フリーハンドでどんどん描いていくことです。
何も見ずに、何も考えずに、どんどん描いていき、全部描いたかなーと思ったら、おもむろにMATLASⅡで配られたクロッキー帳を引っ張り出してきて、チェックしてみてください。
チェックもさらっと。
(MATLASとは、「まといのば」Atlasの造語。MATLASでマトラスと読みます。ヒーラーのためのゼロからの新しい解剖学速習方法全般を指します)
やはりイデアが大事であり、MATLASで言うイデアとはグラフのことです。
解剖図はイデアであるべきなのです。
そうでないと身体を動かせません。点と線の集合体だからこそ、自由に動かせるのです。
そして、グラフだからこそ情報量が少ないのに複雑な動きを包摂する抽象度の高さを維持できるのです。
このブログで繰り返し紹介している、イッセイミヤケのモーションキャプチャーの動画を観てください↓(過去記事で紹介されていた動画が削除されていたので、これから新しくしていきます)。
これは気功技術のDotsのイメージのために用いていた動画ですが、MATLASイデア編の中身にすら感じると思います!
リニューアルしたYogaスクールのキーワードは、、、ざっくりと言えば、トランス、ドット(点)、筋トレです。筋トレは肚トレと言い換えても良いのですが、ポイントは筋肉を鍛えて筋肥大を促すのではなく、基準点を変えるということです。筋肉にとっての基準点を変えるのです。
身体を筋肉と骨とそれらをつなぐ神経系というイメージから、モーションキャプチャーのように、少ない数の点の集合と考えるというのが、新しい概念です。
このブログでもそのイメージとして、イッセイミヤケのモーションキャプチャーの映像を繰り返し紹介していますが、このイメージは強烈に使えます。
身体の上に点をマッピングするのではありません。点に身体がマッピングされているのです。Dotsが主体であり、そのサブクラス(下位概念)として身体があるという世界観です。
点というのは、たとえば、骨盤の前にあるグリグリした場所(上前腸骨棘)や坐骨、内踝(うちくるぶし:ないか)、手首の小指側にあるグリグリした場所(豆状骨)などです。その点だけを意識して、筋肉や骨をセカンダリーにします。
するとどんな世界が見えてくるのでしょう。
圧倒的に高度な身体が見えてくると思います。点だけを意識して、点を意識でコントロールします。
たとえば前屈は骨盤(上前腸骨棘)と坐骨の関係だけを考えてやると、圧倒的に柔らかさを獲得できます。開脚前屈であれば、坐骨を下ではなく後ろへと思うだけで解決です。
ポアンカレはこんな言葉を残しています!
幾何学は下手にえがかれた図形について上手な推論を行う技術である
幾何学は下手にえがかれた図形について上手な推論を行う技術であるとよくいわれている。ただしその図形は、われわれを誤らせないためには、ある条件を満たしていなくてはならない。すなわち大きさの割合は大ざっぱに変えてよいが、その各部分の相対的な位置を乱してはならない。(ポアンカレ『トポロジー』)
これをもじって言うならば、MATLASは下手に描かれた解剖図について、上手な推論を行う技術なのです。上手な推論を行うと、昨日の美脚シークレットセミナーではないですが、圧倒的な細さと美しさを見事に実装できるのです。
T理論の徒としては、下手な図形は単なる紙に描かれたインクの染みではなく、神が描いた我々の身体そのものであることに気付くからです(そして神とは何か、超越的存在とは何かを正確に考えていけば、 HinduにおけるI am Siva.の風景が観えてくるのです)。
*システィーナ礼拝堂に描かれたミケランジェロによる『アダムの創造』
神様が土で描いた自分の似姿に息を吹き込まれるところ。
その神様自体とマントと天使たちが脳の解剖図であることはよく知られています。
『アダムの創造』の極めて独創的な構成に関して、ミケランジェロが十分な解剖学の知識を持っていたのではないかとする説がある。1990年にインディアナ州アンダーソンの医学博士フランク・リン・メッシュバーガーが、医学誌『ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション』で、神の後ろの人物像と、さらにその背景に描かれている布の表現が、解剖学的に正確な人間の脳に見えると指摘した[6]。このメッシュバーガーの説は、同じく医学博士のマーク・リー・アプラーによって検証されている[7]。綿密な調査の結果、『アダムの創造』の神が描かれた部分は大脳表面の脳溝、さらに脳幹、前頭葉、頭蓋底動脈、脳下垂体、視交叉と一致すると結論付けられた[8]。メッシュバーガーはほかにも、アダムと神の腕はシナプスを介したニューロンの生化学的情報伝達を意味するとしている。神は脳の中心である感情を司る大脳辺縁系を意味し、おそらくは人間の魂を表現している。そして伸ばされた神の右腕は、人間の脳でもっとも創造性に富み、もっとも重要な部位である前頭前皮質を表しているとしている。
同様のブログ記事はこちら。
c.f.主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。 2023年01月16日
c.f.精神はただ脳からのみあるいは共通感覚が宿ると言われる松果腺からのみ、直接の働きを受ける(デカルト) 2020年01月23日
(ちなみにこの松果腺の話しは有名ですが、精神と脳の交差点をデカルトは松果腺・松果体だと考えていましたが、インドでは◯◯◯と考えて、ずっとそれを使ってきました)
そんなわけで紙ナプキンでも、ホワイトボードでも、百均で買ったノートでも、チラシの裏にでも良いので、どんどんどんどん思い出すだけのMATLASイデアを描いていきましょう。
解剖書を呼んで分かった気になっていた世界を通り過ぎ、解剖書の白地図で名称を書き込めるようにして安心していた世界を通り過ぎ、自分で自分の宇宙をCreateするようにしましょう。
何気なくフリーハンドでいつでも描けるMATLASイデアのみが実践で使えるのです!
One more thing!!
描いたら、すぐにフィードバックを取りましょう!!
(暗記ではないのです。暗記のチェックテストに思える行為ですら、重要な身体の書き換えであることを思い出してー)(それは解剖直観を用いて、骨を触診しているときも同じです。「まといのば」の体表解剖SurfaceAnatomyは表層から入って、深く書き換えるのです)
↑こちらを紹介していたころの記事(あの方のすごいI字が!!↓)