石川県津幡町別所の就労支援施設「ノーム」で働く自閉症の人たちが、東日本大震災の復興支援で中古パソコン(PC)を再生し、被災地の市民団体やNPOに無償で贈る事業に乗り出す。

東京のNPO法人の呼び掛けに賛同した。
4月29日に初めて取り組み、ボランティアの参加による年4回の「PC再生デー」のほか、随時、作業を進めて年間200台以上の再生を目指す。
ノームは、自閉症成人施設「はぎの郷」を運営する社会福祉法人つくしの会の通所施設。
はぎの郷では2007年から、再生PCを市民団体などに贈る活動に取り組む東京のNPO法人「イーパーツ」と連携して再生作業を続けており、これまでに500台の実績がある。
被災地支援としてイーパーツが1年間で再生PCを1000台を贈るプロジェクトを提唱。30歳代を中心にしたノームの利用者約15人が、自分たちにできる社会貢献として協力することにした。
イーパーツが集めた中古PCを1台ずつ徹底的にクリーニングした後、マイクロソフトが無償提供する基本ソフト(OS)やワープロソフトなどをインストールし、動作確認する。
29日は49台を用意し、ボランティアと一緒に30台程度を仕上げ、後日残りを整備する。
ノームによると、PC再生を手掛ける自閉症関連施設は珍しく、日ごろのパソコンクラブの活動や丁寧なマニュアル、ボランティアの指導・協力の成果という。
施設長の水野成さんは「利用者の中に責任感や使命感が生まれ、皆張り切っています」と話している。

 『中日新聞』 2011年4月28日付

     <転載は以上>


「はぎの郷」は知的障がい者更生施設の中にあるようですが、自閉症の成人に特化した施設は割と珍しいんじゃないでしょうか?
パソコンのような電気製品は特に、新機能のものに買い換える人が多く、再生したパソコンを使う人は稀だと思っていましたが、被災者で必要としている方は多いでしょうね。
こういった施設が各都道府県にできれば…と思わずにはいられません。