雨模様が続きます。しかし先週の水曜日・春分の日はいい天気でした。夕日が沈む前、時計を見ると既に午後6時前で、気付かぬうちに随分と日が長くなったことを知りました。お彼岸は切り替え時です。私が親しむ遠州流茶道では茶器の中から抹茶を汲む位置も変わります。暑さ寒さも彼岸まで、とも云います。これから春本番ですね。と思ったら、天候が崩れましたが、これも春に内在するものなのでしょう。

 大相撲春場所では尊富士と大の里という若い新スターが彗星の如く誕生し、日本全体で世代交代が進んでいく兆しを感じました。「お前ならできる。記録じゃなくて記憶に残したいんだろ?」ー照ノ富士が云ったと伝えられる言葉もいいですね。もちろん暗いニュースも常にあるのですが、お彼岸も越えたことだし、いい側に注目していきたいと思います。

 いい側と云えば私の花粉症。還暦にして初めて花粉症を本格的に発症したわけですが、始まったのは二週間前に兄の五十回忌の仕上げに、永平寺に法要に行った時でした。永平寺は杉の森に囲まれており、永平寺が近付くにつれて、花粉症の症状が始まりました。兄は永平寺で永代供養されているのですが、今回初めて、永代供養といえども基本は五十年で文字通り弔い上げで、この場合の永代とは原則五十年であることを知りました。花粉症は、兄からのメッセージなのだと思います。そう考えると、花粉症も愛おしいものです。杉の花粉が収まったら、永平寺に再訪して、また供養をお願いしてこようと思います。

 さて、もうすぐ新年度です。投資の世界も新年度入り。新しい前向きな展開を期待し、或いは自分たちで創っていきたいと思います!

 先週の火曜日にこのつぶやきを書いて以来、たった一週間の間に本当に色々なことがありました。

 

 先ずは水曜日、固体燃料ロケット「カイロス」の打ち上げ失敗。串本の発射場は車の中から遠目で見たこともあり、イプシロンの打ち上げを見に行ったこともある(残念ながら延期で見そびれましたが)私なので、とても残念です。ただ一番の興味は、この類いのロケットの発射について、例えば北朝鮮とかはどのように見たり報じているのか気になりました。固体燃料ロケットですし。

 

 同じ水曜日、衆議院法務委員会では、警察・検察の取調中の被疑者によるメモ取りの禁止は、刑事訴訟法上根拠がないと法務大臣が認め、メモを取ることを強制的に止めることはできないと答弁する椿事(?)がありました。日本は今、色んなところで良い方向に、世界標準に変わりつつある兆しを感じました。

 

 そして翌木曜日の夜から私の鼻・喉周りが怪しくなり、金曜日に遂に、60歳にして初めて、花粉症に本格デビューしました。つらい。。。金曜のディナーは、相手の外国人に後から、いつものようにいいディナーだったね、たまには静かな瞬間を持つのもいいね、と云われる始末。ディナー中、鼻が詰まったりで話をするどころではない時間帯もあったのです。土曜の朝に堪らず病院に駆け込みました。私は何歳になっても新しいことを始めるタチなんです!

 

 そして週明けの月曜日、プーチン圧勝のニュース。こう書いてきても、世の中どんどん変わって来ている中で、プーチンのロシアだけは、何十年も止まっているように見えます。情報統制されることがどれだけ恐ろしいことか。これだけは肝に銘じておきたいですね。

 

 そして今日、遂に日銀がマイナス金利を解除し、長短金利操作も撤廃しました。更にETFとREITの買い入れも終了。予想されていたことではあったし、長期国債の買いオペも共通担保資金供給オペも続けるので、大勢には影響ないでしょう。でもやはり、過去からの決別、新しい日本への変化を感じます。そして日経平均は4万円を回復して引けました。

 

 この一週間、プーチンを除いて、「変化」が目立つ一週間でした。この調子でどんどん変化を続けて行って欲しいですね!

 

 「ゴジラ-1.0」が、米アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しました。快挙ですね。おめでとうございます。最新技術を使った超高価なSFXではなく、様々なアイデアで特撮というか視覚効果を実現しての受賞で、日本らしいところもいいと思います。映画は面白くて、私も小さい時からゴジラ映画は好きだったし、とても楽しめたのですが、主演の神木隆之介さんとヒロインの浜辺美波さんがやや戦後感から掛け離れたビジュアルで、そんなアンバランスのところも印象を強くしたのかも知れません。

 さて、話は変わり、先日夜に急に出掛けることになり、相手にディナーの場所を選んでもらったら、かつて私が足繁く通った懐かしのレストランでした。おー、良くここを選んだな、と思って店に行き、馴染みの顔はまだ居るかな?と入店すると、果たして、フロアマネージャーは昔から良く知っている人でした。どうも、久し振りです。実家に戻ったような感じで和やかに食事を進めていると、そのマネージャーが云い出しにくそうに話してきました。実は、もうすぐ閉店するんです。えっーーーーー!まじですか。早速閉店日の数日前の日に、20人の席を予約しました。懐かしい面々と楽しもうと思います。

 私は食べ物屋さんに閉店時に居合わせることが多いです。以前にも書いたことがありますが、古くは高校時代に学校の近くにあった「坂道」という喫茶店。閉店直前に行ったので、店に置いてあった男組全巻をもらいました。そして大人になってからは、「山路」という館野さんという職人さんがやっていたお鮨屋さんに行ったら翌々日に店を閉める、兄弟子である清水さんの「喜久好」も同じ日に閉まる、と聞いて、慌てて喜久好さんにも最終日に詰め込んでもらって最後のお客さんになったり。

 お鮨屋さんと云えば、日本橋にあった未だに私が一番好きな「千八」さんの松下さんが、もう店を閉めると電話をくれて、それから閉店までの1~2ヶ月の間に何度も行って、最後は最終日の最後のお客さんになって箸置きひとつだけ思い出にいただいたこともあります。また、中学・高校の正門前にあった「昌華飯店」に、服部先輩と飲みに行ったら、その日最後の客になり、もう閉めるから帰ってちょうだい、と云われて現金会計して帰ったら、その晩店はそのまま永遠に閉めてしまったり。西麻布の「コロンバ」に久し振りに遅めにふらっと寄ったら、お客さんは他に一組、そのお客さんが帰ると、実はこれで閉店、即ち廃業なんですと告げられたり。

 そして今回の青山の「S」。なんか縁ですね。食べるのが好きだから、こういう巡り合わせになるのでしょうか?或いは頻繁に外食をしていると、確率的にこうなるものでしょうか?お店の人が必ずしもお客さん全員に閉店することを話さないとも考えられるので、お店の人と仲良くなって色んなことを話すからでしょうか。最後の理由が、当たってそうな気がします。これからも食べ物屋さんとは仲良くして、色んな出会いと再会をしていきたいと思います。

 日経平均は昨日史上初の4万円を超え、今日もなんとか4万円台を維持して引けました。(4万円突破コメントはこちらしかし街では、好景気の実感がないという声が多いようです。街に限らず、証券業界の中でも、バブル期のような高揚感はありません。何故でしょう?

 

 それは、株価上昇のメリットが全国民にはシェアされてないからとか云われますが、実際には年金資産の増加等で全国民的に恩恵を受けています。高揚感がない一番の理由は、「人の心理は過去数年の移動平均線に影響を受けるから」だと私は思っています。

 

 バブル期は、戦後からずっと株価が上がり経済が膨張し続けた40年間の最後に来ました。大戦敗戦からたった23年間で日本は世界第2位の経済大国になり、その後も成長を続けました。過去数年移動平均線は、株価も経済も上がり続けていたのです。だから大きな高揚感があった。翻って今はどうでしょう?この2ヶ月間、株価は大きく上げています。この1年半くらいで見ても、株価も上がり、日本経済や企業構造も変化をしているように見えます。インフレ、価格転嫁、賃上げ、設備投資。様々な前向きのことが起きていますが、それはまだせいぜいこの2年のことであり、過去数年移動平均、例えば5年の移動平均線で見ると、ようやくちょっと上向き掛けたところです。だからまだ高揚感がない。人間は慣れる動物なのです。

 

 あと1年この状態が続けば、株価や経済の移動平均線は大きく上昇をし、そして多くの人はそれを実感するでしょう。満足感、そしていずれ高揚感。逆に云うと、それまでまだまだ時間が掛かると云うことです。と云うことは、乗り切れてない人が大勢いますから、上昇はまだこれからだとも云えます。4万円突破コメントに書いたように、しかし変化に対する意欲を失ったら、高揚感どころか満足感に至る前にこの株価と経済の上昇は止まって反落してしまうかも知れません。しっかりと変化を続けることが何よりも大事ですね!

 2月22日、木曜日に、日経平均は史上最高値を更新しました。私はマスコミ向けにコメントを発表させていただきましたが、本来ならばこのつぶやきで書いたことでしょう。

 去年の6月末迄の約24年間、一営業日も休まずに書いてきたつぶやきは、私自身にとって掛け替えのないデータベースでした。あの日あの時、世界で、日本で、当社で、或いは私に起きたことに、私はどう考えどう文章にまとめたのか。私にとってはもっとも信頼できるデータベース、私の生き写し、或いは私という媒体を通しての世界の写しがそこにあったのですが、毎営業日から毎週へと頻度を落とした瞬間に、その性質は全く変わってしまいました。

 「写し」やデータベースとしての意味はほぼなくなったことを、痛感します。中東やアメリカの問題などでもこの8ヶ月間感じてきましたが、やはり先週の木曜日、日経平均史上最高値更新時に、圧倒的に強く感じました。もう完全に芸風も思いも変えないといけないなぁ。と思いつつも、2月22日に出したコメントはマスコミ宛てで、マネックスの正式なプラットフォームには載っていないので、ここに載せようと思います。2営業日遅れの鮮度が落ちた内容ですが、私の思いを書き記しておきます。

ーーー2月22日の私のコメントーーー

本日、日経平均株価が、史上最高値を更新しました。

1987年に社会人になった頃、街にもマーケットにも熱気がありました。
1989年12月29日に日経平均はピークを付け、それから長い低迷の時期を経て、本日、2024年2月22日に、今再び史上最高値に至りました。
この間ずっと資本市場に全てのエネルギーを捧げてきた私としては、感無量です。

日本の株価が上がると、年金資産も増え、企業のグローバルな買収能力や人材の採用力も高まり、資産効果によって消費を刺激して経済を活性化し、更には株式譲渡課税のベースが上がるので税収も増えることに繋がります。
日本の株価が上がることは、日本にとっていいことばかりです。

今回のことは、もちろん日本企業の不断の努力によって収益力が上がったことが大きな理由です。
同時に、我々証券会社・運用会社グループも当事者として、上場企業のコーポレートガバナンスの進化・株主還元の改善・資本効率の改善などを推進し、また個人投資家の投資環境を劇的に良くし、投資理論の普及などを行い、全般的に日本の資本市場の効率化と性能向上に努めて来たことも、日本の株価復活に貢献していると自負しています。

今後も、資本市場の改善、株価の上昇、ひいては日本全体の生産性の向上に資するように、マネックスグループ各社の力を合わせ、日本社会と個人投資家に貢献していく決意です。

これからの高値は、34年ぶりの高値ではなく、「新高値」です。
過去を振り返って過去を取り戻すのではなく、これからの日本は、前を見て新しい成長を創っていくべきです。
そんなシン・ニホンに大きく期待します。

マネックスグループ会長・マネックス証券創業者 松本大

 私の同僚が、64時間掛けて出張先のアフリカから帰国しました。アメイジング。飛行機を乗り継ぎ、しかも接続が悪くて空港で半日以上待つなどもあり、そうなったとのこと。脱帽です。私も彼ほどではありませんが、今月は強行軍でした。先々週はニューヨークとワシントンD.C.、帰ってすぐにシンガポールに一泊三日の弾丸出張。そして帰ってから週末も通して忙しく、休みなしという感じです。今の日本株マーケットと同じですね。

 

 しかし体調はいたって良好です。出張中も疲れを感じませんでした。2年前にジョギングを始めて、毎日平均1万歩以上ステップを踏んでいるからだと思います。アメリカを中心としたいくつかの研究で、一日1万歩以上ステップを踏むと様々な疾患を逃れ、健康でいられる確率が大きく上がることが指摘されています。この傾向は50歳を超えてから、更には60歳を超えてから顕著で、ステップのインテンシティ、即ち速く走るか遅く走るか、或いは歩くかは関係ないと云われています。

 

2年前に「あれ?松本さん、おなか出始めました?」とバーで隣に座った時に云ってくれたYN君に感謝です。以来夏も冬も出張先でもジョギングを続けて、自分でも明らかに体力が付いたことを実感します。体重は減りません。おなかは減ります。糖分消費が増えたようにも感じます。スタミナを付けて、もっと頑張りたいと思います。

 

 日本株マーケットも、この数日はちょっともたついていますが、明らかな構造改革が起きたことが原因で上がってきたマーケットですから、史上最高値はあくまでも通過点であり、これからも波を伴いながら上昇していくことでしょう。賃金を上げ、価格転嫁をし、設備投資をするようになった日本。それは名目GDPが上がるようになる日本であり、当然に日本株は上がっていきます。企業の生む富の株主への配分が、以前よりも大きくなってきている日本。そもそも企業の収益力が以前の何倍にもなっている日本。そして何よりも、世代交代が進み、昭和の成功体験のない世代が企業をリードし、そこでは成功体験がないからこそ、自然に世界のより良い経営方法を採り入れようとする今の日本。これはスタミナがあります。

 

 日本株に負けないように私も頑張るようにしようっと!

 先週はニューヨークとワシントンD.C.に出張だったのですが、帰ってきてすぐに、テイラー・スウィフトの東京ドームコンサートに行きました。因みに、皆スイフトと呼んでいると思うのですが、何故スウィフトって表記するのでしょう?気持ちは Swift だからでしょうか。日本語の表現能力って面白いですね。それはともかくこのERASツアー、本当に圧巻でした。9年前に1989ツアーをニュージャージーのメットライフ・スタジアムでも見ましたが、100倍以上パワーアップしていました。そのAVの技術や、構成の合理性など、話したいことはいくらでもあるのですが、今日はもっと根本的なことについて書きたいと思います。

 テイラー・スウィフトのコンサートを見て思ったこと、それは彼女が「人間を謳歌している」と感じることです。

 「人生を謳歌する」という表現はありますが、「人間を謳歌する」という表現は聞いたことがありません。しかし彼女がカラダ全部を使ってステージを大きく動きながら、そして観客との繋がりを確認しながら、人間としてのテイラー・スウィフト全部を使って、そしてそれを喜びながら歌を歌っている、いや単に歌を歌うのではなく、まさにパフォームしているのを見て、自然と私の中に、「人間を謳歌している」という言葉が湧き上がってきました。テイラー・スウィフトの圧倒的な人気は、それは例えば大谷翔平のようなスーパー・スポーツマンと比べても段違いの経済規模な訳ですが、それはこの「人間を謳歌している」ことに、世界中の人が憧れて、或いは共感し、或いは希望をもらうから、そうなるのではないでしょうか。

 私もこの数日は、大きく手を振って歩いております。気持ちいいですね!

 今日は極めて私的なことを書き留めますがご容赦下さい。

 

 先週2月1日は、私にとって特別な日でした。49年前の2月1日に、私は兄を亡くしました。3年3ヶ月違い、4学年違いの兄は、中学3年の夏に体に痛みを覚え、10月1日に入院し、4ヶ月後に亡くなりました。私が小学5年の時です。生きたくても生きられなかった兄と、生かされている自分。そのことが私の生き方に決定的に大きな影響を与え、以来私は、常に兄のことを思って生きて来ました。

 

 自分は他人にはなれない。誰か輝いているあの人みたいになりたいとか、そのようなことは夢にも思わない。しかし兄の分まで生きよう。自分は自分以外にはなれないけれど、自分の二倍を生きよう。もちろんそれは無理でも、自分の120%を生きよう。それが私の心の中で兄に対する約束となり、自分を使い切ること、他人のようになろうとはしなくとも、自分を回し続けること、そしてちょっとでも100%より多めに回すこと。それが私の生き方になりました。

 

 兄が亡くなったちょうど1年後の2月1日に開成中学の入試があり、私は開成中学に進学することになりましたが、毎年2月1日は、私にとって一年の中で最も特別な日として年月を数えました。その日はお寺の朝課に読み込んでいただいたりして来ましたが、先週は遂に五十回忌を執り行いました。親族や兄の幼馴染みを呼んでの法要。多くの思いが巡りました。その日の朝、日経新聞の交遊抄に、開成の友人による私の記事が載りました。偶然です。またその日の朝はジョギング中にも、いくつか不思議なことが起きて、何か賑やかと云うか、色んな人が大集合と云う感じでした。その日は晩も、急遽別の開成の友人にも会うことになりました。朝から涙もちょっと出て、一日が終わるとどっと疲れてしまい、泥のように眠りました。

 

 五十回忌は弔い上げとも云います。これからもずっと、私にとって特別な日であり続けますが、それでもやはり、ひとつの区切りなのかも知れません。ですから先週の2月1日は本当に特別な日でした。このような私的なことは、直接的な表現ではこのつぶやきに書かないようにしてきたのですが、これも弔い上げの一環として、今回だけは書き留めさせていただきました。皆さまにはこのような文章を読ませてしまい、本当に申し訳ありません。何卒ご容赦下さい。

 公園の白梅は微かに散り始め、一方紅梅が咲き始めました。朝の冷え込みは日によって随分違い、大体三度を境に、下回ると霜が降り、上回ると霜が降りないようですが、最近は霜のない朝が増えてきた気がします。まさに三寒四温の天候です。私は毎朝ジョギングしながらワシントンD.C.近くの人と電話会議をするのですが、彼の地においてもほぼ同様の三寒四温の状態のようです。

 山重水複疑無路(さんちょうすいふくみちなきをうたがい)
 柳暗花明又一村(りゅうあんかめいまたいっそん)

 南宋の詩人陸游の遊山西村(山西の村に遊ぶ)という七言律詩の一部です。ー 山が重なり合い、川が複雑に流れるところで、もう道がないかと疑っていると、暗く生い茂る柳の中に明るい(桃の)花がぱっと咲いていて、またひとつ村があった。ー つらい時期を迎えている人たちのことを思う時、或いは努力が中々報われない時や、ようやく結果が出そうな時に、私はこの詩を思い出します。

 日本語では、「冬来たりなば春遠からじ」などと云いますが、これは江戸後期に当たる時代のイギリスの叙情詩人、パーシー・シェリーの最後の一句であると知りました(If Winter comes, can Spring be far behind ?)。人間の思いとは、地球上どこでも一緒ですね。

 ご存知のように、マーケットが熱いです。賃金が今年も上がりそうな日本。上場企業の資本コスト(株主リターン)を意識した経営が進んで来ている日本。そのように変化がある日本。そして金利は引き続き低く、かつ当面変化しそうにない日本。名目GDPが遂に上がり始めそうな日本。そして企業のヴァリュエーション(PER)は低い。だから米中を中心とした投資家が日本株をバンバン買っているようです。

 

 特に中国は、不動産と株式と、国内資産価格の下落が止まらない中で、海外へ投資先を求めており、その際に従来なら米国株などに投資したものが、現在の米中関係下の米国の外為法規制の強化からそれもままならず、代替として日本株に投資している。そんな絵が透けて見えてきます。ウォーレン・バフェットのように、低い金利で円を借りて投資するので、円高要因にはならない。一方新NISAに入って来た個人投資家のお金の8割方は海外株式に行ってるようなので、これが円安を呼んでいる。

 

 株式は、ROEは企業が実現するものですが、PERは投資家が付けるものです。日本の投資家はPERが高くなり過ぎれば低いものを探す(循環物色)傾向が強いですが、米中の投資家は高いPERが高くあり続けることになれている。なので今の日本株市場を見ると、買われてる株が更に買われ続ける傾向が強いように見えます。相場を演出している投資家層の違いでしょう。

 

 ただの数字遊びではありますが、日経平均の数字がアメリカのダウ平均の数字を抜くのも、段々射程距離に入って来た感があります。このマーケットは、近くで見ているよりも、ちゃんと買った上で、或いは積み立て投資をしながら、遠目で見ている方がいいマーケットのような気がします。甲辰のマーケットは、やはり元気がいいですね!