僕の人生におけるモチベーションの原点は
「自分が得る事が出来た学びや経験、出会いを活用して「社会」に還元したい」
というもの。
NPOでの活動も、研究も、社会起業塾の受講も、ソーシャルビジネスのビジネスコンペへの参加も、起業へ向けての準備も全てはその原点を達成すべくやってきたこと。
けど、この震災で本当に多くのことが変わり、社会も自分も、自分の周りの環境も変わってしまった。
東京にいた自分でさえ死ぬかと思ったし、地元の福島も深刻な被害を受け、家族や友人も大変な状況にある。
震災から20日経つ今でも原発や余震の脅威は過ぎ去っていない。
これだけの人的・経済的・社会的被害を受けて、家族や友人が苦しんでいる中で、
自分は東京で大学院に進学し、この生活を続けてて良いのかすごい迷った。
今まで積み上げてきたものを全て崩して、大学院進学を辞退して、今すぐにでも既卒扱いになっても会社に入った方が良いのかもしれないと本気で思った。
家族をはじめ友人や先輩、色々な人に相談した。
自身の人生における優先順位は何なのかとご指摘を受けた。
家族?自己実現?経済的成功?夢?今までの努力?地元?
そんなの自分には優先順位づけなんて出来なかった。
自分の中の弱さと対峙した。
何の足しにもならない見栄・プライドを持っている自分。
言い訳をはじめ保身に走る思考。
自身で出来る事を何度も何度も考えた。
けどその度に、無力感と自分への失望感を感じてしまった。
自分が自分に対してだけじゃなく、周りが自分に失望していく怖さも感じた。
けど、否定は出来なかった。
今までの人生での挫折経験・言い訳をして逃げた過去の自分、口だけで結局成し遂げれなかったことの全てがフラッシュバックしてきた。
自分は何で生きているか分からなくなった。
無力であることを認めようとした。
いや、正確には無力であることは頭では分かっていたつもりだった。
けど、今回の震災で、自分をはじめ多くの生活基盤が崩れ、当たり前の生活・地元を取り戻すために自分が出来る事・すべきことを見つけようとするたびに自分の無力さに直面し、実感してしまった。
今回の震災で俺は今までの経験・学び・これからの人生にまで大いに揺れてしまった。
そんな失望と無力感に打ちひしがれ、情けない思考が延々と続く中、ある境地に達した。
無力であることを認めよう。
ある意味、自分にあきらめの境地なのかもしれない。
けど、それでも、無力である自分でも這いつくばって前進は出来る。
今、東京にいる自分だから、今までやってきた学び・経験があるから出来る事、大学院に進学するから出来る事をやってやろうと思った。
結局僕は、「今まで自分が得る事が出来た学びや経験、出会いを活用して「社会」に還元したい」という原点に回帰した。
原点回帰はしたが変化した部分もある。
還元対象が今までは漠然と「社会」だったが、今回の震災のことで「東北」になった。
無力である自分が出来る事。
自分が出来ないなら出来る人に協力してもらえばいい。
僕がすることは、仲間が集まる場を創り、彼らの想い・力・知恵・アイディアを東北に届けること。
周りにいる社会人、実務家、学生、学者の想いや力、知恵やアイディアを東北に届けたい。
それが無力な自分が出来る事。
僕は成長しないといけない。
人が集まる場を創る力、
彼らの想いを汲む力、
彼らの力を被災地に届ける力、
彼らの知恵をお借りして実利を生み出すアイディアを創造する力。
まだまだやれること・出来る事は山ほどある。
出来ないことでも出来るようにする努力はいくらでも出来る。
そう心の奥底から思えた時にふと空を見上げると空が澄み渡った青だった。
なんだか嬉しくなった。
元志