世界のブナの森
自然写真家 永幡嘉之の公式ブログ

山形を拠点に、世界のブナの森と、極東ロシアを巡る博物誌




このページのすべての写真・記事の無断複写・使用を禁じます。












1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

チャノキの花

チャノキ(お茶)の花。ホシホウジャクが盛んに訪れていた。

 

ガマズミの実。ユウガギクは終わり、ノコンギクは花盛り、ノジギクはまだ小さな蕾しかついていない。

11月10日、山形市自宅庭

 

色づくクワ

 

色づいたクワ。11月4日、山形県

ソバ畑のツキノワグマ

ツキノワグマはイネよりもむしろソバの畑に強く依存していたことが、ようやく理解できてきた。

 

ソバの落穂を拾いながらじゃれる仔熊

 

2つの集落で17個体を見るなかで、どのような場所で採餌するのか、なぜ昼間に行動するのか、なぜ1ヶ所に集中するのか、傾向がつかめてきた。

 

月明かりのなかでソバの落ち穂を拾う

 

夜明けの里山

 

ツキノワグマの吐く息が白い

 

朝露が朝の陽射しを受けて輝く

 

眩しい朝陽のなかでソバを食べ続ける

10月29-31日、秋田県

北限に近い「あがりこ」状のブナ

ナマハゲのような、「あがりこ」状のブナ

 

八甲田山は「あがりこ」状のブナ、すなわち春に残雪の上で炭焼きが行われていた地域の北限に近い。

 

10月30日、青森県八甲田山

オオユウガギク

音楽を奏でているようなナガミノツルキケマンの実とオオユウガギク。

 

草原で発生していたツマグロキチョウは、これから成虫で越冬するため、食草の群落から200mほど離れた林に移動していた。林縁のクズの葉上で秋の陽射しを受ける。

 

林縁で体を温めるツマグロキチョウ

 

ヤブマメの実

 

秋の朝

 

早朝のオオユウガギク

 

早朝からの草刈り

10月25-26日、岡山県蒜山

色づくブナ

鳥海山のブナも色づいてきた。10月24日、秋田県由利本荘市

ウラギンシジミ

週末の日本海側は強風が吹き荒れ、路上には木々の葉が散乱していた。葉裏で夜を明かすウラギンシジミが2日続けて地面に落とされて、ササや枯れ枝にしがみついていた。
 

これも2010年頃に山形県を通過して秋田県内に入った北上種だ。常緑樹の葉裏で越冬するが、日本海側では低温よりもむしろ、冬の強風のほうが越冬中の死亡要因になっている可能性が高い。
10月23日、秋田県

ツキノワグマ

秋田での調査の合間に無理やり時間を捻出して、どうしても気になっていた県北のクマの状況をもういちど見てきた。朝だけで、ひとつの集落のまわりで10頭を見た(12回見たが、同じ個体が2度現れた可能性が2回あった。他は明らかに別個体)。

何の事前情報もなく、たまたま車を停めた主要な道路沿いのごく一般的な集落だった。6時にはチャイム、6時半にはラジオ体操が有線から流れ、犬の散歩の人が道を歩く。そのなかでクマは巧みに人目を避けながら、水田でイネを食べ続けていた。

画面右下の水田に黒い点。肉眼では、隠れているので見えないことの方が多い。

 

午前5時半、水田でイネを食べる中ぐらいのツキノワグマ。辛うじて物が見えるかどうかという薄暮時(午前5時過ぎ)に林から出てくるのが見えた。前夜からそこにいた私には気づいていないが、道路を時折車が走り、6時になって有線放送のチャイムが流れてくると、首を上げて警戒していた。長いレンズを持っていないので、記録写真が精いっぱいだが、現状を少しでも知りたい。

 

午前6時半、ラジオ体操が響き、霧が立ち込めるなか、水田でイネの実を食べる大きなツキノワグマ。10分ほどして私の存在に気づくと耳を立て、ほどなく足をとられないよう飛び跳ねながら水田を横切り、川を越えて200mぐらい離れた林へと逃げていった。

 

午前7時前。この集落のクリは1個残らず食べつくす勢いでクマ棚ができており、下草が踏まれてきれいになくなっていることで、落ちた実も毎晩のように食べていたことがわかる。もうクリの時期は終わりなのだが、それでもわずかに残った実を求めて高所の枝が落とされて、道路がふさがっていた。
すぐ近くで川沿いの牧草地を横切っていく親子のツキノワグマを見た。おそらく夜が明けてもクリを折っていたのだろう。そのまま川の堤防を歩いて姿を消した。

 

午前8時、日が当たる水田で親子(子は1頭)のツキノワグマがイネを食べている様子をみていると、その隣の水田にも2頭の子を連れた別のツキノワグマが出てきた。後者の親子は午後にも同じ水田に出てきていた。

 

ツキノワグマが食べ続けた水田は穴だらけになっている。

 

昼間は車で1時間以上かかる場所に昆虫のモニタリングに行かねばならなかったので、14時半にこの集落に戻ってきた。先週にイネを食べるツキノワグマを見た水田には今日はまったく出ていないと思っていたが、広角で水田の環境を撮っていると、イネの間から黒い耳が出ていた。慌ててレンズを変えようとするが、すぐに逃げられてしまい、イネの間から出る耳も、電柵を潜る瞬間も撮れなかった。

水田のなかに潜んでいるツキノワグマ(中央奥)。人や車の気配には非常に敏感で、こうして巧みに身を隠すうえに逃げ足も速いので、よほど注意しなければ見落とす。

 


午後には集落のまわりで6頭を見た。

 

糞を見る限り、イネは消化されておらず、空腹は満たすもののエネルギー源を摂取できていない可能性があることが気にかかった。1/4ぐらい消化されているものもあったが(誰かに踏まれていてキタナイので撮らなかったのは失敗)、真新しいものはほぼ潰れていなかった。口に対して粒が小さすぎるので、籾殻を外せないのではないだろうか。もっとも、9月上旬まではイネの実は乳化した状態なので、その時点までは摂取できていると思われる。

 

夕方からはさらに別の場所で調査が控えており、日没まで見ていたかったが、ここで観察を打ち切った。
10月23日、秋田県

 

里山の変化

いま、私が撮影して記録しておかねばならないのは里山の変化。10年ほど前まで、見渡す一帯が水田だった。どこでも起こっていることだが、端的に撮影できる場所は多くない。責務から撮っているけれども、個人的には悲しいし辛い。
なお、中山間地では水田の植生がまったく別のものになっているのでそれも撮らねばならないが、今日は広く見渡せる場所には出会えなかった。

南陽市羽州街道沿い、10月21日

黒い影

秋田県北部のツキノワグマの状況が山形とは大きく異なるようにみえたので、所用の合間に2時間だけ、これまでずっと見てきた山形県朝日山系の状況がどのように変化したかをざっと見てまわる。

 


クリのクマ棚はほぼ古くなり、下でクマが実を拾って歩き回るので、下草がきれいになっている。カキにクマ棚ができ始めているが、大きな枝を落としても、まだ一部を齧っただけ。

 


実のつきがよくないコナラにも、2ヶ所でクマ棚を認めた。

何よりもまず、クマ棚は多くとも、クマは昼間には活動しておらず、夜に出てきているようだ。

 


次いで飯豊山系を走ると、クリに夥しいクマ棚がある脇に、こんな時期になってもまだ実を残しているオニグルミを折った真新しいクマ棚があった。10月下旬にオニグルミを食べるなんて、初めて見た。しかしこちらでも昼間には姿を見せそうな気配もない。


クマ棚の数は夥しいものの、やはり秋田とはかなり様子が異なっていそうだ。

 


田んぼで落ち穂を拾っていないか探していると、果たせるかな黒い影が餌を探していたが、小柄でかわいらしい上に、長い尻尾を見せてずいぶん身軽に走って姿を消した。

 

水田で黒猫を見た3分後、道路沿いのソバ畑での光景。民家からの死角になるソバ畑は特別な存在らしい。視界に5頭。両方が画角に入るようにレンズを変えているうちに藪に消えていった。

10月20日、山形県長井市~小国町
 

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>