荒野のハイウェイで、
ゆめのなかだけて、ゆける、きっさ店のひとつの、マスターが、
首まで、お砂にうまっていた。
かれは、『自業自得であるので、たすけないでくれたらいい』
と、マリアにいいました。
マリアは、ううむと、思案して、その場にしゃがみこみます。
近くでは、ちいさな鳥さんが、歩いて、何かを啄ばみながら、
『クビダケー、クビダケー』
と、鳴いています。
マスターは、続けて、
『幽体離脱に害はない、なんて、ほんとうに、だまされた
あいつらはじめから、俺を、啄ばむのが目的だったのさ』
まりあは、訪ねます。
『あいつらって、あの小鳥さん・・・?』
『いいや、あれは、コバンザメみたいにお零れを狙ってる
まじものは、おどろおどろしいやつだよ・・・』
『え・・、マリア、逃げたほうがいいのかなあ?』
『まだ大丈夫だが、逃げておくがいいだろうな、生きて、
また会えたら、ブレンドは、生涯タダでいい』
『わ!それは、生き延びるし、生き延びてください!』
『はっは・・・最期に、安らいだよ、お嬢さん・・』
『・・う、うん・・じゃあ、ごめん、マリア逃げるよ?』
『ああ、そうしておく・・・・・・』
マスターが、言い終わる前に、巨大な影が差し込んで、
マリアの身体は、条件反射的に、後ろに飛び退いた。
それと同時に、身体を反転させて、走り出していた。
かすかに、横目で見ると、
ドラゴンのような、こちらの世界にはない者と、目が
しっかりと合ってしまった。
けれど、マリアには、余り獲物として興味がないように
殺気なく、ドラゴンの目からは感じられた。
だけれど、異形の物ではあるので、推察は当たらない。
とにかく、まりあは振り返らずに、走りに走った。
かなり距離を走って、もう大丈夫かと思うところに、
ハイウェイ沿いの、diner を見つけ、
扉を開け、レジ横のハンドベルを鳴らした。
ちいさな鳥さんが、
『メダマと、ドーナツ、メダマと、ドーナツ、アルよ』
と、カウンターを歩き、何かを啄ばみながら、鳴いた。
十