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「財務省の国家的詐欺(前半)」三橋貴明 AJER2024.4.30

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

【全編公開】日本が円安になった本当の理由〜グラフから読み解く緊縮財政の真実[三橋TV第856回] 三橋貴明・saya


https://youtu.be/NvSp3uNyoQY
 

 そもそも、国家の存在意義は「経世済民」にあります。国民が豊かに、安全に暮らすための政治を実現できるならば、政策は何でもいい。あるいは、政体ですら何でもいい。


 目的は経世済民であり、その手段が政策であり、政体なのです。


 例えば、それこそラインハルト・ローエングラムのごとき人物が「権威主義」の政体におけるトップに就き、本気で経世済民の政治を行ったら? とりあえず、「目的」は達成できてしまいます。


 とはいえ、わたくしは、
「彼、個人が判断を間違える、心変わりする、あるいは彼が死んだ後の後継者が彼と同じことができるのか?
 と問いかけ、権威主義打倒のために動くでしょう。


 救世主はいません。間違えない人間もいません。今、正しい政治を行った政治家が、明日、間違えないとは限らない。わたくしは人間個人の能力や心情について、全く信用しておりませんので。


 というわけで、とりあえずは民主制の下でグダグダと議論する以外に、政治をまともにする方法はない。


 そして、経世済民ではなく「プライマリーバランス黒字化」を「目標」とする愚者たちが、日本の政界を支配している。

PB黒字化目標、堅持か見直しか 自民党内で規律派と積極派の激しい綱引き
 財政の正常化を巡る議論が自民党内で活発化している。特に、政府が掲げる財政の健全性を示す国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の令和7年度の黒字化目標を今後も堅持するかどうかが焦点だ。財政規律派、積極財政派はそれぞれ議論を重ねており、政府が6月にも閣議決定する予定の経済財政運営の指針「骨太の方針」に主張を反映させたい考えだ。
 「(政府のPB黒字化目標は)堅持し、引き続き努力していくことは当然のことだ」。規律派が集まる財政健全化推進本部の古川禎久本部長は、産経新聞の取材に対し、こう強調した。(中略)
 一方、積極派が中心の財政政策検討本部の西田昌司本部長は、7年度のPB黒字化目標について「全く意味がない」と切り捨てる。有識者を招いた会合を開くなどしてPBに代わる新たな財政指標の導入を探っている。(後略)』

 古川ら緊縮派の主張は、もはやテンプレでございますが、積極財政派の「新たな財政指標」とは何でしょうか。


 最も理想的なのは、アメリカで採用された、
「政府のネット(純)利払費対GDP比」
 でしょう。この指標を使った場合、日本の財政はOECD諸国の中で「カナダに次いで良い」ということになり、財政制約は消えます。


 但し、上記指標を導入したとしても、PB黒字化が「残ってしまった」場合、結局はPBに引っ張られ、まともな財政政策は不可能です。新指標導入は、あくまで「PBをやめて、新指標を導入する」でなければなりません。「玉虫色の決着」は意味を持たないのですよ。
 

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皇統論第六十三回「日本一の大天狗」、歴史時事第六十三回「ワーテルローの戦い」が配信になりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 それにしても、記事の最後の三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員の発言、
「黒字化の達成は、債務残高の拡大を止めるという最低限の目標だ」
「それを変えることは国としての信用力が揺らぐことになる。安易に変えるべきものではない」
 まさに、この手の抽象的かつ意味不明な「反・経世済民」の論調こそが、日本をここまで凋落させたのです。


 そもそも、債務残高が拡大していない国があるのか?

【OECD諸国2021年政府債務残高対2007年比(倍)】


http://mtdata.jp/data_90.html#saimu

 上記の通り、G7諸国の中で日本よりも政府債務を増やしていない国は一つもない。


 同時に、そもそも政務債務を増やしていない国がない。

 

 債務残高の拡大を「止めている」国など一つもない。ということは、OECD諸国の全てが「国としての信用力が揺らいでいる」ということなのか、小林真一郎。


 そもそも、「国としての信用力」って何だよ。


 この種のレベルの低い議論で日本国において「緊縮財政が当たり前」という空気が醸成されてしまった。我々は、それほど頭がよくない。何しろ、こんな低レベルのプロパガンダに騙される。


 いい加減にしよう。データを用いて議論しよう。結局のところ、民主制の国において、政治を変える可能性があるのは、「国民が変わる」ことだけなのですよ。
 

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