オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

新潟で自然素材の家をつくる社長の 新潟で一番おもしろい建築ブログ


   写真アルバムで過去の施工実例をすべて公開中。
 家づくりのお役立ち情報は、ホームページの 「家づくりの知識」に引越ししました。
 家づくりについて 大変役立つことを保証します。 ぜひ のぞいてみてください  

あるXのフォロワーの方(H氏とする)から、
時々私にかなり面白い情報をダイレクトメッセージで送ってくれる人がいる。

極悪系ユーチューバーがどんなでたらめなことを言っているのか、
それがどのように間違っているのか、
教えてくれたのもこの方です。

私は家づくりの知識をYouTubeで発信しているけれど、
よくわからん人が、建築の常識に、あえてアンチで、
「絶対ダメ!」「後悔する」
「損します」 「やめとけ!」
とか
言ってるような動画見る気はしませんから知らなかった。

そういったことを、こっそり教えてくれるので
Xは私の良い情報源として助かってます。


以下は、H氏が
家づくりの勉強がどのように深まっていったのか、
この方の文章でご紹介したいと思います。


H氏:
【家づくりの勉強について】
本当に普通の施主です。
あまりに家づくりの勉強がおもしろすぎて、

 



GWS工法の新住協の本で勉強したり、
工務店さんが結露計算してなかったので
定常結露計算し始めてみたあたりから、
壁構成の肝がみえてきまして、、、。

で、wallstatを見よう見まねで
やってたら柱頭柱頭脚金物いろは、
構造区画の概念、柱を入れる位置が
分かってきまして。。

空調関係もサーモオフあたり
分かってきたら、
日射でエアコンを騙すのが大切って分かり。

今度はシロアリ対策の
ベストは何かを考えだし、、、
(アルトリセット、ホウ酸、シロアリ返し)

今度は防音のベストは何かを考え、
防音は密度と共振周波数の異なる
素材サンドイッチによる、
鳴き止めだ、、、みたいな。

これらが無限ループしてる感じです。

更に、おそらくですが
性能にフォーカスした家づくりは
理系男性と親和性が高い。


情報を理論的に分解して理解する。
だから、インチキ情報配信者は
簡単に炙り出されてしまうと
思うんですよね。

とりあえず物理に弱いxxxさんは
ダメだなーとは思います。



H氏は、技術畑の方で、
建築とは全く関係のないある意味素人の方ですが、
工務店関係者の上位5%程度と同じレベルまで
建築の技術知識を理解してしまったようだ。

私のメルマガは3分の1程度は、建築関係者が読んでいると思うが、
もう技術的な分野で、自分の古い知識や推測でやっていると、
ユーザーには筒抜けで、間違ったことを知ったかぶりでしゃべっていると、
大恥をかくことになると覚悟した方が良いと思いました。

技術的な分野は一定の答えがあるために
学びさえすれば、プロもアマも関係ない。

工務店に残されているのは、全体でバランスを取った取捨選択であり、
その結果としてのコスト調整力だろう。
これは実際に運営してる側でしか把握していない領域だからだ。
(この水準の高低は存在し、企業競争力を決めているともいえる)


さらには、美意識・価値観などの人文領域であるとかにしか、
優位性が発揮できないと考えた方が良さそうだ。

H氏:
一応ですが、(家づくりの勉強は)あくまで趣味の範疇で、
本業の方にはかなわないのは自覚しておりますので。。。
あくまでも自己防衛のための最低限の知識であって。。。
あとは高価にも関わらず、あまり意味のない建築資材を取り入れないための知識といいますか。
----
知識が家作りにおいて障害になるケースもあると感じており(過度な干渉)、家づくりで異なる思想を混ぜると、あまり良い結果をうまないということを感じてます。

家づくりは、
設計思想を汲み取ってくれるパートナー選びが大切で、そのパートナーを選ぶためのコツと最低限の知識だけ実装するのがよいと思ってます。


最後に・・・・
さすが、本質がわかっていらっしゃるH氏、
これを見ている方へのメッセージは的を射ている。

名前も顔も存ぜぬが、やはりすごいとしか言いようがないです。
 

実はもっと高い。ガソリン料金

皆さん、車のガソリンは
リッター何円で入れて
いらっしゃいますか?

先月新潟から岐阜県まで
往復1000キロ車を乗って
しまったのですが、

道中、岐阜の山を車で走っていると、
ガソリンが新潟市より
20円位高いのに驚きました。

 



これは山間部のほうが輸送費が掛かるから
高く設定されるのでしょう。
現在のところ新潟では
164円ほどで入れています。

ご存知の方も多いと思いますが、
円安とウクライナ侵攻での
エネルギー価格高騰により、
物価上昇が引き起こされています。

ガソリンに関しては、運送費など
諸々の影響が大きいために、
政府は国民への負担軽減の名目で、
ガソリンに対してリッター35円以上の
補助金を支給してます。

つまり、新潟市においては、
補助金がなかったらリッター200円ほどに
なっている水準です。

 



電気料金が25%値上がりする

 

それと同様に、電気とガス料金に関しても
補助金で安くなっていました。

その補助金が5月、6月と
段階的に廃止になっていきます。

同時に、電力は賦課金の
値上げもあるので、
ざっくり25%ほど電気代が
増えることになる。

もちろん、都市ガス代金も
同じような値上げになります。

光熱費高騰に対抗する大技

こうしたエネルギー高騰に
耐えられるようにするに対策を
考えなければなりません。

住宅を購入する際には、
断熱仕様を上げて、パッシブ設計で
冷暖房エネを削減する。
これは皆さんご存知の「大技」ですね。

また、効率な冷蔵庫への買い替えや、
照明器具も全てLEDにするなど、
家電商品での省エネは
やるだけの事はやってきています。

なので、こまめに照明器具を
消したりする「小技」がなかなか
効かなくなっている。



どれだけエネルギー自給ができるかが
非常に重要になって、そのためには、
ソーラーパネルを設置すること。

我々の近頃のお客様では、
約8割以上は設置をしている状況です。

さらには、おひさまエコキュートで、
昼間の余剰電力の自家消費で
給湯をすることのダブルで取り込むこと。

これが、
家計負担の削減のための「大技」で
抜本的な対策になってきます。

それと、別の観点ですが、
一般的な世帯では、家庭で使うエネルギーと、
それと同等に移動でかかるエネルギーを
使っていると聞いたことがあります。

 

移動のエネルギーは実に多い

車の燃料費も高騰し、
家計負担が高まってますから
ガソリンを極力使わないことも
考えなければならないでしょう。

公共交通機関での通勤は、
公務員の方だとかなり浸透してますが、
新潟の場合は車社会に
なってしまっているので、
車がなくては生活できません。

1から、建築土地を探して
新築を考えている人は、

コンパクトシティーの流れに乗っかって、
郊外ではなく、多少土地が高くても
職場に近く、移動距離を短くできる
土地購入を求める傾向が強くなるのでは
ないかと思ったりしてます。

可能であれば、家族2台の車を1台省く
さらに移動も短くする。
これがもう一つの「大技」です。
 

SAREXの現地視察で、岐阜の鳳建設を訪ねに行く道中、白川郷と高山市に建築巡礼を行った。
いろいろなところを巡ったが、焦点を高山市の吉島家住宅に絞って記事にしたいと思う。

この住宅は、竣工が明治40年(1907)
アメリカの建築家、チャールズ・ムーアが訪れ「地球を半周して見にくる価値がある」と言わしめ、
ドイツの建築家、ブルーノ・タウトも訪れ、著書「日本美の再発見」にて、大絶賛をしていた。 
詳細を知りたい方は「吉島家住宅」でググっていただきたい。

私自身も2012年に訪問済みで、2度目の訪問になる。
前回の訪問記へのリンク


初見ではないが、それでも新たな発見の連続です。



吉島家住宅の裏が駐車場になっているので、そこに停めた。
つまり駐車場から建物の裏が見えるわけです。
もうここからなんじゃこりゃと、発見の喜びで声が出てしまう。


何気ない漆喰だが、コテ仕事で横に帯が施されている。
これによって壁の雨が切れて、壁の汚れが軽減されるようになっているのだろう。
特に隅の処理が超絶技巧。真似したくても、かなり困難なディテールである。

飛騨高山は大工の仕事が素晴らしいことで有名ですが、
左官職人も相当な高水準であることが伺えます。



外壁も独特の貼り方です。
杉の板を縦にして貼っているが、反り止めで竿で押さえている。
その竿は、断面で正方形の木を斜めに割って三角にした材料。
なので、働き幅が大きいが、見た目がシャープな印象になっている。



これは吉島家住宅の発明かと思ったら、他の築年数が100年以上と思われる民家でも、
同じ外壁の処理をしているので、地域特有の貼り方だと判断できました。


吉島家住宅の隣にも日下部家住宅があり、この通り全体が歴史的景観地域だが、驚くことにほとんど観光客は訪れていない。
ここから1キロ程度離れた「三町伝統的建造物群保存地区」には、お土産店や飲食店の並び、
インバウンドの観光客でごった返していた。
一方で、吉島家住宅のある「下二之町大新町」は、極めて落ち着いて、建築を鑑賞できる。



ご覧の通り、道路からは建物を低く低く見せているところが、伝統的な街づくりの基本になります。

 

 

 


正面の縦格子の合間に、細かく横に木の簾が施されていて、虫が中に入らないようになっている。
これもまた超絶技巧。角の面取りも施されていて、恐ろしいほどの大工の技と手間を感じることができる。仕上げもべんがら系の自然塗装で古色に仕上げられていた。

 



こちらが玄関ポーチに該当する部分。
建物からくぼんでいて、左側に蔵戸が備わっている。


玄関の引違いは障子戸でしかないから、防犯のために、夜になると蔵戸を閉めることとなる。
この引き込まれた低い天井のポーチを抜け、暖簾と障子の引き戸を開けると店内へと入ることができる。



低いポーチから一転して、目に飛び込んでくるのは、ダイナミックな上方向へ広がる巨大空間です。
梁と束の構造が、縦横に交錯しているところへ、ハイサイドの窓から光が降り注いでくる。

 


思った以上に明るい。採光の窓の分だけ、この部分の天井高が高くなっている。
障子が紐でくくられていて、上げ下げできるようになっていて、光の量の調整ができるようになっている。

よく見ると、天井も黒やベンガラでの着色が施されている。
古いかやぶき屋根の家であれば、囲炉裏端の煙で燻されて黒くなるのであるが、ここは商家であって、明治末期の建築である。艶やかであり、黒味がかった梁は、代々の人々が手で磨いてきたという。
艶やかできらめき黒光りしている。

 


それがハイサイドの光を拡散して程良い光の空間ができている。
とにもかくにも、日本に存在する民家で最も美しい空間であろう。

吉島家に用いられているのは赤と黒の色である。
その中間にこげ茶がある。場所によって色のチョイスが見事だと思う。

 



細かな工夫のオンパレードなので、隅々まで見飽きることがない。
これはおそらく夜に灯明をともすための燭台としてのデザインではないだろうか?


水回りの空間は、赤く塗られていて、とてもモダンで洒落た印象となっている。
こういった色彩をうまく使うところは見習いたい。

流しはテラゾーで、ここも左官職人の技を見ることができる。


吉島家は現在も吉島家によって所有され一般公開されている。
現在の吉島家の当主は7代目の吉島忠男様。そのインテリアセンスが抜群で、選ばれている家具やアート作品の調度品。照明器具の全てにセンスが光っている。

面白いと思ったのが2階の天井の構成である。
外からは低く見せるために背丈を下げている影響で、2階の部屋の天井は半分傾斜天井になっている。
スキップフロアのように5部屋の続き間がつながっており、それぞれの天井の構成がすべて異なっている。

 

1:竿をしならせている

 

2:竿が直線の2本で突きつけられている。

2段の高さで次の間につながるが先が見えない。

 

3:竹の竿に変わる。 さらに3段上がり、次の間へ

 

4: 天井は平らとなるが、1/100程度 むくった感じを受けた

 


この続き間は歩みを進めることで、天井が移り変わっていく。
チャールズ・ムーアもこの2階の間に感動したとの記録がある。

 



最後の奥の部屋に床の間があり、竿が床の間に刺さらないように並行してゴールになる。

手前の天井とは竿の向きは90度逆になっている。


こういった細かなところにも遊び心と創意工夫が込められている。

吉島家住宅は、すべてにわたって飽きることがなく堪能できる空間である。
そして美しさや居心地、面白さなど学ぶところの多い素晴らしい住まいであった。



建築に関わる全ての方は、死ぬまでには一度、訪れておきたい場所じゃないかと思います。






 

エックス(X)に寄せられた質問です。


「俗に言われるスーパー工務店は、
一般的に明朗会計な印象があります。
価格競争に出る必要はないと私も思いますが、
契約時の値引きはあり得るのでしょうか?」

 


*****************

 


 

住宅の値引きに関する質問です。
一般的に、私たちのような工務店では、
見積もりを作成する際に積算作業を行います。


これは、住宅の工事を各部門ごとに分け、
必要な材料や作業の量を計算する作業です。


例えば、基礎工事においては、
立ち上がり部分の長さやスラブの面積、
コンクリートを運ぶポンプ車の回数、
残土処分の方法などを計算します。
そして、これらの量に単価を
掛けて金額を導き出し、
設計料や現場管理費などを
一定の割合で加えて見積もりを提示します。


値引きを要求される方は、
一般的には想定していた予算を
超過した部分を調整して欲しい場合と、
単純に値引きされることを
喜びたい場合のどちらかです。


前者の場合、私たちはまず
工事内容の見直しを提案します。
これにより、金額を下げる努力をします。
例えば、面積を小さくする、

仕様のグレードを下げるなどの方法があります。


私たちは累計で300件以上の実績があり、
合意した予算の上限内で
精度高く提案できることができます。
これが重要です。
お客様の希望を最初に詳細にプランニングし、
その結果として見積もりを出すスタイルでは、
初期の予算を大幅に超過することがよくあります。


仮契約で合意した予算から
最終的に予算を大幅に超えるケースは、
SNSなどでよく耳にするトラブルの一つです。
これは、工務店だけでなく、
特に大手ハウスメーカーで見られる傾向が強いです。
契約後から、工事中で生じた追加請求が
来ることは珍しくありません。


次に、値引きを駆け引きとして
期待する方についてです。
特にハウスメーカーでは、
当初から大きな利益率を見込んでいるため、
二重価格が存在することが一般的です。
このような大幅な値引きを
販売戦略の一つとしている会社もあります。


もし値引きそのものを期待するなら、
大手ハウスメーカーがオススメ。
満足いただける程度に値引きしてくれるでしょう。


地域性も影響することがあります。
例えば、大阪では「2段階の値切り」が
一般的と言われますが、
中東などで絨毯を買う際の交渉文化と同様に、
価格交渉が普通とされる地域もあります。
中国の消費者にもこの傾向が強いと言われています。


しかし、私たちはそのような
煩わしい交渉を通じて価格が
決まるのはフェアではなく、
非合理的だと考えています。
私たちのビジネスでは、
信頼関係をベースにした価格設定が重要です。


新潟では、創業以来値引きを要求する人には
ほとんど出会っていません。(歴代2名のみ)
問屋や流通業界では
「値引きをして初めて価値がある」
という価値観が支配的かもしれませんが、
多くのお客様には、私たちの見積もりが
建築的な原価に基づいた適正価格で
あることをご理解いただいているように思います。


このような価値観の違いは、
業界や地域によって異なりますが、
私たちの目指すのは、
透明性のある明朗会計と、
お客様との信頼関係に基づく価格設定です。
価格交渉による値引きを
主要な販売戦略とするのではなく、
質の高いサービスと適正価格で
お客様に満足いただきたいと考えています。

 

薪ストーブの幸福感

 

 

このシーズンになると、いつもいいなと憧れるのが、
私の場合、薪ストーブです。
私の実家では、親父が薪ストーブをやっていて、
正月休みあたりに帰ると、その輻射熱の幸福感を
味わっていたものです。

 

(燕の家A 10年目の定期点検時の写真、1・2階とも24度で快適)

親父が計画して作られた実家は、
左官職人ならではの、壁はベト壁。

その後のリノベーションでわかったことですが、
そのベト壁を断熱材として考えていたようで、
現代感覚で言ったら、昭和の家のすごく寒い家です。
しかし、薪ストーブがあれば、パワフルだから、
ある程度快適に過ごせると睨んでいたようです。

 

(鹿児島のシンケンスタイル、カフェの事例)

 

 

実家のストーブでやらかした失敗

 


ストーブのある部屋の天井から空気を取り込んで、
それを2階にがらりで循環させる設えがあった。

実家に帰省すると、2階の予備室に布団を敷いて、
私は寝ることになるが、その薪ストーブの暖気が
上がってくるガラリから、1階のテレビの音が
聞こえてきて、うるさくて寝られない。

結局、これはダメだと、そのガラリは塞がれました。

数年薪ストーブは使われていたが、
煙突を断熱にしていなかったために、
1年間煙突掃除を怠ったら、煙突火災に
なってしまい大騒ぎ。

 

(薪をどう調達できるかが導入のカギになります)

地域の方々の冷たい目線があるから、
薪ストーブは撤去されて、FFストーブに
置き換わってしまった。

そのストーブは、離れの親父の隠れ家へと
移設されて、冬の寒さを取り、調理にも
使って親父の老後の喜びを支え続けました。

そういったのを全て見ているので、
面白さと困難さ、その両方を知っていますから、
皆さんにはお勧めすることもないし、ただ
その炎と共に、冬を越すことの快楽を、
自ら味わってみたい人には応援したいなとは
思います。

薪ストーブの解説動画も用意してますので、
興味ある方はどうぞ。

 

 


しかし、ご存知の通り、高性能住宅ですと、
薪ストーブのあのハイパワーは全く不要です。
6畳用のエアコン1台で全館暖房になる。

 

 

小さな炎で楽しむ

なので、炎だけ見たいという方には、
小さなエタノールランプがお勧めです。

 



煙突もいらないし、1冬30分くらい、
炎の鑑賞だけをしたいのであれば、
燃料も10リットルくらいの消費で済むはずです。

暖かくする目的ではなく、
炎を鑑賞するだけであるなら、薪ストーブに比べれば
官能さには劣りますが、それなりに楽しめます。