Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

『RAMEN FEVER』 韓国・全州国際映画祭、ソウル国際環境映画祭 正式出品!

韓国滞在中に嬉しいニュースがアナウンスされました。

 

僕の15年来の友人である映画監督、パノス・コスマトス

(『マンディ 地獄のロードウォリアー』)の

最新作『Flesh of the Gods』の製作が正式に決定。

 

 

主演はオスカー・アイザッククリステン・スチュワート

80年代の煌びやかなL.A.を舞台にしたヴァンパイアホラーです。

 

ラグジュリーな超高層マンションに住む

ラウルとアレックスの夫婦は、

ある日謎めいたミステリアスな女性と出会い、

快楽的でヴァイオレントな、

グラマラスでシュールな世界に誘われていく。

 

脚本は『セブン』『キラー』の

アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが執筆!

 

プロデュースは、『マネーショート 華麗なる大逆転』

『ドント・ルック・アップ』の監督にして、

『フレッシュ』『メニュー』のプロデューサーでもある

アダム・マッケイが担当。

 

パノスはA24と組んでもう一本の監督作で

SFホラーロマンス『NEKROKOSM』の製作も

進めているのですが、

どうやら『Flesh of the Gods』のほうが先に動く模様。

今年後半に撮影が始まります。

 

オスカー・アイザックの主演最新作は

ギレルモ・デル・トロがメガホンを取る

『フランケンシュタイン』で、夏頃に撮影開始予定。

 

クリステン・スチュワートの主演最新作は、

A24が製作したローズ・グラス監督のクライムアクション

『Love Lies Bleeding』が3月に北米で公開されました。

 

他のキャストの発表も楽しみです!!

 

 

今年も昨年に引き続き、

韓国の全州国際映画祭に参加してきました。

 

 

2022年に僕の映画『RAMEN FEVER』をメイン会場で

上映してくれた、韓国で2番目に大きな映画祭であり、

アジアのサンダンス映画祭といえる

インディペンデント映画に特化した映画祭です。

 

今年の全州は、韓国映像資料院(KOFA)と組んで

韓国のクラシック映画の4Kレストア版などを

6作品ほど上映したのですが、僕はその中で、

パク・チャヌク監督の傑作『別れる決心』

元ネタの一つでもあるキム・スヨン監督の

1967年のメロドラマ『Mist』(二度目の鑑賞)と、

1958年のクライムメロドラマ『The Flower in Hell』

1981年のホラー『The Hut』を鑑賞。

どの作品も味わい深いものがありました。

 

日本のクラシック映画では小津安二郎監督の

『東京物語』4K版を鑑賞。

 

新作では、昨年海外のファンタスティック映画祭で

話題になっていたアルゼンチンの

『When Evil Lurks』をようやく鑑賞。

 

 

ある田舎町を舞台に、悪魔が跋扈するゴアでショッキングな 

極悪ホラーですが、終盤の展開がちょっと納得がいかず。

しかし非常にパワフルな作品でした。

南米のホラーは今後も注目です。

 

今年で、304人の命が奪われた、

あの悲劇的な事故から10年が経過した、

韓国のセウォル号沈没事件の謎に迫った

ユン・ソルジ監督のドキュメンタリー映画

『10 Years After Sinking, Zero Sum』

は、緊迫感あふれる非常に力強い作品でした。

数多くの証言や証拠とともに、

隠された真実に関する、これは確実に怪しい、

衝撃の疑惑が提示され、驚愕するとともに戦慄しました。

 

全州では今年、この作品を含め、

セウォル号沈没事件に関連した6本の作品が上映されました。

 

映画祭ならではの国際的な出会いは、

たまたまアメリカ人のドキュメンタリー映画のエキスパートで、

大学教授にして映画評論家である76歳の女性と出会い、仲良くなり、

それ以外にも色んな国の映画人と交流を持つことができて、

ネットワークが広がったのは大収穫でした。

 

全州では、韓国のメディア・アクティビストにして

女性ドキュメンタリー映像集団「PINKS」

の面々にも初めて会うことができましたし。

 

今年も映画祭には若い映画ファン、特に女性が多く駆けつけており、

映画祭のグッズショップはいつも開店前に行列ができていました。

 

 

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全州からソウルに戻るときは、

休日(子供の日)ということで

2週間前には既にKTX(高速列車)が売り切れだったので、

仕方なく初めてバスに乗ったのですが、

グレードの低いチケット安価なバスだったにも

関わらず、椅子はレザーで座りやすく、席間の間隔もあり、

日本の一般的な長距離バスと比べても快適でした。

 

休日の影響で、渋滞で1時間半遅れて

ソウルに到着しましたが、

途中の大田のサービスエリアで休憩もあり

(韓国のサービスエリア初体験!)、

「ああ、今この地域のスタジオで『イカゲーム2』を

撮影してるんだよな」と思いに耽ったり。

 

しかし、

休憩時間が何分間か運転手から一切指示がなかったので、

あまり落ち着いてサービスエリアを散策することができず。

結果的に休憩時間は10分ほどだったか。

 

ソウルでは、マ・ドンソク主演の国民的シリーズ

『犯罪都市』の4作目と、北米でスマッシュヒットを記録した

オーストラリア兄弟監督によるレトロホラー

『Late Night with the Devil』を鑑賞しました。

両作品とも満足。

 

たまたま汝矣島に行く用事があったので、

先日ファイナルを迎えた

大ヒットTVシリーズ「涙の女王」の舞台になった

ザ・現代ソウルにも足を運んだのですが、

劇中に登場した緑の多い公園や滝もちゃんと実在しました。

なんだか良い香りがするアロマ効果がありそうな

洗練された美しいデパートでした。

 

龍山(ヨンサン)では、IU主演の

「マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜」

の最終話にも登場した重要かつ印象深い踏切を

ついに見てきました。

感慨深かったのですが、同時に悲しくなりましたね。

イ・ソンギュン氏、ご冥福をお祈りします。

 

そこから15分ほど歩いて、「涙の女王」に登場した

ナミョン (南営)駅の近くにある

バッティングセンターにも行ってみました。

 

なんと無人、しかも3つしか打席がなく、

球速は115キロと125キロというなんだか中途半端な数字。

料金は500ウォン(約50円)で10球打つことができました。

東京に比べたらかなり格安。

海外のバッティングセンター体験は初めてでしたし、

そばを地下鉄が走っている風景も新鮮でした。

 

その道中で24時間営業している有名な

カムジャタンのレストランで夕食を食べたのですが、

カムジャ(じゃがいも)というわりに、

じゃがいもが一切入っていませんでした。

 

というのも、

韓国では異常気象の影響でじゃがいもが高騰しており

その値段は世界一という統計も。

じゃがいもは気温にとてもデリケートで栽培が難しいのですね。

 

 

 

Weyes Bloodのマスターピース

「Titanic Rising」がリリースから5周年を迎え、

代表曲「Andromeda」のロストビデオをドロップ!

 

Weyes Bloodことナタリー・メリングが

三役を演じる壮大で美しいスペース・オデッセイです!

 

 

 

2024年の現時点での韓国ドラマの最高傑作といえば、

現在日本ではNetflixで配信中の「涙の女王」

 

 

キム・ジウォン、キム・スヒョン主演の

ラヴストーリーですが、

厳密にいえば、財閥令嬢と田舎出身の弁護士青年の

身分のギャップが激しい2人の恋を描いた

逆シンデレラ的なロマンスと同時に、

その後の2人の結婚の破綻と再生の物語でもあります。

 

失われた愛と絆を再び取り戻す、

というテーマは韓国ドラマとしては、なかなか新機軸かと。

 

全16エピソードで、1週間に2エピソード配信されますが、

Studio Dragon制作なので、「還魂」などもそうでしたが、

一話が80分から90分という映画一本分のボリューム

 

そうなると、なるべく多くのキャラクターを登場させて、

それぞれのエピソードをスマートに交錯させないと

話がもたないわけですが、二つの家族と

ヴィラン的な存在(パク・ソンフンが相変わらず憎らしいほど強烈)

がいずれもキャラクター造形が際立っており、

三角関係や家族同士の対立や交流、

脇役のロマンス、サスペンスフルな財閥転覆の陰謀などを

交えて重曹的に、巧みに交通整理しながら

小気味よく描いているので、飽きることはないです。

 

近年の韓国ドラマの傾向として、

尻上がりに盛り上がりをみせ、最終話で一気にピーク!

ということが少なく、長丁場のマラソンだけに、

ラストではすでに息切れをしており、

最終話の2つ前ぐらいのエピソードがピークで

着地の収まりが悪い。

と感じることがよくあるのですが

(制作途中で脚本が変更されることも理由の一つかも?)、

「涙の女王」の場合は、先週日曜に配信された

第10話、これが早くもピークではないか。

というぐらい最高潮にドラマティックで

カタルシスを得たのでありました。

 

ここから残り6エピソードがゴールに向かって、

どういう方向に転がっていくのか。

第10話以上のさらなるピークが待っているのか。

 

俄然、今後の展開に目が離せないのですが、

今月中にこの作品がもう終了してしまうというのが、

残念でもあります!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年も南仏で開催される世界最高峰の映画祭、

第77回カンヌ国際映画祭のラインナップが発表!

 

 

コンペティション部門には、

ヨルゴス・ランティモス、

フランシス・フォード・コッポラ、ポール・シュレイダー、

デイヴィッド・クローネンバーグ、

ショーン・ベイカー、アリ・アッバシ、

アンドレア・アーノルドといった巨匠・常連とともに、

僕の友人でもある『REVENGE/リベンジ』監督、

コラリー・ファルジャの新作

『The Substance』も選出されました!めでたい!

 

 

マーガレット・クオリー、デミ・ムーア、

デニス・クエイドらが出演するベールに包まれた同作は、

SF、スリラー、ボディホラーと色んな説が出ていますが、

ジャンル映画であることは間違いないでしょう。

 

僕は今年も例年通りカンヌに参加するので、

この新作を目撃するのも、

コラリーに現地で再会するのも本当に楽しみです。

 

そしてコラリーも、僕の映画『BEYOND BLOOD』

に重要なキャストの1人として出演しています!

 

さて、僕が監督した映画

『BEYOND BLOOD』のメインキャストの1人で、

フレンチホラーの雄、ザヴィエ・ジャン

(『フロンティア』『コールド・スキン』)の最新作

『Under Paris』のトレイラーが公開されました!

 

 

パリ、セーヌ川で開催中のワールド・トライアスロンの会場に、

恐怖の巨大ザメが出没するパニックホラー。

 

子供の頃に『ジョーズ』を見て、映画監督になることを

誓ったというザヴィエにとって、

まさにドリーム・プロジェクトです。しかも超大作!

 

主演は『アーティスト』でアカデミー賞にノミネートされた、

ベレニス・べジョ

 

今夏はパリ五輪もあるしね!!

 

6月5日にNetflixで配信開始です!!!

 

 

 

同じく『BEYOND BLOOD』のメインキャスト、

ジュリアン・モーリーアレクサンドロ・バスティロ

(『屋敷女』『ザ・ディープ・ハウス)の最新作

『The Soul Eater』は5月に本国フランスで公開!

 

ヴィルジニー・ルドワイヤン主演のミステリーホラーです!

 

 

 

 

『オーメン』のプリクエル、

『オーメン:ザ・ファースト』を劇場で初日に鑑賞しました。

 

 

『オーメン』といえば、

『エクソシスト』『悪魔のいけにえ』と並ぶ

ホラー史に燦然と輝く1970年代クラシックホラーなので、

そことは切り離して別物として鑑賞しましたが、

全編を通したタイトな演出と細やかなカメラワーク、

そしてシャマラン製作「サーヴァント」でも

クリーピーな演技が白眉だった

長身女優ネル・タイガー・フリーの熱演もあり、

なかなか楽しめました。

 

ゴア描写はもうちょっと工夫できた気もしますし、

120分はちょっと長すぎだな、と感じましたが。

 

昨年11月にローマとヴァチカンを訪れていたので、

ちょっと懐かしい感もあったのですが、

時代設定が1971年なので、さすがにかなり別の街でした。

 

そして怖い出産シーンでモザイクがかかっていて、

なんだこれは一体...? と唖然としました。

 

プリクエルのホラーにしては、

アメリカでもなかなか評価が高いですね。

 

 

 

この1ヶ月間で、

ソウル、ロサンゼルス、ニューヨーク、大阪、京都

と巡り、まだ現実に戻ってきていない感じがするのですが、

気がつけば3月も中旬を過ぎました。

まだ寒い日が続いてますが、早く春になってほしいものです。

 

アメリカのミュージック・フェスティバルの

先駆けでもある、シカゴのロラパルーザ

 

真夏の8月開催のフェスティバル、

今年のラインナップもなかなか豪華ですが、

K-POPからはStray KidsIVEが参戦。

 

かつてはオルタナティヴ・ロックのフェスティバルでしたが、

今はコーチェラよろしく、ジャンルレスで多様性に満ちた

フェスティバルへと進化を遂げています。

 

僕が初めて参加した2005年のロラパルーザは、

ヘッドライナーがPixies、The Killers、Arcade Fire、

Death Cab for Cutie、Weezerらだったのですが、

キラーズは約20年経った今でもヘッドライナーとは、偉業ですね。