スパ☆太郎の日本一周!3000温泉の旅

2008年3月23日、日本一周温泉めぐりの旅に出発。


2009年5月8日、白浜温泉・崎の湯で3000湯を達成しました!


現在はソロ温泉と温泉ワーケーションに力を入れています。


3000温泉を“湯シュラン”として勝手にランク付けしています。


【入湯順】1~250湯
 251~500湯
 501~700湯
 701~900湯
 901~1100湯
 1101~1300湯
 1301~1500湯
 1501~1700湯
 1701~1900湯
 1901~2100湯
 2101~2300湯
 2301~2500湯
 2501~2700湯
 2701~2900湯
 2901~3016湯



【都道府県別】北海道①
 北海道②
 青森
 岩手・秋田
 宮城・山形
 福島・栃木
 群馬
 茨城・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨
 長野・静岡
 新潟・富山・石川・福井
 岐阜・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山
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湯治宿で「ワーケーション」という選択肢

温泉地でのワーケーションでは、

当然ながら温泉宿が拠点の第一候補となる。

やはり、気が向いたとき、すぐに湯船につかれる環境は理想的だ。

ひと口で温泉宿といっても、さまざまなタイプの宿泊施設があるが、

昔ながらの湯治宿も有力な候補となる。

今回は「湯治宿でワーケーション」という選択肢について考えてみよう。

 

ワーケーション拠点となる宿の条件

 

温泉ワーケーションを実施するにあたり、

拠点となる温泉宿選びはとても重要である。

どんな宿に投宿するかで、

そのワーケーションの充実度が大きく変わってくる。

とはいえ、温泉宿はピンキリだ。

格安の素泊まり宿もあれば、高級感あふれるラグジュアリー旅館もある。

ビジネスホテルでも温泉がついていれば、立派な温泉宿といえるだろう。

では、何を基準に宿を選べばよいか。

私がワーケーションの宿を選ぶ際に重視している基準は、次の3つだ。

①源泉の質が高いこと

②仕事ができる最低限の環境が整っていること

③連泊ができること

①の源泉の質については、どうしても譲れない条件である。

温泉がよいかどうかで、ワークとバケーションの質が変わってくる。

温泉入浴がバケーションのメインとなる「温泉ワーケーション」では

根幹といえる要素だ。

②の仕事環境もワーケーションには欠かせない条件だ。

特にテレワークにおいては、Wi-Fiの環境は死活問題となる。

宿泊する部屋に作業がしやすいデスクがあったり、

別室に作業スペースなどあれば最高だろう。

ただし、非日常の空間に身を置くためにあえてWi-Fi環境のない

「不便」な宿を選ぶという選択肢もある。

これについては、別の機会にあらためて述べたいと思う。

①と②をクリアする宿なら、かなりの数が選択肢に入ってくる。

源泉かけ流しの宿は全国に数千軒は存在するし、

今どきWi-Fiの飛んでいない宿のほうが少数派になりつつある。

連泊するほど高くつく宿泊費

 

しかし、③の連泊ができる宿という条件が入ってくると、

グンと選択肢が少なくなる。

私が提唱する温泉ワーケーションは、連泊が基本となる。

1泊2日では普通の旅行と大差ないし、ほぼ移動だけで終わってしまう。

理想は1週間、できれば3泊以上は滞在したい。

腰を据えて温泉地に滞在することで、ワークも温泉も充実したものとなる。

だが、実際に連泊しようと思えば、予算が膨らまざるを得ない。

長く滞在するほど出ていくお金も多くなる。

会社がすべてのコストを負担してくれるのであればクリアする問題だが、

そんな気前のいい会社はわずかだろうし、

予算面や滞在先などでさまざまな条件がつくのは想像がつく。

ワーケーションが普及するまでは、

自前で温泉ワーケーションを敢行する人が多いと推測できるが、

そうなると出費の大半を占める宿泊費はできるだけ削りたいところだ。

だが、普通の旅館に泊まれば1泊1万円以上、あっさり飛んでいく。

1週間も滞在したら大変だ。

そこで、選択肢として挙がってくるのが湯治宿である。

高級旅館1泊の料金で1週間滞在できる湯治宿
 

湯治宿にもいろいろ定義はあるが、

シンプルにいえば、「自炊が基本の素泊まりの宿」である。

昔ながらの湯治宿の多くが炊事場を備えているので、

温泉療養を目的に宿に滞在する人々は、

自分で食事のしたくをしながら長期間の湯治に励んできた。

今も、昔ながらの湯治宿では食事などのサービスは

提供されないケースも多いが、

その代わり、長期滞在を前提としているため宿泊費は低く抑えられている。

1泊素泊まりで3000~5000円くらいが相場だが、

探せば2000円台の宿もあるし、

食事がついて5000~6000円台の宿も存在する。

仮に1泊4000円とすれば、

1週間滞在しても3万円でお釣りがくる。

これならだいぶ現実的だろう。

このあたりは価値観の問題も絡んでくるが、

ちょっと高級な宿に泊まれば1泊で3万円くらいすぐに飛んでしまう。

そう考えれば格安ともいえる。

しかも、湯治宿の場合、①の源泉の質はほぼほぼクリアできる。

温泉療養を目的としてきた歴史から、

温泉の質に自信をもっている宿がほとんど。

ほぼ例外なく源泉かけ流しである。

②の仕事環境については、湯治宿という性格上、心許ないが、

最近は湯治宿でもWi-Fiが飛んでいるところは増えている。

これも事前に確認すれば問題ないだろう。

というわけで、温泉ワーケーションの拠点として、

湯治宿が有力な候補となる。

ただし、湯治宿に滞在したことのない人は、

少しハードルが高いように感じるかもしれない。

そこで次回は、温泉ワーケーションの初心者におすすめの湯治宿を

紹介したいと思う。

「温泉ワーケーション」は誰でも実行できる!

「ワーケーション? 自分には関係ない」

そう思う人は少なくない。

というのも、現状、世間一般でいわれる「ワーケーション」制度は

企業主導で進んでいるからだ。

だから、ワーケーションが制度化されていない企業の会社員は、

鼻から「ワーケーションなんて無理」とあきらめてしまうのは仕方がない。

だが、あきらめるのはまだ早い。

私が提唱する「温泉ワーケーション」は、

会社の制度とは関係なく実行可能である。

 

現在のところ、世間一般で言うところの「ワーケーション」は、

働き方改革の一環としてワーケーションを制度として

導入している先進的な企業と、

それを受け入れる宿泊施設や自治体がメインプレーヤーとなっている。

したがって、ワーケーション制度を採用している企業の社員でなければ、

現実的には実行するのはむずかしい。

会社員がワーケーションをしたくても、職場にその制度がなければ、

金銭的な補助も出ないし、そもそも平日は仕事で身動きがとれない。

会社員にとってワーケーションができるかどうかは、企業次第なのが現実だ。

しかも、ワーケーションを制度化している企業は一部にかぎられる。

総務専門誌『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に

「ワーケーションに関する調査」を実施しているが、

「導入している企業」と「導入を検討している企業」は

計12.3%であるのに対し、

「導入を検討したことはない企業」が85%を超えている。

残念ながら、これが現実である。

そのせいか、「ワーケーションに憧れるけれど、自分とは無縁だ」と

最初から夢物語として捉えている人もいるようだ。

だから、「温泉地でワーケーションをしよう」といくら私が提案しても、

「温泉に入りながら仕事をするのは楽しそうだけど、私は無理」

といった反応が返ってくる。

一方、時間の自由が利く働き方をしている人に

「温泉ワーケーション」を提唱すると、

「それならできるかも。やってみたい」といった好意的な反応が返ってくる。

たとえば、フリーランスや自営業、個人事業主、経営幹部など、

ネット環境さえあれば働く場所を問わないという人であれば、

すぐにでも実践できるからだ。

「温泉ワーケーション」は、時間や予算さえ都合がつけば、

実行するのは簡単である。

なにしろ温泉地に行けば、

とりあえず温泉ワーケーションは成立するからである。

これまでの温泉旅行の延長線上にあると言ってもいい。

もちろん、企業単位で温泉地でのワーケーションを

推進するような会社が増えるのは大歓迎である。

だが、現状それはあまり期待できない。

ワーケーションを整備するほどの余裕がある企業は一握りだろう。

だからといって、ワーケーション制度のない企業に勤める

ビジネスパーソンがあきらめるのはまだ早い。

考え方しだいで「温泉ワーケーション」は実行できる。

たとえば、有給休暇を利用して少し長めの休みを

温泉ワーケーションに充てるのはどうだろう。

金銭的な負担は避けられないが、

ふだんの温泉旅行に1泊、2泊をプラスして

自由なワーケーションを体験するのだ。大型連休を利用してもいいだろう。

もちろん、せっかくの休日なので、

あくまでもバケーション(温泉での休養)がメインでOK。

温泉でリラックスしながら、ビジネスのアイデアを練ったり、

趣味や創作活動に打ち込んだりしてもいいだろう。

休日なのだから時間の使い方は自由である。

自前で行うワーケーションであれば、

「会社の仕事をしなければいけない」という決まりはない。

自分の将来につながる時間の使い方をすれば、

それもワーケーションの一種といえる。

私自身も会社員時代、

土日休みに金曜日と月曜日の有給休暇をくっつけて、

温泉地に連泊で滞在した経験がある。

日頃の疲れやストレスを溜めこんだ心身を温泉で癒やしながら、

仕事の新しい企画や、自分の将来プランなどを練って過ごした。

これは、一般的なワーケーションの概念からは

少し外れるかもしれないが、

自分さえ納得できれば立派なワーケーションといえる。

ワーケーションは企業単位、自治体単位で議論が進められているが、

前記のようにもっと柔軟にワーケーションの概念をとらえれば、

個人単位でも実行できる。

温泉ワーケーションは、

さまざまな仕事に携わるあらゆるビジネスパーソンが実行可能である。

もっといえば、勉強に集中したい学生が温泉宿にこもってもいい。

子どもの時間が許せば、家族いっしょに温泉地に滞在してもいいだろう。

働き方も余暇の過ごし方も唯一の正解は存在しない。

さまざまなニーズやスタイルがある。

それに応じてワーケーションの可能性は

もっと広がっていくのではないだろうか。

出張のついでに「温泉ワーケーション」

温泉ワーケーション(温泉地でのワーケーション)には興味はあるけれど、

自分の会社には制度がないから・・・という声をよく聞く。

だからといって、あきらめるのはまだ早い。

会社の出張を利用して温泉ワーケーションにチャレンジしてみてはどうだろう。

 

ワーケーションをしてみたくても、その制度がある会社は限られる。

それでも実行しようと思えば、休日を使うか、有給を取得するしかない。

ここで多くの人があきらめる。

「そこまでするなら普通に旅行に行ったほうがいい」となるのも当然である。

実行するにしても、すべて自腹では二の足を踏むほかない。

だが、業務上、出張のある仕事に就いている人であれば、

出張のついでに「温泉ワーケーション」を実行するという方法もある。

私は会社員時代、地方に出張で出かけることがときどきあったが、

金曜日まで出張の際はそのまま帰らずに、

土日はその地方で観光したり、温泉宿に泊ったりした経験がある。

もちろん、土日の滞在分の費用は自分持ちとなるが、

往復の交通費が会社持ちなのは大きい。

何より「ついで」なので移動する時間を省けるのはありがたかった。

会社を独立してフリーランスとなってからは、

ますますそのスタイルが当たり前になった。

温泉以外の仕事で地方に取材や打ち合わせに出かけるときは、

仕事の前後に現地近くの温泉旅館に宿泊して、ゆっくりと英気を養ってきた。

せっかく長い時間をかけて移動してきたのだから、

めったに来られないスポットを散策したり、

その土地自慢の温泉につかりたい。

ましてや日帰り出張などもったいない・・・と私は思う。

現地の温泉が気に入り、帰宅日を延長して連泊したこともある。

このように出張と休暇を組み合わせることを「ブレジャー」という。

ブレジャーとは、ビジネスとレジャーを組み合わせた造語で、

出張などの機会を活用し、

出張先で滞在を延長するなどして余暇を楽しむことを指す。

私が20年前から出張先でやってきたことは、

まさに「ブレジャー」だったわけだ。

ワーケーションとブレジャーは、

休暇と仕事を組み合わせるという点では、かなり似た概念である。

一般的に、ブレジャーは出張を前提としているため、

ワーケーションと比較して「仕事に重点を置く働き方」とされているが、

私はワーケーションの一種と位置づけている。

仕事に重点を置くか、休暇(温泉)に重点を置くかは、

個人しだいだからである。

「出張のついで」という形であれば、

温泉ワーケーションのハードルも少し下がるのではないだろうか。

なにより交通費は会社の経費となるのは見逃せないメリットである

(ただし、会社が定める出張のルールに逸脱していないかは

事前に確認すべき)。

出張が金曜日で終われば、

当日もしくは翌日は現地からアクセスしやすい温泉地に宿泊する。

もし有給がとれるなど状況が許せば連泊してもいいだろう。

そうなれば、立派な「温泉ワーケーション」である。

出張が月曜日であれば、現地の温泉地に前乗りする方法もある。

最近はテレワークが定着しているので、

遠方での業務が認められている会社であれば、

出張ついでの温泉地にてそのままテレワークで仕事をこなす

という選択肢も生まれる。

それが可能なら連泊もしやすいだろう。

日本人が恵まれているのは、全国各地に温泉があることだ。

たいていの地方都市の近くには歴史ある温泉地が存在し、

アクセスしやすい。

札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡といったビジネス出張が多い

都市でも、1時間圏内にワーケションができる温泉地がある。

理想は、出張で泊まる宿に温泉がついていること。

仕事終わりに温泉に入れれば、

移動や仕事の疲れもスーッと消えることだろう。

社会が日常を取り戻せば、少しずつ出張の機会も増えるはずだ。

「温泉ワーケーション」を実行するチャンスととらえてみてほしい。

 

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温泉ワーケーションの成果は「移動距離」に比例する

温泉地に来ると、

ずっと頭の中でモヤモヤとしていた考えが整理されたり、

新しいビジネスのアイデアを思いついたりすることがよくある。

これは、日常から遠く離れた空間に身を置くことと関係している。

今回は温泉ワーケーションと移動距離の関係について考えてみよう。

 

私にかぎらず、

「温泉に入っていたらおもしろいアイデアを思いついた」

「帰りの新幹線の中でずっと懸案だった問題を解決するヒントが見つかった」といった経験をしたことがある人は多い。

なぜ、このようなことが起きるのだろう? 

単なる偶然や気のせいにすぎないのだろうか?

早稲田大学大学院教授で、『世界標準の経営理論』

『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』などの

ベストセラーの著者としても知られる入山章栄氏は、

「移動距離に発想力は比例する」と述べている。

経営者やイノベーターが、イノベーションを次々と起こせるのは

「知の探索」を怠らないからだ。

入山氏は雑誌の記事の中で、知の探索についてこう説明している。

イノベーションの源泉の1つは「知と知の組み合せ」です。

たとえば、自社の既存のビジネスモデルという「知」に、

他社が別事業で使っていた手法などの「別の知」を組み合わせることで、

新しいビジネスモデルや商品・サービスを生み出していくことです。

そのためには色々な知の組み合せを試せた方がいいですから、

企業は常に「知の範囲」を広げることが望まれます。

これを世界の経営学では「Exploration(知の探索)」と呼んでいます。  

 『日経ビジネス』ウェブサイトの入山氏の記事

――「イノベーションが止まらない『両利きの経営』とは?」より引用


私が知っているビジネスマンエリートや経営者もよく旅をする。

出張も厭わず、飛び回っている。

ある売れっ子のコンサルタントは1年に150回以上飛行機に乗るという。

これは彼らが、新しい知を求めて、

いつもの自分の行動範囲から離れた場所に足を運び、

これまで認知してこなかった土地や現場、空気、人に触れることが

重要であることに気づいているから。

ビジネスパーソンにとって「知の旅」をして、

自らの知の範囲を広げることは大切なのだ。

遠く離れた温泉地に足を運ぶ「温泉ワーケーション」もまた、

日常とはまったく異なる世界に身を置くことになる。

温泉街という異空間、旅館の佇まい、豊かな自然環境、滞在先で出会う人、のんびりとした時間の流れ、都会とは鮮度の異なる空気・・・。

そうした、いつもの行動範囲で見聞きするものとは異質なものに

触れることで、新しい「知」や「感覚」を得られ、

それがビジネスにプラスとなるアイデアやイノベーションに

つながるのかもしれない。

もちろん、温泉以外の場所にワーケーションで滞在しても、

知の探索はできる。

これまで訪れたことのない都市に行けば、

それもまた知を刺激することになるだろう。

「温泉と向き合うことがメインとなる温泉ワーケーションでは、

湯船につかるだけで刺激が少ないのでは?」

と疑問に思う人もいるかもしれない。

だが、ただ静かに温泉につかる行為こそが、

アイデアやイノベーションを生む可能性もある。

温泉にのんびりつかり、リラックスした状態でいると、

思わぬ贈り物を受けとれることがある。

脳科学の研究によると、

リラックスした状態をつかさどる副交感神経が優位で、

くつろいでいるときほど脳は活発に働くとされている。

これを「デフォルト・モード・ネットワーク」という。

 

トイレに入っているときや散歩中にアイデアを思いつくという話をよく聞くが、

それと同じである。

リラックスできる温泉は、

デフォルト・モード・ネットワークが働きやすい条件がそろっている。

会社のデスクでPCとにらめっこしながら頭を捻ってみても、

ユニークなアイデアは生まれない。

温泉入浴のように脳がリラックスした状態だと、

ふとした瞬間にブレイクスルーするアイデアが天から降りてくるかもしれない。

「移動」×「温泉」の組み合わせは、あなたの発想力を刺激し、

新しいアイデアを生み出すポテンシャルを持っている。

そういう意味では、「温泉ワーケーション」の最中に取り組むべき仕事は、

「アイデア出し」「将来の戦略立案」「問題解決」などクリエティブな作業が

最適といえるかもしれない。

 

 

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「目的」のない温泉ワーケーションは失敗する

今回は「温泉ワーケーション」を充実させるポイントをお伝えしたい。

まず大事なのは、事前に「目的」を決めることだ。

 

温泉ワーケーションを実行する前に決めておきたいことがある。

それは、「何を目的とするか?」だ。

具体的には「ワーク」と「温泉」の時間配分をどうするか

そして、何をもって「成果」とするかである。

「温泉ワーケーション」の目的には、大きく分けて2つあると考えている。

①温泉フォーカス

②仕事フォーカス


これを事前に決めておかないと、

「期待していたよりも仕事が進まなかった」

「せっかく温泉地まで行ったのにリラックスできなかった」などと

不満を残すおそれがある。

私にも失敗した経験がある。

仕事の納期が迫っている時期に

「気分転換に温泉宿で仕事をしよう」と思い立ち、

3泊4日の日程である秘湯の宿を予約した。

そして、出発当日。

想像以上に仕事の進捗が遅れていたので、

行きの新幹線やバスの中でもPCを開いて作業をする始末。

温泉宿についてからも、納期に追われ、

入浴と食事の時間以外はずっとPCのキーボードを叩くこととなった。

しかも、秘湯の宿ということもあって、当時はWi-Fiも飛んでいなかった。

スマホや電話で仕事のやりとりをせざるを得ず、

ストレスをためることにもなった。

せっかくの温泉も台なしである。

初めて訪れる温泉宿だったので、

湯浴みや料理をもっとじっくり味わいたかったが、

納期へのプレッシャーからまったく楽しめなかった。

結局、チェックアウトぎりぎりまで仕事をし、

寄り道もせずに早めに帰路につくこととなった。

帰宅後、仕事はなんとか切り抜けたが、

「わざわざ温泉に行った意味があるのか?」と

後悔したのを今でも覚えている。

切羽詰まっているほど仕事の納期が迫っているのであれば、

「温泉ワーケーション」に行くのではなく、

自宅や職場で仕事をしたほうがはるかに捗っただろう。

もしくは、事前に仕事フォーカスのモードでワーケーションをすると決めて、

温泉付きのビジネスホテルなどで「缶詰め状態」になれば、

「温泉のおかげで仕事が捗った」と充実感を味わえたかもしれない。

「温泉も仕事も」と欲張ったがゆえに、

中途半端な結果に終わってしまったといえる。

反対に、仕事の成果がほとんど出なくて、

自分にがっかりした経験もある。

温泉に入りたくなり、

5日間のスケジュールである温泉地へワーケーションに出かけた。

ところが、仕事の納期に余裕があったこともあり、

特にどんな仕事をするかを決めずに出発してしまった。

「とりあえずPCを持っていけばなんとかなるだろう」という感じだったと思う。

人は目的や目標がないと動けないものだ。

結局、5日間の滞在中、

温泉に入る以外はテレビやネットサーフィンばかりで、

だらだらと無為な時間を過ごしてしまった。

一度もPCを開かなかったのだから、仕事が進むわけがない。

このときも、帰ってきてからひどく後悔した。

「全然仕事が進まなかった。こんなはずではなかったのに・・・」と。

別に、温泉地で仕事をしなかったこと自体が悪いわけではない。

最初から、「今回は温泉フォーカスでゆっくり湯浴みを楽しもう」

というモードで臨めば、満足のいく滞在となったはずだ。

「仕事も進めよう」という気持ちが中途半端にあったから、

不満が残る結果となってしまったのだ。

このような苦い経験をした私は、

それ以来、温泉ワーケーションに出かける前に、

目的をしっかりと定めるようにしている。こんな具合だ。

「大きな仕事が一段落したから、

今回は温泉にフォーカスしてゆっくりしよう。

仕事は取引先とのやり取りと2件のZoom会議以外はしなくてOK」

「集中して進めたい企画Aがあるから、今回は仕事にフォーカスする。

そのためにWi-Fiなど仕事に集中できる環境の宿を選ぼう」

「仕事」と「温泉」の時間配分も事前に決めておくといいだろう。

たとえば、仕事フォーカスであれば、

「早朝と午前中、そして午後は仕事に集中しよう。

ただし仕事は17時までにして、夜は温泉に入って静かな時間を過ごそう」。

 

逆に温泉フォーカスであれば、

「仕事は午前中に集中して終わらせよう。

それ以外の時間は入浴と温泉街の散策を楽しもう」

といった感じだ。

仕事の「成果」も事前に決めておくといいだろう。

「滞在中に最低限、仕事Aは終わらせる」といった目標があれば、

それに向けて集中することができる。

ただし、目標設定は無理のない範囲が望ましい。

目標が未達で終われば、

「温泉に入っていたせいで仕事が終わらなかった」と

罪悪感を抱いてしまうかもしれない。

‟温泉”ワーケーションなのだから、湯に罪はない。

「ちょっとさぼっても終わる」くらいの目標設定がちょうどいいだろう。

一般に、目標は少し背伸びをするくらいのレベルが望ましいといわれるが、

温泉ワーケーションでは背伸びは禁物である。

このように、事前に目的や時間配分、成果を決めおくと、

「こんなはずではなかった」とモヤモヤした気持ちになることを

防ぐことができるはずだ。

あなたが温泉ワーケーションに出かける「目的」は何だろう?

 

好評発売中!

 

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