今年の大塚 sake walk は9月7日(土)開催!

前売チケットは本日、8月1日より販売開始しております。

 *9月6日現在まだまだ発売中、各店舗でもメールでも

  ご購入いただけます!(詳しくはいちばん↓下↓まで見てね)

 

*9/6追記(17:45)

 ごめんなさい、チケットは完売となりました(汗)

 それに伴い、当日券の販売もできなくなりました(大汗)

 

 

 

 

 

前売りチケット:6,000円(税込)

 *当日券を発売予定でしたが予想以上に前売券が売れてしまい

9/6(17時45分頃)に完売とさせていただきました。

なにとぞご了承ください。

 

チケット代に含まれるもの
①2種類×9店舗=合計なんと18種類の各店舗渾身の

 おつまみプレートが食べられます!(各1回ずつ)
②各店舗で10蔵の造り手が注いでくれる3種類×10蔵

 =合計なんと30種類の日本酒が何度でも飲めます!

 (平たくいうと飲み放題!)
③namachaん Brewingにて大塚自家醸造ビール

 2種類が 飲めます!(1回のみ)
*おつまみとビールのお代わりはキャッシュオンにて承ることもできます

 

注)昨年のような入店時間規制は本年はございません!

11時から16時の好きな時間に来て好きなだけ回ってください!

 

前売りチケット取扱店は以下の大塚9店舗です。

 

1.地酒やもっと
2.酒味処きの字
3.手打そば菊谷
4.29ロティ
5.地酒屋こだま
6.バール青ィ印
7.ブリキの心
8.カッチャルバッチャル
9.Smoke Beer Factory~namachaん Brewing

 

*チケットは完売いたしました、ありがとうございました。

 

ご不明がありましたら各店舗、または以下のメール宛にお気軽にご連絡ください。地酒屋こだま jizakeyakodama@gmail.com

 

協賛:Ryozanpark大塚さま(進化し続けるコワーキングスペース)

こだまで扱う約50蔵のうち、ご縁あって10蔵を扱っているのが長野県のお酒です。長野県の酒米といえば、古くはたかね錦、美山錦、ひとごこち、最近では山恵錦がありますが、ここ2年くらいで急によく使われるようになった酒米があります。

 

それが「金紋錦」です。

 

きんもんにしき、と読みます。開発は古く1956年(昭和31年)で品種登録されたのが1964年(昭和39年)です。それ以前からあった「たかね錦」と「山田錦」を交配して開発したお米です。

 

そんな古いお米が何故、今になって急に使われるようになったのでしょうか?

 

金紋錦についてはたくさんの方が既にその経緯を含めて書かれていますが、ご存知ない方も多々おられると思いますので、今回の金紋錦サミットへ参加しての所感と共に書き記しておきます。

 

1964年(昭和39年)に品種登録されてからの金紋錦ですが、県内各蔵で使われてはいたものの、精米や栽培の難しさから少しずつ使用率が下がり、1978年(昭和53年)に新しく品種登録された美山錦(みやまにしき)が長野県の奨励品種になると県内の各蔵がそちらに飛びつくことで「金紋錦離れ」がそこから一気に加速したそうです。

※美山錦の開発自体は1972年(昭和47年)

※長野県の蔵元は県が奨励するとそれに素直に従うという従順な特性が見られる、とは某蔵元のお話(笑)

※金紋錦は栽培が難しいというのが通説ではあるがこだまの周囲の農家さんからはそれほどでもない、という意見も多々聞かれる

 

そこで困ったのは金紋錦を手掛けていた県北・木島平村の農家さんたち。それでも細々と作り続けてはいましたが、昭和60年頃には金紋錦を使ってくれていた新潟の某有名蔵が地元産米に切り替えたためその困難に拍車が掛かったそうです。

 

危うし、金紋錦。

 

それを助けてくれたのが、石川県の福光屋さん。そう、福正宗や加賀鳶などで有名な金沢のお蔵さん。いろいろな酒米を探していた福光屋さんはそれ以前から「黒帯」という銘柄の掛米に金紋錦を使っていた縁があり、困窮に喘ぐ木島平村の金紋錦を昭和63年に全量買取の契約栽培という形で救済します。

 

そう、長野県が見捨てた金紋錦を救ってくれたのは石川の福光屋さんだったのです。

 

その後長い間、木島平村の金紋錦は全量が石川県へと輸送されることになります。聞くところによると福光屋さんは米作りの指導もきちんとしてくれるらしく、言い換えればずっとこの金紋錦という米を守り続けてくれたことになります。知れば知るほど福光屋さんに敬意と感謝の気持ちしか湧いてきません。

 

そんな中、福光屋さんとの幾度もの交渉(お願い)の末に木島平村の隣の飯山の蔵限定で再び金紋錦を使い始めることができるようになりました。それが2006年(平成18年)のこと。もちろん当初は福光屋さんとしては「そっちが見捨てておいて今さら返してくれなんてどのツラ下げて言ってんだよ、ふざけんな」という気持ちだったと思います。しかし、飯山の蔵元が誠意を持って福光屋さんに粘り強くお願いをした結果が今に繋がるのです。

 

そこから10年、飯山の蔵は真面目に金紋錦と向き合い育ててきました。その結果、2016年頃からついに長野県内の基本的には全蔵で金紋錦を使うことができる状況へ繋がったのです。

※きちんと責任を持って金紋錦を扱う=金紋錦の農家を守ることができる、ということを10年続けてきて、「福光屋さんもそういったことを見ていてくれてきっと『もうオープンにやってもいいよ、責任持ってやれるよね』という話になってきたんだと思います」とは、飯山での金紋錦使用の第一人者である「水尾」を造る田中屋酒造店の田中隆太社長の談。

 

結果、平成27年度前後、目に見えては28年度醸造から県内各地の蔵で金紋錦を使う蔵が急速に増えてきた訳なのです。もちろん米も足りなくなりますので、今まで木島平村限定だった金紋錦の栽培も県内のあちこちでやれる状況が同時に作られました。

 

余談としては、こだま取扱でお馴染みの木曽の湯川酒造店(十六代九郎右衛門)では平成26年度醸造より金紋錦で酒を醸していますが、その一発目のお酒をリリースした際に湯川慎一杜氏に使用酵母を聞いた際「14号(金沢酵母)だよ、アレだよ、福光屋さんリスペクトだよ」と笑っていたのが今も忘れられません。

 

以上、金紋錦という不遇のお米の歴史と現在の長野県における立ち位置を簡単にご説明させていただきました。この辺の話については「酒蔵探訪チャンネル」さんによる、前述の水尾の田中社長のインタビュー動画がございます。今回の金紋錦サミットでもたいへんお世話になりました。とても素晴らしい内容になっていますのでお時間のある時に是非ともご覧いただけたら嬉しいです。

 

復活を遂げた希少酒米「金紋錦」 – 長野県飯山市の地酒「水尾」田中屋酒造店、田中隆太社長のインタビュー動画

 

さて、それでは金紋錦サミットの話に移ります。2014年から開催されているこのサミット、実は初参加となりました。今回はなんと僕が毎年お世話になっていて大ファンである菅平の「四季の宿まさき」さんで開催とのことで、盟友である日がさ雨がさの宮澤さん、海山和酒なるたかの阿久津さんらと共に勉強を兼ねて参加させていただいた次第です。

 

 

右から、ライターの山口さん(主催者のお一人)、田中屋酒造店(水尾/飯山市)の田中社長、土屋酒造店(亀の海/佐久市)の土屋社長、四季の宿まさきの正木さん(金紋錦の農家でもあります)。

 

とにかくまぁ、めちゃめちゃ勉強になりました。曖昧だった知識もきちんとアップデートできたし、それぞれ立場の違う方々の金紋錦感を知ることで金紋錦という米を立体的に知ることができたような気がしています。

 

 

その後の懇親会では現在長野県で造られている金紋錦銘柄のたぶんほとんどが一堂に会し、まさきさんの美味しい料理と一緒に楽しみつつ、これがまた凄まじい盛り上がりで二次会まで結果的に6時間以上続くという最高に楽しい時間となりました。はい、もちろん翌朝はキツかった~~~(苦笑)

 

 

日がさ雨がさの宮澤さんが毎年主催する「信州情熱交流会」に参加するようになって毎年ここでお会いしている方も多いのですが、菅平や上田で頑張っている生産者たちとの楽しい時間でもあるのです。日本酒やワインの造り手はもちろん、酒屋、農家、養豚、味噌職人、この土地を盛り上げようと頑張っている人たちとの宴席は僕にとって最高の刺激になります。今回もたくさんの有意義な話、新しい出逢いがあり素晴らしい時間となりました。

※信州情熱交流会は毎年春・秋の二回開催することが多く、業界人のみならず一般の方も参加できますのでご興味ある方は日がさ雨がさの宮澤さんまでお問い合わせください、楽しいですよ!

 

 

田中社長とは初めてお話をさせていただきましたが、とても気さくに接していただきました。長い期間リアルに金紋錦と相対して来られた方だけにその言葉は重く、かつ貴重で、めちゃめちゃ突っ込んだお話も頂戴し(後半はここに書けないオフレコ話も多かった・・・笑)、結局二次会の最後の最後までお付き合いいただき(深夜2時半まで飲んでた!笑)、今回は水尾という酒の凄さとポテンシャルに心からの感銘と衝撃を受けた一夜でもありました。

 

金紋錦という米の可能性はこれからかなり広がると思います。県内各地での栽培も進んでいます。もちろん、金紋錦の聖地である木島平村でもそのブランドと矜持を維持するためにさらなる努力が積まれていくはずです。今は生産量が少ないためかなり高額な価格ももう少し落ち着いていくかもしれません。もちろんお米と蔵との適性可否は必ずありますので、現在30蔵以上に増えた蔵数も今後増えたり減ったりするはずですが、守ってあげられなかった黒歴史と福光屋さんの寛大な気持ちを胸に刻んで、大切に扱い続けて欲しいと心から願うこだまです(きっと大丈夫と思います)。

 

ちなみに金紋錦の印象は?との質問に田中社長は「都会的なスマートさを感じるのが山田錦だとすると、少し田舎くさい山田錦」と仰っていました(笑)たかね錦と山田錦の交配ですから確かにそんな感じなのでしょうね。ここに僕の感じているイメージをプラスすると、少しシャープなニュアンスや青臭いイメージが混ざります。柔らかい硬いでいえば中くらい~やや硬め、溶けるけどそんなに味が出ないという印象です。あ、それと長期熟成には向いている(実は今回、宮島酒店の国ちゃん提供で、ある同一銘柄の金紋錦酒を7年分垂直でブラインド試飲した結果も素晴らしかった!)はずなので、搾ってその年に飲むよりは寝かせて花開く特性を感じます。まぁこの辺は蔵との相性にもよりますし造り方でも変わりますから、あくまで現時点での参考、個人的感想程度にお願いします。

 

最後になりますが、今回30種類以上の金紋錦酒を飲んでどうしても残った不満がひとつありまして・・・

 

みんな香り系酵母使いすぎ。

 

金紋錦らしさを出しながら・・・

金紋錦という米のポテンシャルを・・・

なんて言いながらカプロン酸エチル系の酵母使うのってなんだか矛盾してませんかー?って思うのよね。

※カプロン酸エチル系の酵母とは、現代のバイオ技術の粋がもたらした「とても華やかな甘い香りを出す酵母」で、フルーティな酒質を造ったり鑑評会で金賞を取るには無くてはならない酵母なんだけど、これを使うと(使い方にもよるけど)極端な話、米の特性よりもフルーティ感が前に出すぎてしまって、その結果みんな同じ感じの風味に塗り潰されてしまって、その結果どれもこれも同じ印象のお酒になってしまう傾向があるのです。

 

前述したように金紋錦って価格が高いが故に高い精米歩合で純米大吟醸や純米吟醸などの高級酒に使わざるを得ない傾向があり、それ故にそっち系(華やか系)に仕上げる方が自然といえば自然なのは理解できるのです。でも・・・!でも・・・!30種類以上の金紋錦酒を飲んで明らかな個性をきちんと出せているお酒は申し訳ないけど三分の一ほど。言い方悪いけど「これ、わざわざ金紋錦使う必要ないんじゃない?」と思うお酒も正直多かった・・・

 

金紋錦には7号酵母しか使ってはいけない!なんて長野県酒造組合が言い出したらめちゃめちゃ応援するんだけどなぁ(笑)

※7号酵母とは1946年(昭和21年)に真澄(長野県諏訪市)の優秀なもろみから分離され今も全国に頒布され続ける長野県の誇る酵母で、香りよりも米の特性を生かした酒質に向いています。

 

ま、それはひとまずおいといて。

 

不遇の時代を経て帰ってきた未知のポテンシャルを秘めた、これからの金紋錦にどうぞご注目ください!そして最後にもう一度、

 

福光屋さん、ありがとう!

 

9/29に初開催の大塚 sake walk 、おかげさまでたくさんの反響をいただいております!(感謝ですっ!)定額チケット6,000円で6店舗のおつまみ+9蔵のお酒25種類をお楽しみいただけるかなりお得なイベントです(しかもお酒は何度でも!)。300枚限定ですがまだまだチケットございますので(笑)参加6店舗もしくはメールにてお申し込みをお待ちしておりますっ!

 

<メールでのお申し込み方法>

アドレス:jizakeyakodama+ticket@gmail.com

①参加者氏名

②人数

③住所

④電話番号

以上をメールいただければ振込先をご連絡いたします。ご入金を確認後、チケットを郵送いたします。

 

詳しくはこちらをご参照ください!

 

さてさて、本日は飲み歩きに便利な「大塚 sake walk 飲み歩きMAP」を大公開!当日の戦略を立てるもよし、MAPを見ながら大塚の町に想いを馳せるもよし(笑)どうぞご活用ください!

 

*参加者のみなさまには当日お渡しいたします!

 

 

いちばん北の菊谷 大塚別亭までは大塚駅より徒歩7分

いちばん東の29ロティまでは大塚駅より徒歩7分

いちばん南の酒味処きの字までは大塚駅より徒歩12分

 

要するにいちばん北から南までは徒歩20分くらいあります。途中のお店にちょいちょい立ち寄りながらじっくりゆっくり、大塚の町並みをお楽しみいただけたら幸いです。

 

 

たくさんのご参加、お待ちしておりますっ!

 

お問い合わせは「大塚 sake walk 事務局」地酒屋こだままでお気軽にどうぞ!

電話:0339440529

メール:jizakeyakodama@gmail.com