日々、リーガルプラクティス。

日々、リーガルプラクティス。

企業法務、英文契約、アメリカ法の勉強を
中心として徒然なるままに綴る企業法務ブログです。
週末を中心に、不定期に更新。
現在、上場企業で法務を担当、
米国ロースクール(LL.M.)卒業し
CAL Bar Exam合格を目指しています。

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本投稿は、法務系Advent Calendar2017のエントリー投稿です。1年ぶりの投稿。めっちゃポエム系ですがご容赦ください。

今年初旬に大型のM&A案件が2件クローズし、ちょうどその時からあることを勉強し始め、10月にその資格を取得しました。ソムリエ(ワインエキスパート)の資格です。

何を血迷ったのか、、、という感じがしますが、色々と思うところが1年半ほど前からあって、スクールに通って取得しました。資格取得までの半年間、企業法務の仕事の傍ら、机上での勉強にも、テイスティングにも励み、無事に資格を取得しました。(半年間で700本以上のワインをテイスティングする、というのはなかなかない機会でした。。。)

それで今すぐではないですが、企業法務の仕事をメインにしつつ、ワイン関係の仕事もチャレンジしようと思っています。先日、資格取得後、運よく初仕事ももらってやってきました。(いずれもレストランで働く、といった類の仕事ではありません)

そんな風に、法務と、法務とは無関係の仕事のダブルキャリアを考えてみて、メリットやデメリット、注意すべきことなどを少しずつですが、感じてきています。

そこで今回は、そのあたりを整理して書いてみることにしました。私の場合は法務とワインなので、それだと法務系Advent Calendarとしてはニーズ少なすぎなのですが(苦笑)、いつもの仕事とは違うことを仕事としてやる、ということの良し悪しは、少なからず多くの方に関係する気もします。今回、色々考えてまだ大したことが書けるようなレベルに達していないことがよくわかりましたが、今更テーマ帰る余裕もないので、とりあえず書いてみます。

あと最後にせっかくなので、スパークリングワインに関するプチコラムも最後に書いてみます(笑)



「ダブルキャリア」に意義はない〜ただの「状態」



「ダブルキャリア」というのは、結局、2つ以上の職務や企業勤務にトライした結果生まれている「状態」でしかないと思います。それを目的や目標としてやるものではない。

だから本当はメリット・デメリットがあるからやる・やらない、というものではないと思います。

自分がワインの勉強を始めたきっかけは、年をとって、法務の仕事の第一線から退くころの、自分のその次の道を今のうちにつくっておこう、という想いです。好きなことに今のうち種まきしておこうと。そうしたら、勉強するうちに、仕事としてやりたいことや、やれそうなことが見えてきました。

一方、今の自分のキャリアを更に磨くために、強いて今とは違うことを並行してやろう、という、現在のキャリアの向上のためのツールや手段として、別のことにチャレンジし、結果ダブルキャリアになっている、ということもあると思います。

そうすると、例えば同じ会社でいつも担当している法務業務とは別のことをやるとか、別の部門の業務も兼務するとか、そういったことと、何が違うんだろう。または仕事ではなくて自分がハマっている趣味を追いかけるのと、何が違うんだろう。と思うと、同じことと、違うことと、双方あります。そのあたりもちょっと踏まえて、ダブルキャリアのメリットやベネフィット・デメリットを考えてみます。



ダブルキャリアのメリット・ベネフィット



1.自分の人生にとって大事なことが何か、無関係な複数の業務を通じて実感できる
   
 全く関係のない2つの仕事に関わってみて、自分にとって何がやりがいであり、何を大切にしていくべきか。仕事として、自分が何にこだわりたいか。関係ない仕事を掛け持ちすることで、それらの共通項がみえてくる気がしています。これは大きい。同じ法務で2つの企業を掛け持つよりその影響は大きいと思います。同じ企業内で別部門で働くことでも実感できるかもしれません。ただやはり向くベクトルも働く環境も文化も異なるところで働くからこそ見えてくるものがある気がします。趣味だと、仕事として何を大事にしたいか、というのは見えてこない気がしますが、趣味を仕事にしてしまえば、それこそ見えてくるものが大きそうです。


2.法律知識以外に自分の能力として生かせるものを再発見する

 例えば企業法務業界ではもはや大した武器になるのかよくわからん、と思っていた自分のパーソナリティや能力が、別の企業や業界に行くと、とても役にたつじゃん、と分かることがあります。逆に足りないことも見えてきます。転職すれば分かる、ということもありますが、転職しなくてもそれを体感できるのは、大きい。今の仕事以外のプロジェクトや仕事にチャレンジすることができるプラットフォームは今もある気はしますが、もっとあってもいいかもしれないですね。弁護士法の問題があるのでやや難しいですが。


3.様々な人との出会い

 もはや自分にとっては財産になっています。本当に全くバックグラウンドがバラバラな人と会うと面白い。そういう人たちと仕事の話をすると、新しい発見がたくさんあります。物事を抽象化してとらえる力も養える気もしています。これは会社によっては、同じ会社内でも十分できるかもしれないですね。企業文化次第かも。趣味でもできますね。ただ仕事の話をして初めてできる発見もあるので、その点で趣味では得られないこともあると思います。ただ趣味だからこそ得られる出会いがあることも今回よく分かりました。


4.後発かつ「副業」だからこそ、冷静にかつアツくどこで勝負するかを考えられる

 これは転職とかキャリアチェンジに比べたメリットですね。1〜3まではダブルキャリアという状態を通じて得るベネフィットですが、これはメリットです。ここからベネフィットを得られるかはまた別の話。やりたいこととやれることの双方をきちんと考えられます。ただあんまり考えすぎずに行動したほうがいいだろうな、と思っていますが、細々とチャレンジを開始できるのも、いいことなのかな、と思っています。


5.失敗しても、趣味として活きる。ある意味教養となる?

 これは説明不要ですね。チャレンジすることにもよると思いますが。



ダブルキャリアのデメリット・マイナス面、そこから考える注意点



1.各業務に使える時間が減る

 当たり前です。なので法務に専念している人に比べれば能力が落ちるリスクは大いにあります。なので、例えば法務系の業務をサブでもう1つチャレンジする、ということであればこのリスクは低いのか、と考えてみると、なかなか難しい。法務業務をサブでやるといっても、大したことができるのか、これは結構疑問です。逆にできる道があれば、チャレンジしがいはかなりあると思います(前述のプロジェクト単位でかかわる、とかならできるかもしれないですね)。

 一方、同じ企業の別部門に行くと、業務量のコントロールはできません。そういう意味で、メインとは別のもう1つの業務は、少し自分で業務量の予想が立てられたりコントロールが立てられるといいな、とは思っていますが。。。言うのは簡単ですね。

 あと、法務とは全く関係のないことをやる自分のようなパターンの場合、このデメリットに打ち勝つのに大事なことは、できる限り自分が法務としてアウトプットしたいことを明確化することと、そのための基礎固め・体系的な知識の習得を早めにすること、だと思っています。なのでdtkさんの言うことには耳が痛い(笑)一方で、基礎固めや体系的な知識のレベル感も幅があると思います。アウトソースできることはアウトソースして、自分がやれること・やりたいことに集中する。これがどこまでできるのか。企業法務ならむしろ求められるアウトプットまたはそれ以上のアウトプットを出すことが重要なので、そう簡単ではない。色々と思案中です。


2.生涯給与は減るか?

 これはよくわかりませんが、1つ前のデメリットを考えれば、当然あり得ます。この対策は1つ前に書いたことと同じ、ではありますが、もう1つのキャリアで何をするのか、ということも重要になります。むしろ、個人的には非金銭的な人生の報酬と財産が得られることのほうが、大きいですが。


3.転職がしにくくなる

 これもあり得ますが、そもそも自分のダブルキャリアがうまくいっていて、そのうえで転職したい場合、ダブルキャリアであることがマイナスになるような企業はそもそもミスマッチしている可能性が高いので、これはデメリットでもマイナスでもない気がします。ただ、デメリットになる可能性はあります。まだこのあたりは未経験なので分かりません。


4.時間のコントロールが難しい

 これは気をつけるべきことですね。新しいことにチャレンジしていたり、新しいインプットを入れていると面白いので、そちらに時間をより使いがち。ただあまりにそこをコントロールしないでいると、前述のデメリットが思い切り全面に出てきてしまいます。このあたりをコントロールすべく、きちんと自分で時間の使い方を明確化して決めるべきだと思います。あとはどれだけ「無駄なこと」をやらないようにするか。でも「無駄なこと」って、見極め難しいこともありますね。


5.好きなことは熱が冷めてから仕事にする

 今後働き方が多様になってくると、自分がハマっていることを仕事にしたくなる人が多くなってくるかもしれません。ただハマったものは必ず一定程度冷める。なのでハマったものが少し冷めて落ちついてきたときに、本当に仕事としてやりたいのか考えることが重要と思いました。これは法務業務の中であることにハマった場合でも同じだと思います。




フリーランスではなく、ダブルキャリア



やっぱり、まだあまり大したこと書けないですね。もうちょっとレベルが高くなってから、本当にダブルキャリアといえる状態になってから、また書きたいと思います。

コラムの前に最後に1つ。今回自分が想定している「ダブルキャリア」というのは、あくまでメインの職務や業務があって、それとは別に、他のことも職務や業務として仕事をもっている、という状態です。例えば、フリーランスとして複数の企業の業務を受託して働くとか、どれもメイン、ということなく複数社の法務として働く、ということもあると思いますが、それは結構ハードルが高い。

それを前提として、メインの仕事で、週5日働かなくてはいけない、ということもない。むしろ日数や時間が決まっていることにやや非合理性もある。また仮に週5日勤務だとしても、子供が大きくなって、土曜日や日曜日に自由な時間が生まれたときに、やりたいことで仕事をとれるようになったら面白い。平日の夜に週1〜2回、別の仕事をするスタイルもある。事実、そういう人たちが目の前に何人かいます。ワイン業界はダブルキャリアの人がかなり多い。

これから、法務関係の方も色々な働き方が更に出てくると思ったので、1つの例として、書いてみました。中身なくポエムすぎてすみません。

物事、「今なら時間に余裕がある」という時に始めると、時すでに遅し、ということもあると思います。重要度が高く、優先度が低いこと。それをどれだけ早く、コツコツと始められるか。人生においても仕事においても大切なことだといつも思っています。だから始めてみました。やりたいことを。いざやれるチャンスが出てくるときのために。

どうなることやら。




コラム:スパークリングワイン選びに失敗しないために知っておくべきこと

この季節、忘年会やクリスマスに向けたイベントが多く、普段よりもスパークリングワインを飲むことがあるかも、と思ってこのテーマにしてみました。

普通のスティルワインであれば、ボトル裏のラベルやお店が付けたプライスタグ等に辛口とか甘口とか描いてあるものは結構あるものの、スパークリングワインにはそういう表示がなかったりします。辛口のスパークリングワインが飲みたい、と思っていたのに甘口だったり、その逆だったりするとガッカリです。そこで、これだけ覚えておくと便利、ということをご紹介します。

"Extra Dry"はやや甘い

スパークリングワイン等のワインのラベル表記のルールは、EUのワイン法(欧州議会及び理事会規則1308-2013並びにそれに関わる各委員会規則の総称)の中の委員会規則607-2009号のラベル表示規則にて定められており、EU国外の国も、EUへ輸出するために、同じ規則に従った表記をしていることが多いです。

よく、スパークリングワインのボトルに、"Brut"という表記があります。これは、スパークリングワインに含まれる糖分の量を表しています。通常、スパークリングワインの製造過程で甘み調整のためにリキュールを添加(ドザージュといいます)するのですが、これによる糖分含有量に応じて、ボトルの表示を変えなければならないことになっています。このスパークリングワインの糖分含有指標は、必要的記載事項です。以下がそのルールです(同じ糖分含有指標を表す言葉が複数言語あるのですが、代表的なもの1つだけ記載します)。

・3g/ℓ未満(二次発酵後の糖分無添加が条件) 
"Brut Nature"

・0〜6g/ℓ
"Extra Brut"

・12g/ℓ未満
"Brut"

・12〜17g/ℓ
"Extra Dry" "Extra Sec"

・17〜32g/ℓ
"Sec"

・32〜50g/ℓ
"Demi Sec"

Brut Natureは、基本ドザージュをしません。そのために、甘さはほぼありません。非常にドライです。とても美味しいのですが、ほんのり甘さの残る、スタンダードなスパークリングワインを期待してBrut Natureを飲むとガッカリするかもしれません。逆にDryだと思ってExtra Dryを買うと、思った以上に甘い、ということがあります。巷で最も多いのはBrutです。ここを基準にして、自分が飲みたいものが選べると面白いです。(とはいえ、Brutは12g/ℓ未満なので、3g/ℓのBrutもあり得ます。これは各ワイナリーのブランディングや商品戦略、信念などによるのですが、そのあたりは今回は省略。)


”Asti”は甘い

あと少しややこしい話。例えばイタリアでは、原産地呼称制度として、一定の地域で一定の条件を満たしたワインのみに認められる呼称が数多くあります。例えば「キャンティ」という名称は、トスカーナの一定の地域で栽培した葡萄を使い、同一地域で醸造し、葡萄はサンジョベーゼを75%以上使っていないと名乗れません。逆にいうと、キャンティ、と言われたらサンジョベーゼがメインであることが分かるので、消費者はそれを元に、ワイン選びをする、ということになります。

そのような名称のうち、スパークリングワインでよくあるのが、Proseccoという名称と、Astiです。Proseccoはその名のとおりProsecco(Glera)という葡萄を使うルールとなっており、辛口がメインなのですが、少し甘い場合もあり、Brutなどの表示が付いていることも多いです。一方、Astiは、ピエモンテ州の特定地域において醸造された、マスカット(モスカートビアンコ)を使った甘口の発泡ワインでないと名乗れません。いまだEUのワイン法では各国のワイン法に従うことも許されているため、AstiにはBrutといった表記が一切ないものが多いです。Astiはイタリアではクリスマスのお菓子やケーキにも合わせやすい、この時期にぴったりのワインとして重宝されていますが、辛口と思って買うと痛い目に遭います。

こんな感じで、いくつかポイントを抑えておくと、飲みたいスパークリングワインを選べるようになります。他にも、クレマン、メトードクラッシック、メトードアンセストラル、キャップクラッシック、ゼクトなど、スパークリングワインとして押さえておくべき事項は数多くありますが、長くなるので今回はこのへんで。。。




本エントリーは法務系Advent Calendar 2016エントリー記事です。

キャンパーとして大先輩の@miraisaaanからバトンを受け取りまして、自分もキャリア系の話ですが少し切り口を変え、「どうやったら自分にとって良い転職ができるか」ということを、(失敗も含めた)経験を踏まえて考えてみました。

私の自己紹介ですが、本ブログの右上のプロフィールにあります。現在が5社目。もうすぐ36歳、子供2人の父親です。

1社目:スタバ(1年間)
2社目:営業職・マネージャー(2年弱)
3社目:ベンチャー企業(数十人)で法務含む管理系業務と上場準備室(4年間)
4社目:電子部品メーカー(売上500億円・法務2名〜3名)で海外法務を含め法務全般。
    最後の1.5年間は法務マネージャー。(6年間)
5社目:本年4月より現職(法務16名、うちコンプラ系が半分)。
    クロスボーダーM&A、投資、海外契約案件担当。

また、3社目と4社目での採用活動で合計で1,000名を超える採用選考をやってきました。その観点からも考えてみれれば、と。特に、就職活動中ではなくて、就職活動開始前に何ができるか、ということを主眼に考えてみます。というのも、このエントリーを書いていて改めてそれが重要だ、と感じたからです。




転職の検討段階・活動開始前にやっておきたいこと


1. 転職の目的を見失わない準備をしておく

転職を念頭に置いているときや、転職を検討し始めた段階は前向きなのに、いざ「もう転職活動開始する!」と決める頃は、大抵現状への不満・ネガティブな状態がきっかけとなります。

そうすると、そのネガティブな点を避けるための会社を選んだり、そのネガティブな状況から脱するために、いざとある企業から内定が出ると、元々は志望度が高くないはずなのに、そこに行きたくなったりしてしまいます。

そんな事態を避けるための準備が必要だと思います。具体的には

a) (常日頃、または)転職を考え始めたときに、自分のキャリアイメージを言語化する。

b) (常日頃、または)転職を考え始めたときに、会社選びの基準(優先準備を必ずつける)を言語化する。

c) いざ転職しよう!と思ったときは、過去に書いたものを見ずに、改めてキャリアイメージと会社選びの基準を作成し、それを比較する。


ここで大事なのは、a)やb)とc)との違いを悪いこととはとらえず、むしろ共通しているものが、自分にとって大切にすべきものではないか、と認識することが重要だと思っています。ネガティブな気持ちから出たものを理性で排除すべきではなく、それは素直に自分にとっても大事にしたほうがいい。けれど、その優先順位を冷静に見つめることが大事。そう思っています。そのために、改めてキャリアイメージ、自分にとっての会社選びの基準の優先順位を事前につけておいたほうがよいかと。


2. 転職活動前に人材会社に会っておく

2つ理由があります。

a) 人材会社にも様々なタイプがあります。ただ、複数社使っても、紹介される求人が重なっていることも多いので、どういった会社だとどういった求人が重なるのか、そのあたりの見極めを事前にできます。

なお個人的には、前述のキャリアイメージや会社選びの基準にもよりますが、海外法務または外資系を検討に入れている場合は、日系の人材会社1社、外資系の人材会社1社、及び自分の気に入ったところを1~2社くらい追加で使うというのがいいのでは、と思います。ゆっくり転職活動をする人を除き、本格的に活動を始める際に使う人材会社が多すぎるとと色々と後で辛くなります。でも少なすぎると、出会いのチャンスロスがあるかもしれない。そのため、この段階のうちに色々回っておくべきかと。

b) キャリアイメージや会社選びの基準を考える参考になります。思っているよりも色々な仕事、企業がある。そこらへんがよく分かります。

なお、人材会社に手っ取り早く会う方法として、Linkedinのアカウントを作成して自分の経歴を掲載しておく、ということも考えられます。特に外資系の人材紹介会社はLinkedInを見てコンタクトしてくるところも多く、自分の経歴に着目してもらえるか、の判断材料にもなります。またいちいちどんな人材会社があるかを探さなくても、あちらからアプローチしてきてくれます。


3.経験の棚卸をし、自分の強みを言語化する

当たり前のことではありますが、言葉で表現できるようにしておく、というのがポイントです。自分の強みをいざ言葉で表現しようとすると、薄っぺらくなったり、自分の武器ってあんまり対してないのでは、なんて思ったり(笑)します。普段から自分の経験を棚卸して強みを言葉で表現できるようにしておくことで、現職でもどういった姿勢でどのような経験を積むべきか、見えてきます。またいざ転職する際に、自分の描いているキャリアパスから考えて、何が本当に自分の強みなのか、何が足りないのか、よく分かります。

これを簡単にやる方法は、この段階で職務経歴書をつくっておくことです。自分の描いているキャリアパスを達成するための希望転職先に対して提出するイメージで職務経歴書を作成します。これで自分の経験の棚卸をしておくのが一番です。(転職回数が多いと自然にすでに棚卸ができているんです
けどね(苦笑))職務経歴書ではなく、LinkedIn等で経歴を作成しておくのもいいかも。

セルフブランディングをするのに、経験の棚卸をして、自分の強みを更に強めるにはどうしたらいいか、考えてみるのはスゴくいいと思います。(弱みを補おうとしすぎると、差別化につながらないのでオススメしません。)


4.色々なキャリアの人に積極的に会う

これは言わずもがなですが。インスパイアされるものもあるし、こういう働き方、職種もあるんだなぁ、というのも分かりますよね。


【コラム的おまけ】
会社選びの基準として考えたこと

@kataxさんがブログで列挙していたキャリアパス(あそこに、複数分野の対応ができる「ゼネラリストルート」というのも追加してあるかと思っています。あと日系企業か外資系企業どちらでのキャリアパスを考えるか、という付随的選択肢もあるかもしれない)のようなものをイメージした後、私の場合、それを達成するために会社選びの基準としては以下の優先順位をよく考えてみました。

● 会社の規模
● 法務チームの規模
● 入社後の担当業務
● 事業ドメイン/業界
● 日系か外資系か
● 給与レンジ(入社時と入社後どう変化していくか)
● どんな奴らと働きたいか(笑)

全部当たり前の感じがしますが、企業規模と法務チーム規模というのは、それぞれ違うポイントとして意識すべきと思っています。また、日系が外資系かは、きちんと気をつけて考えるべきことだと思います。自分の場合、海外法に関わっていくことに優先順位を高く置いていたため、外資系は選びませんでした。ここは一概には言えないかもしれませんが、外資系で担当する法務は国内法に係わるものが多いとは思います。(最近はアジアのヘッドクォーターが日本、という外資系はあまりない。)






転職活動開始時にやっておきたいこと


1. 職務経歴書作成に全力を注ぐ(書類選考通過に全力投球

選考の最初が書類選考で、ここが鬼門となることは多々あります。書類の書き方は今回の本旨ではないし物の本にも書いてありそうなのでおおよそ省略。そういったもの以外で自分が気をつけたのは以下。

a) 職務経歴書の一番最初に自分のセールスポイントを完結にまとめた。

これは良かった模様。採用担当をしていた際、職務経歴書をさらっとみて興味がひかれないと、それ以上書類は見ませんでした。「おっ」と今日を引いてもらい、「セールスポイントの証拠があるんか?」という証拠探し的な視点で、経歴を見てもらったほうがよいのではないかと。なお、重要なことは、本当に自分の強みであることを書かないといけない、ということかと。自分の強みを分析せず、職務経歴書に書いたセールスポイントにずれがあると、ミスマッチが起きます。「このセールスポイントなら当社には不要だな」と思う会社からはむしろ書類選考通過の連絡をもらわないようにすることが、効率的かつ出会いを多くもたらしてくれると思います。

b) 自分のキャラがでる履歴書にする。

そのキャラが合わない会社は逆に会ってくれないため、ミスマッチを防げる。(自分の場合、BLJへの寄稿履歴を書いた。「コイツ軽いな」と思うひとは絶対ウザく感じるだろうと思った(笑)ので、ワザと書き、社内文化がお堅い会社からは声がかからないようにしました(笑))

c) 主観的には頑張っているものの、客観的に分かりにくい自分の価値上げ材料があれば、履歴書に書かずに人材会社から伝えてもらう

例えば自分の場合、ブログについては履歴書にはかかず、人材会社から会社側に対して、「この人はこういうブログをやっていて、、、」と伝えてもらいました。これがポイントで面接に進んだ企業が何社かあります。


2. 応募経路は様々試してみる

a) 人材会社の選び方や使い方は前述の通り。ちなみに今回の転職で個人的には、ジュリスティックスの野村さんと、Robert WaltersのSさんには大変お世話になりました。両社とも、両者とも、とても素敵です。ちなみに野村さんは書籍『弁護士・法務人材 就職・転職のすべて』の著者です。

b)募集は公にしていないけど、声をかければ、実は採用を検討している、という会社もあります。人脈を通じて応募することもありかと。(ただし、こういう経路から応募する場合は、その人に迷惑をかける可能性も踏まえないといけない、と思います。反省する点も多々あります。。。今回は3社ほど自分から声をかけて面接受けました。)

c) インターネット系の事業をしている企業ではウェブサイトでの公開求人をしている会社も結構あります。そちらもチェック。




転職活動開始中にやっておきたいこと


面接テクニック的なものは主眼ではないので省略します。


1. 超志望してるわけではないけど興味はある、という企業にはまずは面接に行く

自分の企業選びの基準に改めて確信を持てたり、面接を受けた直後の自分の感情を振り返り、会社選びの基準の優先順位付けを見直す機会になるかもしれません。また、面接を受けているうちに話し方、話す順番(転職動機は絶対に前向きな理由を先に言うべきです。タイミングのきっかけとしてネガティブな面を言ってもいいかもしれませんが)など、少しずつ「こうすべき」というのが見えてくると思います。そういう意味で、超本命の面接等を受ける前には他の面接を受けておきたいです。ただし、内定出てもいかないかな、というところに面接に行っても意味ないし、相手に失礼なので、あくまで「内定が出たら行くことを前向きに考えると思う」というレベル以上のところにすべきです。そうすると、実は思っていたよりもいい会社だった、ということもありえますし。


2. 出来る限り選考通過している企業を同時に複数もっておく

これはできれば、なんですが。。。

転職活動を進めて、いざそれなりに希望している企業から内定が出ると、または最終面接くらいまで行くと、なぜかその企業にとても行きたい気になってきます。これは要注意ですが、ここまで来ると、これに抗うのは非常に難しい。

この対策に、転職活動開始前に言語化しておいたキャリアイメージや会社選びの基準が一定程度役立ちます。冷静に分析できるからです。(そうか、そう考えると、「こういう企業には誘惑にかられそうだけど行ってはいけない」というものを言語化しておくといいかもしれないですね。)

とは言っても、これよりももっと有効なことがあります。それは内定を2社からもらうとか、内定をもらった時点で他に最終面接に近い企業が他にあることです。結局、「この内定を蹴っても、他にこれよりいい企業があるか、そこから内定もらえるのか」それが分からないと、不安や損得勘定から、内定受諾しがちです。そのために、できる限り同時に2社から内定をもらうか、他に最終面接を控えている企業をもっておく、といったことができれば尚良し、という気がします。だから1社ずつゆっくり選考を受けるのはあんまりよくないと個人的には思っています。




内定取得時にやっておきたいこと


1. (よっぽど確信がない限り)内定通知を受けて即日受諾しない

前述の通りの誘惑にかられますので、1日でいいので時間をあけたほうがいいと思います。これは転職を数回してきた経験から、確実にそうしたほうがいいと断言します。


2. 現職に退職を切り出すタイミングと伝える退職理由をよく考える。

これも本エントリの本旨ではないので省略します。



以上です。こうやって振り返ってみると、転職については、面接の時に頑張ることは(自分をどう伝えるか、ということに工夫が必要とはいえ)実はあまりなく、素を出すだけ。それまでの準備や心構えが全て、という気がします。



「成功とは、いいと思うことを得ること。幸福とは、得たものをいいと思うこと」(by ウォーレン・バフェット)



人からの評価とか、周りの目を気にせず、自分にとって最善の選択が少しでもできるようにしたい。そのために日頃やっておくべきことがある。そういつも思っていますが、難しいなぁ。


ではでは、次は@NH7023さんへバトンタッチ!!

前々回と前回のエントリーでご案内したクローズドの法務系集まりで行った英文契約のセミナー及び懇親会が無事に終わりました。仕事の関係で私はセミナーについては出たり入ったりになってしまいましたが、40名近い方が参加されていて、大盛況でした。そして懇親会も、後半はほとんど立食パーティー状態。

その中で多くの初対面の方に「ブログを読んでますよ!」というお言葉をいただき、本当にビックリし、恐縮すると共に、とても嬉しかったです。そして励みになりました。お声がけいただいた皆様、本当にありがとうございます。そして弊ブログを通じて本セミナー&懇親会にお申し込みいただいた方々にもきちんと直接会ってご挨拶できて本当に良かったです。ありがとうございました。

現在はなかなか思うように時間が取れず、ブログのエントリーを上手く頻繁にアップすることができていませんが、できる限り、自分にとってもご覧いただいている方にとっても有意義になるように、けれども時には力を抜いた話題も取り入れてご覧いただいている方の癒しにもなるように、継続していきたいと思います。

なお、最近のエントリーは特に大したことを書けておりません(泣)ので、本日初めてご挨拶した方で本エントリーをご覧いただいた方や、最近初めて弊ブログをご覧いただいた方に弊ブログの元々の雰囲気を感じ取っていただくためにも、昔もう少し真面目に(苦笑)エントリーを作っていたときの以下のカテゴリー記事を掲載しておきます。

英文契約ドラフティング系エントリー
http://ameblo.jp/legal-practice-in-house/themeentrylist-10062883910.html

アメリカ法系エントリー
http://ameblo.jp/legal-practice-in-house/themeentrylist-10064936263.html

その他企業法務実務系エントリー
http://ameblo.jp/legal-practice-in-house/themeentrylist-10064936263.html

というか、その本ブログの雰囲気を継続できるように、頑張らないといけませんね。精進します。