村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

宝塚ことば磨き塾。

新学期、8人の新入生を迎えた。

こういう講座に夫婦で出るのは初めてという方。

コロナ禍明けて、5年ぶりに参加した方。

3月で定年退職になったばかりの方。

おしゃべりで夫に呆れられているので、聴き上手になりたい方。

きょうは、合わせて17人という大所帯になった。

 

「発散する」ということについて考え合った。

●「発」はインプット、「散」はアウトプット。

●夫が先立ち、自在に動いている。

 清々した→解き放たれた。

●思ったことを発して、「散じる」というのは広がる。

●身体を動かすと心も動く。これが私流の発散。

●里山で気を紛らす。これが私の幸せの発散。

●桜の花が咲いて散るイメージ。

●話がだらだら長く続いたとき、夫がリモコンを向けて「ダマレ!」と。夫の発散か。

●楽しいこともしんどいことも、溜まっていることを吐き出す。

●モヤモヤがスッキリすること。

●コーラスをしていて、ハーモニーがキチッと出来たとき。

●散らすことを発生させる。

●自分の気持ちを放す。

 

新入生のみなさんに参加した感想を聞いた。

刺激的な時間で、脳みそが撹拌された気分だと、複数の方が口にした。まさに、この場が佳き「発散の場」になったようだ。

 

 

夫婦で参加 終始にこやか

3月に定年になったばかり。新たな出会い求めて参加。

バス、電車を5回乗り継ぎやってくる

講座内容が、いつも絶妙のタイミングという浜田さん

大阪ことば磨き塾。

きょうは、参加者4人。うち2人は初参加。

 

「受け入れる」という言葉について意見を交わし合った。

●受け入れると受け止めるは似て非なるもの。

もっと受け止めて受け入れるようにしたい。

●同じ考えだと受け入れやすいが、異なると受け入れ難い。

受け入れるようにすると、進歩する気がする。

●「わかる、わかる」と共感しないと、受け入れた気になっているだけかも。

●受け入れまくっている。ヨガ効果。

 

「ハレとケ」という言葉について。

●ラジオパーソナリティーをしているが、スタジオは「ハレ」、日常は「ケ」。ラジオで発散しているのかも。

●ハレがあるからケの大切さがわかる。ケがあるからハレの大切さがわかる。

●ケは、ハレのための準備期間。

 

「小さくする」ということについて。

●司会するとき、自分の存在を出来る限り小さくするようにしている。

●考え方を小さくして、余計なものを取り除くと、かえって広がった気がする。

●漠然と大きなものを小さくして手放すと、フォーカスが合いやすい。

 

少人数で、一つの言葉について、考える。

少人数だからこそ、じっくり時間をかけて考えられる。

初参加の人に感想を聴いたら、「ここは、ことばをじっくり味わう場所ですね」と答えが返ってきた。

すぐ飲み込まず、じっくり噛んで咀嚼して、味わい尽くすようにしたらいいと思う。

 

あれ!? 2次会の方が人数が多い…

かつてないほどの出来栄えと思う朝ドラ『虎に翼』にも、毎朝ハマっているが、BSでアンコール中の『オードリー」にもハマっている。

2000年に放送されたもので、24年前の作品だ。

脚本は、大河ドラマ『光る君へ』の大石静さん。

 

映画撮影所が集まる京都・太秦を舞台に、主人公・佐々木美月が大部屋女優から旅館の女将を経て、監督として活躍する姿を描いていく。

父・佐々木春夫(段田安則)と母・愛子(賀来千香子)の間に生まれた美月は、春夫の元恋人で老舗旅館の女主人・滝乃(大竹しのぶ)に育てられる。実は春夫に愛子と見合いをさせて、2人に豪華な結婚式まで挙げさせていた滝乃は、春夫たちを旅館の隣家に住まわせてしまう。何かと佐々木家に介入する滝乃は、美月が生まれると名付け親になるばかりか、強引に彼女を引き取って、旅館の中に作った子ども部屋に住まわせる。

主人公は独特な生育環境で育つが、アメリカ生活が長く、日常会話も英語という父・春夫に反発しながらも、いろいろ影響を受ける。

 

父・春夫は、『光る君へ』で、権力欲に満ちた藤原兼家を演じた段田安則さんが演じる。兼家とは、真逆の役柄だ。

まったく空気を読めない発言を繰り返すが、どこか憎めない。

それどころか、大勢に流されやすい日本人の国民性を揶揄するセリフが小気味いい。

みんなが東京オリンピックに熱を上げているときも、冷めた目で「大選手団の国よりも、たった一人で参加している国のことを忘れたらアカン」と娘に諭す。

美月が幼いころ、河原で語ることばが秀逸だった。

「大人になるほど、敵は増える。大人になるほど淋しくなる。子どものうちは大勢に愛されるのがいちばんや。大勢の人間に愛されるのは幸せやけど、あるときは大勢を敵に回しても、自分を貫く強さも必要だ」

こんなことを子どもに諭すお父さんが、いまどのくらいいるだろうか…。