将棋世界 2024年4月号
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【 投了図・97手目▲7二金 】
投了図での持ち駒
▲佐藤康九段: なし
△佐藤天九段: 桂、歩6
年度末を目前に控え、将棋界では今
第72期王座戦の本戦入りをかけた二次予選が大詰め。。
昨日は「佐藤康光九段-佐藤天彦九段」の佐藤対決が
総本山の東京・将棋会館にて行われました。。
結果は、上図97手までで先手・康光九段が勝利。
バリバリのA級棋士を下し、堂々の本戦入りを決めました。
34手目△3六歩。
上図での持ち駒
▲佐藤康九段: なし
△佐藤天九段: なし
後手番の天彦九段は飛車を振り「三間飛車」を投入。。
康光九段は居飛車で迎え撃ち、戦型は「対抗形」となりました。
互いに「穴熊」の堅陣を敷くと、天彦九段は上図の局面で
飛車先の歩を突き合わせ、先に仕掛けを開始します。。
55手目▲2一飛成。
上図での持ち駒
▲佐藤康九段: 角、歩
△佐藤天九段: 銀、桂、歩5
軽快に駒を捌きながら
天彦九段は龍を起点に敵陣突破を狙いますが、しかし
後手の仕掛けを受け止めた康光九段は、上図で鋭く
お返しの龍を作り、終盤戦の幕を開きます。。
すると。。
79手目▲5三馬。
上図での持ち駒
▲佐藤康九段: 銀、桂
△佐藤天九段: 歩6
いつになく好戦的な天彦九段の攻めを
康光九段は手厚い受けで凌ぎ、十分に間合いを図ってから
上図で銀との交換で馬を切り、勝負を決めに出ました。。
【 投了図・97手目▲7二金 】
投了図での持ち駒
▲佐藤康九段: なし
△佐藤天九段: 桂、歩6
天彦九段は最終盤戦で受けに回るも
康光九段の厳しい寄せの前に防戦一方となり
上図で万策尽き果て無念の投了を告げました。。
振り飛車を一蹴し見事な快勝を飾った
康光九段が決勝トーナメントへ駒を進めました。。
【 投了図・86手目△6六桂 】
投了図での持ち駒
▲谷川十八世名人: 金、歩2
△菅井八段: 飛2、金、銀、歩3
昨日の将棋界には振り飛車党の若き旗頭・菅井竜也八段が登場。
関西将棋の大先輩・谷川浩司十八世名人を相手に関西将棋会館にて
第72期王座戦の本戦入りをかけた二次予選決勝に臨みました。。
結果は、上図86手までで菅井八段が勝利。
終盤で形勢を覆し、決勝トーナメント進出を決めました。
22手目△7一玉。
上図での持ち駒
▲谷川十八世名人: なし
△菅井八段: なし
後手番で得意の「ゴキゲン中飛車」を採用した菅井八段に対し
谷川十八世名人は居飛車で迎え撃ち、戦型は「対抗形」となると
菅井八段は上図で振り飛車の相棒「美濃囲い」に玉を納めます。。
35手目▲4五銀。
上図での持ち駒
▲谷川十八世名人: なし
△菅井八段: 歩
先に仕掛けたのは、谷川十八世名人でした。。
流れの中で争点の中央5筋に飛車を合わせると
戦場で銀をぶつけていざ開戦をけしかけます。。
63手目▲3一飛。
上図での持ち駒
▲谷川十八世名人: 角
△菅井八段: 角、銀、歩2
争点の5筋で火の手が上がると
永世名人が華麗な捌きで攻防の主導権を握り
盤上は一気に終盤戦へと突入しますが。。
【 投了図・86手目△6六桂 】
投了図での持ち駒
▲谷川十八世名人: 金、歩2
△菅井八段: 飛2、金、銀、歩3
菅井八段は土壇場で現在のトップ棋士の実力を発揮。。
谷川十八世名人渾身の攻めをギリギリまで引き付けてから
上図でズバリと切り返し、天下の永世名人を一刀両断。。
振り飛車の底力をみせつけ、本戦入りを果たしました。
【 投了図・68手目△4六歩 】
投了図での持ち駒
▲渡辺九段: 金、歩3
△羽生九段: 飛、角、桂2
将棋界では藤井聡太王位への挑戦権を獲得を目指す
お~いお茶杯第65期王位戦挑戦者決定リーグが進行中。。
昨日は「羽生善治九段-渡辺明九段」の黄金カードが
白組の4回戦として実現しました。。
結果は、上図68手までで後手番の羽生九段が勝利。
両者の対戦では珍しい短手数でのあっけない決着となりました。
30手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲渡辺九段: 歩2
△羽生九段: 角、歩2
戦型は定跡手順の進行で「横歩取り」に決定。
▲6八玉型の先手に対して「中住まい」に構えた羽生九段は
上図で角交換を敢行し、まずは大駒を捌くと。。
40手目△3七桂成。
上図での持ち駒
▲渡辺九段: 歩2
△羽生九段: 角、銀、歩
戦場に構えた飛車を2筋に合わせてから
軽快な連続跳躍で桂馬を敵陣へと飛び込ませ
一切の迷いなく、一気呵成にいざ開戦を告げました。。
【 投了図・68手目△4六歩 】
投了図での持ち駒
▲渡辺九段: 金、歩3
△羽生九段: 飛、角、桂2
先手番にも関わらず後手を踏んだ形となった
渡辺九段は何とか攻め合いに活路を求めますが、しかし
終盤戦も事前研究万全の羽生九段が主導権を握ったまま。。
最後は先手の銀の突き出しを(67手目▲3二銀)
あっさり手抜いた羽生九段が4筋の歩を突き出した
上図の局面をみて、渡辺九段は反撃の余地なしと
無念の投了を告げました。。
かつてはタイトル戦で歴史的名勝負を幾度も展開した
世代間闘争最大のライバルから完勝を飾った羽生九段は
リーグ戦成績を2勝1敗としました。
一方、精彩を欠く指し回しで完敗を喫した
渡辺九段はリーグ戦初黒星で同じく2勝1敗となりました。