暦の上では立夏も過ぎ、もう夏本番のような暑い日もある今日この頃。
毛糸なんて見るのもイヤ!という方もいらっしゃるでしょうが、ご勘弁ください。
この写真は、今の段階でのリメイク完成品。丸首セーターをカーディガンに直しました。
この先の変化形予想としては、プラス毛糸刺繍、あるいは染め直しでしょうか。
さて、元のセーターはこれです。私が棒針で編んだシンプルなラグラン袖のセーター。
雑誌に掲載されていたデザインを参考にして、トレーナーのような形にしました。30年以上も前のことです。
編み上げた当時はゆったりサイズで、外出用。
姉が気前よく譲ってくれたフランス製の毛糸。ふんわりと軽くて暖かい風合いと色がちょっと自慢でした。
長い年月のあいだに、何度も洗濯をしてだんだんに縦方向が縮み、フェルト化している部分もあります。
最近ではもっぱら家庭着ですが、じつのところ、着たり脱いだりが面倒になってきつつありました。
ごらんのようにかなり編み目が詰まってきていますので、まずは思い切って前身頃の真ん中をハサミで切り開きました。
ジョキっとハサミで切ってしまった編地がほつれないように、ミシンで端をジグザグ縫い。
手縫いでかがってもいいと思いますが、ニット用のミシン針と糸が手元にあったので使ってみました。
あまり上手ではありませんが、とりあえず、ほつれ止め。
いろいろ迷いましたが、切り口を包むようにかぎ針を使ってこま編みで縁編みをしました。
3号かぎ針と中細毛糸です。
この毛糸は亡くなった母が新品のまま遺していたものです。
5段目を編んでいるところ。ピコット編みを入れてノスタルジックな手仕事の味付けを。
左右の縁編みが終わったところ。
向かって左側、実際に着た時の右側にはボタン穴が開けてあります。
ボタンを付ければ完成ですが、なんとなくバランスが悪いので…
左胸にポケットを付けました。いかがでしょうか?
家で着るニットは、少し野暮ったく仕上げるのが私の好みです。
お母さんが作ってくれたような安心感がある気がします。
こうして振り返ってみると、このニットは長い時間をかけて母と姉と私とでゆっくり育ててきたもの、と言えるかもしれません。