注意深く見守る」政策により一時は9000円を割り込んでいた日経平均株価は数年で20000円台まで回復。日本経済は息を吹き返します。
 90年台初頭のバブル崩壊では、当時の橋本龍太郎内閣総理大臣が2の対策を決定的に誤りました。
 最悪のタイミングでの消費税増税と超緊縮財政というダブルパンチで、企業の業績に大ダメージを与えてしまったのです。
 国の借金が国民一人当たりいくらで1秒ごとにいくら増えていく、などとスタジオに大掛かりな金額リアルタイム表示の時計まで作って、マスコミが盛んに煽り立てていた時期です。
 度を越した緊縮財政の一環として、税金の投入で救えるはずだった山一証券の破綻を傍観したことが直接の引き金となり、一気に信用不安が拡大。株価は連日大暴落し、バブルが崩壊します。
 その後20年以上に渡り、日本は長く暗い不景気のトンネルを彷徨うことになるのです。
 緊縮財政による国債発行額の無理な圧縮と、代わりの財源確保としての安易な増税、それがいかに危険なことか、日本は既に経験しているのですよ。
 国債残高を「国の借金! 子供たちへの負債!」とまるで壊れたラジオのように垂れ流すくせに、経済政策として必要な税金投入を「税金の無駄だ! バラマキだ!」と鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てる日本のマスコミ。彼らがいかに無知で低脳で無責任で恥知らずなアジテーターかということが本当によく解ります。

 ちとヒートアップして話が逸れました、以上は前置き。
 日本に限らず一般的な先進国の株価対策は間接的に行われるのが常だ、ということです。


 では、先週の終わりに上海市場の大暴落に襲われた中国共産党が何をしたか。
 事実のみを列挙します。


中国共産党の株価対策1 下落株の取引停止
 特に値下がりの激しかった株を、あろうことか取引停止としてしまいました。
 最終的に取引停止になった株は市場全体の半数近くに上ります。

中国共産党の株価対策2 空売りの取り締まり
 空売りとはようは借金して株を売る行為です。「後でこの株の金払うから、とりあえず買ったことにして売っておいて」というものです。
 例えば100株100万円の株に対し、今手元には無いが後で金払うからと100万円で売る。手元には100万円の現金と、100株分の代金支払い義務が残ります。
 1日後には株が値下がりして100株90万円になっていたとすれば、90万円の代金を払えばよいです。手元にはまるまる10万円が利益として残る。
 これが空売りです。
 逆に株価が上がって100株110万円になったとすれば、110万円を支払わなくてはならないため10万円分損をします。
 株価が値上がりするか、値下がりするかを見極めて、利益を出す。「空売り」というと何となく胡散臭いですが、これはれっきとした株式取引のルールに則った商行為です。
 それを問答無用で禁止したばかりか、違反者を逮捕すると宣言しました。

中国共産党の株価対策3 大株主の株売却禁止
 一定以上の株数を保有する大株主に対して、一定期間、株の売却を禁止しました。

中国共産党の株価対策4 企業や証券会社への買い支えの強制
 国営企業や証券会社に対し、取引停止となっていない残り半数の株式を大量に購入するよう強制しました。
 無論、共産党政府もガンガン買ってます。

中国共産党の株価対策5 外国人投資家の排除
 外国人投資家の株の売買を全面的に禁止しました。
 このまま禁止が解除されなければ彼らの持つ大量の株式はそのまま紙くずです。


 もう自分でも書いていて唖然とします。無茶苦茶です。
 皆でルールに則ってサッカーをしていた場所で突然金属バットで相手チームを殴打し始めたようなものです。
 これではとてもじゃないですが先進国の経済取引とは呼べません。ルール無視のデスゲームですよこれ。
 
 とにもかくにも、この対策により暴落を続けていた上海株式市場は少なくとも表面上は株価が上昇に転じます。そりゃそうだ、だって売りたくても売れないんだから株価が下がりようがない。
 未だに取引停止対象の株を持つ投資家やその他の株を持つ大株主は売りたくても売れない状況ですし、空売りすれば逮捕されます。信用取引をしていたほとんどの個人投資家は借金の返却期限を迎え破産するしかない。停まった自転車は倒れるしかないのです、というかそも利息すら払えないでしょ。
 日本ならともかく、中国人が果たして観念して首を吊りますかね? 死なばもろともと憎き政府相手に大暴動を起こすと思うんですが。
 企業や証券会社、そして中国共産党が株価を買い支えるために使った金額は日本円にして300兆円とも400兆円とも言われています。ここ1週間だけで、です。
 300兆円、400兆円と言われてもピンときませんが、日本の国家予算(一般会計)が95兆円ですから、どれほどとんでもない額かがわかります。事はもう日本が援助してどうこうとかいうレベルにありません。
 さてこの返ってくる当てのほとんどない莫大な額の無駄金は、果たして何処から用立てた金でしょう。
 年金資金? 共産党にとって人民の命なんて路傍の雑草と同じとはいえ、さすがにこれは大暴動フラグですよね?
 外貨準備? 世界一と大喜びしてた外貨準備金、米国債が3割しかなく、残り7割は虚構じゃないかと話題になってますよね?
 よもやじゃんじゃんバリバリ輪転機まわしてませんよね? いくらなんでもこのペースで刷ったら、半年後には額面ではなく重さで取引することになりますよ?

 今は滅茶苦茶な強権発動で無理矢理に株価を支えているこのような不自然な状況は、当然ながら長くは続かないでしょう。
 買い支えの金が尽きるのが先か、無尽蔵に刷った金でハイパーインフレとなり社会経済が壊滅するのが先か。
 はたまた取引停止銘柄を解除した瞬間に大暴落して即死するのか。
 少なくとも、このまま市場が安定して上昇を続けるような展望は100%ありえません。素人のわたしですら断言できます。
 これだけ政府の強権によるルール無視が行われるとなれば、まともな外国人投資家はたとえ禁止が解除されたとしても二度と中国市場を信用せず、今後絶対に投資は行われないでしょう。胡散臭い山師のような連中ばかりになるでしょうね。胴元が途中で平気でルールを変更するようなギャンブルに、好んで参加するような輩はマトモじゃない。

 このような状況で「中国経済は安定している」「株価は今後も上昇を続ける」などと囀るような輩が、詐欺師か、無能か、共産党のスピーカーだということが解っていただけましたでしょうか。


 正直、共産党政府も現状どうしたらいいかさっぱり解らない状況でしょう。
 毛沢東が数千万人の人民を大虐殺した統制経済の頃から、これっぽっちも進歩していない。
 ちょっと前までガッチガチの共産主義社会だった中華人民共和国には、自由経済や株式市場などはまだまだ早すぎたのですよ。
 政治で経済を統制する国家、ようは政経分離ができていない国は、経済の混乱により国が滅びます。
 ソ連は経済破綻と共に崩壊しました。中国も同じ道を歩み、しかもそれはそう遠い未来ではないのかもしれませんね。

【韓国のネット新聞が暴言「佳子(内親王)を慰安婦にしよう! 日本は東京五輪までに消滅する」】

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1840404.html



 久しぶりの日記がこんなんで心苦しいですが、この記事を読んでわたしはリアルに激昂しました。

 今まで韓国関連については、呆韓だったり笑韓だったりしましたが、これは許せない、今後は殺韓で行こうと思います


 内容を読むと支離滅裂で統合失調症患者が書いたような駄文ですが、そも朝鮮人は起承転結どころか論理的思考すらできない欠陥人種なので、そのあたりはどうでもよろしい。いつもの朝鮮人の駄文です。

 だが、皇室を品性下劣に激しく侮辱しているのは絶対に許せん。例えるなら神聖なる神社仏閣に糞尿を垂れ流すような行為です。靖国神社で放尿したいつかの朝鮮人の行為そのものだ。


 というかですね、前大統領であるアキヒロのときに真偽が多少疑わしいレベルの発言ではありましたが今上天皇陛下を侮辱した件ですら、日本人は激昂したんですよ。今にして思えばあれこそが今に繋がる韓国への日本人の嫌気の先駆けであったと言っていい。日本のマスコミは竹島上陸だったことにしたいみたいですけれどね。

 今回は大統領という立場にある者の発言ではなく、一マスコミの記者の発言です。

 ですが、同じくらい、いやむしろより性質が悪いといえる。マスコミュニケーションの中核を担う記者という立場の人間の発言ですからね。これが韓国人の総意であるという見方を、どうやって否定するつもりなのか。

 韓国のマスコミは前大戦中の日本マスコミを彷彿とさせるような、アジテーションに溢れかえったメディアです。それ自体が後進国である証なのですが、いくらなんでもこれは酷い。酷過ぎる。


 日本人にとって、例えどれだけ普段は意識していなくとも、皇室というのは特別な存在です。

 敬意も、そして反発も、特別な存在だからこそ両論ありえる。どうでもいい存在なのであればそも触れることすらないでしょうよ。

 そして日本人であれば、幼児でもない限りは多かれ少なかれ皇室というものに対する「畏れ」の感情があります。これは朝鮮人のような歴史も文化もない土人には絶対に理解できない感情でしょう。

 今回、奴等はそれを土足で踏みにじりやがった。これを笑って許せるような人間は日本人ではないか単なる反体制かぶれの厨二病です。(断言)


 絶対に許さない。

 絶対に。

 冬コミ販促です。


 Kanon小説本新刊 『雪兎の円舞曲』
 64ページ 500円で配布予定
 12/30(3日目) 西 む-30b くいういんぐ



表紙




口絵1




口絵2





 例によって例のごとく、名雪メインのぐだぐだしたお話。


 あと、影さんとこにも艦これ小説のゲスト原稿書いてます。
 そっちの販促はぴくしぶに。
 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4687097



 以下、うちの新刊サンプル。



「寒っ! イヤ! ヤメて!」
 扉を開けた玄関から吹き込んでくる身を切るような寒風に、思わず叫んでしまった。
「ヤメてってなに……?」
 後ろの名雪はドン引きだ。とりあえず寒いので扉は閉めた。
「ちょっとなに閉めているんだよ、これじゃ学校行けないよ」
「何が学校だこの学歴社会に囚われた哀れなティーンエイジャーめ! あんまりワガママ言うと蒲焼きにして食っちまうぞ!」
「もうワケが解らないよ、ほら早く行かないと遅刻しちゃうってば」
 俺を押しのけるようにして扉を開ける。途端に氷点下の冷気が俺の全身を撫でた。
「ぎゃあ寒いぃ! やだぼくもうおうちかえゆ!」
「はいはい、じゃあ行くよほら」
 やめろ制服の首の後ろを掴むな、連行されるスネオみたいになってるじゃねーか!
「うーん、確かに寒いね今朝は、今年一番の寒さかも」
「やべぇよこれ、マジぱねぇよ……」
「なして九十年代、ほら立ち止まってるときっともっと寒いよ、歩こ」
 そう急かされて、渋々歩き始める、確かに立ち止まっているよりはマシだが、それでもむき出しの顔が切れるように寒い。というか痛い。俺は首に巻いたマフラーで口元から頬にかけてを覆った。
 つーか前々から疑問だったんだが、このありえないほどのクソ寒さのなか、どうしてこいつはコートも羽織らず薄手の制服だけなんだ? ビョウキなのか? こいつ実は妖怪雪ん子じゃないのか?
「せめて雪女とかさぁ…… でもこの制服、実はこれでいてかなり暖かいんだよ?」
「なに? そうなのか?」
「ほら、このケープとか、ひらひらしているけど実は結構厚手素材だし」
 やめろ、ほらほら触ってみなよーとか言いながら身体を押し付けてくるな、恐喝されるスネオみたいになってるじゃねーか!
「祐一はドラえもんを何か誤解しているんじゃないかな……」
「む、確かに結構厚手なんだなこれ」
「でしょでしょ?」
「だがそれで上半身はカバーできても、下半身はどうにもならないだろ」
 つかなんでこの制服はこんなに非現実的なほどスカート丈が短いんだ? ありえないだろ、デザインしたヤツなに考えてんだよ。もう本当にありがとうございます。
「まあねえ、それはまあ仕方ないよ、女子の嗜みってやつ?」
 マジかよ、女子ぱねえな。俺、男に生まれてよかったぜ。
「あ、でも大丈夫、今日は毛糸のぱんつ穿いているから」
「……お前それは女子としていいのか、何か思うところは無いのか」
 つか隠居したお婆ちゃんかよ、女子力低すぎだろ、女子の嗜みとやらはどこ行ったんだよ。
「あの子はもう死んだ」
「死んだのかよ。つうかかお前、いつまでくっついてんだよ、歩き辛いんだよ」
「うわ、なにそれ、祐一が寒い寒い言うから少しでも暖かくなるようにしてあげてるのに」
 やかましい離れろコラ、と、首筋に冷え切った手を当ててやる。
「きゃっ、冷たっ! あはは、やめて、やめてってば」
「おお暖かいぞこれ、お前あれだな、小動物並に体温高いな」
「冷たい、冷たいってば、あとくすぐったい、あはは、あははは!」
「朝っぱらから往来でイチャついてんじゃないわよこのバカッポーども」
 うおっヤベェ、美坂の姉御のお通りだ、登場と同時に道端にペッ、と唾をお吐きになられたぞ。ほらほらお前たち道を空けなさい空けなさい、さもないとカービンで蜂の巣にされますよ。
「おはよう相沢君、相変わらず脳が腐れてるわね。あんまりナメたこと抜かしてると泣いたり笑ったりできないようにするわよ」
「おはようございます美坂さんごめんなさい勘弁してください」
「おっはよー、香里」
「おはよう名雪、寒いわね今日も」
 おいおい実は俺、美坂さんに嫌われてるんじゃないですかね?
「出会いがしらでバカみたいなこと言ってるからよ」
 出会いがしらで道に唾を吐いたひとに言われてもなぁ……
「そういえば名雪、あなた今朝日直じゃなかったの?」
「……あ」
 どうやら綺麗さっぱり忘れていた模様。
 こいつこれでいてかなり忘れっぽいからな。まあ俺が言うなって話だが。
「どどどどうしよう、忘れてたよ!」
「今日は珍しく早いから、今から走ればなんとか間に合うんじゃない?」
「そ、そっか、そうだよね、じゃあごめんね祐一、香里、わたし先に行ってるから」
 俺も一緒に走れといわれるかと思ったが、どうやらそうではないようだ……って速っ! なんだあの加速、奥歯に加速装置でも仕込んでんのか。
「転ばないようにねー!」
 香里の声が届いたかどうか、もう角を曲がって見えなくなりやがった。どうやら俺と一緒に走ると全力が出せないから、足手まといとして置いていかれたというわけらしかった。
「まーいいけどな、ほら行こうぜ香里」
「不本意だけれど、まあいいわ、しばらく我慢してあげる」
 このアマ、俺と一緒に登校するのがそんなに嫌か。
「相沢君と一緒に登校したら、妊娠しそうじゃない?」
 人を色情魔みたいに言うんじゃねえよくそっ、どういう扱いなんだよ俺。
「そういや香里も下に毛糸のぱんつ穿いてるのか?」
「……ノータイムでセクハラとは恐れ入ったわ、あたしはまだまだ相沢祐一を甘く見ていたようね」
 しまった、ふと思ったことをそのまま口に出しちまった。寒さで脳がうまく働いてねえ。
「違うんだ、これは誤解だ」
「誤解も何もないわよね、いきなり下着の色を聞いたわよねいま」
「微妙に捏造するな、色なんて聞いてない。俺がさっき聞いたのはあくまで下着の有無であって色じゃない」
「なお悪いわ!」
 さすがは美坂の姐御や、ボケだけでなくツッコミまで的確にこなしはる。
「はぁ、まあいいわ、どうせ名雪でしょ? あの子この時期はいつだってあれ穿いてるものね」
 さらりと語られる衝撃の事実。マジかよ知らなかった。
「でもそんなの穿いてるところ、一度も見たこと……」
 しまったこれは罠だ。香里のやろうすげぇニヤニヤして俺のこと見てやがる。
「そりゃ『そのとき』はちゃんと可愛いの穿くでしょうよ、はあやれやれ、独り身には酷な話よね」
 くっそ、俺がそういう話ニガテなの知っててあえて突っ込んできやがって、嫌がらせの天才だなこの女。
「まぁ、名雪がいつも毛糸のあれ穿いてるのは本当よ、あの子運動やってて代謝高いくせして寒がりなのよね」
「あれでか、なんつーかこっちの人の言う寒がりってのは俺とはレベルが違うな」
「何がこっちの人、よ、相沢君だってもう十分に『こっちの人』じゃないの」
「……そ、そうか」
「うん? なに赤くなってるの?」
「い、いや、別に何でも」
 くそ、さらっとさも当たり前のように言いやがって。
こいつ転校とかしたこと無いんだろうな、ちょっと嬉しいとか思っちまったじゃねえかクソ。
「そ、そう言えば、栞は元気か?」
「ああ? なにあんた栞に手ぇ出したら割れたグラス噛ましてぶん殴るわよ」
 やべぇ、照れ隠しに振った話題が見事に地雷だった。というか恫喝が具体的過ぎて怖ぇ。
どんだけ過保護なんだよ、いい加減にしろよこのシスコン姉ちゃん。
「バカ、そんなんじゃねーよ、ここんとこ寒いから、身体大丈夫かって聞いてんだよ」
「ふん、まあいいわ。そうね、あの子は名雪と違って寒いの強いから平気よ」
「そうか、ならいんだけどな。せっかく身体よくなったんだ、風邪なんかひいちゃつまらんからな」
「ふふ、そうね。相沢君が心配してたって伝えておくわ」
 香里の妹の栞は、少し前に大きな手術をした。
 どのような病気だったのかまでは知らない、だが命にかかわるものだったのだと、手術後に香里から聞いた。手術自体も失敗する可能性のあるものだったらしく、当時の香里は学校でも精神的にかなり不安定だったのだが、すべてを聞いたのは手術が無事終わってからのことだった。
「何かあったらちゃんと話すわよ、もう名雪に引っ叩かれたくないもの」
 楽しげに話す内容じゃないだろう、と思いつつも、なんとなくその心情は解る気がした。
 すべてが終わって香里が俺たちに妹の事情を説明したとき、名雪は問答無用で香里の頬を引っ叩いたのだ。
 どうして話してくれなかったのかと。わたしは香里の友達でしょう、と、泣きじゃなくりながら。
 叩かれた香里もすぐに泣き出した。ごめん、ごめんね名雪、あたしが間違ってた、ごめんね、と。
 別段どちらに嫉妬したというわけでもなかったのだけれど、俺はそんな二人を見てひどく羨ましいと思ったのをよく覚えている。こんな風にぶん殴ってまで叱ってくれたり、それに対して素直にごめんなさいと言えるような友達は、そうそう持てるもんじゃないからだ。
 とにかく、そんなことがあってから、香里は名雪に対して隠し事をしないようになった。俺に対してそうしてくれているのも、俺が名雪の友人だからだろう。
「栞ったら、まだダメだと言っているのに早く学校に行きたいって聞かないのよ、今朝だって――」
 まあ、今まで抑えていた分、シスコンっぷりがヤバイことになってるんだけどな。
 結局そのまま学校に着くまで、俺は香里の妹惚気を聞かされ続けたのだった。



「あー、終わった終わった、おい北川、学食行こうぜ」
 四時限の授業が終わり、いい加減空きっ腹が限界だった俺は後ろの席の北川にそう声をかける。
 先日席替えをしてから、こいつが俺の後ろだ。名雪のやつは少し離れた席になり、香里もまた少し離れた席だ。
「聞いてくれ相沢、俺はお前を見込んで折り入って相談したいことがあるんだ」
「なんだ、金なら貸さないぞ」
「……えー」
「本当に金の無心だったのかよ! どんだけステレオタイプなんだよお前」
「仕方ないだろう、金無いんだから」
「なんでそんなに金無いんだよ、親から昼飯代もらってないのか?」
「月初めにまとめてもらって、すべて使い切った」
「どうしようもねぇなお前」
 ここまで同情の余地がないのも珍しい。無計画にもほどがあんだろ。
「というか今月まだ二十日じゃねぇか、あと十日どうすんだよ」
「どうしよう?」
 知らねえよ、俺に聞くな。
「いったい何に使ったんだ?」
「ケッコン資金」
「……は?」
「だからケッコン資金」
 ……いったいぜんたい、何を言っているんだろうかコイツは、童貞こじらせて脳がやられてしまったんだろうか。
「どどどどど童貞ちゃうわ!」
「ドモりすぎだろ、だいたい何だよケッコン資金て、結婚どころか彼女もいないくせに」
「くくく、叢雲さんから長門まで、よりどりみどりだぜ!」
「……まぁあえて突っ込むまい。で、いくら使ったんだ?」
「一万九千八百円」
「お前バカだろ」
「もうすぐ潜水艦二セット目が九九なんだよなぁ、どうするかな」
「OK、お前もう喋るな」
 まったく、どんだけハマってんだよ。
「まぁそういうわけで……お願いしますお金貸してくださいぃっ!」
 なんという見事なジャンピング土下座。誇りでメシが食えるんですかねえ、と言わんばかり。
「わかったわかった、貸してやるからそんな真似するなよ北川。俺たち、友達だろ?」
「土下座する俺の頭を踏みつけながら言う台詞じゃないですよねそれ!」
 やべぇ靴底から伝わる感触がなんか癖になりそうだ。
「いつまで踏んでんだキサマー!」
「貸すの一万でいいか?」
「ポチとお呼びくださいご主人様」
「……なにやってんのよあんたら……」
 香里がドン引きしながら声をかけてきた、いつもの面子で学食に行こうというのだろう。
「こいつが組の金に手ぇ付けやがったんでさぁ! でも安心してくだせぇ、姉御の代わりにきっちり俺がシメておきやしたかr(カクン)」
「馬鹿なことばっかり言ってんじゃないわよ」
「すげぇ、顎先に右フック一閃だ、相沢がまるで糸の切れたマリオネットのようじゃないか」
「解説しながら祐一の懐の財布をまさぐる北川君も大概だよね……」
「ふぅ、付き合いきれないわ、学食に行きましょう名雪」
「おい待ってくれ、俺も行くって」
「じゃあ早くしなさいな、相変わらず北川君は愚図ね」
「あひぃ、もっと罵ってくれ」
「北川君その恍惚の表情ちょっとキモい……」
 結局、俺が眼を覚ましたのは昼休みが終わり、五時限目の最中だった。
 ちくしょう、昼飯食い損ねた。というか教室のど真ん中でひと一人倒れているのに普通に授業始めてんじゃねーよ、どうなってんだようちの学校。



「貸した金ちゃんと返せよ?」
 放課後、北川に念のため釘を刺しておく。まぁこいつはこれでいて意外と律儀なやつなので、実はあまり心配してないんだけどな。
「おう、月末にバイト代入るから、そしたら返すよ」
「何だお前、バイトしてんのかよ」
 うちの学校はちゃんと許可とればバイトも自由だ。割と自由な校風なところが俺の肌に合ってる。ここに来る前に通ってたところは、厳しかったからなぁ。
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「初耳だよ、何のバイトだ?」
「駅前のピザ屋の配達」
「あー、そういやお前、原付の免許持ってるもんな」
 免許もそうだしバイトにしても、北川は何気にかなりバイタリティあるんだよな、部活でもやりゃいいのにとも思うが、それはまあ人のこと言えた義理じゃないか。
「そういや相沢は小遣いとかどうしてんだ? ご両親いま海外だろ?」
 そう、うちの両親はいま海外にいる、ストックホルムだったか。
「食費とかと一緒に秋子さん宛に毎月振り込んでるらしい、だから小遣いは秋子さんからもらってるよ」
「へえ、いいな、秋子さん優しそうだから、お願いすれば追加でくれたりするんじゃないか?」
「ふふ、ふふふふ、北川君それは甘い考えだよ」
 いつから話を聞いていたのか、いつの間にか名雪が傍に来て話に加わってきた。
「お母さんあれでお金にはすごい厳しいんだよ」
「えっ、そうなの? 意外だな」
「この間なんて、お小遣いの前借りをお願いしたら、にっこり笑って断られたよ」
「ははは、なんかそれは秋子さんらしいかも」
「笑い事じゃないよ、祐一にお願いしても貸してくれないしさ」
 ふてくされたように唇を突き出して名雪。北川君には貸してもわたしには貸してくれないんだね、と拗ねている。
「そうは言ってもなぁ、秋子さんから言われてんだよ、名雪には貸したらダメだって」
「えっ、そうなの?」
「今からちゃんとお金の使い方を学んでおかないと、大人になったら苦労するからだってさ」
「ははは、水瀬さん諦めなよ、正論だよそれ」
「むー」
「だいたいお前、毎日部活してて金なんて使う暇ないだろ、何に使ってんだよ」
「え? 山城さんとか阿賀野ちゃんとか」
「OKわかったお前ももう口を開くな」
 どうも最近、夜は部屋に篭りがちだと思ったら……北川だけじゃなくお前も提督だったのかよ。
「つーか確かアレって十八歳未満はプレイ禁止じゃないかったか?」
 俺の何気の無い一言に、名雪と北川の動きがぴたりと止まる。
 そしてそのまま、ぎぎぎぎと首だけこちらに向ける。すげぇ怖いんだけど。
「ははははは何をいっているんだ相沢、俺たちは全員十八歳以上です」
「あははははそうだよ祐一、わたしも、祐一も、北川君も香里も、全員十八歳以上です」
 ……そうだったのか。
「栞ちゃんも、あゆちゃんも、真琴も、美汐ちゃんも、全員十八歳以上です」
「おいちょっと待て、あゆや真琴はともかく、栞と美汐は一年生だろ」
「一年生だろうと二年生だろうと、全員十八歳以上なの!」
「どうなってんだよこの高校……」
「オラァ!」
「げふっ!」
 え、なんでいきなり殴られてんの俺。
「学園」
「は? 何だって?」
「祐一、この学校は高校じゃなくて学園だから」
 そ、そうだったのか、知らなかった……
「学園だから何の問題もありません。一年生だろうと二年生だろうと、この作品の登場人物は全員十八歳以上です。いいね?」
「ア、ハイ」
「相変わらず馬鹿な話ばかりしてるんじゃないの、ほら名雪、そろそろ部活行かなくていいの?」
 またお前らかよ的な溜息と共に、かばんを持って歩み寄ってきた香里がそう名雪に注意を促す。
「あ、いっけない、じゃあわたし行くね」
「はい、頑張ってね」
「また明日なー。じゃあ俺もそろそろバイト行くか」
「事故るんじゃないわよ」
「お、美坂に心配されるとは」
「別に心配なんてしてないわ、汚いものをぶちまけて道を汚すなって言ってんの」
「あひぃ」
 なんであいつはいつも罵られて恍惚の表情なんだ?
「香里はどうするんだ、何なら一緒に帰るか?」
「相沢君と? ふん、お断りね反吐が出るわ」
 うわ、こいつちょっと勇気出してクラスメイトの女子を誘った男子に対してなんという酷い仕打ち。俺じゃなかったら泣きながら走り去っているところだぞ。というかなんだよ反吐って、そこまで嫌なのかよ。
「と言いたいところだけど、まあいいわ、仕方が無いから一緒に帰ってあげる。あたしちょっと寄るところがあるから付き合いなさいよ」
 なんという女王様発言。俺は香里が蝶を意匠したアイマスクと際どいボンデージ姿で鞭を持ち、ピンヒールで北川を踏みつけている姿を想像して、そのあまりの似合いっぷりに戦慄を覚えた。
「妄想でひとを汚すのはやめてちょうだい、ほら行くわよ」
 そう言ってさっさと教室を出て行く香里を慌てて追いかける。
「寄るところって、どこに行くんだ?」
「商店街で栞と待ち合わせてるのよ」
「栞、もう出歩いて大丈夫なのか?」
「まあね、自宅療養中ではあるけれど、お医者様にはリハビリも兼ねて少し出歩いた方がいいって言われているから」
「そうか」
 昇降口で靴を履き替え、校門に向かう。
「でも俺が一緒に行ってもいいのか?」
「……ふん、栞から今日はあんたを連れてくるように言われているのよ」
 いやそんな悔しそうに言わんでも。どうやら俺がいるのが面白くないらしい。というかどんだけシスコンなんだよ。
「勘違いしないでちょうだい、別に相沢君がいるのが嫌なわけじゃないわ」
 ふん? 香里が俺のフォローなんて珍しいな、と思ったが、楽しげに笑っているところを見るとどうやら単なるフォローというわけではないらしい。
 そしてそのまま本当に楽しそうな笑顔で、香里は言うのだ。
「栞に手ぇ出したら、脚の先から寸刻みにして海に撒くから」
 すっげぇいい笑顔やでこの姉ちゃん。冗談言ってる顔ちゃうで。



## なんか名雪本というより、香里本という趣であるような気が……