さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

結構時間がかかってしまった。

本人認証が必要とか、俺だ。

 

 

 

何を書きたいか忘れてしまった。

 

 

 

うちには猫が一人いる。

一人というか、一匹というか、それは個人差だ。

俺は彼女を一人とみなしている。

彼女はどうも俺を嫌いらしい。

少なくとも妻よりは俺が苦手みたいだ。

妻には自ら抱きつくのに、俺が抱こうとすると逃げる。

でも、彼女を貰ってきたのは俺だ。

まだ寒い一月の初旬だったと思う。

我々、いわゆる俺と妻だ。

我々は、愛猫のとらを亡くして途方に暮れていた。

俺はその頃、勤務医で、休日でも当直という仕事があった。

当直は、忙しい時もあるが暇な時もある。

暇な時、我々はインターネットをする。

そんな時偶然目に入ったのが里親探しのサイトだった。

行方の知らない猫を貰ってはもらえませんか、というサイトだ。

そこにとらにそっくりな猫がいた。

俺はすかさず、連絡してしまっていた。

後日会いましょうという事で話がまとまった。

会ってみたら、ネットで見た猫は、とらとはちょっと違った。

可愛くはあったが、違う。

そんな中、積極的に俺にニャーニャー寄り添ってくる猫がいた。

 

「なあ、俺、この猫、貰ってこようと思うんだけど、どうかな?」

そうiphoneの画面に表示されたとらに似た猫を見せた俺に、妻は、どちらかというと積極的ではなく見えた。

その里親募集のサイトには他にもいろいろな猫が紹介されていた。

妻は、それを物色しながら、これはありあえないわ!と言った。

写真の猫は、どうやったらこんなふうになるのだろうというくらい、顔が二つに分かれていた。

ツートンカラー。

江戸時代の盗人が鼻先で頰被りをしている、そんな感じだった。

鼻を境に頭側は茶色、尾側は白。

でも可愛い顔をしていた。

だが、

そうだよな、これはないな。

俺もそういった。

 

ありえない猫が今、俺に懐いてきていた。

 

この猫でお願いします。

 

俺はそうお願いしていた。

 

彼女にはもう一人相棒がいた。

一緒に生まれた姉妹だ。

一緒にどうですか?

と勧められたが、2匹飼う余裕は俺にはなかった。

 

でも今思う。

 

一緒にやっぱり連れてくるべきだったなと。

 

続きはいつか。

居酒屋によっては、お酒を頼むと、受け皿の上にグラスが置かれ、そこに店主自らが直に酒瓶から酒を注いでくれる。

大抵、サービスなのか、グラスのみならず、下に置かれた受け皿までが、表面張力が弾ける寸前までいっぱいいっぱいに注いでくれる。

しかし、結局のところ、そうして注いで貰ったところで、受け皿に溜まったお酒は、グラスを受け皿ごと、身近の飲みやすい位置に引き寄せた途端、テーブルに零れてしまうことになる。

グラスの位置はそのままに、口をグラスの方に近づけて、グラスの酒をあらかた飲んで、その空いたスペースに受け皿に溜まった酒を移すという方法も試しては見たが、中腰になって唇を尖らせ、グラスの酒を啜る様はあんまり見っともいいものではないし、それにたとえそうしてみたところで、グラスに受け皿の酒を移す際、どうしても1滴、2滴、折角の酒がテーブルに滴ってしまう。

どうかして、この受け皿の酒を零さずに一滴残らず、奇麗に飲む方法はないものだろうか?

そして、閃いた!

 

ストローだ。

 

受け皿に溜まった酒にストローを刺し、最初にそっちを飲んでしまえば、もうグラスを引き寄せても、テーブルに酒を飲ませなくて済む。

 

幸い、俺の場合、毎日一本、引き出し式のストローが手に入る。

毎朝一本、ラブレという乳酸菌飲料を飲むことにしているのだが、これに蓋に刺して飲むためのストローが付属しているのだ。

だが、俺はラブレを飲むときはストローは使わずに蓋を剥がして飲む。

だから、一日一本持ち歩きにかさばらない小型の引き出し式ストローがポケットの中に入れられるのだ。

 

早速酒場で、その方法を試してみた。

延長させても10cmに満たない長さのストローだが、受け皿の酒を、中腰にならずに啜るには十分の長さだった。

席に深く腰かけたまま、煙草を吸うように人差し指と中指との間にストローを挟み、口に咥えると、ちょっと身をかがめストローの先を受け皿の酒に突き刺した。

結果、一滴も零すことなく、酒を飲み終える事が出来た。

俺の目的はラブレのストローによって難なく達成することが出来た。

まったく、ラブレ様様だ。

以来、俺のポケットにはラブレのストローが何本か常備されることとなった。

 

ラブレはCOOPという宅配サービスで一週間分まとめて購入している。

今朝、いつものようにラブレを飲もうと冷蔵庫から取り出した。

先日、先週取り寄せた最後の一本を飲み終えたので、この日は今週の最初の一本だった。

ラブレは3本1パックでパッケージに包まれて販売されている。

パッケージを剥がし、最初の一本を飲もうと手に取ったら、なんと今までは容器の脇に張り付けられていたストローが消えていた。

改めて剥がしたパッケージを見ると、今後はストローレスになるとのことだった。

どうせ、今までも俺はラブレを飲むときはストローは使わなかったから、それはそれで構わないのだが、ストローが付属されなくなってしまうと云うのはなんだか、おまけが消えたようで、ちょっと寂しい物を感じざるを得なかった。

しかし、なんでも、ストローをなくすことで、年間約 9,764 万本のストロー. ごみと、そのプラスチック使用量約 28 トンの削減につながるらしい。

ストローがある事で、年間62597314mlの無駄にテーブルに零してしまう酒を解消できる事と、環境保全とを秤にかけたら、やはり重要なのは後者だから、ちょいと淋しくはあるが、ここはストローレス化に賛同すべきであろう。

 

ラブレのストロー、今までありがとう。

今後は環境にやさしい、ペーパーストローでも探す事にするよ。