2023年 12月。
ニュージーランドの旅 9日目、ミルフォードトラック 4日目の朝。
今日は、ミルフォードトラック最終日。
クインティンロッジから、ミルフォードサウンドの入り江まで歩きます。
アップダウンは無いながら、行程としてはいままでで群を抜いて長い 21㎞。
今日の天気は… まずまず、かな。ときおりシャワーのような雨が来るので、念のためザックカバーはかけたまま。
4日目ともなると慣れてきて最適なペースもつかめてきました。
ついついペースが上がるので、「せっかくニュージーランドまで山を歩きに来たのに、急いで歩いてしまったらもったいないよ、のんびり行こうよ」とUtaoから何度も声をかけらたり。
夜に雨が降ったのか、一昨日の雨がまだ残っているのか、水の量はやっぱり多い。
登山道に水が溢れていたこともこの日が一番多かったかも。
とはいえ今回は晴れが多かったので、まったく渡渉で困らなかった。
多少水量が多い川を渡るときには、必ずガイドさんが待機して手を貸してくれました。
本当に雨が多いときには川の水位が上がったり、登山道に水がたまったりで、膝まで、ひどいときには腰まで水につかる場合もあるらしいです。
それだけ水に恵まれている森なので、そりゃあジャングルみたいになるわけで。
原始の森というか… 恐竜が出てきそう。
シダのジャングルの向こうに顔を出す山の風景。
日本の登山ではなかなか体験できない山歩きです。
今日のコースとくっついたり離れたりしながら並走するアーサー川。
マッキノンパスあたりから雨水を集めて流れ出し、最終的にミルフォードサウンドに流れ込みます。
川沿いを歩くため、大小さまざまな橋を渡りながら歩く一日でもあり。
…で、水が多いということはサンドフライも多い日であり。
昨日は標高が高かったのであまりサンドフライに纏わりつかれずに済んだのですが、この日は水辺も近いのでそこそこ多かった。途中でチェックインした山小屋では、歩き続けていないとすぐに体中にサンドフライが寄ってくるので休憩にならないくらい。
普通のハエよりはかなり小さいですが、ちゃんとハエっぽい。
そして基本、集団でいる。
4日目の見せ場のひとつ、マッカイ滝。この日は水量が多くてかなりの迫力でした。
21キロも歩くとそれなりにダレるのですが、ミルフォードはときおりこうして大きな滝や湖を見せてくれたり、橋を渡ったさせてくれるので、ぎりぎりのところで飽きない。
…とはいえ、4日目ともなると少し単調に感じ出すのも事実で。とくに、4日目は 2日目と風景が似ているので、既視感があるんですよ。その上、距離が長いわけで。
最後のほうはただただ、淡々と、無になって歩いていました。
せっかくのミルフォードトラックなのにもったいない気もするけど、逆に、そうなるくらいひたすら歩くことだけに集中できるのがミルフォードトラックなんだとも思う。
最後の大きな橋を渡ります。
全長約 54キロのミルフォードトラック、ゴールまであと1キロを切りました。
ああ、やっと今日のこのロングコースを終われる!という気持ちと、ああ、もうミルフォードトラックの 4日間が終わっちゃう、という気持ち。
そしてついに、ゴール地点である サンドフライポイント に到着。
33.5マイル、約 54キロを歩き終えました。
ここの小さな小屋で、ミルフォードサウンドのホテルにわたる船を待ちます。
サンドフライポイントという名の通り、このあたりはサンドフライの数がすごかった。顔を刺されると跡が残りそうなので日本から持参した防虫ネットを被ってました。
小屋の窓の外に集まってくるサンドフライ。
うっとおしかったこいつともやっとお別れだ…!
時間が来たら、小型の船に乗ってアーサー川を下る短いクルーズです。
歩き終えた安堵、みんなで詰め合わせて乗る小型船、大きなエンジン音。川と空と山に囲まれていて、疲れで少し鈍ったような感覚、流れる景色、眠いような、でも落ち着かないような。
船は、ミルフォードサウンドに到着。
岩肌がむき出しの山々に囲まれたフィヨルドで、観光客がバスでやってくる観光地。
入り江のロッジに宿泊して、明日クルーズ船を楽しんだらツアーは終了です。
この日は特別に、ガイドさんたちも夕食に参加してみんなと話をしながら食事をしてくれるので、いろんな質問をしたり、山のことを教えてもらったりできました。
そして、この日は、大晦日。
なんにもないニュージーランドのはじっこの入り江で年越しを迎えます。