刹那的な衝動と、即興の一回性を作品にたっぷり込めながら、
全体としてはクレバーで緻密な計算のもとで綺麗にまとめています。
そのため、プレイするごとに新鮮な興奮と安定した満足感を
プレイヤーに与えてくれるという、素晴らしいエンターテインメントに仕上がっています。
このように老練さと若々しさを同時に備えている点がプログレの特徴の1つだと思うので、
その意味で非常にプログレらしい作品だと思います。
プログレの醍醐味である疾走感についても、この作品では全面的にフォローされています。
楽曲においては躍動感溢れるベースが常に存在感を放っていますし、
BGAにおいても印象的なモチーフがスピーディに入れ替わって飽きさせません。
ただ、私が特に強調したいのは、譜面の面白さです。
音階のルールや目立つ音色を叩かせるセオリーよりも、
楽曲のパートごとのイメージを大切にすることで、
印象的かつメリハリのある譜面を生み出せていると感じます。
疾走パートではトリルを中心に刻ませる細かい譜面、
聴き物パートではLNを中心としたゆったりした譜面、というような具合ですね。
音ゲー界でもすっかり主流となりつつも、
BMSではいまいち供給が少なかったプログレですが、
さすがの大イベント、また1つスタンダードが生まれましたね。
Disorder Xby MSI(mov:zue-row)
Prog
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(元無名BMS作家が物申す!)
980 pts.