これを見ながらお読みください

「JPTはジャパンオープンポーカーと名称を変えた後も好調」
「オンライン予選は過去最多の参加者で毎日盛り上がっています」
「実際のイベントでもWSOP初ブレスレットの木原プロをはじめとして多数入賞」
「今の日本のポーカー環境は、まさに黄金期と言えます」

すばらしいな、今回のジャパンポーカーツアーのプライズは何だ?

「APPT シーズン8」
「魅惑的な都市ソウルに世界中のプレイヤーが揃い」
『ポーカーの祭典 APPTソウルで腕を競い合います と公式ホームページに書いてあります』
『日本からの交通の便もいいですし、これからさらに日本のポーカー人口は増加することが予想されます』

この中で、これまでのポーカー人生の中で
勝っていたにもかかわらず、リバーで1アウトを引かれた経験のある者だけ残れ

なんでまたソウルなんだよ 韓国でのイベントをプライズにするんだよ!
ついこの間あったWPT韓国の惨状を忘れたのかよ!
大体なぁ!
賞金の10%が商品券で支払われるなんて前代未聞だろ!
なんでブレスレットが表彰式前に盗まれるんだよ!
そして予選だって 裏工作してるとしか思えないようなリバー落ちやがって
ターンクアッドオールインホルホルホルってしてたら
リバーでロイヤル完成とか、避けられるわけないだろ!
リバーでAh落としたStarsなんて大っ嫌いだ!

「そしたらライブ予選に出ればいいじゃないですか」
ブラインド早すぎてじゃんけん予選じゃねーか!
オンラインも大して変わらないけどな バーカ!

「ストラクチャに合わせた打ち回しをすれば…」
肩がない人間にどう打てって言うんだよ!

畜生めー

コインフリップに負けて敗退するのはまだいい
お互い満足がいくハンドでポットにつぎ込んだっていうことだからな
リバーにAが落ちてうぉっってなっても
QQで突っ込んだことを納得できるし
心から「ナイスハンド」と讃えることができる
だが、ターンでペアができたフラッシュボード。
「負けてると思ったけどリバー光ってたからコールした」ってなんだよ
負けてたなら1アウトしかないだろ
大体見えるのはリバーじゃなくてバーンカードじゃねーか!
「オーバーポットのターンオールインは『私のハンドは弱いのだ』と叫んでいるように見えた…」
直前に読んだ本の言い廻しをドヤ顔で引用して、さぞ大満足だろうな。
スターリンは!

ポーカーの楽しみ方は一つだけではないというのは当然の話だ
フロップで完成したナッツフラッシュをただ一つのペアができたというだけで降りろというのも酷な話だろうが
なんでじゃあ、オープンした時にあんな悲痛な顔してるんだよ!

そんな悲劇的なボード撮るふりして
こっそりディーラーさんのおっぱいぷるんぷるん隠し撮りしやがって!
俺は椅子から転げ落ちて、何が起こったか理解するのに必死なのに!

これ幸いとみんな携帯取りだして、カメラがカード向いてないじゃないか
みんな爆笑して、だれも俺のことなんか気にも留めやしない
なんで大事なバブルの時期にこんなことになるんだ!

「おっぱいなくてもディーラーはできるのよ…」

俺だってわかってるんだ…
That's poker…
引かれることもあれば、引くこともあるってな…
1アウト…
(引くことの方が多い…)
けどな
せめてTwitterで愚痴るのだけは許して欲しい
愚痴に対してマジレスで煽るのだけは
それだけは勘弁してほしい マジで凹むんだ
1ヶ月たっても夢に出てくるんだ Ah

後1回だけか…

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尚、特定の個人・団体とこの文は関係ありません ええ、全く
※ 今回の内容について、もっと詳しく知りたい方は↓のリンクをお薦めします
稲妻NFL(吠太郎 さま)

SnG基礎論 第4回はチップの価値の非線形性 です。ひょっとしたら耳慣れない言葉かもしれません。
線形性(linearity)についてまず説明しますと、チップの量と賞金の期待値が、1次関数的に比例することを指します。チップの量が倍になったら賞金の期待値が倍になるような状況を指します。Winner Takes allのトーナメントや、Head-up SnGなどがこのようになります。
非線形性(Non-linearity)とは、そのように1次関数的に比例しないということです。チップの量がたとえ倍になっても賞金期待値が倍にならないのです。SnGに慣れていない方は「そんなことあるのか!?」と思われるかもしれません。ですが、簡単な例を出すことで、すぐに納得できます。

9人SnGで上位3名に50/30/20のプライズがある、一般的なSnGを考えます。開始時の賞金期待値は100/9で11.1になります。さて、このトーナメントでうまくやって優勝しました。みんなのチップを奪い取ったことになるので、スタックは開始時の9倍に増えています。
さて、では賞金も9倍増えて11.1×9で100…ではもちろんなく50にしかなりません。1次比例なら9倍になりますが、実際は4.5倍にしか増えていないのです。勿論、その理由は2位と3位に分配された賞金によります。

では、チップの価値はどのように変化するのでしょうか。問題の単純化のためにHeroのスタック以外は8人で等分している状況を考えます。ICM Calculaterリンクはこちら で、その時点の賞金期待値を計算し、グラフ化したものが画像です。


このグラフは、これだとちょっとわかりづらいですが、定規を当てると上に凸のグラフになります。


つまり、チップを集めれば集めるほど、1枚当たりの価値は目減りしていくのです。いくつかの点での実際の数値を表にするとこの表のようになります。


例えば、開始時の1/3である500まで減っても賞金期待値は1/3よりもちょっとだけ高いですし、ダブルアップして3000になっても賞金期待値は倍にはなっていません。これが非線形性であり、BubbleFactorが生じる原因となるのです。集めれば集めるほどチップの価値は目減りし、同じチップ数ならば勝ち取った時の利益よりも失った時の損失が大きくなるのです。オールインの時のその比がバブルファクターなのですが、それについては次回に算出方法をまとめます。

アグレッシブポーカー p181に公式がありますが、その証明を考えてみました(とはいってもICMの定義通りに計算するだけですが…)。
趣味みたいなもんですが、一度こうやって結果出せたので、今後は自信を持ってこの公式を使うことができます!
第3回はプライズプールについてです。
たとえば、6人の通常SnGは1位に65%、2位に35%のプライズがあります。
9人ですと、1位に50%、2位に30%、3位に20%です。
また、現在行われているJapanOpenのFreeroll Stage1では上位10名に等しく$2が与えられます。
(尚、このように上位x名に等しくプライズがあるトーナメントをサテライト型トーナメントと呼びます)
このプライズプールは、SnGの戦い方に非常に大きな影響を与えます。

詳しくはBubbleFactorについて書く時もう一度まとめますが(もしよろしければ、以前書いたエントリもご参照ください)、簡単に言えば

1)1位にプライズが厚いトーナメントはリングゲームと同じように打てる
2)逆に下位にも賞金が配られるトーナメントの、特にバブル近くでは先にベット・レイズした側が、それをコールする側よりも有利になる
3)特に、サテライト型のバブルでは、ハンドよりも、相手に対する読みと、スタックの状況が影響が強くなる
4)入賞が5人以上のサテライト型トナメのバブル期は、参加しないことが最善手になることがしばしばある。また、わざわざ【自分が】相手を飛ばすことはない

プライズが下位に厚いトーナメントは、いわゆる「漁夫の利」が存在します。こういうときにビッグスタック同士がぶつかり合うときに、間違いなく得をするのは周りのショートスタックになってしまいます。

これはとても大事なことなので何回も繰り返し書きますが、サテライト型トーナメントでは「参加しないことが最善手となること」がしばしばあるのです。

最近Twitterや掲示板でもナッシュ均衡について書かれることが増えてきました。バブルから遠い時期であれば、ナッシュ均衡に従うことはほぼ負けない戦略と言えます。
しかし、バブル期において、「ゲーム理論を100%理解していない相手」(=普通の人間)に、ナッシュ均衡に従ったプレイをして、相手がミスをした場合、二人で勝手に沈んで周りが得をするという状況になってしまうのです。

一つ例を出します。5人通過のサテライト型トナメで残り6人。ショートがUTGにいて、自分がSBでAKを持っています。自分までFoldでまわってきました。ショートのスタックを2000、他の5人のスタックを10000 ブラインドを1000/2000とします。

ナッシュ計算結果

ナッシュ的にはSBからは100%Pushできて、BBはそれに対してAAでしか受けることはできません。10000持ちの5人はほぼ入賞を決めているから当然です。
しかし、もしこの時BBがAQやAJを捨てられないプレイヤーだったとしたら? そして下手にナッシュ均衡をかじっているがゆえに誤って「SBは広い範囲のハンドでshoveしてきているから、AJは十分強いはずだ」と思ったとしたら?
AKは確かにAJをドミネイトしていますが、それでもAJにコールされた瞬間、入賞率は74.1%まで下がってしまいます。BBがミスをしてコールしてしまったために、SBはその巻き添えで大きく期待値を失うことになるのです。
下に厚いトーナメントの終盤では、相手プレイヤーがどれだけトナメ終盤の戦い方を理解しているか、という観察は非常に重要になります。もし、よくわからない時は、多少有利なハンドであっても退くことも大事になってきます。
では、どの程度退けばいいのか、それを算出する方法がBubble Factorなのです!
というところまで書いて、今日は終わりにします。
Misc⇒Tourney Mで出せます

ただし、注意点が一つ。

ブラインドが変化した直後のハンドでは、前のブラインドで計算されます

便利な機能ではありますが、上記点にはご注意ください。
SnG基礎論第2回はM値の計算です。
M値(CSI)とは、Dan Harringtonが著書で提示した概念で、現在でしたらLee Nelsonが出した本、kill everyoneの和訳「アグレッシブポーカー」で日本語でその概念を読むことができます(なお、Lee NelsonはCSIと定義していますが、M値と全く同じ概念です)。

まず、CPRを定義します。これは「ブラインドが一周するまでに必要なチップ量」で、SB+BB+Ante×人数です。言いかえれば、ハンド開始時のPotの額です。
そして、スタックをCPRで割ることで「アクションをしなかったとしたら何週の間生き残ることができるか」を得ることができます。これをM値(CSI)といいます。

この値自体はリングゲームでも勿論同じように求めることができますが、いつでもスタックを追加でき、ブラインドが変化しないリングゲームよりもトーナメントでは重要な概念です。
つまり、トーナメントでは

1)ブラインドの上昇によって、打ち回しを変化させる必要がある
2)スタックの追加が無条件にできないため、スタックの差はプレイヤーごとに非常に大きく、個々のプレイヤーごとにプレイの意図が変わる
3)リングゲームでは20BBを切ることは多くの場合まれだが、トーナメントではショーツスタックでの戦いを強いられることも多い

の3点から、CSIの意識が重要になってきます。

別の言い方をすれば、CSIの値によって、トーナメントが序盤であるか、中盤であるか、終盤であるかの意識をする必要があります。そして、前回にも話した通り、ハンドによって終盤から中盤に戻ったりもするのです。

補足ですが、CSIにはAnteのあるなしが非常に影響を及ぼします。PokerStarsのNormal-Speed SnG
はLevel 7 で100/200 Ante25となり、Level 6とSB、BBは変化しません。
しかしながら、CPRは9人テーブルで考えますと Level 6:300に対して、Level 7:525と急上昇します。
(ちなみにLevel 3:75 Level 4:150 Level 5:225です)
SingleTableSnGでLevel 7まで全員が生き残っていることは稀かもしれませんが、Multi-TableSnGでは注意をする必要があるでしょう。
Fifty-50の場合はLevel 4で40/80 Ante 5です。この場合、Anteは比較的小さいですが、それでもCPRはLevel 3で90 10人テーブルでLevel 4は170と、ほぼ倍増します(結果M値は半減します)。是非覚えておくべき変化と言えます。
私はリングゲームよりもトーナメントの方が好きで、ライブでもオンラインでもトーナメントのプレイ回数が多いです(ただ、最近、ディープスタックでの打ち回しが自分の弱点と気付いたので、利益が出ないと分かってはいますが、ZOOMで揉まれています)。仕事の方がやっと少し落ち着きましたので、「これからトーナメントも打ってみたい!」という方のために、基礎的なこと(言いかえれば、知ってると知らないとでとんでもなく差が出て、かつ、簡単に気をつけることができること)を何回か、自分の知識の整理もかねて書いてみようと思います。

第1回はエフェクティブスタック(ES)です。第1回からトナメ限定の知識ではないのですが(笑)、これを知らないと、後の話もできないですし、知らないとはっきり言ってお話にならないので(断言)、第1回にします。

ESとは、簡単に言えば「そのハンドで失いうる最大のチップ量」です。「そのハンドで自分が賭けることのできる最大のチップ量」と言いかえることもできますが、注意が必要な点があります。6人テーブルで、
Blinds 15/30
UTG 1500
HJ 1000
CO 1000
D(Hero) 3000
SB 1200
BB 1300
このハンドの「開始時の」HeroのESは1500です。Heroは3000を持っていますが、1500以上持っているプレイヤーが自分のほかにいないため、1501~3000分のチップはこのハンドでは意味がなくなります。
さて、DであるHeroまでFoldでまわってきました。この時点でESは1300まで下がっています。残っているプレイヤーの中で、自分以外に最大のスタックがBBの1300で、かつ自分はそれより大きなスタックを持っているからです。

もう一つ例を出しましょう。3人残りです
Blinds 25/50
D 7000
SB(Hero) 7500
BB 500
DはFoldし、自分にアクションが廻ってきました。この時点でのESは500です(もちろん開始時のESは7000です)。特にライブトナメで、相手のスタックに注目しなかったがゆえに3倍レイズの150を打って、相手がオールインで返してきて悶絶するという経験は私も何度もあります。この場合、500をかけた勝負になるので、大きな読みがなければSBから参加するときはAll-inが自然でしょう(それができないハンドなら降りるだけです)。エフェクティブスタックの重要性の一つは【残っているプレイヤーのチップ量を意識する】ということなのです。

トーナメントが序盤なのか、中盤なのか、終盤なのかということは、非常に大事なポイントなのですが、状況によっては「さっきのハンドは終盤だったが、今は序盤か、せいぜい中盤である」という状況がありえるのです。ボタンを一つずらしてみましょう。
D(Hero) 7500
SB 500
BB 7000
この場合、ESは7000になります。この場合は3倍レイズをすることにも意味があります(ただし、ここで150打つ場合、SBからAll-inが返ってきたならばコールすることを前提に3倍打つべきとAprilは考えますが、それはあまり単純な問題ではないです)。【スタック的には】このハンドでは中盤くらいと見るべきかもしれません。

こんな感じでつらつらとトーナメントについて考えていることを書いていきます。
Dから72oで300打って、打った後でSBとBBがどちらも600なくて、BBのオールインに泣く泣くコールするということがありませんように…。
CSI6CO2BBレイズしてきました。ヘッズになって私にはA4sがありました。多分ショブで正解だと思うんですけど、こういう場合ってどう導けば良いんですかね?

このような御意見をTwitterでいただきました。この問題は色々なことを考えるべきだと思うので、Twitterではなくブログで返答しようと思います。まず、話を単純化するために

1)入賞までは遠いMTTである(つまり、バブルファクターの影響が小さい)
という仮定をしておきます。
この仮定が崩れると、問題が非常に複雑になるもんですから(ただし、この仮定のもとでも問題が複雑になるのはいかに示すとおりです…)

その上で、まずCSI 6はどういう状況かというのは、実はまちまちです。はっズになってという状況から、相手CO、こちらBBと考えますが、そうであっても
2-1)相手がラージスタックでこちらがCSI 6

2-2)相手CSI 6でこちらはそれより上
の2通りがあり、この二つの状況で2BBレイズの意味は実は変わってきます。2-1の場合、間に挟まったD、SBがラージスタックの場合、「D,SBのshoveには別だが、ショートスタックのBBのshoveは受ける」意図の2BBレイズがありえます。
私はKill Everyone信者なので(笑) 2-2)の状況のCOの場合、自分は2BBレイズはしませんが、勿論2BBレイズをCOがする場合もあるでしょうし、その場合の意図も様々です。

さらに影響を与える因子でわかりやすいものは、Anteがあるかどうかです。
3-1)100/200でAnteなしのCSI 6 :1800
3-2)100/200でAnte 25のCSI 6:3150(9人)

CSI 6であってもこの二つは、仮にBBからshoveした時の相手に与えるPotOddsがかなり変わってきます。
3-1)の場合、CO 400(ここまででPot 700)、BB 1800(Pot 2300) COコールに1400で、PotOdds 1.64 BEP 37.9%。
3-2)の場合、CO 400(ここまででPot 925)、BB 3150(Pot 3875) COコールに2750でPotOdds 1.41 BEP 41.5%。
この4%の差は大きいです。3-1(Anteなし)の場合、shoveにfoldEquityは普通はほぼ皆無でしょうし、3-2(Anteあり)の場合は、shoveに若干のFoldEquityがある場合もあり得ます。

勿論、2BBレイズしたCOがこれまでにどのようなプレイをしているかは、とても重要ですが、そのような情報がない場合もあるでしょう。
4-1)ミニマムとオールインを交えたプレイをしている
4-2)常にミニマムレイズで入っている
5-1)3-Bet shoveに対し、COは常にコールしている(そしてどんなハンドを見せている?)
5-2)3-Bet shoveに対し、COは降りることもある(そして降りる頻度は?)

これらはBBからshoveするかどうかの判断に大きく影響を与えます。

勿論、
6-1)ライブである
6-2)オンラインである

のどちらであるかも状況を変化させます。一般的にはライブの方がFoldEquityは大きいです。

7)ここまでにHero(BB)はshoveを何回していて、そこでどのようなハンドを見せているか
は相手がこちらのプレイを見ているレベルの相手ならば、重要な要素になりえます。

これらを検討したうえで、FoldEquityがあると判断したならば、A4sでshoveはいいプレイになりえます。ただ、A4sはあくまでFoldEquityありきなので(上位19%のハンド)もう少しCSIが高い(8~11あたり)ところでブラフ気味に3BetするのがAprilは好みで、上記の検討をした結果、FoldEquityがあまり高くなさそうと思ったならば素直にマックするか、あるいはミニマムをCOがあまりにも繰り返すようならBBから単純にコールも検討します(これはこれで、後ろにあまりチップが残っていないのでやりづらいです)。

長々と書きましたが、この問題は色々と考慮すべき点があり、実はまだ書いていない要素がいくつもあります(D、SBのスタックによる考察とか、ハンドレンジごとのA4sの勝率とか)が、私見をざっとまとめてみました。

やあ、スティーヴ? Fifty50やってるかい?
ええ? 大勝ちもないし、時間もかかるしでやっていないって!? なんてもったいない。
SnGプレイヤーにとってFifty50は福音といえるトナメの一つなんだ(もう一つは何かって? ハイパーサテライトさ)。これはとっても美味しいトーナメントなんだ。

ああ、わかるよ。僕も最初はきみと同じことを考えていた。Fifty50は

・時間はかかるし
・賞金は少ないことが多い(倍にならないことも多いさ)
・生き残りが大事な「はず」なのにルースにコールしてくる奴のせいでずっと待っていないといけないのでストレスがたまる
・で、待っているうちにスタックがブラインドで削られてしまい、賞金が減る

Fifty50の辛いとこってこんな感じかな? だとすれば僕が最初に思ってた通りのことをきみは考えているんだね。

でもね、スティーヴ。実はFifty50はとってもCoolなトーナメントなんだ!

・レーキが安い
Pokerをやってる人の中で一番儲けている人を知ってるかい?
言うまでもない! サイトの中の人さ。 奴らはファッキンリバーとか計算しつくしたブラフをKハイでコールするとか関係なく、リングは毎ハンド。トナメだったら開始時にレーキを持っていく。だったらその儲けから少しぐらい俺らに分けてもらってもいいんじゃないかな?

$15のSnGを考えよう
9人のSnGのレーキは$1.3 8.67%だ。6人SnGだと$1.21 8.07%だね
これが10人参加のFifty50だとたったの$0.85 85セントだよ!? 5.67%しかない。
レーキ3%の差はとてつもなく大きい。

・分散が小さい
オンラインポーカーをやってれば1年に一度くらいはPCにコーラをぶちまけたくなる展開ってあるんじゃないかな(それをしないのは、もちろんPCが高価だからだ)。それがヘッズアップまでいった段階で起これば最悪だ だって賞金が$30近く変わってくるもんな($15の場合)。でもね、Fifty50は最大でも6人プレイだし、賞金ストラクチャの関係でファッキンリバーの影響は少ないと言えるんだ。これは後の生き残り問題とも関係している。

・実は世間で思われているほど生き残りは大事ではない
これこそが今回強調したい点なんだ!
スタックが減ってしまって生き残りにしか賭けられない状態ってのは確かにある。
でもラージスタックは、目の前にあるチップの山をさらに増やすことで賞金はさらに増やせるんだ。
BFを計算してみると、ラージスタック同士のぶつかり合いは実はそこまで悪い状態ではない。
6500/6500/500/500/500/500という2強4弱で、6500同士がぶつかるときのBFはたったの1.46なんだ。
DoNでは同じことやっちゃだめだよ。DoNの場合のBFは…計算したくもないね!

・上のことがあまり知られていない
DoNと同じ感覚でやる人が多いのかな ある程度チップを持っている人でタイトすぎる人をよく見かける。チップは賞金になって、ブラインドをいらないと降りてくれる人がいて、どうしてスティールしないんだい? ほら、あいつもあいつも生き残りに必死だ。 奴らからブラインドをかき集めるんだ!

どうだい? Coolだろう? スティーヴがFifty50でしっかり稼いでくれることを願っているよ。