皆様は『ロマ』

『ジプシー』と聞いて、

どんな人々を想像しますか。

 

(『ジプシー』は差別用語では?

と思った方もいらっしゃるかも

しれませんが、私がここまで

文献などを読んだ感じだと

『ジプシー』を『差別用語』と

切り捨ててしまうのは

『その言葉が何故

問題とされたのか』を

考えるのではなく、

その思考を放棄し

『その言葉を使わなければ

何を言っても大丈夫』的

態度を助長させる危険性が

大きいのではと思う面もあり・・・)

 

(言い換え語として使われる

『ロマ』も、すべての

『ロマ/ジプシー』当事者に

受け入れられている

呼称ではないらしいのです)

 

(というわけで今回は

私が必要、妥当と判断する場合は

『ジプシー』という言葉を

使っていきたいと思います、

どうかよろしくお願いします)

 

心の中に自分のイメージする

『ロマ/ジプシー』像を

描いてください、そして

その上で私の

次の質問にお答えください:

そのイメージは

何に基づいて

構成されたものですか?

 

ちなみにですね、

私がまず思い描く

『ロマ/ジプシー』の姿はですね、

女性は髪が長くて

ショールを巻いていて

スカートは長い丈で

装身具(腕輪など)を

たくさん身に着けていて

そして歌舞音曲に秀でている。

 

男性も歌や踊りが得意で

派手な服を着て

腰には幅広のベルトを締め、

そんな彼らは幌馬車を家とし

夜になると焚火を囲み

心の赴くまま世界を旅する。

 

・・・こういうイメージが

私の中でどうやって

作られたのかというと・・・

 

まずは漫画(手塚治虫とか

水野英子とか・・・)、

 

 

 

 

 

小説(『カルメン』や

ホームズの『まだらの紐』)、

 

 

 

 

 

 

舞台(バレエ

『ドン・キホーテ』)

 

 

大人になってからだと

キングの『痩せゆく男』や

 

 

 

 

あ、あとディズニーの

『ノートルダムの鐘』。

 

 

 

 

『ティンティン』にも

そういうエピソードがありました。

 

 

 

 

というわけで

私がこれまで接してきた

文学・芸術作品における

『ジプシー』は、勇敢で

自由で陽気で仲間思いで・・・

 

『痩せ行く男』では

超常現象をもたらす

不気味な存在として

描かれていましたけど・・・

 

あ、トマス・ハリスの

『ハンニバル』の

スリが得意な彼女は

ズバリ犯罪者でしたが

あの小説、登場人物

ほぼすべて

悪人か犯罪者でしたし・・・

 

 

 

 

 

ともあれ!

 

そんなわけで私が

「現代にもロマ/ジプシーは

存在する」と聞いた時、

私はまず「ああ、それ、

知っているわ、知識として」と

反応し、続けて

「英国にも存在する」と

聞いた時に初めて

「え?そうなの?あ、そうか、

うん、それも知っていた、

実際に目にしたことはないけど

知識としては持っていた」

となり、で、その時にまず

漠然と思考したのが

「・・・第二次大戦時の

迫害を経て、欧州における

ロマの人権状況は改善した、はず。

ということはあれだ、

欧州のロマの皆さんはきっと

特別な欧州全域通行手形の

ようなものを持っていて、

その心の望むところ・

赴くところに思うがままに

旅をしていく権利を

有しているに違いない。

そりゃ勿論現代社会で

馬で轢いた幌馬車を

利用していたら

色々不便だろうから

移動手段は車、

キャンピングカーになって

服も現代風なんだろうけど」

 

・・・物を知らないって

本当に恐ろしいですね!

 

私としても一応ニュースで

『トラヴェラーズによる

土地の不法利用・占拠』などの

話は耳にしていたんですが、

それはそれ・これはこれの精神

頭の中でその2つが

結びついていなかったというか。

 

(念のため

確認しておきますけど

欧州ロマの皆さんは

そんな特別手形とか

持っていませんからね)

 

そんなわけで

『トラヴェラーズによる

土地の不法利用・占拠』の話は

明日に続くのでございます。

 

 

つまり私の脳内の

『ジプシー』像は基本的に

中世までのそれに

現代風の脚色が

入ったものだったわけです

 

皆様が『ジプシー』を

イメージする時、脳内には

どんな人物・集団の

画像が浮かびますか?

 

そのイメージをどこで

手に入れたと考えますか?

 

我々日本人の多くは

実際にジプシーと交流する

機会を持ったことは

少ないと思うんですよ

 

ということはそのイメージは

第三者を介したもの、

二次資料を通して得たものになる

 

その時我々は無意識のうちに

その『第三者』の感想・判断を

自分のものとしがちである

 

これ、結構怖いと思いませんか

 

ジプシーに対し

悪印象を持っている方も

いらっしゃると思うんですが、

たとえば彼らが

「スリをする」とか

「脱税している」とか、それ、

本人たちから直接

その旨聞きました?

 

よく思い返すとそれって

「小耳に挟んだ噂」が

元になっていませんか?

 

確固たる根拠とか

実際の数字を

示すことができますか?

 

こういう風説の流布の

怖さがわかるあなたも

ちょっとピンとこないアナタも

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皆様は『トラヴェラーズ

(Travellers)』という

言葉を聞いたことがありますか。

 

素直に訳せば『旅人』ですが

『漂泊民(居住地を

持たずに生きる人々)』を

意味することもあり、

現在私が気になっているのが

この後者の意味の

『トラヴェラーズ』です。

 

 

そもそものきっかけは

数年前のある朝

とある大型駐車場で

薄着の晴れ着を着た女性たち

数名とすれ違ったことで、

夜遊び服とかそういうのとは違い

『これから披露宴に出ます』

くらいの盛装なんですけど

でも季節的にも時間的にも

何故君たちはその上に

防寒服をもう一枚着ないんだ、

みたいな感じで、

同時に私はそのお嬢さんたちの

人種というかそういうものが

まったくわからず。

 

なんか微妙に危ないことを

書いている気が

しないもでもないのですが、

肌の色や顔立ちや言葉から

あ、この人は元々は

東アジアの人だな、とか

南アメリカの人かな、とか

(こっちの勝手な憶測も含めて)

判断できちゃう・できたつもりに

なっちゃう時ってありますでしょ。

 

そういう瞬間的な

「きっとこの人は」的直感が

まるで働かず、そして言葉。

 

彼らの言葉が本当に私が

今まで耳にした

どんな外国語とも

異なっていたのです。

 

すれ違う際に私は笑顔で

挨拶をしたのですが

彼女たちはまるで聞こえぬ風で

私のことを一瞥もせず去っていき。

 

朝靄のかかる駐車場で

私は一瞬自分が夢を

見ているのかと思いました。

 

彼女たちは駐車場の奥に

停めてある巨大な

キャンピングカーに乗り込み

そして走り去っていきました。

 

このことを夫(英国人)に話し

「観光客(ツーリスト)という

感じでもなかったし

地元民という様子でもなかったし、

服装や身のこなしも

本当に私が今まで見て来た

どんな女の子達とも違うんだよ」

 

「・・・その子達、

もしかして

『トラヴェラーズ』かも

しれませんね」

 

「旅行者(トラヴェラーズ)

だとしたら一体どこの国から

英国に観光に来たんだろう。

あの言葉、どこの国の

言葉なのかなあ、ほら、

どこの国の言葉かは

わからないけど

東欧言語っぽいとか

あるだろ?私にとって

まるで手掛かりのない

言葉の響きだった」

 

「いえ、そういう

意味ではなく・・・

ほら、『ロマ』、昔は

『ジプシー』と

呼ばれていた人たちです、

わかりますか?」

 

「わかるわかる、え、

ロマの人が英国にいるのか?

あ、そうか、いるよな、

ロマの人は定住地を持たず

この世界すべてが自分の土地って

考え方をするんだから

そりゃ世界中の

どこにでもいるよな!」

 

「ロマの人の考え方について

僕はあまりよくは知りませんが

英国にもロマはいますよ。

スコットランドではあまり

話題になりませんけど

イングランドでは割と身近です」

 

へえ、私は

そういうの知らなかった、

そこらへんもう少し詳しく、と

夫に迫ったところ

「いや、実は僕もロマ問題は

あまりよくは知らないので・・・

むしろ君が学んで僕に

教えてくれたら

嬉しいというか・・・」

 

「なんだそれ」

 

「これは難しいんですよ。

君から女の子たちの話を聞いて

僕が『その子達、ロマでは』と

何故思ったのか、を突き詰めると

そこにはもしかしたら

僕自身が気づいていない

思い込みのようなものが

存在するかもしれませんし」

 

ああ、そういう情報伝達の

危なさみたいなものはわかる、と

その日から私の

勉強が始まったのです。

 

続く。

 

 

私の勉強はまだ途上で

「ロマとは・ロマ問題とは

こういうものである」的

結論は自分の中でも

まったく出ていないのですが

とりあえずどこかで一度

現時点での自分の理解を

まとめたかったので

今回の記事を書いてみました

 

しばらくこの話題が続きます

 

それでこの記事を含めた

一連の記事なんですが、

私は今回の『勉強』を始めるまで

ロマに対する偏見・迫害の歴史が

こんなにすごいものだとは

まったく理解していなくてですね

 

今回の本文の中に当時の私の

ロマに対する『自覚なき偏見』が

漏れ出ている箇所、

皆様お分かりになりますか

 

そういう自分自身の無意識の

偏見への気づきも含めて

私のお勉強報告が続きます

 

よろしくお願いします

 

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容易には信じられませんが

2024年は3分の1が

終わってしまうようですよ。

 

いつの間に!

 

 

そんなことに!

 

というわけで2024年

4月、最終日でございます。

 

今月は途中2回くらい

「これ、第三次世界大戦

始まっちゃうんじゃない?」

という瞬間が

私にはあったんですけど

皆様はいかがでしたか?

 

外で牛を追いかけて

家に戻ったら戦争が

始まっていた、みたいなことに

なったら嫌だな、と

思いながら長靴を

履いたことを覚えております。

 

・・・案外のちの

歴史の教科書では

『第三次世界大戦は

2022年に

開始されたとされる』とか

書かれちゃう気も

しないではないんですけど・・・

 

まあそんなわけで

スコットランドでは

先ほどユサフ首相

(与党独立党党首。

連立を組んでいた

緑の党と決裂、野党の

不信任案を否決できない

見通しに)が辞任を発表。

 

わが夫(英国人)は

数日前にこれを予言していて

「ユサフ氏は辞めますね」

 

「何故そこまで

自信をもって言い切れる」

 

さっきのニュース

『辞任の意思はない』って

言っていました。

『辞任する気はない』と

政治家が言ったら

それは辞任予告の

ようなものでしょう?」

 

スペインの首相

(奥様の汚職疑惑が

問題視されている)も現在

「辞任はしない」と

明言しているんですが

夫の理論は通用するのか。

 

チャールズ国王は

明日(30日)から

公務を再開なさるそうです。

 

6月には日本から

天皇皇后両陛下を

国賓として

ご招待なさるとのこと。

 

それまでに世界が

もう少しこう・・・

安定化というか

平和な方向に進んでいると

嬉しいなと思うわけです。

 

4月が、終わります。

 

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わが愛犬アーシー

(黄色大犬)の

お散歩仲間の

牧羊犬ちゃん

「アーシーのことを

・・・もしかしたら

友達・・・とは

思っていない・・・んだけど

・・・ほらこの子、

『友達』って概念と無縁に

育っちゃったから・・・

でも好きではあるのよ」とは

牧羊犬ちゃんの飼い主の

毒舌奥様の弁。

 

「散歩に行こうって車に乗って、

で、『今日はアーシーと

一緒に歩けるわよ』って言うと

『え?アーシー?』って

立ち上がって窓の外を

確認しようとするのよ。

それでアーシーを見かけたら

尻尾を振り始めるから

バシバシバシバシそれはもう

けっこうな音を立てるの」

 

しかしそんな牧羊犬ちゃんは

車を降りると割と素っ気なく

軽く尻尾を振って

私には挨拶するものの、

アーシーとは目を一瞬

合わせるだけで素通りというか、

まあアーシーはアーシーで

牧羊犬ちゃんに挨拶するより先に

毒舌奥様に愛想を

振りまくことに忙しいので・・・

 

そんなつかず離れずの二人、

もとい、2匹は先日散歩中に

リードをつけた

ボーダーコリーと

すれ違いまして。

 

 

 

 

ここらへんの山道を

リード付きで

散歩している犬というのは

たいてい何かしらの

理由があるものですから

(まだ躾が入っていないとか

引き取られたばかりで

情緒が不安定だとか)

私はアーシーに念のため

「お行儀よくしたまえよ」

 

 

言われたアーシーは

「大丈夫大丈夫」と

ボーダーコリーちゃんから

少し距離をとったところで

足を止めて尻尾を振ると

これがボーダーコリーちゃんの

癇(かん)に障ったのか

ボーダーちゃんは身をすくめて

「ワン!」

 

あっ、これは何か挨拶法を

間違えちゃったか、

ごめんごめん、と

アーシーが身を翻して

その場を離れようとしたその時、

それまで後方で

様子を見守っていた

牧羊犬ちゃんが突然

2匹の間に割って入り

ドスのきいた唸り声

「うううるるる!」とあげ

ボーダーちゃんの顔を

睨みつけまして。

 

驚くアーシーと私、

そしてボーダーちゃん、

事態が把握できていない

ボーダーちゃんの飼い主をよそに

牧羊犬ちゃんの飼い主である

毒舌奥様が厳しい声で

「そんな声、おやめなさい!」

 

牧羊犬ちゃんは奥様の声が

聞こえていることを示すように

一瞬そちらに目線を移すも

すぐまたボーダーちゃんの顔に

視線を戻してもう一度

「うううるるる!」

 

その場は別にそれ以上の

事態にはならなかったのですが

後から奥様が本当に不思議そうに

「あれは何だったのかしら?

うちの子、全然関係ないのに

突然喧嘩を買いに出たわよね?」

 

「喧嘩というかアーシーは

あの場をすぐ

退散する姿勢でしたけど

・・・牧羊犬ちゃんは

明らかにアーシーを

かばいに出ましたよね?」

 

「でもうちの子がアーシーを

かばう必要なんてなかったわよね?

あれ、放っておけば別に

アーシーがその場を離れて

それでおしまいになる

状況だったものね?」

 

ボーダーコリーに吠え掛かられて

アーシーは全然気にしていない、

というか「あ、ごめん」くらいの

気持ちだったのに対して

牧羊犬ちゃんはどうも

「あんたうちのアーシーに何を

舐めた真似してくれてんの」

みたいな反応を示したという・・・

 

・・・君はこの間まで

アーシーのことなんて

特に好きじゃなくて

他の犬のことは

全然好きじゃなくて

例の超大型犬に噛まれてからは

体の大きい犬のことは正直怖くて

友好的じゃない犬に出会うと

毛を逆立てて震えていたのに・・・

 

牧羊犬ちゃんにとってアーシーは

友人ではないのかもしれませんが

身内というか、毒舌奥様いわく

「同じ群れの一員なんでしょうね」

 

2人と2匹で群れをなし

今日も我々は山を歩いております。

 

 

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