(金原甫の)ブリコラージュ作業日誌
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蒙疆学院

御茶の水の何広梅さんの論考がネットに掲載されていて、ためになった。



盧溝橋事件以来、察南、晋北、蒙古聯盟の三つの自治政府を関東軍は作成、その上に蒙疆聯合委員会を置いたと。

いまのロシアのやり方はそれに似ている。

金連紘

飯塚浩二『満蒙紀行』(1972年。筑摩)をパラ再読してたら、1945年3月に彼は張家口の西北研究所を訪れていることにようやく私は気づく。

ところでそこで、粛親王の一族の牧場主Kが出てくる。京都帝大経済学部卒で西北研究所の今西グループと仲が良いと。

これは金連紘ではないのか(遥かのち、この金と梅棹忠夫との対談あり)。Kのポートレートを飯塚は描いている。それをとりまく網状を。

久しぶりに西北研究所について、いまの視野のもとで考えたくなった。

ネットで藤枝晃の回想インタヴューを見つけた。


追記(7.6): 連紘ではなく兄の憲容かもしれない。

あと梅棹忠夫の『回想のモンゴル』を再読したが、飯塚は登場していた。

カーブル引き揚げ

ハルピンかモスクワでは意味が大きく異なるが、日帝の領事館のロシア人スタッフが、さきの大戦の末期、身の処し方に絶望し、自殺することがあるのだが、そのことを弔った文章、誰のものだったか、すぐ出てこない。

マル経と近経とのあいだ

自分なりにどう得心させるかという長年の課題。

マルクスはドイツ観念論の系譜。やはりドイツ(大陸)的。

近代経済学の発祥において、仏と英は違う。仏はやはりルイ王権的というか、中央集権的な感じ。クールノー、ケネーをみても。そこの行政官僚っぽい。コンピューター計算のようなところがある。

英が、スコットランドの要素とイングランドの要素があるのかもしれん。

イングランドのほうだが、いまだに、理神論がくっきり自分なりにつかめない。ニュートンとライプニッツの齟齬とも関係する。

アングリカン(聖公会)とピューリタンとの間のグラデーションなのかさまざまな派がアメリカに流れてゆく。

ケインズはムーアの徒でもあるが、いまいちわからんな。

ヒックスのほうはワルラス・パレート(ローザンヌ)、言語学との類比が可能。


あと大陸のなかにオーストリア・ウィーンというパリ外の中心もあり、のちに英国に流れる人が多い。ここも行政として規模がでかいから、フランスと比較できそうだが、もっと多民族で、ややこしい。


経済学は、アガンベン的にいうと、君臨する神からこぼれ落ちる、俗的な偶然・多様現象を扱う。


ようわからん話になった。

ケインズの一般理論を大蔵者内で訳した嚆矢は、石原周夫である。

『陸戦研究』誌上論文

71th名人戦第一

メモとして。


4/9-10は両方とも遅番で、わずかな時間すら

同時中継を観ることかなわず、だからまるで

リアルタイムの雰囲気はわからない。昨夜に

帰宅すると、もう、終局していた。

棋譜で雰囲気を読み取るしかない。


▲羽生三冠×△森内名人で、相懸かりとなる。

達人羽生さんのことだから、飯島さんが解説という

ことで、相懸りなんだろう。


ただ、飯島さんは昨年(71期)は順位戦ではほとんど

相懸りを指せていない。相手が応じないといけないから。

もうひとり、山崎さんがこの戦型のスペシャリストだけど、

山崎さんの昨年の順位戦の相懸りのそれを調べて

みると、相手が▽8五飛であることが多かった。今局の

ような▽8四飛は少なかった。


結果論からすれば、▲4六角に対して▽4四桂が

切り替えしで、選択肢として▲2七銀と引っ込まざるを

えないわけだが、この銀が遊び駒となる。

ただし、山崎さんの将棋を観ていたら、この銀が遊び駒

になりながら、勝つ将棋はあるけれどもね。昨年のそれは

なかったみたいだけど。


推測だが、羽生さんは、一時的に▲2七銀になっても、

まだじっくり再建できると思っていたらば、そういう状況

ではすでになかったことがのちに分かったということか。

そこが誤算なのだろうか?


▲4六角▽4四桂▲2七銀で先手が不利ならば、すでに

ここは後手の策戦勝ちなんだろうか?ここがひとつの

ポイントで、だとするならば、先手のじっくりした駒組みに

問題があったということになる。

先手は銀冠がっちり組めており、角も急所に据えた。

後手は玉が不安定である。しかし、それでもなお後手が

指しやすい?


ふたつめのポイントはこの後の名人の指しまわし。

これが見事なもので、一流。

▲4六歩の打診に▽5六銀の突進が森内名人らしい。

これで▽4四桂の顔が十二分に立つ。

あと▽5五歩ね。

この微差の優勢を勝勢に拡大してゆく技術は、超一流

である。安定感。


余談だが、山崎さんは昨年順位戦で先手ならば

相懸りを指されることがほとんどだった。

後手番では、一手損が多いか。

力戦志向ということだが、しかし、相懸りと角交換

将棋は相居飛車といっても系列が違うのだが、なんか

山崎さんが指すと、似ているね。その類似性に興味を

おぼゆ。


達人ぶり

NHK杯決勝、▲糸谷×△羽生NHK杯。後手一手損角換わり。

解説は谷川17世名人。


結果からすれば、羽生名人の達人ぶりが目立つ。

見切りという。後の先。

定跡形で進んでいって、先手はシンプルに良くしようとする。

先手はある程度、研究があったか。

しかし、厳しい△4九角後斬り合いで、▲7二銀で先手が勝ちだと

思ったのだが錯覚だったとする先手の感想戦のコメントからすれば

△4九角を過小評価していた気配はある。△4九角ではなく△1四角

ならば、先手も後手玉を追うかたちで厭なかたちだがしかし金得で

先手がよいとする形勢判断が両者で一致していたということか。


うーむ、残念だね。現れなかった変化できわどいものがあった

ようだが、すべて先手が届かないとすれば、△6六歩には一度

▲同歩とするべきだったかと感想戦にもある。

やはり将棋=均衡への敬意が先手に不足していたか?

ただそれはすでに羽生さんペースにも思えぬこともない。定跡形だから

そうは言えないが。

私には分からないのだが・・・。


糸谷さんの受けの凄い将棋を観たかったが、仕方ないよね。

プレイバック2009-1

順位戦の簡単な復習をする。

あくまでも自分にとって。かつ簡単に。


C1-11から。

▲村山×△田中魁:後手のウソ矢倉で、先手有望の

攻めだったが、終盤に泥仕合になる。つまりヨセよりも

入玉を重視した先手だったが、入玉できなかった。

後手の頑張りが凄い。114手目△3三銀も真似できないと

思ったが、そのあとが凄かった。


▲近藤×△加藤一:先手中飛車。近藤さんの中飛車は、

久保さんの中飛車と似ていて、違う。両者ともに軽いし、

左桂のサバキを命とするのだが、しかしどこか違う。

その違いをなんとか、分節できたら、おもしろい。

あと、コーヤン氏の中飛車とのちがいはどうか、など。


▲戸辺×△富岡:相振。富岡さんは相振をよく指される。

63手目▲4三歩に驚いた。さきに桂損をするのだが、と金を

作って十分相手を焦らせることができるとする大局観。


▲小林裕×△片上:相矢倉だが、後手の指し手は片上さん

らしい。71手目▲7三歩はひどいと思うが、これを指さざるを

えなかったとすれば、その前がすでに速度競争に負けているのか、

あるいは、相手に攻めさせて反動を利用する度胸がなかったか。


B1-13:

▲松尾×△山崎:△3三角と阪田流とをセットにしたような

後手の向飛車。ただし先手は穴熊に組めて十分。後手の

苦しい駒組だったろうが、カウンター狙い。で、その後は両者の

持ち味が十二分にでた熱戦だったが、どこで先手はまずったか、

後手は耐えに耐えて、勝利をもぎとる。





指し盛り

梅田望夫さんも書いてらしたが、最近のタイトル戦は

「羽生世代」vs「ポスト羽生世代」が主である。


それはなにも「羽生世代」の力が落ちているわけではなくて、

「ポスト羽生世代」(実際、年齢はほとんど「羽生世代」と

変わらないのだが、しかしその分画には意義があるとも思う)が

指し盛りになってきているから。

要するに、序盤、中盤、終盤と意欲的でありスキがない。

またその頑張りの背景には、渡辺龍王をはじめとする、次に

よって、尻に火がついているところもある。


昨日の久保棋王・王将の勝利は大きかった。

がっぷり四つで勝ったから。これは最終局、期待できる。


ところで、久保棋王の羽生さんからの奪冠である。

久保さんほどの才能の持ち主でも羽生さんに

もう、永遠に勝てないのではないかと思ったこともある。

王座、棋王、王座、王将と、4つ連続、完膚なきまでに

叩きのめされてきた。作戦勝ちした将棋を落としてきた。

陰でどれほど我々ファンが涙を流してきたかは、羽生ファンには

想像できないだろう。

艱難辛苦の日々であった。


とにかくこれで得たことは大きい(防衛戦がまた大変だが。リターン

マッチもあるだろう)。

大山さんに対する二上さん、加藤一さんは、大山さんからタイトルを

奪ったことはあるにせよ、タイミングを逃しているところもある(という

こともないかな)。

久保二冠はなんとか、間に合った。

ほんと、最近よく聞く言葉だけれども、将棋は負けて強くなる

というよりも、勝って強くなることがいかに多く大きいことか。

タイトルを獲るまで帰西しないという誓いを一度、取り下げた

ことが却って良かった。こういう志の貫徹もあるんだと知れた。

久保二冠に感謝したい。


方針

タイトル戦について、中継の情報が充実していて、

屋上屋を架する気分になれない。そこに現れていない

手筋についてツッコミを入れるならばともかく。


twitterになれると、ブログがしんどく感じる。

良くない。長文が書けないということになる。



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