マササン (1)
すばる倶楽部の『THE PARTY』、盛況の内に終了しました。
会員の皆様、ご来場ありがとうございました!
パーティーの中で、昨年の公演の各チームから、抽選でひとりの会員の方にプレゼントを渡す催しがありました。
『エデンの東』チームは、僕と、岩田翼、中西陽介の、トラスク家三人がプレゼンターをつとめることになり、事前に、何をプレゼントするか知恵を出し合いました。
『エデンの東』にちなんだもの。
レタス、中国のお茶セット、ムチ、札束…
結局決まったのが、江ノ電サブレ。
エデン→江ノ電
中西のアイデアです。
あ、安易な男…
藤沢のお店から取り寄せました。
だけど藤沢は…江ノ電の西ではないか!
先日、先輩のセンさんから、突然こんなメールが来ました。
『明日、コリアンツアーを敢行。新大久保駅に17時集合。極寒の中、くれぐれも遅刻のないよう』
いきなり、なぜ…?
新大久保駅一帯は、韓国系のお店が立ち並ぶ一大コリアンタウン。
今回、いきなり呼ばれたメンバーは、
左から、センさん、後輩の小林由紀子ちゃん、僕。
向いの席には、左から、音響家の藤平美保子ちゃん(マッコリを注いでるヒト)、伊藤昌一さん(昌さん)、岡田志乃ちゃん(マッコリを飲んでるヒト)。
志乃ちゃんは、先輩の岡田吉弘さんの娘。
舞台芸術の仕事をしています。
おしとやかで知的なお嬢さん。
父親に似なくてホント良かったね!
「今日は、ユッコ(小林由紀子)の誕生日だ!」とセンさん。
おめでとう!と皆で乾杯。
「それで集まったんですか」と聞くと、
「いや。それはたまたま」
「え?じゃ何で?」
「実は、マサコ(センさんは昌さんをそう呼ぶ)に言われてさ。年が明けて、ひと月たったんだから、そろそろ皆で集まろうって」
向いの席から、昌さんが、
「あ、ちなみに僕の誕生日ももうすぐだから。2月14日のバレンタインね」
「そんなこた聞いてねえよ」とセンさん。
「大体、言っとくけどな。この中で、お前さんだけが全然、昴と関係ねえんだぞ」
昌さんは、円の俳優さんです。
僕が芝居を始めた頃は、他劇団の俳優どうしは殆ど交流がありませんでした。
それが、20年ほど前から、吹き替えの仕事に劇団の俳優が出るようになり、スタジオで共演するようになってから、親しくなりました。
しかし、円と昴は、もとは『雲』という同じ劇団だったため、他の劇団よりは俳優どうしの交流はありました。
さらに、昌さんは昴の野球部のメンバーで、シーズン中はしょっちゅう一緒に飲んでいるため、円の俳優さんの中でも特に交流がありました。
その上に、昌さんの人柄がプラスされて、今ではまるで昴のヒトのように、ごくごく自然に、こういう席によくいるのです。
昌さんは、本当にユニークな人です。
次回、もしくは近いうちに、ご本人の承諾を得て、昌さんの驚くべきエピソードを幾つかご紹介したいと思います。
乞うご期待!
寒波の中の散歩
「ハマジン」という無料誌の表紙。
「横浜橋通商店街」の特集です。
昨年の秋、仕事の帰りに駅の構内に置いてあるのを見て、「おおっ…!」と手に取りました。
地下にあるのかと思ったら、よく見ると、アーケードの屋根から撮った写真でした。
向こうに見える夕焼けと、商店街の薄緑色の明りに郷愁を誘われ、いつか行ってみようと思っていました。
年が明けて、2月の頭に行って来ました。
横浜市営地下鉄の阪東橋駅で降り、公園を歩いてすぐ。
元々散歩が好きでしたが、最近は、見知らぬ街をただブラブラ歩くのが特に好きになってきました。
NHKの番組「世界ふれあい街歩き」なんか見たら、もうたまりません。
ただし、商店街を歩く時は、僕はちょっと早足になります。
お店の人に、「いらっしゃい!」「これ、どうですか?」などと声を掛けられると、何か買わなくちゃ悪いような気持ちになってしまうので、声をかけられない内に素早く通り過ぎてしまうのです。
もし、面白そうなものがあった場合は、チラッと見ておいて、通り過ぎてから立ち止まり、頭の中で思い出し、「買ってしまってもいいかな…」と思えたら、戻るのです。
こんな小心者、いるだろうか。
いや、結構多いと思う。
アーケードに入り、ひと昔前の雰囲気のある通りを、やはりちょっと早足で歩いて行きました。
お好み焼屋さん。
一応、ちょっと通り過ぎてから戻りました。
「粉モノ」には魅かれます。
お好み焼、焼きそば、たこ焼き…
やはり関西人なのです。
「ここで食べられますか?」と聞くと。
「食べ歩きに出来ますよ」
アルミホイルで巻いて貰い、クレープのように。
ちょっと行儀が悪いけど、歩きながら食べました。
商店街を抜けると、なんと劇場が!
「三吉演芸場」
大衆演劇の実演定席とのこと。
ちょうど昼の部が終わったところで、入口で役者さん達がお客さんの見送りをしていました。
金髪のイケメンばかり。
それを見ていたら、自転車で通りかかったお爺さんが僕に話しかけて来ました。
「あれはいかんよねぇ。あのおばさん達、ひとりの役者さんばかり取り巻いてさ。他の役者さんが可哀そうじゃない。ところで、アンタもいい顔立ちしてるねぇ。役者さんみたいだ」
ちょっと気分を良くして(いや、そうでもなく、複雑…)、さらに進み、中村川を渡ると、少し先のところに、昭和初期に建てられたような雰囲気のあるパン屋さんが。
サラダパンを買いました。
また食べながら歩き、中村川沿いの道を南へ。
20分ほど行くと、「亀の橋」という交差点へ。
左折して再び中村川を渡ったとたん、急に街の雰囲気が変わりました。
寿町。
東京の山谷、大阪の釜ケ﨑と並ぶ三大ドヤ街。
ここは散歩する度胸もなく、右折して、JR根岸線石川町駅へ。
この駅は、南口はお洒落な元町方面、北口は寿町方面。
駅の両端の入口で、随分雰囲気が異なります。
北口を通り過ぎて、中華街西門へ。
中華街を少し散策し、関内へ。
そこから地下鉄に乗って帰りました。
よく晴れて気持ちのいい、合計2時間ほどの散歩でした。
でも、この日は全国的に寒波に襲われた寒い日で…
翌日、風邪をひきました。
川柳
東京、市ヶ谷にある、日本棋院。
入口の前。
前に一度、ブログに書きました。
日本囲碁界の総本山です。
高校球児ならば甲子園。
サッカーならば国立競技場。
ミュージシャンならば武道館。
演劇人ならば紀伊国屋(かな?)
ただのビルですが、ここをトップクラスの棋士が毎日通っているのかと思うと…やはり雰囲気があります。
年が明けてすぐに行って来ました。
理由は…
入口を入ってすぐのロビーの、特設「川柳展」(今はもう終わっています)
実は昨年、「碁柳会」という川柳の会に入りました。
囲碁好きの人達が作った句会で、月に一度集まっています。
作る川柳は碁に関係がなければなりません。
そして、会員の投票で、その月で一番良かった一句を決め、その句を作った人が「お題」を出し、その「お題」を使って、碁に関係のある句を作ります。
例えば、お題が、「雨」だったら、「碁」と「雨」との二つに関係のある川柳を考えなければなりません。
「5・7・5」の字数制限がある上に、これは相当きつい、しばりです。
川柳なんて、今まで、全く作ったことはありませんでした。
しかし、やり出すと面白いものです。
思いついたら、すぐに携帯電話で、自分のアドレス宛てのメールに打ち込み、送信ボックスにストックしておきます。
電車の中で、宙を見つめて考え込み、時々ニヤリとする姿は、他の人からは見れば、相当アブナイ人物でしょう。
会に、落語家の春風亭華柳師匠がいらっしゃいます。
師匠は絵がとてもお上手で、会員の作ったいくつかの句に絵をつけて、色紙にして下さいます。
そして毎年お正月に、日本棋院のロビーに、こうして飾って下さるのです。
僕の川柳にも、二つ、絵を描いて下さいました。
アゲハマを
お菊みたいに
数えるな
お題が「菊」
アゲハマとは、相手から取った石のことです。
(碁を知らなければ、全然、意味が分かりませんよね)
「一剣」というのは、僕の俳号。
川柳を作る時のペンネームです。
華柳師匠がつけて下さいました。
宮本武蔵と、碁の「一間トビ」をかけたもの(これも説明は省きます)。
定石の
向きが変わると
分からない
これも、碁が分からないと、全く意味が分からないでしょうが、僕はこの句が大変気に入っています。
そして、句を作った僕自身が驚くような発想の、この絵もとても気に入っています。
棋士の人達、僕の川柳を見てくれただろうか…。