しんりの手 :psych NOTe

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戦争は役に立つか?イエス!

war


♪ウォー(ズン・ズン)フゥー!(ズン・ズン)ィエィー!♪ゥワティ~ズッ・グッフォー?♪アーゥソゥルーリー(ナッシィン!)アハ~ァハー♪ 「戦争は何の役に立つのか?完璧に何の役にも立たない!」


と歌ったのはエドウィン・スターですが、まぁこれは言葉のあやで、役に立つ場合もあるんですな。今回の研究によると、実際に戦争(イラク)に行ったイギリス人兵士421人を調べたところ、彼らの心の健康状態が戦争に行く前に比べて改善されていたそうです。


まぁね、これは順当な結果でしょう。ざっくり言って、人が100人いればそのうちの10人くらいは心の健康状態がおかしいです。原因は遺伝30%、環境70%と言ったところでしょうか。かと言って100人中30人が遺伝により完璧に発症する、とさっくり割れるわけではなく、原因になりうる遺伝要素と環境要素の割合は人によっても違うので、環境に強く影響される精神不安定などもあります。


環境に強く誘発される精神的不健康は、当然のことながら環境を変えれば改善されることがあります。これは個人的な意見なんですが、良い環境というのは(1)目的に向かって邁進(まいしん)していて、(2)些細な社会交友にくよくよする暇がない、という二大条件を整えていることだと思います。


今回のイギリス兵士にとっての戦争は精神衛生的に条件が良く、(1)目的に邁進している(戦争に勝つ)、(2)くよくよする暇がない(死の危険のある状況を切り抜けなければならない)、と2つの条件とも整っています。


なので条件のあった戦争は、精神衛生を保てるまたは改善できる環境なんじゃないかと思います。


僕のような貧乏院生も似た環境ですね。自分の好きな研究をしている(目的に向かって突き進んでいる)し、くよくよ思い悩むほどの時間がないほど研究に忙しい。と言うか研究を進めないと奨学金を失ってしまうし。


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元のニュース:

Going to war does not have to hurt: preliminary findings from the British deployment to Iraq. JAMIE HACKER HUGHES, PsychD The British Journal of Psychiatry (2005) 186: 536-537

関連音楽:

Edwin Starr
Essential Collection
検索キーワード:心理学、臨床心理、clinical psychology, mental health,






中国語話者は英語話者と思考回路が違う

chinese numbers


中国語を話す人と英語を話す人は思考回路が違うかもしれない、という研究が発表されたようですね。

足し算にも国境が存在していた

科学ニュースあらかると さん)


心理学の院生として見解を述べさせてもらうと、おそらく言語の違いは人間の脳の使い方に少しは影響を与えるのだろうと思います。だけど高次元の考え方(例えば歴史の勉強とか宗教とか)には影響しないと思います。


要はですねぇ、人間の言語の違いというのはコンピューター言語の違いみたいなもんだと思います。マックとウィンドウズでは元の言語が多分違うんだと思いますが、それでもできることはほとんど同じでしょう。場合によってはどっちかが速いのかもしれませんが、時間を掛ければどちらも同等の仕事ができるんだと思います。


同じことが人間の脳にも言えて、アジア人は数学に強いかもしれませんが、でもより高次の脳活動(考える活動)では違う言語を喋る人種間の差はほとんど無いんだと思います。


今回の研究では算数をする時に中国語話者は視覚野を使い、英語話者は言語野を使ったとのことなんですが、これにはひとつの仮説が立てられます。


人間は音声を2秒間分だけ短期的に記憶できます(詳しいことは「音韻ループ」で検索してみてください)。


中国語や日本語では数字が少ない音節で表され、速く発音できます。なので算数などをする時にも、一回に記憶できる量も多く、計算も速くできるのだと思います。音声から記憶された数字は視覚記憶に置き換えられ、計算を助けます。これが中国人の視覚野の活性化の理由とも考えられます。


英語は数字を発音するのが遅いです(中国語に比べれば。世界的には中間らしいですが)。なので2秒間の記憶に入れられる量も少なく、計算も滞りがちになります。更に計算中に、頻繁に数字を頭の中で繰り返さないと忘れてしまいます。これが英語話者の言語野の活性化の理由とも考えられます。


この研究は言語の違いにより脳の使用部分が違うということを示したところが、とても面白いです。ああ、やっぱりな、とは思いますが、こういう研究を積み重ねていって人間の能力や人種の適性なんかがより分かって世の中がより良くなっていくと良いなぁなんて思います。


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参考ウェブ:

今回のニュースは「科学ニュースあらかると 」さんで知りました。ここは「メーカ研究員の週報 」さんのブックマークで知りました。 科学関係のニュースを紹介するサイトは大好きです。


関連記事:
聞いた単語の方がより思い出せる (しんりの手アメブロ)


短期記憶の容量は(7±2)の3倍 (しんりの手Fc2)


検索キーワード:

心理学、認知心理学、作動記憶、working memory, 短期記憶、長期記憶、音声ループ、視空間スケッチパッド、中央制御系、記憶の容量、マジックナンバー7プラスマイナス2、魔法の数、short-term memroy, STM, long-term memory, LTM, phonological loop, visuo-spatial sketch pad, central executive, memory capacity, magic number 7 plus or minus 2, バッデリー、ミラー、Baddeley and Hitch, 長期作動記憶、2秒間、3秒間、


ブラジル戦を前にブラジル人とサッカーをしました。

soccer ball


当初の予定通り、土曜に友達とサッカーをしてきましたよ。当初は仲間内の7人くらいでやる予定だったんだけど、なぜか芋づる式に南米のお友達が9人くらい付いて来ました。エクアドルとブラジルとあとは所在不明南米人。で、計16人。その後、更に見ず知らずの人が3人くらい入ってきた。


南米系のやつら(の数人)は異常にうまかったよ。大人と子供の違いというか、放課後に遊びでサッカーする時に静岡からの転校生が混じっているというか、体育の時間の軽い運動なのに国体出場者が混じっているって感じ?

南米人たちにはマイ・シューズまで持参されて少しだけ羨ましいなぁと思いましたよ。長い芝生って思ってる以上に滑りやすいんだな。それとも貧乏院生の靴が擦り切れすぎてんのか。


救いだったのは、野球とかで一人良いピッチャーがいると試合が一方的になりやすいのに対して、サッカーだと数人うまいやつがいてもなんとか試合を保てるんだな。自分らでプレーしていて自分らで驚いていたよ。ま、相手チームのキーパーが150cmの女の子で点を取り放題ということもあったんだが。


ま、なんだ、サッカーって良いスポーツだね。広場でプレーしていると「俺も入れてよ」って見ず知らずの人が入ってこれる唯一かもしれないスポーツ。この辺が南米でサッカーが流行る理由なのかなぁ。


ともあれ日本チームのブラジル戦での健闘を祈っています!

クロアチア人とクロアチア戦を観戦しました。

croatia flag

クロアチア戦はアメリカ時間で日曜の朝9時からだった。早いよん。土曜はみんなで遅く(午前3時)まで飲んでいたんで、他の参加者もなく、クロアチア人、オーストラリア人、日本人(僕)の3人だけでグループFの2試合を見ました。見終った時点で3人とも鬱状態。三者三様にきつい展開だったなぁ。


日本人の僕としては、試合は日本が押していたんで勝てなかったのはつらいなぁと思う。


クロアチア人のCちゃんとしては体格差で圧倒的に上回るクロアチアが勝つのが当然だと思っていたらしく、引き分けという結果はつらかったらしく、僕に当たってきた。ちなみにクロアチア人は間近で見ても大きく、Cちゃんは185cmです。(女。)

欧米人のアジア人への見下しは体格差から来てんのか?


オーストラリア人のD君はブラジルに2点取られて負けたのが癪に障ったよう。先週クロアチアがブラジルに1点しか取られなかったんで、オーストラリアはそれに負けたくなかったようです。ちなみにD君も185cm。お前ら何食って、そんなに育っちゃってんだよ。


データで見ても日本人は小さいのね。しかもこのデータは鯖を読んでいそうだし。
ところでクロアチア人は(Niko Kranjcar)をクランチャールって発音するんだな。(Dado Prso)はプルショ。つい英語読みでプルソと発音したくなるけどね。

日本チームの身長、体重

http://msn.foxsports.com/soccer/worldcup/team/roster?statsId=231


クロアチア

http://msn.foxsports.com/soccer/worldcup/team/roster?statsId=239


オーストラリア

http://msn.foxsports.com/soccer/worldcup/team/roster?statsId=227


ブラジル

http://msn.foxsports.com/soccer/worldcup/team/roster?statsId=192


記憶は加齢で衰える。知識は加齢で増す。


Liu Park 2003 memories decline


人間の記憶は年を取るとともに衰えると言われている。しかし、記憶にはいくつかの種類があり、衰え方はまちまちだ。上の図は5つの記憶(と認知能力)の年齢による変化を示したもの。一つだけ上昇しているのもあるんだな(言語の知識)。


作動記憶(working memory)、短期記憶(short-term memory)、長期記憶(long-term memory)、情報の処理速度(speed of processing)、言語知識(verbal knowledge)の5つの認知能力の年齢による変化を調べた。ほとんどの認知能力は加齢により能力が下がる。


20代と80代で比べると、標準偏差の値にして+1からマイナス1くらいにほぼ直線を描いて下がっている。標準偏差で2ポイントも落ちるのか。


標準偏差は1ポイントの差でも大きい。例えば情報の処理速度は20代から50代にかけて1標準偏差くらい低下している。これは20代の上位50%に位置する人の能力と50代の上位16%に位置する人の能力が同等だということだ。哀れなほど落ちちゃうんだな、年齢で。

言語知識が加齢で上昇するのだけが救いだな。しかしこれも情報の処理速度に左右されるのだから、話す速度も聞く速度も衰えるんだよね。今日からお年寄りにはもう少し優しく、時間が掛かるのを理解して接してみようかな。


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図の引用元

Liu, L. L. & Park D. C. (2003). Technology and the promise of independent living for adults: a cognitive perspective. In Neil Charness, K. Warner Schaie (Eds.) Impact of Technology on Successful Aging (Springer Series on the Societal Impact on Aging) . 262-289.


検索キーワード: 心理学、認知心理学、情報処理、老人の認知能力、年寄り、加齢、老化、老後、記憶、心理、知能、脳、¥

クロアチアのかわいい選手

kranjcar  rkovac


昨日のブラジル対クロアチアは見ていて面白かったですね。もっと一方的な試合になるかと思ったけれど、ブラジルのエースのロナウドが不調だったのと、クロアチアが積極的にゴールを狙うので攻めと守りが目まぐるしく入れ替わる面白い展開に。結果的にはブラジルが1対0で順当に勝ったけど。クロアチアも強いんだなぁ。


クロアチア人とオーストラリア人と(あとアメリカ人たちと)一緒に試合を見ていたんだけれど、このクロアチア人の女の子が「クロアチアのチームの男の子が一番かわいくて強い!」と言っていた。彼女のイチオシは背番号19番ニコ・クラニツァール(画像左)。うーん、まあまあだな。でも正直クロアチアが顔や見た目で選手を選んでくれていたら日本にはラッキー、というネタで彼女はさんざんいじられていました。


ちなみに僕のお勧めはロベルト・コバチ(画像右)。筋肉の付き方と新しい髪形がかっこいいね。他の選手の写真もここで見られます。
http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/w/player/179049_KOVAC%20Robert.html


昨日は応援した勢いでそのままみんなでサッカーボールを買いに行ってプレーしてみちゃったりしたんで、今日は下半身と腹回りが激しく筋肉痛です。土曜日には仮想クロアチア軍と仮想日本チームに分かれてサッカーをやる予定。日本の勝利を占う前哨戦なんで、しっかり勝っておかないとな。


ガンバレ日本!

恐竜には脳が2個あった?


子供向けの心理学の本に書いてあった。

「科学者の中には恐竜には脳が2個あったと信じているものもいます。頭に一つ、尻尾に一つです。恐竜は体が大きいので、頭の脳と尻尾の間を神経信号が行き来すると時間が掛かりすぎるので、尻尾にも脳があったと考える科学者もいます。」


そんなの初めて聞いたよ。

近所の子供に心理学を教えているつもりでも僕自身が学ぶことも多いなぁ。



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引用元:bruun the brain what it is what it does

Dr. Ruth Dowling Dr. Bruun, Bertel Bruun, Peter Bruun
The Brain: What It Is, What It Does (Greenwillow Read-Alone Book)

残念、オーストラリア戦は敗戦。


cahill


オーストラリア戦は残念ながら日本は負けちゃいましたね。でも試合はどちらのチームも良い面も悪い面も出していて、見ていてとても面白かったです。


まず個々の能力の差として今回の試合でとても印象的だったのはオーストラリア人の体力の強さ。日本人はコロコロ転がされてかわいそうなくらだったよ。倒されてフリーキックがもらえるのは良いけれど、審判がファールを取らないくらいの小競り合いだとやっぱり日本人は当たり負けする機会が多かったなぁ。次戦のクロアチア人はみんなでかいんで、クロアチア戦でもこの点はちょっと心配。


次に性格の違いも印象的だったな。日本はシュートが打てる機会でも打たずに大事に回していく感じ。オーストラリアは打てる機会があればボンボン打っていく感じ。これはどっちの戦略が良いかは一概には言えないんだろうけれど、日本と西欧の授業中の態度の差を見ているようで個人的には面白かったです。


アメリカでは授業中に発言する機会があれば発言できる人が多い。日本では発言する機会があっても遠慮する人が多いよね。どちらの文化も利点があるんで日本は日本のやり方を大切にしても面白い。日本が実際にシュートを遠慮するようであれば、周りが「打て!」とか促してあげるとかね。逆に西欧式で躊躇いがない場合には「貯めろ」とか言って周りが慎重に促すとかね。実際にオーストラリアは中盤で早打ちしまくって失敗してたんで。


最後に、スポーツって精神的なものが大きいなぁと痛感。どちらのチームも劣勢の時には悪いプレーの連発だった。オーストラリアは一点ビハインドだった最後の10分まで雑なプレーが多かった。サポーターも陰りまくりだし、選手も長距離シュートばっかりで焦ってたんだろうなぁ。逆に日本は追いつかれてしまった後半の残り10分あたりから、守りの集中力が途切れたように見えた。もちろん、これは選手交代や攻め用の配置や疲れなどもあるんだろうけど、やっぱり心理的なものもあるよね。将来、心理学はどこまでスポーツに使われていくのか楽しみだね。


一緒に見ていたオーストラリア人が浮かれまくって僕の目の前で5分くらい飛びまくってたのにはちょっと頭にきましたよ、今日は。
 

ちなみに画像はオーストラリアのケイヒル。かっこいいなぁ。

ワールド・カップ日本戦まであと2日

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いよいよワールド・カップの日本の試合まであと2日。今回の日本の前評判はあまり芳しくないみたいだけれど(アメリカのメディアによるとね)、僕らの仲間内では異常に盛り上がっています。なぜなら試合を相手国の人と一緒に見る予定だから!


僕の普段つるむ友達が8人くらいいるんだけど、その構成がオーストラリア人、クロアチア人、日本人(僕)、その他はアメリカ人。まさかオーストラリアとクロアチアと日本が全部一緒の組になるなんて面白すぎるでしょ。


幸せなことにブラジル人の近しい友達はいないんで、同レベルの3国で競うのを楽しく観戦できそうです。ちなみに初戦の日本vsオーストラリアはアメリカ時間で月曜の朝9時の開始予定。日本ではビールを飲みながら観戦するのに絶好の時間だね。


ガンバレ日本!


ちなみに画像はやはりクロアチア出身の格闘家ミルコ・クロコップがサッカーをしているところ。

未来の心理学

futuretambini


最近、近所の子供たちに心理学を教えたりしています。将来の学者の底辺作りとして、子供にいろいろ教えるのがうちの大学院では定番です。ちなみに僕が教えてるのは心理学、日本語、あとスポーツなんかを教えたりしています。子供は本当にかわいい!しかも反応が素直で良いね!分かればどんどん上達するし、上達しなきゃ僕の教え方に問題があるんだなぁということを知れるし。

子供向けの本「未来(Michael Tambini Eyewitness Future )」を読んでいて、今日はちょっとがっかり。この本では未来の科学がどうなってるかが面白く書かれている。東京に世界一高いビルができる、とかを建設創造図とかを用いて紹介している。他の分野は面白そうなのに、心理学だけは未来の展望がつまらなさそうなんだよな。脳スキャンの20年も昔の映像なんか載せたりして。


僕が未来の心理学を紹介するとしたら何を書くかな。


例えばGoogleでは音声検索ができるようになっているだろう。検索窓に「音声:ダビンチ」と入力すれば、テキストでダビンチと書かれていなくても、音声で発音されていれば検索に引っ掛かる。これは心理学が関係する分野で、音声解析と言語解析が殆ど実現できる状態にある。


あとは脳に入っている記憶を検索する、とか、以前の記事でも書いたけれど脳に直接、映像や音を体験させるとか(過去記事:ソニーPS9は臭覚、味覚、触覚付き )、精神的に不安定な人の精神状態を磁石で制御するとかね。

こんなところが僕がぱっと思いつくところです。子供の夢を育てるのも研究者や出版者の重要な仕事だと思うよ。

Michael Tambini
Future (Eyewitness Books)
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