新幹線での移動等で、フラフラになりながらも読書をしたのであった。
「ロッキード」読後は色々と書きたいことがあったのであるが、今はその熱も冷めてしまっている。が、とりあえず記録としてここに書いておこう。
ロッキード事件に関してはあまり知らずに「立花隆の文藝春秋の記事によってスクープされた事件」とか誤解していたのであった。田中角栄の金権政治(とみなさられる)が立花隆によって明らかにされ辞職、その後、ロッキード事件が起こり、その家庭で元総理として角栄が浮かび上がる。ロッキードには、全日空ルート、丸紅ルート、児玉ルート、とよばれる3つの案件に焦点をあてて検察の調査が進むのであるが、全日空と丸紅の金の流れにより角栄は逮捕される。が、むしろ本丸は児玉ルートであり、これは未解決のまま事件自体が終わったしまう。作者は、独自の分析により、角栄は児玉ルートを隠すためのスケープゴートにされたのではないか、そして児玉ルートの黒幕は中曽根元総理ではないか、と推理するのであった。私は松本清張の日本史の裏で米軍が蠢いていることを主張する「日本の黒い霧」が好きなのであるが(今で言う陰謀論か)、そういう戦前から続いている昭和の裏面史を垣間見えたような気がして面白かった。