向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

福岡の中心部・天神駅真上の場所にある法律事務所の弁護士です!
日常の法律問題や、弁護士業界のネタ、その他をつらつらと書こうと思います。

Amebaでブログを始めよう!

長年に渡って書き貯めてまいりましたのこのブログですが、この度、リニュアールにより、引っ越すことにしました。

新しいブログのアドレスは以下のとおりです。

http://www.mk-law.jp/

の下部にある「福岡の家電弁護士のブログ」欄からリンク

 

なお直リンは以下

http://www.mk-law.jp/blog/

 

ぜひ今後ともご愛顧のほどをよろしくお願い申しあげます。

こんな記事を発見。

いま、なぜ生活保護レベルの『下流老人』が急増しているのか?

http://www.jprime.jp/tv_net/nippon/18713 自分は、中学生のとき、僕らの世代(団塊Jr)のうち半分くらいが、60代でホームレスになるだろうと予想していました。約25年前のバブル直前の話です。
少子化のことを学んでからです。
少子化と日本の当時の財政状況を考えると、予想がつきました。

世の中は、そのときよりも悪くなっていて、貧しくなっているように思います。
そう考える理由は以下の通りです。
①生産設備の毀損、技術の消失~もっとも重大な問題
 日本の経済を下支えしてきた町工場は、ほぼ壊滅しています。下町ロケットなどレアケースです。私は町工場地帯で育っていて、実家は町工場地帯「でした」が、もうほとんどの工場が、経営者が70代以上となり、引退もしくは撤退しています。したがって、もう技術承継は手遅れです。20年まえに対策開始し、10年前くらいまでに完了するべきでした。この技術消失分、日本のバリューは減衰していると思います。製造業軽視のつけはでかいだろうなと思います(数値的にはわからないですが)。
 これら町工場は職人技で維持されてきたのであり、それが承継されていないということは、自然消失です。経済的に見て承継する価値があると判断する人がいなかったからだと思います。残念ながら私もその一人ですが。
 下町ロケットを見、あれを見て町工場のせがれとして思うのは、もっとジミで下支え的なところにはまったく目をむけないでいるのにあれだけを美談扱いされるのは抵抗があります。
 町工場は、きついきたないきけんの3K仕事ですが、そういう蔑視によってイメージが毀損されたことも、技術承継につながらなくなった遠因と考えます。
 今から一から生産設備を買って(旋盤一台だけでも高いですよ)までやろうと思う人はそういない、ということが、答えなんだろうと思います。残念です。
②不動産価格の下落(特に駅から離れたところ)
 要するに需要供給曲線の「需要」がなくなったから、価格が下がるというだけの話です。人口が減れば当然下落します。
 一方で、都心部にリターンしてきているので、都心部は価格が維持されるも、その分、郊外・地方にしわ寄せがくるので、その下落は、たぶんこれから本格化するのだろうと思います。
③低金利
 団塊世代をみていると、利息で貯蓄がゴッポゴッポたまっていっていたように思います(その分借入金利も高かったですが)。うらやましいです。
 お金がお金を産まなくなっています。
④教育レベルの低下、基礎学力の軽視
 日本には資源がなく、加工貿易で食ってきた国です。
 しかし、「加工」がすでにできづらくなっている状況です。
 ただ、要するには「付加価値」の付与が重要なわけですが、付加価値をつけるためには、「人」の知恵が必要であるところ、その基本となるのは、教育であるにもかかわらず、その教育が変化してきています。
 私が懸念しているのは、いわゆる「ゆとり教育」というより、昨今みられる基礎学力付与の軽視、もっと上のレベルで言うと基礎研究の軽視です。
 ものごとは「1+1=2」から始まります。これが真理です。真理の探究は、基礎研究の分野です。これが軽視されて、「1+1=3である!」ということにされてしまうと、社会生活が混乱します。
 法律の分野では、そうなっちゃってるよなーと思うことが多々あります。私は法律しか知りませんですが、昨今の大学改革なんか見ていると、同じようなことが他分野でも起きつつあるんじゃないのかなと感じています。
 「まじめに基礎から勉強する」ことが軽視されているのかなとも思います。
⑤社会資本の乏しさ
 列島改造論以後、重厚長大なインフラ整備が進められてきました。
 しかし、総合的な戦略が見えず、交通機関でいえば、地域の言うままの二重三重投資(空港・高速・新幹線)が行われ、かといってそれらが有機的に結合されているとは言えません(ヨーロッパを見ていると痛感する。ドゴール空港からはTGVで各地に直接アクセスできるが、日本ではそういうことはほぼできない)。
 金をかけた割に便利になっていない、というのがそこにあります。
 しかし、今からやりかえるお金はない。
 社会発展に寄与できるのかな?今の社会資本で。
 新幹線?荷物運べないでしょ?って感じなわけです。トラック運転手がいなくなること考えてんのかなと思います。
⑥震災対応への疑問というか懸念
 震災が起きると日本の国力は確実に衰退します。これからも起きるといわれています。
 熊本地震でも思いましたが、震災からリカバーできるのだろうか、と思います。
 住宅ローン問題とか毎度出てきていて、今回も出てきています。
 かわいそう、がんばろう、絆だ!だけでおわっちゃうんですよねいつも。阪神のときもそうだった。そしてわりとさっさと風化する。
 制度ちゃんと作って継続支援とか債務免除とか明確にせんとあかんちゃうんと思います(正味、ガイドラインしかない)。
 そしてそのことを穴埋めするための原資をどうするか、というのが全然ないのも気になるんですね。かわいそうだけですすめるとこうなる。
⑦介護問題
 介護で疲弊するもしくはお金が無くなる。

以上のうちで、個人で能動的に対処できるのは④だけで、あとは①②③は経済情勢を見て自衛するという戦略しかとりえません。あとは国家政策の問題。

もう一つは、付加価値をどうつけるか、ということにとにかく注力してがんばるしかないんですね。これは自衛のレベルなのか、もっと能動的なレベルなのかよくわかりませんが、弁護士の仕事は攻撃というより守備なので、付加価値をつけるといっても、社会の発展に資するようなものではないとは思います(だから、社会全体の発展を考えれば、税金使って大学院つくって弁護士なんか増やしてもしゃあないやろと思ったりするんですけどね。どうでもいい話ですが)。
が、私は付加価値を付けて頑張ります。

で、自分が60代になるまであと20年を切りましたので、そのときに、私が中学生の時に懸念した「半分くらいがホームレスになるかもしれない」という予測が、外れてほしいと本気で思っています。
そのためには、しがない一庶民は、地道だけど、いろいろ工夫していくしかないのと、無駄をなくしていくことしかないのだろうと思っています。
が、地道にやってても、震災ですべてを奪われるかもしれません。
介護問題でつらいことになるかもしれません。 日本が戦争にまきこまれるかもしれません。
なんか救いがないことを書いちゃいましたね。すみません。

鹿児島 南日本放送 MBCニュース

JR鹿児島本線 21日にも全線再開、とのことです。

新水俣まで特急電車で直接行ければ、乗り換え1回で、鹿児島まで繋がる!
そうすると、3時間程度で博多~鹿児島間がつながりそうです。

が、いろいろと問題があるように思います。
肥薩おれんじ鉄道は、電化されているものの、旅客列車をわざわざディーゼルカーにしています。
これには理由があって、電化設備部分の経費を貨物会社に負担させるためです(そういう計算式を取っている)。
とすると、そこで電車列車を走らせると、電化部分の経費を貨物会社に負担させることができなくなる可能性が出てきます。

そこの費用の手当をしないと(あるいは貨物会社において現状の電化設備分負担前提の経費負担をなおも容認してもらうか、もしくは、鉄道建設・運輸施設整備 支援機構から交付されている貨物調整金を増やして調整するなど)、肥薩おれんじ鉄道区間に電車列車を走らせることは、事実上、困難であると見ています。

が、鹿児島方面に鉄道で行けないという現状は改善して欲しいので、何らかの措置(予算でしょう)を検討して欲しいと思います。

電化設備があって、余剰の電車があるのに、こうした制度的問題から使えない、というのは、整備新幹線の並行在来線問題の隠れた「影」の部分であり、これから整備新幹線の並行在来線地域が災害にあったときに、同じ問題が出てくると思います。

毎年11月に行かせていただき、昨年も同じく11月におじゃました春日市立春日中学校の生徒一同から、お礼状がとどきました。

お礼のメッセージをひとりひとり書いてくれて、そのメッセージを集めた冊子が届きました。
そうか、そういえばこの生徒さんたちは先日ご卒業されたのですね。

まずは、ご卒業おめでとうございます(^^)

印象的なメッセージがいくつかありましたので、趣旨を抜粋してご紹介します。
◯生徒さんからの質問というか問題を出された(内容は失念)ときに、それらをソラで答えたことを褒めてくれた生徒さん(何人かおられました)。
弁護士なら全員ちゃんと答えられると思うよ、って言った気がします。
◯たまにニセモンの弁護士が出てくるので、自分が弁護士かどうかは、日弁連のHPで名前を検索したらちゃんと出てくるよ、って言ったことに対し、本当に検索して調べてくれた生徒さんから
「安心してください、出てきましたよ!」というメッセージ。(^^)
ありがとう、ニセモンじゃないと証明してくれて(笑)
(検索すると、このブログが上のほうにでてくると思われます。)


ともかく、メッチャ嬉しかったです。

生徒さんたちが、弁護士に対する距離をヘンに感じないようになってくれて(なんせイメージが悪いので)、気軽に相談できるんだということ、そして、社会の中での紛争というのはこういうふうにして起き、どう収束・解決していくのか、ということを、ほんの少しだけでも理解してくれたなら、中身のことなんて細かく覚えてなくてもいいんです。それは僕らの仕事ですから。

法律は「生きるための智恵」の一つです。
人は生きていくのだから、健やかに、安心して暮らせる「智恵」が少しでもあったほうが、楽しく暮らせる。
法律は、そのための一ツールです。
これに溺れてはいけない。でも、膠着状態に陥ることがあるので、そのときのために法律がある。
と自分はいつも思っています。
そのためには、体調が悪くなったときに早めに病院に行くのが重要なように、問題があると感じたときには、早めに相談していただくことが重要です。

また、この授業では、一つのエピソードに対し、異なる意見が出てきました。
大切なのは、結論よりも、結論に至るまでに、見る人によって様々な意見が出てくること、そして、それをお互いがよく聞くことだと思います。
違う意見を聞き、それをどう処理するか。社会は違う意見のぶつかり合いなので、これを知ることも、オトナとして社会を「生きるための智恵」だと思います。

とりあえず、稚拙ながら、春日中学校様に、お礼状をしたためました。

生徒さんたちは、もう卒業されて、新たな進路に向かって旅立たれたと思います。
世の中は厳しいものです。でも、少しでも楽しく健やかに暮らせるよう、「生きるための智恵」を一つ一つ会得していってほしいなと思いますし、そのために、今回の授業が少しでも役立てば嬉しいなと思います。

新しい進路に向かって、頑張れ!


福岡県立講倫館高校における主権者教育をテーマとした授業に、参加してきました。そのレポートを簡単にさせていただきます。

今回の授業のコンセプトは、私の理解するところによると
・18歳選挙制を前に、主権者教育の充実を図ること
・従来の弁護士会による法教育は、議論形式の授業が中心であるところ、それに加えて、「議論の結果を踏まえて、実際の選挙(投票行動)を体験してもらう」という、体験型であること
・学校・選挙管理委員会・弁護士会がコラボして行うこと
にあり、最終的には、生徒さんに
・政策についてどのように考え、議論をすればよいか(相手の話をよく聞く、とか)
・選挙というものが実際どういうものなのか
を学んでもらおう、というものです。

弁護士側からは、福岡県弁護士会における法教育のエース級ばかりがそろいました。法教育委員会の春田久美子委員長を筆頭に、甲木真哉弁護士・末廣清二弁護士です。
私などは、その末席の中の末席を汚す形でお誘いいただきました。

さて、実際の授業です。
選挙管理委員会のスタッフ立ち合いのもと、本物の投票用紙・投票箱等を使って、投票を
体験してもらうのですが、その前に、何を投票するのか、というところ で

「救急車の有料化の賛否」を争点にした選挙戦

を行います。そして、
A候補・・・有料化する
B候補・・・有料化反対
という、2候補が出馬した、という設定です。

そして、有料化の是非を、グループで討論してもらい、その結果を陳述してもらい、生徒さん全員に、班分けして討論してもらい、班ごとの結論を発表してもらいます。

それらの意見を、A候補に扮する人・B候補に扮する人がとりまとめ、「選挙演説」という形式でスピーチをします。

生徒は、そのスピーチを聞いたうえで、有料化賛成のA候補、もしくは反対のB候補への投票を行います。

今回は、この、A候補に、私が扮しました。
B候補には、末廣先生が扮しました。

授業は、全校生徒(といってももう3年生が卒業しているので、1・2年生全員)が講堂に集まって行われました。その数約600人。
生徒さんの中で、賛成・反対の理由を考える人たちは、1週間前から準備をされていたそうです。非常に真摯に取り組んでおられたし、また、かなり説得力のある理由づけを出されていたと思います。真剣そのものでした。

それをその場で組み立てて「選挙演説」をするのが自分のミッションだったのですが、救急車の有料化の是非について、生徒さんたちから出てくる理由づけを聴き取っていると、積極的な理由と、反対意見に対する反駁にあたる理由が出てくるので、これをまとめる作業が、訴訟の証拠調べや、刑事裁判 における弁論と似ているなと思い、普段の業務にも通じるものがあって、おもしろかったです。

生徒さんは真剣そのものでした。
「A候補」の自分としては、重要な理由づけや反駁はほぼ拾ったと思ったのですが、「選挙演説」を、もっと激しくしてもよかったのかもしれないなと思いました(選挙としては敗けたので、生徒さんたちには申し訳ない・・・)。

また、600人もの前でしゃべる機会(それも演説)は珍しいので、少し緊張しました。

最後に、各弁護士から(私も含め)講評が行われました。
私からは、
1 選挙とは、税金の使い道を決めるためにある。学生にとってのテストと一緒。監視を働かせるためのものだから大切。選挙結果により税金の使われ方は決まる。税金を有効に使ってもらうためにも、しっかりと選挙にいくべき。
2 人に言われたから投票するのではなく、自分が集めた情報で、自分の頭で考えて投票することが大切であること。
を、メッセージとして伝えさせていただきました。

さいごに

主権者教育を、弁護士会とコラボする取り組みは、おそらく全国初であり、朝日新聞本社も取材に来られていました。少し先になるでしょうが掲載されると思います。

今後、主権者教育にも、様々な形の方式が現れると思いますが、今回の経験は今後の主権者教育にかなり応用できるものと思われます。