ロンドンつれづれ

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気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

 

4月21日の、ノッテステラータの舞台裏を、日テレで見た。

 

3つのプログラムを滑るための、羽生選手の舞台裏のトレーニングの様子を見ることができた。体を冷やさず、しかし疲れすぎずに次のプログラムに繋ぐには…。

 

ああ。休むことなく、裏でここまで体を動かしているんだな、と感心した。

 

大地真央さんとの共演の打ち合わせ。「演技、っていう点では未熟だと思っている」と羽生さん。 フィギュアスケートに寄せ過ぎたくない、と。「異色感をだしたい」という。

 

天災や戦争、運命を操る女神に翻弄される若者。呪縛にとらえられる…。カルミナ・ブラーナのエピックな音楽に合わせ、確かにフィギュアの枠をでた動きの「演技」をして魅せる羽生さん。コラボは、大成功。「もう~、羽生さん、素晴らしすぎる…!」と大地真央さん。

 

そして、またジムでトレーニング。オフアイスでのジャンプ練習、腕の締めなどを繰り返す。

 

「来てくださっている皆様は、本当に一期一会でしかないし、その瞬間に一番いいパフォーマンスをやっぱり見せたい」という羽生さんは、プロ中のプロであり、謝礼をもらってやっつけ仕事をしているスケーターではない。自分の演技、仕事に対してプライドを持っている…。

 

一つも妥協はしないのだ。

 

この舞台裏を見てから、ノッテステラータの公演を通しで見ると、またまったく違う見方ができる。

 

 

 

そして、「ダニーボーイ」。羽生さんは、キース・ジャレットのピアノバージョンで滑る。

 

 

 

「ダニー・ボーイ」は、アイルランド民謡に歌詞をつけ、第一次大戦直前の1913年に発表されたもの。 

 

歌詞では、出兵する子供を想う母親の切ない心境が描写されている。歌詞冒頭の「バグパイプ」は兵の召集を意味しているそうだ。

 

O Danny boy, the pipes, (ああ、私のダニーよ)
the pipes are calling (バグパイプが呼んでいるよ…)
From glen to glen (谷から谷へ)
and down the mountainside (そして山の斜面を降りて)

The summer's gone (夏はもう過ぎて)
and all the roses falling (バラも枯れてしまった)
'Tis you, 'tis you (あなたは、ああ、あなたは)
must go and I must bide. (行ってしまう…}

 

But come ye back (でも、必ず戻ってきて)
when summer's in the meadow (夏の草原に)
Or when the valley's hushed (白い雪に)
and white with snow (静かに沈む谷に)

'Tis I'll be here (私はここにいるから)
in sunshine or in shadow (太陽の中に、また影の中に)
O Danny boy, O Danny boy, (ダニー坊や、私のダニー)
I love you so. (愛しているよ)

 

But if ye come (でももしあなたが帰ってきて)
and all the flowers are dying (花がみんな枯れていても)
If I am dead, (私がもうすでに)
as dead I well may be,(亡くなっていたとしても)

You'll come and find (きっと見つけて)
the place where I am lying(私が眠る場所を)
And kneel and say(そしてひざまづいて)
an Ave there for me.(お別れの言葉を言って)

 

And I shall hear(私には聞こえるでしょう)
though soft, your tread above me (あなたがどんなに静かに歩いても)
And all my grave (私はお墓の中で)
shall warmer, sweeter be (暖かく、やさしい気持ちになる)

For you will bend(あなたはしゃがみこみ)
and tell me that you love me (私を愛している、と言ってくれるでしょうから)
And I will sleep in peace(そして私は静かな気持ちで眠るのです)
until you come to me.(あなたが私の元にくるまで…)

 

 

 

ノッテステラータは、震災の被害者の魂のため、そして残された被災者を慰めるためのショーかもしれないが、いま、世界は天災や戦争で理不尽に命を落とす人たちがたくさんいる。命を落としてしまった人、そして大切な人を奪われてしまった人。

 

「天寿を全うできなかった」すべての人々、そして失った人を懐かしむ人々の、無念や哀しみを慰めるために奉納する祈りの舞い、というのにふさわしい羽生さんの数々の演技であった。 

 

そう思えば、彼が自分の演技にいたって真剣に向き合う理由の一つも理解ができる。 

 

 

「震災の前の時間には戻れなくて、それを経験した今があるから、未来に向けて考えることができて…」

 

「皆さんの中に一瞬だけでも、きれいだな、だけでもいいし、記憶を色々考えたりとか、それが希望に変わったりとか、そういう瞬間になればいいな…って」

 

自分の演技、舞いが、多くの人の気持ちや日常を救っていることを、彼はたぶん、知っているのだろう。

 

 

 

ちなみに、「ノッテ・ステラータ」の元楽曲は、サン・サーンスの「白鳥」というクラッシックである。

 

ヨーヨー・マさんで。

 

 

羽生さんは、白鳥に関連するプログラムが複数あるが、私の持つ印象としては、彼はタンチョウヅルである。あのすっきりした佇まいや、寒い冬に飛来して美しい舞を見せるあたりが、羽生さんにつながるのだ。

 

 

ナレーション:3つのプログラムすべてが、圧倒的な完成度だった、と。

 

ソロショーでは、3つどころではない。あの多くのプログラムをクリーンに滑り切るには、いったい舞台裏でどのような準備、あるいは休み方をしているのだろうか。 前人未到の偉業だから、羽生さん以外には想像もつかないだろうし、むしろ企業秘密と言ってもいいだろうが…。

 

そのソロショーの舞台裏スペシャルは、テレ朝のCS放送で、5月5日に放送をしてくれるらしい。

 

楽しみでしかない。

 

 

今後の羽生さん出演のアイスショー等の放送予定は以下に。

 

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5/5(日)19:00~21:30    RE_PRAY舞台裏スペシャル    CSテレ朝2


5/6(月) 8:30~10:30    羽生結弦 notte stellata2023 3/10公演    日テレプラス


5/6(月) 10:30~12:40    羽生結弦 notte stellata2023 3/12公演    日テレプラス


5/12(日) 19:00~21:00    羽生結弦 notte stellata2024 3/9公演    日テレプラス
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ちなみに、ケルティック・ウーマンの代表曲「ユーレイズミーアップ」は、「ダニーボーイ」のメロディをベースに作曲された楽曲。その歌詞もアイルランド出身の作家に依頼したものだそうです。

 

 

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