ヘミシンクランキング
達磨の前の壁には一枚の絵があり、彼はそれを見つめていたようだった。私の後からここに入ったのではなく、彼はその前からいたのだ。ただ私には何故かこの修行者が見えなかったようだ。彼は絵から目を逸らし、私の方をその鋭い眼光で射抜くように見ていた。
(続く)
《オリオン・ミッション…子を喰らう物語NO259》
そのように思えたがそうではなかった。彼の視線は私を通り過ぎ、その向こうを見ているようだった。私は達磨の視線を追いかけ、振り返った。するとそこにはもう一人の達磨がいるではないか。
同じような姿をした修行者で、彼もまた壁から視線を逸し別の所を見ていた。私はさらにこの修行者の見ている方向を追いかけ、首を右へ向けた。
そこには一個の星があった。そして星に向けて矢印が書かれていた。これは壁に描かれた絵だったのだろうか?どうしても思い出せない。ここで声が聞こえてきた。
声「それは地球です」
「ここから地球に向かったのです」
私「誰のことでしょうか?」
声「あなたと家族です」
矢印は確かに私の方から出発しているような描かれ方をしていた。
私「ふ~ん」
「それでは北斗七星は」
「何なのでしょうか」
声「通過するポイントです」
私「ふ~ん」
「それは何ですか」
声「プレアデスのバリエーションです」
「プレアデス、大熊座」
「それに子熊座は相似形です」
「形は似てはいますが」
「それらは愛と憎しみの」
「バリエーションなのです」
「親が子を食らう」
「物語だと思ってください」
「あなたの妻と子供は」
「あなたを連れ戻すために」
「あなたのところに」
「行ったのです」
私「何とはなく」
「以前からそんなことを」
「感じていたのですが…」
「単なる思い込みとか」
「思い過ごしだと」
「考えていたのです」
声「思い過ごしや」
「勘違いではありません」
「感じたとおりです」
「それでいいのです」
「感じていることを」
「信じてください」
「あなた達はもうすぐ」
「水星を通過するでしょう」
私「私が水星に行くのですか!!」
声「今あなたはすでに」
「水星にいるのです」
私「今が彗星…‥」
「わかります…‥」
ここが水星という意味ではなく、今の私の暮らしが、水星の通過を意味する、ということなんだろうと思った。それはこの物質界では、私の身体内部の太陽系であるチャクラのどこかを指しているのだ。
(続く)
マサト