紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる

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西へ夜へ

 こもごもの事情からドバイを経由する西回りの旅程を選んで、雪の長崎を立ちサンパウロへ向ったのは大晦日の朝だった。

アジア大陸、中東、サウジアラビア、アフリカ大陸、大西洋を横断する西回りのコースで、待ち時間を入れると片道40時間になんなんとする長旅である。


深夜の関西空港を発った飛行機は地球の自転に抗い西へ西へ夜へ夜へと突き進む。

朝鮮半島、黄海、中国を横断しインド、パキスタン、アフガニスタン、イランあたりの上空を迫り来る夜明けを逃れるように飛び続け、元旦未明のドバイへ降り立った。


 道中起きている間私は専ら本を読んだが、多くの旅行者は座席に設えられたモニターで思い思いの番組を視聴していた。読書に疲れた私もそれに倣い何気なくスイッチを入れてみると、フライトインフォメーションというプログラムにアクセスした。


 画面には現地点とコースを表す地図が示され、飛行速度、高度、現地時間、温度などが刻々と映し出される。

このGPSの威力はエコノミークラスのシートに延々と座り続ける苦痛を紛らすだけでなく、自分は今未知の世界の上を進んでいる、という妙に新鮮な感覚をもたらしてくれた。


 飛行機の窓はおおかた闇を映すだけだが、ごくたまに地上の灯をとらえることがあった。

漆黒の地に点る明りはいとおしい。はっとしてその位置を確かめる。

モニターではきわめて大まかな位置しか分からないが、その度に「ああこんなところに人が住んでいる」という感慨にとらわれ、いつか読んだ『集落とはひとつの思想だ』という文の欠片が思い浮んだりした。

次いで、もしあれがアフガニスタンのヒンドゥークシュの山襞に点る灯だったとしたら.....

無人爆撃機というものの救いがたい仕打にやり場のない怒りを感じたりもした。



  初旅は西へ西へと夜を追ひ

reliques relics ルリック

パリ在住のコリーヌ グラディス さんと エロディ ワタナベ さんのテキスタイルの作品集「ルリック」の紹介です。



紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる


主にアフリカの布切を使った作品で全体に籠や小箱がモチーフになっています。

15.5×21cm 横開き 54頁 の写真集で、英仏日三ヶ国語の解説や随想があります。

読み物としても楽しめます。

ブックカバー裏面の日本語の紹介文を引用します。


<二人の出会い>

エロディ ワタナベは、1977年長崎で生まれ育ちました。19歳のとき、ファッションとテキスタイルの勉強をしにパリに来ました。そしてテキスタイルの学校でコリーヌ グラディスと出会いました。4年後、二人は一緒に仕事をすることを決めました。1945年パリで生まれ育ったコリーヌは、美大を卒業した後、長い間エッチングをしていました。木を切って組み合わせ、彩色をする仕事もしており、室内装飾品を数点創りました。コリーヌとエロディは、アップリケの技術に、そのときのひらめきで自由に描くデッサンのような自由さを感じています。


版元は下記のとおりです。

Editions Corinne Grades

atelier:5 rue des Peupliers 94230 Cachan

Tel/Fax : +33(0)147409639


太郎舎でも取次ぎいたします。価格は1500円です。

お申し付け下さい。

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〒852-8137
長崎県長崎市若葉町1-21
太郎舎
095-849-0281
email:cakei@to.email.ne.jp

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鈴田滋人染色展

紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる 木版摺更紗帯「玉果文」


鈴田滋人さんの個展の案内です。
12月8日まで東京銀座和光で開催されます。
会期中、会場にて鈴田滋人氏による作品解説が予定されています。
11月26日(木)・12月3日(木) 各日ともに14:00~
お近くの方は是非ご覧ください。


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<以下案内パンフレットからの抜粋です>

鈴田滋人染色展
木版摺更紗「型の美」を求めて

11月19日(木)― 12月8日(火)
11月22日(日)・23日(月)休業
場所:和光本館6階 和光ホール


2008年に「木版摺更紗」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された染色作家・鈴田滋人氏による個展です。
氏は木版による線の面白さと、版の重なりや空間から生まれる無限の可能性を追求し、創作を続けています。
今回は、身のまわりの植物をモチーフにした、色鮮やかな着物15点、帯25点、袱紗や染額など合わせて60点余の展観です。


鈴田滋人 略歴
1954年 佐賀県鹿島市に生まれる
1979年 武蔵野美術大学日本画学科卒業
1982年 日本伝統工芸展初入選(以後連続入選)
1985年 日本工芸会正会員となる
1994年 東京国立近代美術館にて「現代の型染」に出品
1996年 日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞受賞、同作品文化庁買上げ
1998年 MOA岡田茂吉賞優秀賞受賞
日本伝統工芸展NHK会長賞受賞、同作品文化庁買上げ
1999年 パリにて日本の工芸「今」100選展に出品
2002年 和光ホールにて個展
2003年 伝統文化ポーラ賞優秀賞受賞
2007年 大英博物館にて日本伝統工芸展50周年記念展「わざの美」に出品
2008 「木版摺更紗」の重要無形文化財保持者に認定される。



紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる 木版摺更着物「残映」




展覧会についてのお問い合わせは下記まで


和光本館

〒104-8105 東京都中央区銀座4丁目5-11 (03)3562-2111

www.wako.co.jp

















Ovo milagroso 奇蹟の卵



紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる



紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる

ブラジルの古い友人、泉修悟さん を訪ねました。
オーヴォ・ミラグローゾ(奇蹟の卵)とは、この手のひらサイズの薄い素焼きの玉子です。
説明書を見ると、


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オーヴォ・ミラグローゾ
冷蔵庫の悪臭を取り除きます。

また、コンピュータのそばに置くと、そこから発生する電磁波の防御に役立ちます。
ひとつの冷蔵庫に2個の使用が望ましい。
効き目がなくなったら煮沸して、一日天日に干すべし。永久に使えます。
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となっています。


家の冷蔵庫で試してみると、なるほど消臭効果抜群です。
しかし泉さんの自信作、素晴しい効果であるにもかかわらず思ったように売れないのだそうです。
どうも説明文にもあるように「永久に使えます。」というところ、ここがネックなんだと思う。
1個買ったらそれをずーっと永久に使えるわけですから。
アクアリュウムの水の浄化にもいいらしい。
素材と製法は秘密だと思いますが、興味のある方はブラジル、アチバイヤの泉窯までアクセスしてみて下さい。


Compras Cerâmica Shugo Izumi
R. José Pires de Oliveira, 426 (Tanque) (acesso pela saída 30 da Rod. Fernão Dias p/ Bragança Paulista), 11 km
tel: (11) 4416-1113

















国会議員になった隠れキリシタン


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元サンパウロ新聞記者で沖縄にお住まいの高橋哲朗氏による「国会議員になった隠れキリシタン 」が出版されました。「時代に翻弄された日系二世の肖像」という副題で、ブラジル移民史の側面を捉えた好著です。
 

写真は生前の平田進@ブラジリア


















テキスタイルアート展 のお知らせ

女性二人組みによる布の手芸品の展示会のお知らせです。


コリンヌ・グラディス&エロディ・ワタナベ
    テキスタイルアート展
 
パリのアトリエで作られる、アップリケの手法による個性溢れる作品をご覧ください。


紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる


紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる

 
展示即売
(収益の一部はカンボジア木の学校プロジェクトに寄付されます)
 
2009年2月21日(土)、22日(日)
AM11:00 ~ PM20:00
 
ECOギャラリー
長崎市出雲町2-150-56
お問合せ先(担当:ナタリー)
TEL:090-1519-2308
 
 
徒歩の場合:石橋電停下車、斜行エレベーター・グラバースカイロード
      グラバー園第2ゲート前経由、鍋冠山方面まで徒歩20分
 
お車の場合:二本松経由、。鍋冠山公園展望台入口近く
      (タクシーは石橋電停から1メーターほど)
 
 
アトリエ:5 rue des Peupliers 94230 Cachan France
http://www.gradis-watanabe.fr
(ギャラリーまでの行き方紹介)

















羊蹄山麓の牧場/松田仁さん


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 北海道の松田仁さんから思わぬプレゼントが届いた。
蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山の麓に広がる高橋牧場の冬景色だ。
同郷の大先輩である松田さんは縁あって北海道に移り住み、牛馬や牧場風景を黙々と描き続けておられる。

乳牛の育成や品評にも造詣が深く、知る限り牛の画家としてその右に出る人はいない。
ご健康のすぐれぬ中、ペットボトルで手を温めながら、私のために三日を費やして描いてくださったという。

美しい水彩で感激に堪えない。早速店に飾った。

厳しい北海道の冬だが、これから春に向けての御快癒を祈るばかりだ。















雅楽ワークショップ@黒髪山音楽ホール/竜界鳳@茨木市きらめきホール

従妹の高橋曜子からメールが届きましたので文面の一部を引用してご案内いたします。

もっと早くアップすべきところ遅くなりました。明日のはなしで恐縮です。


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新年おめでとうございます。旧年中はお世話になりありがとうございます。

本年は早々に、ご都合よろしければお越しいただきたい催しがあります。


*1月12日(成人の日)黒髪山音楽ホール

 京都芸大の作曲家中村典子さんのお計らいで、拙宅ホールにて雅楽のワークショップ


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*1月25日(日)茨木市きらめきホール 

和太鼓とピアノのための私の作品「竜界鳳」約30分の全曲初演(全席指定につき、来られる際はご一報ください)


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遠方の方、ご多忙の方には、仕事始めのご案内をもてご挨拶とさせていただくご無礼どうぞお許し下さい。

主人もとても元気でフルートと畑の両方に励んでいます。

 どなた様にもまずは一年の健康と家内安全、そして沢山の幸に恵まれますことを、お祈りしています。

アストライア by マメ・プロジェクト


紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる


演劇公演のお知らせです。
長崎大学医学部演劇部から派生した演劇集団マメ・プロジェクトの第二弾。


作・演出:金時豆蔵 『アストライア』
20世紀初頭、第一次ロシア革命の後、さまざまな価値観とイデオロギーに揺れるロシアの都サンクトペテルブルグに、不器用ながらも自分自身の真実を求め生きようとする貴族の娘アストライアと、彼女を愛した双子の兄弟がいた・・・

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場所
NBCビデオホール NBCソシアビル3F
(長崎電気軌道 桜町電停前)
 
公演日時
2009年1月11日(日)
 1st:13:30開場 14:00開演
 2nd:18:00開場 18:30開演
2009年1月12日(月・祝日)
 3rd:14:30開場 15:00開演
 
料金

前売り 1500円
(高校生以下 1200円)
当日 1800円
(高校生以下 1500円)
全席自由

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◆お問い合わせ・チケット取り扱い

mame-project(マメ・プロジェクト)制作部

tel: 080-6403-5606(直通)

meil: mame-project@ezweb.ne.jp


乞うご期待!


鈴田滋人さん



紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる

鹿島市の主催による鈴田滋人さんの人間国宝認定祝賀会に行ってきました。おめでたい席に私までご招待くださり、懐かしい人々と旧交を温める機会がもてたこと感激もひとしおでした。
それこそ長い付き合いで、鹿島に出向いた折にはときどき家にお邪魔しますが、工房で製作中の彼を見たことは一度もありません。祝賀会場で披露された製作中の映像を拝見すると、その顔はにこやかに談笑するいつもの彼ではなく、神々しいほどの厳しい表情、まごうかたなき美の追求者の面持ちでした。
生前のお父さんにうりふたつで昔にタイムスリップしたような錯覚に捉われます。
人間国宝になってしまったけれど、会えばいまだに「しげ坊」「けーたちゃん」と呼び合う間柄で、昔からの自然や習俗の記憶を共有しています。
極度の集中を余儀なくされる日常にあって、「これからはよく食べることとよく寝ることに努めたい」という滋人さんに心から祝福と声援を送ります。
最高に嬉しい一日でした。

紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる

写真は佐賀県が発行している広報誌「ざんざ」2008年秋号、鈴田滋人特集号から引きました。

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