何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

 

 

 

これは夢だ、それは分かっている。
それでもこの暗号だけは忘れてはならない。







猫のクッキー缶と紅茶缶。
をお土産に選び、駅に向かう所。
友達の運転する車の中、道案内をする。
「この道を真っ直ぐ、突き当ったら左。」
のはずだったのだが突き当りの左は行き止まりだった。



「おかしいな、どこで間違ったんだろう。」
突き当りを右に進みUターンするが
道は真っ直ぐどこまでも前方に続いており、
左にも右にも曲がれなくなってしまった。
左右は奇妙な建物が立ち並ぶ住宅地だ。



「一度家に戻ろうか。」と友人が言い、
友人の家に向かい出した途端、左右に道が出現する。
本日の新幹線、何時発だったか。
間に合うのだろうか。
「見せたいものがあるの。」



友人の家はレンガ造りのマンションの二階。
重厚な黒い外階段を昇り、扉を開ける。
友人が持ってきたのは一枚の絵だった。
人物の横顔?
いや、横たわる猫の絵だ。
右下にサイン?
いや、これは何だろう。
何かの暗号だろうか?
いや、本当は分かっている。



これは夢だ、それは分かっている。
それでもこの暗号だけは忘れてはならない。
間に合わなくても
辿り着けなくても。
この暗号だけは、
と目を凝らした瞬間
一文字一文字が次々と姿を変えて行く。
これは夢だ。
それでも。



「傘を持って行ってね。」
友人が言う。
もうすぐ目が覚める。
時間が無い。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月も明日でお終い。
の、今日は木曜日。
明日が金曜日で、
土曜日はお友達一家が遊びに来る。
髪も切ってさっぱりする。
6品くらい作る予定。




6月1日のメニューは大体決まった。
決まったけど思い描く通りに出来るかな。
時間かかりそうだから、スタ練はお休み。
美味しく出来ますように。
食べてくれますように。




その前に明日は会社帰りにお出掛け。
楽しい予定が続くから、
今日もがんばらねば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良く知った街の、
行きつけのライブハウス。
のはずなのにその入り口がどうしても見つからない。
そもそも最寄り駅の何口から出るのだったか。
この街の駅には、
200通りもの出入り口が存在するらしい。
という事を擦れ違った韓国の旅行者が教えてくれた。



カムサハムニダー、と言いつつ半分諦めて
とりあえず一番近くの8番出口から街へ出て行くと
出口付近で何やら甘い匂い、ショーケースが並んでいる。
中には極彩色のケーキ、パンに焼菓子。
食品サンプルのように、艶々と輝いている。



食べられるのかなあ、と思っていると
「食べられないって言ったら駄目じゃないか。」と
先輩店員が後輩店員を叱っている。
やっぱり食べられないのか。
じゃあ、甘い匂いは香料か?
と思いつつ目の前の通り沿いを少し歩いてみる。



とあるビルの前に行列が出来ていたので
何だろうと立ち止まると、またまた甘い匂い。
ビルの1Fがドーナツ屋になっているらしい。
表から見えるショーケースに、ドーナツがずらり。
ところがそれも極彩色、食べられるようには見えない。
食べられないのが流行?
甘い匂いの?



まあいいか、ライブハウスに急がなければ。
良く知った街の、
行きつけのライブハウス。
のはずなのにその入り口がどうしても見つからない。
この街はこんなに広かっただろうか。
旅行者ばかりの、
広過ぎる街。