ブログチームの社員から「日高さんの使っているブログのスキンが終了します。」

という連絡をもらって、久しぶりに管理画面を触りました。

ブログを書く機能が格段に進化していますね。ブログチームのみなさんナイス運用です。

 

アメブロはブログブームを作って流行った後に、一旦サービスが落ち込んだ時期があります。しかしその後もブログチームが改善と運用を重ねた結果、ここ最近またメディアとしての大きく伸びて存在感が増してきました。こうやって長くに渡っての経験で実力をつけた大きな事業が社内に増えるのは頼もしく嬉しいことです。

 

ネットビジネスをやっている限り、狩猟民族のように次々と新しいビジネスのチャンスの芽を探し続けることは宿命ですが、「見つけた芽を一時だけのもので終わらせてしまい市場からふるい落とされるのか、それとも大きな事業に育てられるか」は、会社を成長させていくのに大事なことです。流行りを追っかけるだけで育てる風土がなければ、会社は大きくなりません。

 

昨日のSGEでのQ初会でも「諦めの悪さ」の大事さについて話しました。

先月リリースされたゲーム子会社craft eggの「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」がとても良いスタートを切っています。クラフトエッグは3年前に設立したグループ内子会社で、4本目のバンドリでようやくヒットが出ました。

私の正直な感想としては、3本目がコケた時点でクラフトエッグの役員陣が「もう辞めたいです」と言わないでくれて良かった、と思いました。3本目で諦めていたら当たり前だけど4本目は無く、バンドリのゲームも無かったかもしれません。また一方で、バンドリが1本目に来てたら、この製品クオリティでリリース出来なかったことでしょう。もっとバグもあっただろうし、リリース後の運用もこうスムーズでなかったはずです。クラフトエッグとゲーム事業全体が多くのゲームをリリースしていた経験のおかげで、トラブルは最小限で済み、リリース後の運用にも安定感があります。

 

ビジネスがうまく行かないのは「実力が足りない」か「タイミングが合ってない」のどちらかだと思っています。逆に言えば「タイミングが来るまでに実力を磨き続けられるか」の勝負になります。役員の山内の言葉で言えば「いつも刀を研いで待っています」の状態です。

新卒の人に「どういう人がサイバーで活躍できますか?」と聞かれると「諦めに悪い人」と答えます。「成長したい、でかい事業を任されたい」と言っていても2、3回失敗して、その上で次チャレンジに踏み切れる人は、実際はとても少ないものです。けれども本当はその2、3回の失敗が大きな経験になっているので、そ次にチャレンジは成功確度が高いはずなのです。

現在好調のタップル誕生の合田君も、その数年前にマッチングサービスの会社をひとつ失敗させています。それでも、どうしてもマッチングサービスを成功させたい合田君の執念がタップルのヒットを産みました。

 

バンドリはSGEで考えると何作ぶりのヒットになるでしょうか。その間にうまく行かなかったゲームはいくつもあります。

自分が一生懸命つくったゲームやサービスがうまく行かず閉じてしまう時の思いは、経験した人にしか分からない何とも言えず辛いものです。でもその時は、クラフトエッグの3本目かもしれません。バンドリやタップル、その他にもグループの中には、複数回のチャレンジの後に成功した、勇気づけられる事例がたくさんあります。

失敗は辛いけど、そのタイミングは仕事に必要なスキルとメンタルが成長している時でもあります。次は必ず当ててやる、という「諦めの悪さ」が育まれる組織文化をつくりあげ、経験をつけた組織でより大きな事業の成功確率を上げていけるといいと思っています。

 

 


昨日で40歳になりました。たくさんの人にお祝いしてもらいました。ありがとうございます。

四十にして惑わずといいますが、サイバーを始めてからは人生に迷う暇が無いほど忙しく、しんどく、大変しんどく笑。ただそれ以上に充実感を感じる生き方、というと大げさだけど、日々を過ごせていることに対して、特定の誰にということではなく感謝しています。

サイバーを始める時に誘われた身としては、気軽な気持ちで乗りかかった船が、びっくりするスピードで大きくなっていき、自分でもそのスピードを加速させようと必死にやってきました。

仕事に関しての迷いは、とうの昔になくなっていて腹は決まっているので、これから更に大きくなっていくサイバーエージェントを、必要とされる限り価値ある会社にすることを、会社に寄りかかることなくやりきりたいと考えています。

新卒採用面接をして、21世紀を代表する会社とは日高さんにとってはどんな会社ですか?、と毎年、何回も聞かれます。
同じ答えをするのが嫌なので何通りか用意していて、比較的多い答えは、
あなたがサイバーエージェントに内定したと言った時に、あなたのおばあちゃんが、いい会社に入ったね、と喜んでもらえるような会社になるといい、と思っています。と答えます。
私個人的には四人の子どものうち二人くらいはサイバーエージェントに入ってくれよ、と勝手に思っています笑

誕生日のお礼をFacebookに書こうとして長くなったパターンです。Facebookはほとんど社内なので、社外の方には綺麗ごとに見えてクサイ中身かと思いますが、区切りの誕生日ということで大目にみてもらえれば幸いです


iPhoneからの投稿
本日は大阪支社で、たくさんの新卒面接アンド夜は内定者たちとの飲みという新卒採用漬け。

聞くもきいたり、しゃべるもしゃべったりという一日でした。

新卒採用は毎年のように会社や自分の働き方について、考えかたを整理する良い機会にもなります。

今年何人かに聞かれ印象的だった質問は、ちょうど先日若手の社員から聞かれたものと同じようなものでした。

「サイバーエージェントは大きくなってベンチャーとは言えない規模にみえますが、変化の早い業界にあって、組織の方向性をひとつに向けたり、変化させたりするのにどんな工夫をされているのですか?」

と、

工夫を挙げれば、あれもこれもそれもやって、たくさんの合わせ技で規模を大きくしながらスピードと柔軟性を追い求めていますが、

最初の入り口は、こうやって創業した年から力を入れている新卒採用への注力だと思います。



どんな会社を目指しているか、若い人にどんな活躍を期待している会社なのかを真剣に話して採用しつづけて、それを聞いて入社し、会社の目指す働き方を体現している人がたくさんいることが、小さな会社でないと出来ないような、ネットビジネスに適した、変化に強いスピードある組織をつくっているのだと思います。

会社の強みとは、一朝一夕で出来るものではなく、流行りを追う事や、ちょっとした工夫ではハリボテにしかならないものだと改めて思いました。



また、何を会社の強みにするか?の優劣は一概には測れないものだとも思います。

サッカーで言えば、南米の個人技を主体とした戦術と、組織プレーを重んじるヨーロッパとではどちらが良いか、と言う議論に意味はなく、自分たちのスタイルをどこまで突き詰め、高められるかが大事になるような話しと似ています。



そんなようなことを考えながら、

BARで一杯と思っていたら、

こんな時間にホテルのBARでラテンショーみたいなものをやっていて

あまりに賑やかだったので部屋で飲む、、

さすが大阪というか、たのむでしかし、、


ビジネスの価値を考えたとき、
一人では出来ない大きなことを組織で成し遂げることは仕事の尊さの一つだと思う。

組織は人の集まりで、人には感情とその時々の想いがあるので、
上司や部下や組織に対して不平や不満を持った事がない人なんていない。
し、そういった一過性のアヤを吸収する器と弾力性が組織には必要だと思う。
しかしその負の感情と言動が続き重なると、組織で仕事をすることは難しくなる。

本来であればそういった負の感情や不満の中身は、
組織のゴールに対する当事者意識を持っていれば、冷静に分析し対処することしかできない、
誰かになすり付けられるものではない、ということに気づくもの。

部下が仕事ができない、と言っても、それは自分が育てていないと言ってるもので。
上司が自分を信用してくれない、といっても、それは自分の実力を過信していることがほとんど。
だからウチの部署はダメなんだよ、と言ってもそれはその通りで、
現状その程度の実力しかないのは、その組織に属しているその人のせいでもある。
自分の力で、組織の人を巻き込んで組織の実力をあげるしかない。

この時代、お金のことだけを考えれば、
気の利いた個人が一人ビジネスで食べていくのはさして難しくはない。

組織とは何と面倒くさいことだろう笑。
自分ひとりの能力の範囲だけで仕事を完結されればどんなに楽な事か。
といった組織で働いていれば感じるストレスを乗り越えて、
それでもひとりでは出来ない大きなことを成し遂げたい、と思うから組織で働くのだし、
それがお金のためだけでない働く理由のひとつなんじゃなかろうか。

ビジネスは結果がすべての非情な世界であり、組織は結果を出す為の手段であるけれど、
これまで自分たちが創ってきた、これからも創られていくであろう組織を考えた時に
「組織で働く」ということが世の中に存在する事象の中でも、かなり尊いものの部類に入るなあ、
と思わずにはいられない。です。

と、つぶやくには長過ぎたのでブログ書きました!
今日は京都で当社主催の大学生向けのキャリアセミナーがありました。

学生の人たちからの仕事に対する、ネットビジネスに対する、
サイバーエージェントに対する素朴な疑問や質問にふれて、
それらに大量に答えているうちに自分でもたくさんのことに気づきました。
その中のひとつについて書きたいと思います。

「ネットビジネスの社会的意義は何ですか?」
毎年聞かれるとてもストレートな学生の方ならではの質問です。
質問には、ネットビジネスは伸びていますが、利益至上主義で
社会に与える影響でいうとマイナスですよね?という
ニュアンスを含んでいます。

せっかく働くのであれば
社会的意義にある仕事がしたい、と思うのは働く人すべてのおもいでしょう。
しかしネットビジネスに限らずほとんどすべてのビジネスには
プラスの要素とマイナスの要素があります。
今の中国の大気汚染は高度成長のマイナス部分のように。
一方、私はほとんどすべてのビジネスに
社会的意義があると思っています。

じゃあ「プラスがあるからマイナスには目をつぶるのか?」
というとそうでは無く、
マイナスを抱えて解決を諦めないこと、が大事なのだと思います。
そう考えて働ける人が、どんな場所にいてもビジネスの社会的意義を高める
意識の高いビジネスマンなのではないでしょうか。

話しが少し脱線します
本の中身をみていないので語れませんが、
先日「意識が高い系」を揶揄するような題名の本が売っているのをみかけました。
しかし、意識が高いことを揶揄されたら
理想を掲げて働く、自分を成長させようとする、仕事に
真正面から向かう若者は減ってしまうのではないでしょうか。
斜に構えて働く事ほどつまらないものはありません。

私はネットビジネスの社会的意義のひとつは
ネットビジネス産業をもっと大きくし、日本を盛り上げる代表的な
産業にすることだと思っています。
ネット産業に関わる多くの若い人たちも同じように
高い意識をもって仕事をしているはずです。
と盛り上がってみても、本の中身を読んではいないのですが。。
というような話しで話題にさせるための題名かもしれませんが。。

話しを戻します。
この話しに関わらず「仕事とは多くの矛盾を抱えるもの」と言えます。
私は自分が矛盾を抱えているときに思い浮かべるイメージがあります。
それは右手と左手に反対方向に思いっきり走る
それぞれの牛のしっぽを掴んでいる状態です。
手を離すことは楽ですが
その手を離したら矛盾を認めてしまう事になります。
諦めずに矛盾を解決する事で大きな仕事ができるようになります。

ビジネスの社会的意義のおけるプラスマイナスの話しで言うと
社会的意義のない仕事なんてほとんどないので
そのビジネスのマイナスをあげつらうのではなく
プラスの側面をより伸ばし、マイナスと真剣に向き合い解決をすることです。
社会的意義の高い仕事がしたいならその手を決して離さない事です。
そして自分が属する産業の社会的意義が向上させるくらいの力を
自分がつければいいのです。

学生のみなさんにお話したかったのは
ビジネスのマイナスの側面に物怖じせず、
むしろ自分で変えてやろうという
気概で飛び込んできてください。ということです。
仕事においての矛盾を抱え、それを乗り越えようと歯を食いしばって寝れなくて
初めてビジネスマンの仲間入りです。
とてもストレスフルに見えるかもしれませんが大丈夫です。
伊集院静さんの本によると、そんな疲れた心は酒が癒してくれると書いてくれます。
私にもよく分かります笑
意識の高い学生のみなさん、ネットビジネスで一緒に大きな産業をつくりましょう。
お待ちしています。
2012年はこの数年の中でも一番ダイナミックな年になりました。
年初に今年の目標を「SAP、NO,1へ」としました。
すべてのSAP売上げを把握する事はできませんが、
cygamesを中心とする子会社の活躍で掲げた目標は達成できたと思います。
コンプガチャ問題のみならず、大きな出来事が数多くあった中で
なんだかんだとこの状態で終えることに感謝の一年となりました。

サイバーエージェントが始まってから激動でなかった年は無いものの
今年が一番激動に思え、その激動ぶりは年々大きくなっていくように思います。
ネットビジネスが年々大きくなっているんだと思いますが
それに合わせて、毎年毎年経験を重ねていくうちに、
少しずつ大きな波に乗れるようになって来たように思います。

ソーシャルアプリは過去のネットビジネスの歴史を
振り返っても記憶に無いくらい著しい成長を遂げましたが、
市場が爆発するタイミングに大きく乗れることほど楽しい
仕事の醍醐味は他にありません。
サイバーエージェントがネットの黎明期からあったことで
ネットビジネスの成長のスピードに、自分と組織の成長を
なんとか食らいついていかせようと頑張って来た結果だと思います。

SAPとしては業績が伸びた一年といっても
落ち着いたことは一度もなく、
薄氷を踏む思いで緊張感をもって決断し、
ビジネスを行ってきました。
うまくいったこともあれば
失敗も多くありました。
来年は売上げも組織も大きくなったからこそ
そこに安住する事無く、チャレンジする分野を明確にして、
失敗を恐れることなく新しいことに取り組んでいきたいと思います。

来年は設立から15周年を迎えます。
全社を見渡すとアメーバが更に大きくなるために
大きな変革のチャレンジをしています。
目標は改めて
「21世紀を代表する会社」と心に刻み、
・現状に甘んじない。
・たとえ今のビジネスを一からやり直す事になっても厭わない。
というチャレンジする気持ちをもって
気持ちを新たに大きな目標に向かって邁進する一年にしたいと思います。

先週、社会人になってはじめて
入院で1週間休みました。

原因は夏の疲れから
抵抗力が弱まりウィルスにやられたようです。
急な事でご心配、ご迷惑をおかけしました方々
すみませんでした。もう大丈夫です。

昨日から会社にでていますが
新鮮な感覚で仕事に接しています。
また忙しくなり
仕事メインの日常が当たり前になると
今感じてる新鮮な感覚で
ビジネスを捉える事がなくなると思うので
忘れないうちにブログに書こうと思います。

出社して
いくつかの打ち合わせをしていくうちに
それまで止まっていた
自分の周りの世界が動き出した感覚を受けました。

ビジネスを分解すると
目標に向かって
大量に考え、議論し、
行動した結果を検証して経験にかえます。

そしてその経験を生かして
より大きな目的に向かって
また考え、議論し、行動する、経験を積む。
という更なるサイクルが続きます。
雑な理論で言えば、正しく経験を積んで成長する限り、
どんな目標であっても限りなく達成に近づいていきます。

予期せぬ1週間の入院で
この当たり前のサイクルが途切れたことによって
日頃気づかないビジネスのダイナミックさに
気づく事ができました。

例えば
海では大きな波が寄せたり返したりしていますが
しばらく時間が止まったとしたら、
動き出した時の
ダイナミックさはより際立つと思いますが
そんな感じです。

私が感じるビジネスの面白さ、充実度は
自分達が決めた目標を
自分達の意志と成長と責任によって
実現することだと思っています。
すべては自分次第で
どんな目標であっても達成の可能性を秘めている
ということです。

言葉にすれば
あまりに当たり前のことなのですが
同じ言葉でも自分で実感できたことには
大きな意味があります。

この何年も、新しいことを自分達で作り続け、
もっというと会社設立からこれまで連綿と続けてきた
ビジネスのうねりを漠然と認識できました。

これから更に大変だけど面白いところなので
自分なりに高いパフォーマンスを発揮できる
状態にしておきたいと思いました。

物理的にもバランス的にも
20代のような偏った働き方はできません。
この数年は食事に気をつけ
毎年人間ドックを受け、数値は良い状態ですが
今回と同じく
2年前には帯状疱疹になったりと
疲れがまとまって出る傾向にあるようです。
自分では疲れに中々気づかないものなので
改めて注意しようと思います。

月並みですが健康はありがたいです。
仕事が忙しい時期が続くと
時々ゆっくりしたいなあとは思うけど
安静しかしちゃいけない入院はもういいです。


先日ある子会社の朝会で
「惜しい会社のままで終わらない」
という話しをしました。

その子会社は
ソーシャルアプリ(SAP)の業界では
中堅に位置する会社です。
私のその会社の客観的な評価は
「そこそこやれてるけど、しばらく惜しい会社」
というものです。

そこそこのヒットアプリがあって
ここで安穏とするのか
更に上のステージを目指すのかは
会社として明確しなければいけません。
そして上に行くと決めたなら
組織に対してメッセージを発信しつづけ、
組織全体を巻き込んで目指さなければ
突き抜ける確率は低くなります。

世の中には「惜しい会社」はたくさんあります。
その会社が「これ位でいい」と思っていれば
特に問題はないのですが
多くの会社は「上は目指す」と口では言うものの
経営陣が思っているだけで現場に浸透していなかったり、
戦略や具体策はとらずに
業界的なポジションも悪くない居心地の良い状況に
甘んじてしまってるケースが多いようにみえます。

ネット業界のスピードでいうと
居心地の良さを感じてしまった瞬間に
あっという間に競合に置いていかれてしまいますが。。

ことあるごとに話していますが
サイバーエージェント全体も
私が担当する部門も
社長の藤田の言葉を借りると
「オンリーワンよりナンバーワン」
を目指しています。

ビジネスに置いては
ナンバーワンになるための
戦略のひとつがオンリーワンであるべきで、
ナンバーワンがとれない言い訳に
オンリーワンが使われたら
組織も混乱するし
大きな成長も見込めません。

スマホやSNSなどの世の中への浸透度などを見ても
ネットビジネスはこれから更に
大きな産業になると思います。

その業界でNO,1を目指して、
口だけでなく努力し、成長を果たし、最終結果をだす
組織でありたいと思います。

サイバーエージェントをみても
「21世紀を代表する会社をつくる」
というビジョンからすると、
個人的にはまだ惜しい部類だと思います。

いたずらに焦って空回るのはマイナスですが、
業界内でそこそこやれていることに満足せず、
現状に甘んじず、21世紀を代表する会社を目指します。
今日から新しいオフィスです。
新オフィスは
新築でフロアも広く
高層で眺望も素晴らしく快適です。

この土日の間に
机の整理などの準備をするために
新しいオフィスに行っている
人たちがSNSで何人もつぶやいていました。
その中で一人の社員がこんなツイートをしていました。

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新オフィス、どんなところかわくわくしながら来たけど、
ついてすぐにそんな気持ちが消えて悔しいような気持ちになった。
自分のチーム、組織、会社、社会への貢献と比較したら、
かなり不釣り合いだと感じるほど素晴らしい環境。
感謝と同時にすごく身が引き締る。とにかく勝ちたい。

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まともな感覚のツイートだと思いました。

今回のオフィス移転は
・急激に組織が大きくなったことによって
点在してしまったオフィスをまとめる。
・もの作りのコミュニケーションロスを
少なくするためにワンフロアの広いところをする。
の点で選びました。

総額のコストとしては
面積が増えた分増えていますが
坪単価はこれまでとほとんど変わりません。

単価以上に
予想を超えて見た目が立派なオフィスです。

ビジネスをしていると
組織が「浮き足立つ瞬間」があります。
その一つは立派なオフィスに入った時だと思います。

なぜ浮き足立つのか考えると
ひとつには
少しの満足や余裕を感じて
ハングリー精神が無くなるからだと思います。

狭いオフィスだったり
ビルが少しボロかったりすれば
ビジュアル的に
ハングリー感は分かり易いものです。

また
オフィスがすごい=自分(や自分の会社)もすごい。
と、思ってしまい
どこか上がってしまった感じを受けてしまう事も
あると思います。

上がってしまった感は同じく
ハングリー精神が無い状態で
ベンチャー企業にとって衰退の第一歩です。

小さなボロいオフィスに慣れてしまうことも、
立派なオフィスで勘違いしてしまうことも
成長を続けたいベンチャー企業としては
バランスを欠いている状態だと思います。

立派なオフィスはプラスにしか
作用しないでしょう?
と思うかもしれませんが、
「立派なオフィスの罠」みたいなものは
意外とハマってしまうもので
立派なオフィスに移ってから以降
業績がふるわない会社もあります。

少しそれますが
ワイキューブの元社長の方が書かれた本にも
そのような話しがでてきたことを思い出しました。

私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日/プレジデント社

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きれいで豪華なオフィスはそれだけで
人材を引きつけます。
メディア受けも見栄え良く、
経営のテクニックとしては使える部分もあります。
しかしそれが会社がすごいことの証明ではありません。

会社が「何をもってすごい」とするのかは
シンプルに考えると

例えば、ソーシャルアプリの事業であれば
他社には負けない、ユーザーに一番支持される
良いアプリを作っているか、否か?
支持されるアプリを作り続けられる文化があるか?
です。

良いアプリを作るために、
ベストパフォーマンスを発揮する
ひとつの要素として、働く環境とは大事だよね。
と、いう話しで初めてオフィスの話になるはずです。

立派なオフィスが悪い事ではなく
「立派なオフィスの罠」にハマって
浮き足立つことがないように気をつけるべき
ということです。

また、良いオフィス環境は
会社によって異なるので
他の会社と比べること自体がナンセンスです。
会社が進んでいきたい方向、
会社の文化を表現できるものであるべきだと考えてます。
そう考えても
立派なオフィスの方向には上限があり、
その会社の文化にあった環境を考える思考を停止させる
危険もはらんでいるとも言えます。

去年サンフランシスコで見た
zyngaのオフィスは、豪華なビルでは
ありませんでしたが
クリエイティブなものが産まれそうで、
かつチームの一体感がとれそうな
良いオフィスだと感じました。

オフィス問題は
ネット業界のスピードもあって
常に課題を抱えていますが
思考停止せずに
会社組織の目的と文化にあった
オリジナルなオフィス環境づくりを
目指して続けて行きたいと思います。

オフィスのことだけを
クローズアップして
長々と書いてしまいましたが
その他にも程度の大小はあれ
組織が浮き足立つ瞬間があります。

マネジメントをしている身としては
そのひとつひとつの事象を覚えて
対応するというよりは

組織の大きな目標を明確にして、
それを達成するために文化を作る。
動きの速い業界全体と
組織全体の状態を目を凝らしてよく見る。

という基本的なことを忘れずに
事業と組織を着実に成長させて
行きたいと思います。