まぁ仕事になりません。
ここに越して以来たびたび業務妨害にあっています。
はじめは親分が挨拶代わりに敷地内を通りすがり、次はちょいモテ顔のママさんが愛想を振り撒きに訪れるようになってと、そこまではよかった。しかし、ヤンチャなあいつらの登場でとうとう全員がソワソワしちゃって仕事が手につかない状態になってしまいました。
自分との戦い!負けっぱなしです。
前には大羊居に7匹の猫がいました。もっともっと前には猫のほかに犬も山羊もいたそうです。この度久しぶりに猫たちにふれて、以前おかみが話してくれた大羊居の昔ばなしを思い出しました。
秋田犬の橘くん(たっちゃん)の話。むかし功造さんが山形のけっこう大きな呉服屋さんからある相談を受けて世話をしたことがあったそうです。そのお礼にと、ある日「明日、貨物列車で秋田犬が行きます」といきなり連絡があって、こりゃ大変と大工さんを呼んで大きな小屋を作らせた。何でも母親は品評会で賞をとった名犬らしく、箱にはたいそうな証明書がくっついてたとか。靴下をはいたような足はブリブリにぶっとくて、子犬なのに大きな小屋が小さかったそう。
そんな立派なたっちゃんは、カミナリが大嫌い。鳴ると軽く腰をぬかして縁側に這いあがってきたり、あと海も大嫌い。前からいたスピッツのとんこ(とんちゃん)は沖までスイスイなのにたっちゃんは泳ぐの大嫌い。滅多に怒らず、散歩の最中にからまれても大人しくって、代わりにおかみ(貴美子10代)が犬に売られた喧嘩を買ってやったらしいです。
とにかく性質が良くて本当に可愛いかったと話していました。
おかみの昔ばなしを聞いていると、当時の大羊居の様子や会ったことのない功造さんの人柄が見てとれる気がして、これもひとつの宝物だなと思います。