なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

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【5070】ドラフト(東証グロース)  OP

現在値  691円/100株  P/E 11.9  P/B 2.10  12月配当 株主優待あり 

オフィスや商業施設、都市開発などの空間設計・施工の大手。従業員の6割がデザイナー。
配当は12月末の一括で年6円配のため、配当利回りは約0.87%となります。

ドラフトは株主優待として12月末の単元株主に対し、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、優待利回りは約2.31%となります。

業績は下記の通りです。 

■2021年12月期 売上高 80.3億円、営業利益 9.5億円 EPS 62.0円 
■2022年12月期 売上高 82.8億円、営業利益 1.0億円 EPS 2.1円

■2023年12月期 売上高 107億円、営業利益 8.7億円 EPS 51.4円

■2024年12月期 売上高 120億円、営業利益 9.8億円 EPS 57.7円 ce

□2024年6月2Q 売上高 60.0億円、営業利益 4.8億円 EPS 30.8円 ce

2023年12月期の落着の売上高はYoY+29.1%の107億円、営業利益はYoY*8倍の8.7億円となり、対前・対予算で大幅減益となりました。期初PJストックはYoY+5.4%の58億円と潤沢に確保していたほか、経済正常化による人流回復等もあり、オフィス改装よりも商業施設案件が一段と伸長しました。引渡案件は総合商社の兼松本社(2023年度計上とみられる)、フロンティアグラン西新宿等であり、利益面については本社移転に伴う“ダブル賃料“や人件費増をトップライン成長で飲み込んで一段増となりました。

進行期である2024年12月期の通期予算については、売上高がYoY+12.1%の120億円、営業利益はYoY+12.6%の9.8億円を見込んでいます。期初時点のPJストックは見込売上を厳格化したものの、YoY+46.5%の85億円を確保しており、日比谷セントラルビル改修等の案件計上が予定されています。利益面については、人件費やミラノ展示会出展費用が嵩むものの、1億円を超える大型案件割合の増加で採算性が良化します。

 

今般当社は3年中計をロールしており、最終年度の2026年12月期を目途に売上高を107億円→145億円に、営業利益率も8%→9%(実額13.0億円)に引き上げるほか、時価総額も目下の70億円強から倍となる150億円を目標とします。会社側ではデザインサービス市場のTAMは、世界で12兆円(市場CAGR4%)・日本で8,500億円と捉え、売上高100億円突破こそ1年後ろ倒しとなったものの、受注残管理ツール“STOCK&FORECAST”の活用等により、現状の事業ドメインのみで延長線的な成長を目論みます。

 

取組事項としては、山下泰樹建築デザイン研究所のフル活用、➁人材の確保・育成による組織力強化の2点を挙げています。①当社の看板建築家・デザイナーである創業者の山下氏の先端デザイン性のブランド訴求を強化する一方、山下氏への高依存を分散するため、会社経営は荒浪昌彦氏を充てて2トップ体制に変更しています。➁は人員集約的な業容であることから、週休3日制の導入や本社移転といった労働環境の拡充を図る方針です。

 

なお財務面についてはIPO時に21億円(@790円)を調達し、2021年末に臨港パーク建築工事費の一部としてPOで5億円(@708円)を追加調達しており、目下の自己資本比率は46.3%となっています。尚、配当については横ばいの年6円配当を見込んでいるものの、配当性向は10.4%に過ぎないため、大幅増配含みと解されます。

 

*参考記事① 2023-05-24 379円 OP

【5070】ドラフト/精度粗い受注管理はやや改善傾向、山下氏の個人事務所の傾向は根強い。

 

*参考記事② 2022-05-06 660円 NT

【5070】ドラフト/中長期的な成長可能性は、代表・山下泰樹氏の個人ブランディング次第か。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されていす。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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【2678】アスクル(東証プライム) NT

現在値 2,405円/100株  P/E 13.0  P/B 3.03  5月配当 11月配当 株主優待あり

オフィス用品配達で先駆、ヤフーと個人向けEC『ロハコ』等で連携。

配当金は5月末・11月末の年2回の合計36円で、配当利回りは1.50%となります。

 

アスクルは株主優待制度を導入しており、5月末・11月末の株主に対して、2,000円分のクーポン(※買上500円超につき、500円使用可)を進呈しているため、配当優待利回りは約3.16%となります。

業績を確認していきます。2022年5月期から新収益基準に移行しています。

■2022年5月期 売上高 4,285億円、営業利益 143.0億円 EPS 90.8円 

■2023年5月期 売上高 4,467億円、営業利益 146.2億円 EPS 100.4円 

■2024年5月期 売上高 4,700億円、営業利益 165.0億円 EPS 184.6円ce修正(3/15)

□2023年11月2Q 売上高 2,312億円、営業利益 72.4億円 EPS 47.5円 

□2024年2月3Q 売上高 3,500億円、営業利益 124.9億円 EPS 165.6円 (3/15)


2023年11月中間期の売上高はYoY+5.0%の2,312億円、営業利益はYoY+7.4%の72.4億円となり概ね外部予想水準で進捗しました。柱のB2B事業は検査キット等の新型肺炎禍関連商材剥落で医療用品が反落したものの、“ソロエルアリーナ”のサイト刷新効果にくわえ、正常化に伴い生活用品が2桁の伸びを示しました。他方、B2C事業のLOHACOについては黒字基調こそ維持したものの、大型販促の下期後ろ倒しで計画未達となりました。

 

なお2024年5月期通期見通しは3Qで微修正しており、売上高はYoY+5.2%の4,700億円(期予:4,820億円)、営業利益はYoY+12.9%の165億円(期予:UNCH)を予想しています。“日並び”による休暇長期化影響や医療用品の特需剥落でB2B事業が想定以下となることから、トップラインこそ減額するものの、無料配送バー改定施策等による効率化と利益率改善で利益予想は据置きます。3月15日開示済の3Qは売上高3,500億円&営業利益124.9億円ながら、入間三芳倉庫の火災賠償金94億円(確定)を特別利益で認識し、EPSは一段増となります。

 

進行期は2025年5月期を終期とする4ヵ年中計の3年度目であり、最終的に売上高5,500億円(CAGR6%)、営業利益275億円(CAGR18%)を目指すほか、ROE20%(実績14%)、B2B事業売上高4,135億円(最終年度2桁成長)、LOHACO単独売上高743億円(CAGR9%)を計数目標としています。中計当初はトップライン成長を志向していたものの、B2CのLOHACOは途中で黒字化の方を優先としたほか、柱のB2Bも想定ほど伸びていない状況です。

 

今次中計での取組事項は、①品揃え拡大、②B2Bサイト強化、③ZHD協業、④PF改革の4点が挙げられています。①は“取扱商品2倍“、“在庫商品4倍”、“オリジナル商品1.4倍”を掲げ、ロングテール戦略で医療・介護や製造業MROを強化し、首位のMonotaROとの差を詰めるべく、アドバンテッジから歯科用品通販ECのフィード(年商125億円)を買収しています。②は一括購買の“ソロエル”のオープン化を実現し、新ASKULサイトへの一元化で効率化を図っています。上述のとおり、これら取組による売上成長は想定以下であるものの、逆に効率化は一層進捗し、一足先に利益率の改善が進んでいます。

 

③のZHD協業については、LINEヤフーの個人情報に関する混乱もあり、LYPプレミアムの活用といった部分的なものに留まるものの、④のPF改革については、2021年竣工の葛西のASKUL東京DCに77億円を投じてAIと高性能マテハン設備を実装したほか、り災した入間三芳倉庫の代わりとなる上尾倉庫には180億円を投じ、目下最大の吹田倉庫に匹敵するDCを2025年6月に竣工させる計画です。

 

他方、株主還元については、2円増配の年36円配を予想しています。自己資本比率は30.3%(買掛金でB/Sが重い)ではあるものの、実質無借金で470億円超のネット現金を保有しており好財務を維持しています。
 

*参考記事①  2023-11-11 2,031円 OP

【2678】アスクル/LINEヤフーの販促変更影響受けるも、一旦はLOHACOが黒字化。

 

*参考記事② 2023-04-07  1,726円 OP

【2678】アスクル/子会社のアルファパーチェスが上場、経済活動再開で概ね計画線の推移。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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【2979】SOSiLA物流リート投資法人(東証REIT) NT

現在値 124,700円/1株 P/E 25.9  P/NAV 0.89  5月分配 11月分配 投資主優待なし

住友商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まで産業不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計5,530円配のため、予想分配金利回りは約4.43%です。

業績を確認していきます。

■2022年05月期_第5期 営業収益 35.7億円、経常利益 15.6億円 DPU 2,579円 

■2022年11月期_第6期 営業収益 38.2億円、経常利益 16.1億円 DPU 2,671円

■2023年05月期_第7期 営業収益 41.9億円、経常利益 16.7億円 DPU 2,628円

■2023年11月期_第8期 営業収益 43.3億円、経常利益 18.1億円 DPU 2,830円

□2024年05月期_第9期 営業収益 42.4億円、経常利益 17.4億円 DPU 2,765円ce修正

□2024年11月期_第10期 営業収益 43.0億円、経常利益 17.6億円 DPU 2,765円ce


2023年11月期_第8期の実績は、営業収益が第7期比+3.4%の43.3億円、経常利益は同+8.3%の18.1億円、分配金は+202円の2,830円(うちOPD332円)で着地し、計画比

で減収増益となりました。水光熱費収入が想定以下だったものの、3rd_POの取得2物件が巡行寄与して増収したほか、新株交付費や新規調達等のPO関連コストの剥落やPO物件の固都税未発生等による良化要素が多く、分配金は1期遅れての大幅増となりました。

 

進行期である2024年5月期_第9期の見通しも修正しており、営業収益は第8期比▲2.0%の42.4億円(従予:43.1億円)、経常利益は同▲4.1%の17.4億円(従予:17.3億円)、分配金は同▲65円の2,765円(従予:2,729円/うちOPD371円)を予想しています。昨年8月に期中取得したLiCS所沢(13.25億円/鑑定NOI4.6%)が巡行化するものの、尼崎の追加取得分(45%)の固都税費用化開始が重しとなるほか、減少基調にある水道光熱費収入を保守的に見積もります。

 

今回開示の翌2024年11月期_第10期の予想は、営業収益が第9期比+1.4%の43.0億円、経常利益は同+1.3%の17.6億円、分配金は同変わらずの2,765円(うちOPD340円)を予想しています。(季節要因による)水光熱費収入の増加のほか、リーシング費用の減少、融資コストの減少を見込み、分配金は横ばい圏を予想します。

 

当法人は2022年末の3rd_POで約60億円(@134,302円)を調達し、SSL尼崎(持分90%)、SSL八潮と取得済の2物件を含む合計4物件を計201億円/鑑定NOI4.2%で取得しています。他方、現状は3rd_PO時の株価水準を1万円程度潜っており、NAVも0.8倍台であることから、POを軸とした外部成長が難しい状況です。そのため、インプライドCAP(4.2%)との比較で、アクリーティブとなるレバ取得(所沢4.6%)で糊口を凌いでいます。

 

当法人は中期目標として、2024年頃をメドに当初AUM700億円を2,000億円まで膨らませる計画です。スポンサーである住友商事側で名有りとなっている開発物件は20物件(延床約115万㎡)あり、うち12物件(延床約63万㎡)に当法人の優先交渉権が付されています。但し、上述のとおり株価低迷により打ち手に欠けるほか、LTVは過去最高の42.2%水準のため、自社株買いといったアクションが意識される状況にあります。

 

*参考記事① 2023-11-03 120,700円/1株 NT

【2979】SOSiLA物流リート投資法人/レバ活用でLTVは43%まで上伸、手詰まり感も漂う。

 

*参考記事 ➁ 2023-04-01  131,200円/1株 NT 

【2979】SOSiLA物流リート投資法人/3rd_POこなすも、NAV割れで圏で当面レバ頼り。 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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