安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

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残月(2nd PRESS)/Kαin

 

1. 残月

2. 残月(Inst)

3. 残月 20230502LiveVer.

 

2022年にリリースされた「残月」が完売したことを受け、2023年末に発表された2nd PRESS。

 

ライブ会場を中心にした閉じたマーケットでの販売ながら、初回盤の1,000枚を完売。

しばらく入手困難となっていた作品が、オリジナルカラオケとライブテイクを追加しての再販となりました。

アートワークも一部変更になっていて、初回盤を持っていても購買意欲を唆るパッケージにしてくるのがYUKIYAさんらしいですね。

 

収録された「残月」は、Kαin流の哀愁レトロといった様相。

ジャジーなリズムに、お洒落なギターリフ。

どことなくオールドスクール的なケバケバしさも感じさせます。

ある種、本質の不変性を武器としているバンドではありますが、本作については、挑戦と進化を象徴している楽曲。

ヴォーカルラインが淡々としているのも、感情表現を重視する彼らにとっては珍しいと言えるかもしれません。

 

興味深いのは、ライブテイク。

スタジオ音源を聴いた段階で、こういうライブスタイルになるとは想像できなかったな、と。

しっかり煽り、しっかり盛り上げる。

そして、こういう大人びたナンバーでもYUKIYA節は健在で、同じ曲とは思えないほどの没入感があるのですよ。

前言撤回、やはりYUKIYAさんの、もといKαinの魅力は感情表現。

歌唱に感情が乗っていくのに引っ張られて、演奏全体がエモーショナルに展開していきます。

 

相変わらず、マーケットとしてはコアなファンにのみ開かれている印象ではあるものの、その分の熱狂は充満。

価格設定的に、曲数が増えたうえにグッズとのセット販売でなくなったことで手を伸ばしやすくなったのもポイントでしょう。

メルマガ会員を対象に門戸を開いてくれて、ありがたい限り。

制作経過はときどき伝えられるものの、ほぼ完成する気配がないアルバムも待ち遠しいです。

 

 

<過去のKαinに関するレビュー>

NOWHERE

ræcy

Instrumental#1

Hane/Again e.p.

NUMBER SIXXX.

葬 -so-

paradiselost

トライアングルデカダンス~絶章~/V.A.

 

1. Décadence

2. Demise

3. Delude

4. Despair...

5. Decide

 

コラボレーションCD"トライアングルデカダンス"シリーズの第三段。

 

Marvelous Cruelty、La'veil MizeriA、Misanthropeの3マンイベントにて販売される企画CDも、早いもので3枚目。

従来は、各バンドが1曲ずつとコラボレーション楽曲の計4曲が収録される仕様でしたが、本作はコラボレーション楽曲のベスト盤のような内容に。

新曲は1曲のみではあるものの、第二楽章においてはコラボ曲違いで3種類が発表されていただけに、まとまった作品としてドロップされるのはありがたいですね。

 

"D"で始まる英単語にこだわった全5曲。

作曲はすべてMisanthropeのGt.摎邪さんが担当しています。

もっとも、この3バンドにおいては、誰が作曲したところでコテコテ感満載になっていたのでしょう。

言葉にするといつも同じような感想になってしまうのが心苦しいですが、期待通りの音楽が届けられる安心感は、もはや伝統芸能の域に達しているのでは。

 

その中で、唯一セオリーを外してきたのが「Delude」。

ある種、もっともコラボをする意義を見出したとも言えるナンバーで、チープな打ち込み感をあえて押し出したダンサブルなアレンジ。

歌唱についても、3人のテンションの違いが妙な空気感を生み出していて、おふざけというわけではないのだけれど、本筋とは異なる不思議な1曲となっていました。

中毒性があって、アクセントとして効いています。

 

「Decide」は、本作における新曲枠。

鋭いギターのリフに、性急なリズム。

スピード感とメロディアス性を両立したダークチューンとなっています。

もったいないのは、コーラスワークが少し雑。

ハモるならハモる、ユニゾンならユニゾンで割り切っても良かったと思うのですが、オクターブ違いで声を重ねることでコーラス感を出そうとしたのか、メインとなるヴォーカルラインがどこかよくわからない状態に。

ブレスのタイミングや歌い尻を伸ばす長さなどもバラバラで、せっかく曲が王道なのに、企画モノ感が際立ってしまうのですよ。

 

ただし、同じコラボ曲で仕上がりに差があるのも、90年代懐古主義的なバンドにとっては趣と言える。

Marvelous Crueltyが無期限活動休止となってしまうため、本作がシリーズ最終章となってしまう可能性もありますが、いつかひょっこり帰ってきてほしいイベント&コラボレーションシリーズでした。

 

<過去のトライアングルデカダンスに関するレビュー>

トライアングルデカダンス~第二楽章~

トライアングルデカダンス

Living Hell/deadman

 

1. dlof facs:2.0

2. please god:2.0

3. blood:2.0

4. follow the night light:2.0

5. additional cause for sorrow:2.0

6. please god:2.0(ORIGINAL KARAOKE)

7. blood:2.0(ORIGINAL KARAOKE)

8. follow the night light:2.0(ORIGINAL KARAOKE)

9. additional cause for sorrow:2.0(ORIGINAL KARAOKE)

 

ライブ会場と通販限定でのリリースとなったdeadmanのリテイクアルバム。

 

オリジナルアルバム「Genealogie der Moral」との同時販売。

こちらは流通に乗せず限定リリースとしたのは、メインディッシュを明確にするためでしょうか。

通販はMAVERICK STOREでの販売となりますが、逹瑯さんのオリジナルアルバム「COLORS」、カヴァーアルバム「Pandora Juke Vox」とほぼ同一の形態なので、バンド単位ではなく、もっと大きな枠組みでの戦略としてやっている節もありますかね。

お財布は苦しくなるものの、1曲差し替えで2タイプ同時、とやられるよりは気持ち良くお金が出せるのでは。

 

再始動後、リテイクアルバムを継続的にリリースしているdeadman。

「I am here」、「I am here-disc 2-」、「dead reminiscence」に続く、第四弾となるのが、この「Living Hell」となります。

本作には、SE+4曲、およびそのカラオケヴァージョンが収録。

実質的にはミニアルバムサイズと徐々に小出しになっているのは気になるところですが、そろそろアップデートは完了かな。

前作同様、Ba.kazuさん、Dr.晁直さんもアレンジに噛み込んでおり、アーティスト写真にも登場。
クレジット上でもサポートという表記はなく、レコーディングメンバーとしてVo.眞呼さん、Gt.aieさんと並んで表記されているのが熱いなと。

 

選曲されたのは、1stミニアルバムの「SiteOfScafFold」と、2ndアルバムの「in the direction of sunrise and night light」から。

DEADMAN名義でリリースされた「subliminal effect」を除けば、最初と最後をクッションなしで繋いだ形です。

これで違和感なくまとめているのが、さすがの一言。

むしろ、馴染むまでライブを重ねて熟成させたと言う方が妥当かもしれません。

アレンジは既にライブで聴いているものをパッケージしたというイメージで、前作までにあったセカンドインパクトは薄れるものの、その自然さが、冷静に振り返ったときに衝撃となって帰ってくる。

特に「SiteOfScafFold」の収録曲は、「701125+2」でのリメイク版ではなく、オリジナルの要素を踏襲したうえで「follow the night light:2.0」の優しいサウンドと地続きになっているのだもの。

 

なお、「blood:2.0」にMUCCのGt.ミヤさん、「follow the night light:2.0」にはシドのBa.明希さんが参加しており、聴きごたえは十分。

こんなところにも、MAVERICK色が出ていて面白いです。

 

<過去のdeadman(DEADMAN)に関するレビュー>

Genealogie der Moral

dead reminiscence

RABID DOG

苦悩の中の耐え難い存在-demo tape 2002-

「I am here」「I am here-disc 2-」

in the direction of sunrise and night light
701125+2
雨降りの向日葵
no alternative

siteOfScafFold

subliminal effect