天気もいいので朝から神戸港新港第四突堤ポートターミナルへ。
ここは神戸港が華やかなりし頃、外航客船のターミナルでした。
最近はハーバーランドに近い中突堤にその座をとられがちですが・・・。
ちなみに10万トン級の客船なら神戸ではこの突堤に必ず停泊する水深を誇る神戸の海の玄関です。
行けばまずは「自衛艦旗」に敬礼せねばね。
戦前世代では「軍艦旗」。戦後自衛隊法で制定されて同じデザインながら法的な繋がりがきれてます。同じデザインなのに違う名前。でも海外では「Japanese Navy」の旗なのです。黄金比率でデザインされた旭日旗は美しいです。
ちなみに、マストの旗は「隊司令旗」で隊司令が乗艦していますという表示です。
艦長の在、不在も旗で分かるんです。
旗というのは意味が一杯あるんですよ。
一般公開の出入り口は格納庫とつながる作業用の出入り口。
「舷門」と言われますこれが「いせ」の玄関なんです。
いせの銘版は伊勢神宮から頂いた欅でできています。
これが一般公開用出入り口。格納庫に直結しています。
オリジナルファイルもくれるって嬉しいな。
格納庫内にはSH-60Kが入っています。通常の入港時はHS部隊は航空基地に帰って行くので空になります。今回は広報用に入っているんです。
ちなみに米空母も横須賀に入港するときは航空機は艦内に残ってない空の状態なんです。
それにしても広い格納庫ですわ。回転翼を広げて列線整備できるのは運用上で大きなアドバンスになるでしょう。3機と言わずDDの格納庫使わずに護衛隊群のHSの運用が可能になりそうです。
中央に前後2基のエレベータが設置されています。
上下移動に約1分でHSを格納庫、飛行甲板の移動をさせます。
感覚的ですが、米空母の方が早いと思います。
空母という観点ではエレベータの位置自体が戦前の日本空母を連想してしまいます。興味のある人は「斜行甲板」という空母の3大発明の一つを知ればもっと面白いと思います。
子どもには無料でピンバッチ等の配布や制服の撮影もできます。
子供心にこんなの着たら愛国少年になるわなあ・・・。
飛行甲板では防火服の試着もあります。
艦船で一番怖いのは浸水ではなく、「火災」なんです。
「しらね」のCIC火災、「くらま」の関門港衝突での火災事故・・・。
初期消火に失敗してDDHばかり情けないダメージコントロールなんですけどね。
艦橋は右舷に配置されています。
艦橋の上にはフェイズドアレイレーダー。イージス艦は米国製のSPY-1ですが、これは国産。パッチみたいなものですが、これも近代レーダーの趨勢です。
その上のマストはステルスを考えた構造。航海、水上レーダー、電子戦兵器が並んでいます。ヘリのリンクもあるし、萌えますわあ・・。
艦内に何箇所かあります。これは機関砲の台座。
海賊対策や臨検を意識された作りです。
20m機関砲「CIWS」これは個艦対空防御の最後の綱です。
護衛艦にこれのない艦は「しらせ」くらいやなあ。
定番の個艦防御兵器なのですが、これは右にカメラがあって手動射撃もできるようになっています。明らかにPKOでも使えるように配慮された改造が加えられてます。
飛行甲板に小さいエレベーター。これは弾薬のエレベーター。
ヘルファイヤーや魚雷が上がってきます・・・。ってことはこの下に弾庫があるんですわなあ・・・。弾庫は防御の重要箇所ですが、こういうところから構造が推測できてきます。
VLSのセル。この中にアスロックやシースパローが入っています。
舷側にチャフのランチャーがあります。
チャフとは欺瞞で赤外線追尾を避けたり、FCSレーダー波を逸らせるものなのです。
燃えるもの、アルミ箔が入ってレーダー反射面積を大きくさせるなどの役目を負っています。
もやい(ロープ)もカバーの外された開口部から出ています。これは艦の微妙な角度やマストの形状にも共通する目的「ステルス」性を考慮された造りなのです。
内火艇といわれる小船も格納部はカバーできるようになってますし、救命いかだのポッドも電波を遮蔽する板がついてます。
ステルス性ってどこまで有効なのか分かりませんけど、ここまでステルス設計されている建艦ドクトリンの変遷が実感できる面白い艦でした。
「いせ」の後は「さざなみ」へ。
「たかなみ」型汎用DD。「むらさめ」型は3インチ速射砲がこれば5インチになってます。それには理由があるんですねえ・・・。
5インチ速射砲です。口径が大きくなって砲弾がすごいのです。
ダミーの砲弾です。先にVT信管があるし、発射後の爆発秒時の設定もできます。
対空、対地、対艦、弾種は同じなんです。
実弾は画期的な砲弾ですわ・・・これ。3インチから5インチに変わったのは全てこの砲弾の為なんです。
艦橋です。CIWSの前にVLSのセルがあります。マストを「いせ」と比べると明らかに前世代型。要はステルス性がないんですわ・・イージスの「こんごう」型と同じレベルですな。中途半端なステルスなんですねえ・・・もったいない。
短魚雷発射管。まあ対潜戦おきまり兵器ですが・・・・。
あるだけでほとんど使いません。
これは洋上補給器具。補給艦と並んで補給するのです。
昔なら「ハープーン」ですが、これは国産90式ミサイル。
対艦ミサイルです。
HSの格納庫。「いせ」を見ると小さいと思うかもしれないけど、明らかに「きり」型よりも大きい。2機まで収容できる構造。
実際の運用は1機やろうけどね。
見学後対岸のポートアイランドへ。
神戸大橋の赤と護衛艦のグレーがいい感じ。
余談ながら・・・ヘリパイのカバン。いっぱいステッカー着けてますわ。
自衛官って部隊のステッカーとか部隊帽子とか好きなんですよね。
限られた中でオシャレしたいんですよね・・・。
SH-60Kです。
SH-60Jの後継機です。機首の先にはIRやカメラや色々な情報収集機器があります。
60Jから60Kに変わった一番の違いはまずは回転翼の翼端。
複雑に加工されていて従来よりも揚力の向上を図っています。
左舷にミサイルのポットがあります。
対潜戦だけでなく、対艦攻撃能力を付与されています。
MADの曳航器。磁気の乱れから潜水艦の存在を探します。
右の窓と日の丸のスペースはカバーされています。
外すと「ソノブイ」と言われる投下型のソーナーが発射されるところです。
コックピット。言わずもがな男の子の憧れの職業、パイロットの仕事場。
機体の下部にあるレーダー。電磁波の強力さが表示で分かりますね。
使用時20m以内にいたら・・・。
きっと男ならキン○マが不能になります。
ちなみに海自の子どもは女の子がすごく多いのです。
レーダーの電波浴びすぎ・・・とかまことしやかに言われてます。