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経営に終わりはない

I believe the power of internet.

私が就職活動をしていた1995年当時、大手総合商社の営業利益は200-500億円くらいだったと思います。

就職説明会ではソフトバンクの孫正義社長が自ら登壇し、営業利益300億円を目指すと高らかに宣言していました。

「営業利益300億円くらい出せれば一流の会社の仲間入りだ、自分もいつか起業してそのくらい利益の出せる会社を作るぞ」

と決心したのを覚えています。

先日発表された2015年9月期のサイバーエージェントの決算は営業利益300億円を越えました。私は2012年の10月で役員を退任したので、もう離れて丸3年が経ちましたが、自分のことのように嬉しく、またかつての仲間を誇らしく思いました。

私は今、投資家として、起業家として様々なことにチャレンジしていますが、サイバーエージェントで学んだ一番の収穫は、人材に対する考え方です。

多様な人材の能力を引き出して成果にコンバージョンするという意味でサイバーエージェントは最も成功している会社の一つだと言っても過言ではありません。

新卒社員が入社後わずかな期間で他の会社では考えられないような驚くべき成果を上げたり、長年芽が出なかった、あるいは失敗をした社員がセカンドチャンスを活かして驚くべき成長を遂げたりと、数えきれないくらいの人材活用の成功事例を日常的に目にしました。

松下幸之助が「事業は人なり」と言ってますが、まさにサイバーエージェントはそれを体現している会社だと思います。

藤田社長はよく人材について語っていますが、この記事は彼の考えが非常に良くまとまっていると思います。是非ご一読ください。

人材が先、事業は後
サイバーエージェントはなぜ終身雇用にこだわるのか
http://www.dhbr.net/articles/-/3601
最近私のところに転職してきた数名のメンバーによく言ってることは、

「せっかく環境が変わったのだから、新しい環境で自分のイメージが固まってしまう前に、前の職場での自分のイメージを良い意味でぶち壊してチャレンジし、一皮剥けて大きくなろう」

ということです。

大前研一氏が下記のようなことを言ってます。
「人間が変わる方法は3つしかない。ひとつ目は時間配分を変えること。ふたつ目は住む場所を変えること。みっつ目は付き合う人を変えること。どれかひとつだけ選ぶとしたら、時間配分を変えることが最も効果的なのだ」

転職は上記の要素を全部変えられるチャンスです。

自分も、進学で上京した時、大企業からベンチャーに転職した時、前職から今の仕事に変わった時、それぞれ環境の変化があったからこそ、そのタイミングをきっかけに自分を変えることができたと思ってます。

今日はたまたま天赦日なので新しいことにチャレンジするには良い日ですね。
新規事業や会社を立ち上げるとき、個人的にこだわっていることが一つあります。

それは、

「一見誰かにすぐ任せられそうな仕事でも、事業の本質として重要なことは、自分がしっかりと理解できるまでは、最初からしばらくの間は自分の手でやる」

ということです。

最近立ち上げ中のQrioという会社もHPの文言から営業、ユーザーサポートまでつい最近まで自分でやっていました。(もちろん協力頂いている関係者の方はいらっしゃいます)
http://qrio.me/SmartLock/

以前、確かカンブリア宮殿という番組で、ユニクロの柳井社長が次のようなことをおっしゃってました。

「チラシは消費者へのラブレターであり、我々にとって非常に重要な媒体
ラブレターを人に書いてもらうわけにはいかないので自分で書いている」

端から見ると、社長自らがその仕事やるのですか?、と驚かれるようなことでも、実は事業によっては極めて重要な仕事だったりします。

顧客を知るというのは、経営において一番重要なことで、最初からそれを任せすぎたり、社長が努力を怠って顧客のことが分からなくなると会社はおかしくなっていきます。

事業や会社が上手くいかなくて悩んでいる社長(経営者)は、部下にあれこれ指示するのではなく、自ら現場の最前線に出てみるとか、ユーザーサポートをやってみるという原点に立ち返ると、何かしら突破口が開けるかもしれません。