http://matome.naver.jp/odai/2145715964828523201

FMWで長年エースを張っていたプロレスラー・ハヤブサ(江崎英治/H)のまとめです。世界でも類を見ない大型のハイフライヤー。2001年10月22日、試合中のアクシデントにより長期欠場。以降、歌手としても活動。2016年3月3日、くも膜下出血により死去。訃報に対する各界からのコメントも。
---「MVP」

◆1位 天龍源一郎

言わずと知れたミスタープロレス。
11.15両国のビッグマッチがどうしても特筆されるが、グレート・ムタと邂逅し、柴田勝頼と組んで鈴木軍と対戦して現在進行形のマット界を味わい、各界の後輩である曙と、WARでは両龍並び立つダブルワンマン体制を築いたウルティモ・ドラゴンと並び、NOAHでは三沢光晴メモリアルマッチに、DDTでは両国大会に、ドリー・ファンクJrと師弟の絆をリング上で見せつけ、FREEDOMSでは葛西純と蛍光灯を交えるなど、プロレス界を余すところなく食べ尽くした。なんでもあり、なんでもある。正にちゃんこか天龍カクテルか。腹いっぱいは全く過言ではない。
私的には文句なしのMVPです。


◆2位 岡林裕二

もうホント最高でした。最優秀試合の項目でガッツリ記しますが、レスラーとしての格を一気に繰り上げたかと思います。トップスピードに入った岡林を止めれる人など見当たりません。
初めてプロレスを見る人に「これがプロレスです」と推薦しやすいレスラー私的第一位。


◆3位 棚橋弘至

過酷なG1で過酷な闘いをやり遂げた全員と言いたいところですが、中でも優勝を果たした象徴を。自身の言う「疲れない、落ち込まない、あきらめない」を崩すことがない。
それに加えて、オカダが「対天龍」という難題をクリアした数日後に、棚橋も「対DDT(#大家帝国)」という難題をクリアしていたのも特筆したい。「新日本 - DDT」という緊迫した関係性を「マセキ - 松竹」というラインで潜り抜けたスーパーササダンゴマシンの直オファーを受け止めてパワポをやり切って結果的に大歓声を引っ張り出したのはアッパレですし、何より勝負師でありその勝負に勝っている。恐るべきポテンシャルだなと。


---「最優秀試合」

◆1位 2015/11/15 天龍PROJECT 両国国技館 「~天龍源一郎 引退~革命終焉 RevolutionFINAL」
天龍源一郎引退試合【天龍源一郎 vs. オカダ・カズチカ】

この一戦に一票を。東スポの方ではベストバウトに輝いてますね。天龍のベストバウト受賞回数はなんと9度目になるとか。ネットプロレス大賞でも輝いてもらいたい。
この一戦については各所で語り継がれているのでもはや説明不要でしょう。


◆2位 2015/7/20 大日本プロレス 両国国技館 「両極譚」
BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合【関本大介 vs. 岡林裕二】

後述するが、大日本プロレスといえばデスマッチ、大日本プロレスのデスマッチといえば蛍光灯というぐらい強いイメージのあるアイテムを使えない状態で、両国という大箱に挑まねばならなかった。大日本プロレスはメインイベントにストロングBJの試合を据えた。
ストロングBJは関本大介が築き上げた歴史であり、特に近年は活性化が著しかった。しかし初代ストロングヘビー級選手権者の佐々木義人、関本超えを若手の中で先に果たした石川晋也らの離脱などがあり、明るいニュースばかりとは言えない土壌で、奮起して支えなければいけないのは岡林に他ならない。デビューが遅かったこともあるが、早咲きの岡林はプロレス大賞・新人賞を獲得し、関本と共に乗り込んだ全日本プロレスでは自団体の創始者であるグレート小鹿も巻いた日本最古のタイトル・アジアタッグ選手権も奪取し、瞬く間にマット界で名を知らしめた。ただし岡林に待っていた壁は強大で、タッグで横に並んでいる関本大介というレスラーがあまりにも高みにいることだ。自団体の功績も、業界におけるキャリアも、チョイスした「パワー」というタイプでも何もかも上にいるか被っているかで頭一つ抜けるのは困難を極めた。2013年には本気でデスマッチ路線への転向を考えていたぐらい現状にスランプを抱えていた事実もある。更には負傷による長期欠場にも追い込まれ、未来は暗くなるばかりだった。
しかし復帰した岡林は開き直ったかのように怪物っぷりに拍車をかけて大爆発を起こした。相手がどんな猛者であろうが小細工なしの真っ向勝負を常に全開で観客に伝え続けた。ここまで捻らないレスラーも珍しいと思うぐらい、ただただ己の肉体を鍛え上げて正面突破を狙い続けてチャンスを掴んだ。持ち技も相変わらずそのままで新技も特になし。いや言い換えれば全てが新技なのかも知れない。それほど一つ一つ繰り出される技、チョップ一つ取っても乗っかっている覇気が増して会場のボルテージが下がることを許さない。
その上で勝利したのは次代を一気に引き寄せて、またしても瞬く間に現代の“顔”になった岡林だった。しかも万人が納得せざるを得ない無慈悲なパワーボムのフィニッシュはあまりにも圧巻で、観衆の拍手の中、堂々とベルトを巻いてその場を締めた。
その後の二人は天龍興行で「ダイニッポン」コールを巻き起こし、関本はレジェント王座を戴冠するなど目覚しい活躍。どこまで飛躍すれば気が済むのか計り知れないぐらい全盛期だ。二人の一騎打ちは見逃し厳禁の黄金カードに昇華した。


◆3位 2015/6/28 DDT 後楽園ホール 「KING OF DDT 2015 TOKYO」
KO-D無差別級選手権試合【KUDO vs. ヤス・ウラノ vs. 大家健】

もうBAD COMMUNICATIONが頭から離れませんでした。よく「一周回ってカッコイイ」とか言いますが、5、6周してるのでカッコイイのかダサいのか分かんないです。
まるで古典落語の登場人物かのような人間の業(ごう)の中でも弱さの権化となって、古のDDTまたは創世記の大仁田FMWの空間を彷彿とさせる偏狭な空間で熱狂を生み出し、様々な愛憎を恥も外聞もなくさらけ出して感情の裏まで共有されてしまうネット社会化では奇跡とも言える感情移入を可能にしてしまい、文句なしにカリスマと化した大家健だが、背負う規模はミニマムで、悲しいぐらい今のDDTは上昇気流に乗っている。
「いつでもどこでも挑戦権」を保持しているため、KO-D無差別級選手権への挑戦資格はある。DDTのトップを決める空間に、最も相応しくない男が名乗りをあげた。
試合途中での権利行使はレッスルマニアよろしくのオマージュだろうが、あんまりそれは関係ない。マネーインザバンク的なゲーム要素はDDTの磁場は余裕でそれを成立させるし、過去に高梨も有利なタイミングで行使して王座を奪っている。それよりも地を這いつくばってきた大家の戴冠自体が劇的な一体感を生んだことが感情を揺さぶった。
4分39秒後にはKUDOが更に権利を行使して、大家はあっけなく王座を手放した。一瞬だが最高峰を手にした大家の目標消滅が心配されたが、ユニット総選挙で優勝した後、強大な標的を引っ張り出す原動力になったのは周知の通り。



「最優秀タッグチーム」

◆1位 ダッドリー・ボーイズ(Dudley Boyz)

いよいよreturn to WWEですよ。長かった。8.24のRAWはお祭り騒ぎです。
待望のWatz Up!!!!!!!!!!!!!!も半端じゃないですが、「1!2!3! Get the table!!!!!!!!!!!」の一体感は業界最大級じゃなかろうか。
ワイアットファミリーとの抗争ではオリジナルECWからトミー・ドリーマー、ライノを呼び込んで会場に「ECW!」チャントを巻き起こしてくれるのもECWオールドファンからすると嬉しい限り。
まだまだレッスルマニアまで今抗争は見逃せません。

◆2位 ゴールデン・カップス(安生洋二&高山善廣&山本健一)

2015年に引退試合を行った安生が選んだのは6人タッグでこのメンツだった。やはり思い浮かぶのはWAR vs. UWFインターナショナルが活発だった頃の、WAR世界6人タッグ選手権。
生きていれば最後の相手は冬木さんで…という安生の言葉が印象的だった。安生率いるゴールデン・カップスと冬木弘道率いる冬木軍の一大ヒール軍団同士の抗争は、両自団体を飛び越えてなぜか新日ドームでシングルを行うまでに至り、週プロでは両者が表紙を飾った。
ヤマケンが露払いをして怪物・高山がリング上を掃除すれば安生の独壇場、バラバラだからこそバランスが取れていて役割がハッキリしている覚えやすく明快だった。プロレス界を彩ったユニットも見納めとなると寂しい限り。


◆3位 関本大介&岡林裕二

常にハイクオリティな内容を残すこの二人が安定してランクイン。
DDTのKO-Dタッグチャンピオンとしても、竹下&遠藤の次代をさいたまスーパーアリーナという大舞台で退け、ディーノ&ササダンゴという唯一無二の難敵には、記者会見の時点から相当(爆笑に)追い込まれ、こなき爺化によるピンチも㌧クラスの重量にもめげないパワーと岡林のこなき爺化によって勝利をたぐり寄せた。アジアタッグにまで上り詰めた石井&入江も力でねじ伏せて完勝、満を持してDDT両国のビッグマッチで飯伏&佐々木を迎え撃った。敗れはしたものの、業界の“顔”である飯伏が関本と久々の熱戦に加え、全盛を迎えつつある岡林との遭遇は観客を沸かせた。
天龍引退興行での功績はここでは割愛するが、他団体の大舞台でも功績を残しつつ、自団体ではツインタワーズやヤンキー二丁拳銃といった優れたライバルタッグと外れのない熱狂を生み出している。高値安定。



「新人賞」

◆1位 力

大日本の植木が対象外なのが迷わせる。しかしそれがなくても力は票が集まるだろうなと勝手に思っているんですが結果はどうでしょうか。第3代東京インターコンチネンタルタッグ王者ですし、今年もセイバーチョップはますます磨きがかかって止みませんよね。


◆2位 のの子

東京女子プロレスは候補者だらけ。ということはほぼ新人で興行を成立させているんだからDDTの企画力ってやっぱ逸脱しています。
新人賞が男女別だったらとっくに選ばれていそうな存在かと。


◆3位 樋口和貞

DDTは次から次に有望な若手が出てくるので新陳代謝が良い。その分、上の選手にかかるプレッシャーも相当かと思います。樋口のように早くもKO-D無差別級戦線に躍り出る早熟タイプは顕著な例。


---「最優秀興行」

◆1位 2015/11/15 天龍PROJECT 両国国技館 「~天龍源一郎 引退~革命終焉 RevolutionFINAL」

小橋建太の引退興行と同じくBSスカパー!での完全生中継を皮切りに、ニコニコ生放送に新日本プロレスワールド、全国各地の映画館でライブ・ビューイングまで行われた拡散っぷり。
地上波であるワールドプロレスリングでもメインの試合がたっぷり放送され、ニュース番組やスポーツ紙はもちろん一般紙でも報じられました。
ミスター・プロレスとまで言われた業界の象徴的存在の最後なので、賞を獲りすぎるってことはないのかと思います。んでもってやっぱり三冠が似合います。

◆2位 2015/7/20 大日本プロレス 両国国技館 「両極譚」

大日本プロレスが横浜文化体育館以外でビッグマッチを行うのは2001/12/2横浜アリーナ以来だろうか。事前から蛍光灯の使用は難しいと囁かれており、近年の大日本プロレスを象徴するアイテムの使用に制限を強いられた格好だったが、もう一つの象徴である関本大介が創り上げた「ストロングBJ」が両国メインのスケールを支配した。
他にラインナップされたカードはどれもビッグマッチ仕様のスペシャル感漂うものではなく、いつもの大日本メンツが顔を揃えて成功させたのは特筆したいところ。


◆3位 2015/10/10 東京愚連隊 新木場1stRING 「東京ONE NIGHT STAND」

ECWテイストを全面に押し出し、FMWテイストあり、CZWテイストあり、XPWテイストありとインディペンデントドリームな一夜でした。もちろんオリジナルECWの雰囲気を味わいたくて新木場1stRINGをECWアリーナに見立てて体感しに行ったわけです。
メインで一人CZWのTシャツを着て、集合写真に写らなかった葛西の狼っぽさはさておき、田中将斗とのタッグは何気にゼロワン由来だし連携も巧いこといっててまた見たいと思わせるタッグだった。
サブゥーとトミー・ドリーマーが所狭しと暴れまわってくれたのは実に感慨深い。ここまで来ると人間欲深いもんで、サンドマンが揃い踏みして欲しくなってしまう…。この後ドリーマーはWWEにリターン。



「最優秀団体」

◆1位 大日本プロレス

正直団体だと順位を迷う…。両国の成功、ストロングBJの「ここにあり!」観など特筆できるものが多いので1位に、でもやっぱりFREEDOMSとの確執?みたいなものでデスマッチレスラーが分散した煽りがファンとしては悲しいばかり。浅草友人會興行のような中立的空間では貴重なカードが実現しているのも気にかかるところ。
それでも普段の闘いのクオリティが向上し続け、両国だろうが商店街だろうが全力ファイトを見せる妥協のない姿勢は、今年は特に伝わったと思います。天龍引退興行のセミでの関本と岡林のぶつかり合いはむしろ普段の7割も出ていなかったにも関わらず、初見が多いであろう観客から支持を受けた結果は、安定性と信頼度を示すきっかけになったかと。

◆2位 新日本プロレス

インディー贔屓な人間でもあまりにも目覚しい勢いが衰えないのでランクインしなきゃちょっとおかしいという気持ちにさせるぐらい勝ち組です。
特にG1の熱狂は相変わらず上向きで、相変わらず過酷すぎる。個人的には海外戦略がもっと加熱しないかなぁと期待をこめて。レスリングオブザーバーアワードとか見てると情報発信は好調なようなので、興行面でも新日本なら規模を広げていけるのではと想像してしまう。そうなれば中邑真輔のNY支持率はもっとうなぎ登りになるはず!

◆3位 天龍プロジェクト

興行的にも11.15両国だけではなく、後楽園ホールや大阪府立でも主催興行を行い、新木場では天龍と拳剛のシングルマッチなど、次代へ龍魂を受け継ぐ闘いも重ねていました。


「最優秀プロレスを伝えたで賞」 

◆1位 劇場版プロレスキャノンボール2014

長い物語でした。
単に130分の映画ってわけじゃなく、キャノンボールに乗っ取った競争が行われ、撮影の模様がTwitterでリアルタイムで追え、ハッシュタグ「#pwcd2014」が大いに賑わい、ゴールしてもゲームは終わらずサプライズ興行が決定し、被災に遭った大船渡での無料興行の成功から映画の公開まで全てが繋がっていた長い長い物語でした。
こういった類の表現は、観る側の努力もしくは姿勢みたいなのも割と重要でして、率先して体感してしまうとこれほど楽しめる催しってないな、と。Twitterで追い続ける。大船渡に行く。映画を観る。これ全てやった人間はそりゃ1位に選定しちゃうに決まってます。

◆2位 アナザースカイ~武藤敬司編 (日本テレビ)

この放送回マジで良かったです。30分じゃ足りない。同じスタッフで、更に豊富な予算で、長尺で、となったら超良質なプロレスドキュメンタリーが出来上がるんじゃないかと思わせるほどに。
もちろん武藤の異形かつスケールの大きいレスラー人生がこの番組のコンセプトとガッチリ噛み合ったというのもあります。「1964年のジャイアント馬場」などを読むと、海外遠征した日本人レスラーは数いれど、力道山ですらLAのローカル団体でチョロッと出てるぐらいで全然知られてなかったり、米マットでトップレスラーとして成功した人は、実はほんの一握りしかいないのが結構よく分かります。
その一握りに入ってる武藤、いやムタは列記としたスーパースター(ヒール)であり、おそらく馬場さん同様に日本のマット界に戻ってくる必然性がなければそのままアメリカで更に大成してたであろう逸材中の逸材、そのことが立体的に見えてくる番組でした。いやまさかこんな貴重な側面を地上波で、しかも日テレで見れるとは思いませんでした。次回作の期待をこめて上位に! アナザースカイかクレイジージャーニーで、ディック東郷かウルティモ・ドラゴンを見たいんです。

◆3位 矢野通プロデュースDVD Y・T・R!V・T・R!第4弾 「CHAOS学園」

YTRのタイトルは2作品連続でオリコンチャートを賑わすという快挙を成し遂げたのは異常。
過去、プロレスDVDのタイトルでオリコンにチャートインしたのは三沢光晴DVD-BOXぐらいしか目立ってない中で、ジャニーズやフィギュアスケート、アニメタイトルのDVDと互角に渡り合って結果を残しているのは、もっと評価されても良いのでは。
CDをプロデュースしてキングレコードから歌手デビューを果たし、タワレコなど各所でイベントを行い、露出を怠らない矢野通もまた「対世間」を極めて独自ルートから開拓していると言える。