特別なお茶をいただきましたので、
茶通箱の点前でお出ししました
堀井七茗園 成里乃
奥ノ山茶園謹製 伝承抹茶
足利将軍が宇治七茗園を指定して六百余年
唯一、現存する奥ノ山茶園で栽培されている御茶
従来に比べ、旨味成分(テアニン)の含有量が二倍
ひと口いただけば、まるで濃厚なポタージュの風味、食感、香りが広がって、とどまります
この一服の濃茶のための茶事
その目的に十二分に沿った御茶でした
懐石料理をいただいた後に
出される菓子
美味しさとデザインのバランス
どこまでするか…
菓子職人と行ったり来たりの打ち合わせ
弟子たちのお祝いの席にと
菓子職人と一緒に考えたお菓子
菓銘 芽生え 行松旭松堂製
よもぎだけで色をつけた荒目のきんとんに
咲いた花々をイメージした白と赤の極細きんとん
ベースの皮むきこしあんに
石川県特有の醤油風味のふのやきの皮を巻いた菓子
“添加物は入れずに”
というオーダーにも見事にこたえていただきました
“お茶の挑戦”
を考えた時、
職人の協力は欠かせません
道具も空間も料理も…
そして何より客がいなければ
お茶はできない(成り立たない)
今の時代は“自分へのご褒美”のように
一人で完結する方が楽な考えもありますが、
“誰かのために”と分かち合う喜びが
お茶にはあります
目の前にあるものの背景にある
関わる全てのもの、ことに
感謝していただきました