4月、一緒に雑貨店をやらないかという話が友達から舞い込んできた。
「やりたいことは口に出して言うと叶う」を信念にしていた友達が、
お金を出してくれるお金持ちのおっちゃん(かなりすごい人!)を捕まえてきて、
なんとそのタイミングで一等地に店舗の空きがでたのだ。(大正時代から続く名店だったのだが、御主人が末期ガンで店ができなくなったそうだ)
この友達は引きが強い。
私が今までに出会った人で3人引きが強いと思った人がいるんだけど、
そのひとりが彼女。
もうひとりも友達である書家の先生。
彼女とはこの店でワークショップをやるときに参加してもらおうと話を詰めていた。
最後のひとりが私(笑)
この3人が集まって面白いことにならないわけがない!!
私は飽き飽きしていた印刷の仕事をさっさと辞めて、
店のレイアウトや雑貨の仕入れに奮闘した。
ワークショプをやろう!
オリジナル商品を作ろう!
作家さんや業者さんにコンタクトを取り、実現に向けて積極的に活動していた。
オープンから3カ月、
常連のお客さんも付き、雑誌に取り上げてもらい、やっと利益が上がり始めた頃だった。
ものっそ!!ものっそ大人の事情で急きょ店を辞めなくてはいけなくなった。
大人の事情に誠実も正論も良識もない。
そして大人の事情だから詳しくは書けない。
私たちは店から手をひくしかなかった。
友達はスーパーポジティブなので
「これで経営のノウハウわかったからまたやろう!!」
って言ってたし、
私もスーパーポジティブなので
「めっちゃ人脈増えたな!」
って言ったけど。
店のことは、たくさんの友達がお祝いに来てくれて、
常連さんに悲しまれて、
やり残したこのがいっぱいあって、
ほんとがっかりしたけど、
気になってるのは最初にそこにあったお店の末期ガンのご主人のことで、
何度も顔を合わせているし、店をやっていたらなにかしらの弔いができたと思う。
でももう店と一切関係がなくなってしまった今、全く消息がわからない。
もう長くないと言われていたのでもしかしたらもうお亡くなりになっているかもしれない。
一度は親しくしていた人が知らない間に亡くなっていく。
それを考えるとなんだか胸の奥をヒューっと風が吹き抜けてく。