白梟通信 スイート☆マギカLabo

白梟通信 スイート☆マギカLabo

 探偵小説,アブノーマル雑誌,「まんが日本昔ばなし」,「魔法少女☆マギカ」シリーズ,「プリキュア」シリーズ,「恋愛ラボ」を扱ったブログです。

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 先週9日の金曜日、東京古書会館で開催されていた古書展で20冊近い買い物をしました。
 購入したのは小型雑誌と昭和30年代の性風俗読物雑誌がメイン。このテの雑誌は公共図書館でも所蔵されていないタイトルが多く、その割には高値がつかない物も多いので金銭的に余裕がある時(ない時でも状況次第では)まとめ買いするようにしています。

 購入雑誌の中に探偵小説や大衆小説の世界で名を知られる著名作家の名前が見られたので、買った本の中から数冊を選び、掲載作品をまとめてみました。
 重箱の隅をつつく、誰得の書誌情報ですが……御笑覧下さい。


『ポケット講談』昭和24年12月号(2巻12号)
 ・立花一声「女白波 カストリ姐御」(漫画) ※アルセーヌ・ルパンのパロディ要素あり。
 ・邦枝完二「名作絵物語 振袖役者」
 ・山手樹一郎「右衛門七恋慕」
 ・橋爪彦七「旅の流星」
 ・保篠龍緒「名刑事手帖」
 ・連作「好色忠臣蔵」(伊東画昌「赤穂因果噺」,柴田南玉「不忠臣いろは鑑」,大島一風「春色奥山桜」,小金井芦燕「浪人ごよみ」,松林桃園「元禄百鬼夜行」)

『小説講談界』昭和25年3月号(5巻3号)
 ・村上元三「恋人形」
 ・萩原秀夫「愛情回帰」
 ・小島建三「下廊槍勝負」

『読切雑誌』昭和24年10月号(3巻10号)
 ・野沢純「無法街道」
 ・九鬼澹「稲妻左近捕物帖 人斬り猿」
 ・狭山温「好色風土記その十五 大和の巻 火津山の裸怪」
 ・木屋進「東海喧嘩双六」
 ・関川周「怪盗とバンジョー弾」

『傑作読切集』昭和24年10月盛秋号(巻号記載なし)
 ・納言恭平「七之助捕物帖 さかさ天一坊」
 ・土師清二「花嫁草紙」
 ・山手樹一郎「青い月影」


【おまけ】
 ・モーリス・ルブラン=著/保篠竜雄=訳『名作探偵小説 少年ルパン』(ヤマト出版社 刊行年月不詳) ※『中学生の友』別冊付録を単行本に改造。
 BSデジタルでしか見られないと思っていた「恋愛ラボ」ですが、地上波でも放送されている事を今頃になって知りました。
 TBS「アニメイズムB2」での8月10日放送分は第6話。BSデジタルでの放送よりも1話分だけ早まっています。
 倉橋母子を含む、レギュラー五人以外の主要メンバー(凪野智史=ナギ、池澤雅臣=ヤン、南桃香=モモ、市川奈々=ナナ)が続々と登場し、いよいよ物語も面白くなってきました。

 第6話「最低伝説リコ」は、中性的な容貌にコンプレックスを抱くナギ、幼馴染のナギと意外な形で再会したリコ、二人のスレ違いを描いています。
 加えて、リコと同じ小学校に通っていた優等生のヤンが登場し、サヨと因縁のあるモモ先輩&ナナのコンビも表舞台へ姿を見せました。
 閉鎖的な環境下でのエピソード(五人のレギュラーによる生徒会執行部室での恋愛研究活動)から外の世界へと物語の広がりを見せ始める、いわば、ターニングポイントとも言うべきストーリーに仕上がっています。

 ナギの事を思い出せずに悶々としながら、それでも「男子から告白されていた」という忘れていた真実を知り、朝から御機嫌のリコ。
 「ワイルドの君」らしからぬ乙女チックな笑顔、サヨは卒倒するでしょうが、年相応な女子中学生らしい可愛さでした。
 ワイルドに振舞いながら、実は乙女チックな一面を持っているあたり、「魔法少女まどか☆マギカ」の佐倉杏子を思い出します。

 リコの過去に焦点を当てたエピソードだったせいか、今回はマキ達の出番が少なめでした。
 かつて恋愛研究を暴露したエノに逆襲するマキの会話を面白く描いているものの、全体的にシリアスな内容となっています。
 笑いの要素を押さえ、恋愛問題に重点を置いたエピソードでしたが、それも「恋愛ラボ」らしくて良かったです(原作コミックスでは、短編漫画として恋愛問題を取り上げたエピソード、例えばエノの恋物語、が頻繁に描かれています)。

 内容とは無関係ですが、健康的に日焼けしたようなナナの色黒肌がアニメ版では普通の肌色になっており、その変更に疑問を感じました。
 せっかくの個性を殺すような変更に意図があるのか。それとも人種差別問題になると考えて変更したのか。この点について制作者サイドの意見を聞いてみたいです。

 以下はブログ記事とは関係の無い余談です。
 今日からブログのタイトルを「スイート☆マギカLabo」へと微妙に変えてみました。それに伴い、プロフィール画像もマイナーチェンジ。
 ブログ記事の更新よりも細部をいじる事に気合を入れてしまいました。
 先週日曜日の夜、丘美丈二郎の長編SF小説「鉛の小函」を読みました。テキストは『幻影城』(昭和53年3月号)再録版です。
 宇宙旅行がテーマのSF作品なのですが、ブログのテーマに「SF」の項目を作っていないので「探偵小説」へ分類しました。

 物語は昭和25年の春から幕を開けます。
 白嶺なる男は久しぶりに友人の丘美丈二郎を尋ね、戦後日本人論について熱く語った後、原稿用紙の束と鉛の小函を預けて再び姿をくらしました。
 丘美が預かった原稿には、白嶺の奇妙な体験が綴られており、その記述を信じるならば、彼は各国の精鋭が集まる宇宙探検隊のメンバーに選ばれ、絶海の孤島で訓練を積んだ後、謎多きリーダーに率いられて地球を旅立ったそうです。
 神秘に満ちた宇宙の謎を解明する為、白嶺達は地球を離れたようですが、実は宇宙探検には隠された秘密がありました。
 ある人物のスパイ行動が暴露された後、リーダーの口から宇宙探検へ出発した真の目的が明かされますが、その目的とは地球人同士の争いに関連する問題だったのです。
 人類存亡の使命を乗せ、ロケットは広大な宇宙空間を突き進みます。

 序盤こそ面白く読めたものの、中盤以降は物理学や宇宙論の話題が頻出し、理数系が弱い者には理解不能な難しい物語展開でした。
 白嶺が丘美へ預けた原稿についても疑問点(昭和25年1月頃に宇宙へ旅立った白嶺が同年春に丘美へ原稿を預ける事は可能だったとは思えず、読後にモヤモヤが残っています)があり、また、無重力の宇宙空間における食事の方法が詳しく書かれておらず(ちょっとでも触れ物がロケット内を漂う状況下、どのように缶詰肉を取り出して食べたのか)、枝葉末節に拘る性格が災いしてか、読了後もスッキリしません。

 SF小説が好きではない事もあり、この長編を読み通すのは苦痛でした。
 次に丘美作品を読む事があった場合、純粋な探偵小説に当たる事(?)を期待します。
 久しぶりのブログ更新です。
 狭く浅い話題しか扱えず、自己満足ブログと化していますが……管理人名も改めた新規一転の再スタートをキッカケに、もうしばらくは存続させようと思います。

 8月最初のネタはアニメ版「恋愛ラボ」です。
 原作者は宮原るり先生。『まんがタイム』(芳文社・発行)で好評連載中の同名漫画を7月からアニメしています。
 BS-TBSでは8月4日に第4話が放映されました。
 第3話までは放送を見逃してしまいましたが、知人が録画してくれているので機会があれば録画DVDを受け取り、榎本結子(エノ)と水嶋沙依理(サヨ)が生徒会へ復帰するまでの序章(第1話~第3話。原作第1巻分)を見ようと思います。

 第4話「恋愛研究再開! と思ったら……」は、エノ&サヨが真木夏緒(マキ)たちと和解し、五人体制となった「藤女生徒会執行部」結成後から話が始まりました。
 基本的にアニメ版の内容も原作通り(漫画ならではの説明手段をアニメ向けにアレンジしたり、アニメならではの表現方法に変えたり、多少の違いはありますが)なので、ここでは視聴後の感想を書いていこうと思います。

 今回のエピソードで一番笑えたのは、エノがTrue Tree社の件を後輩二人に暴露するシーンです。
 社長である真木正信(マキの父親)が「私の体はランジェリーでできていますね」というシーン、漫画と違って「ジェリー」の巻き舌発言を聞く事ができ、事前に分かっていても吹き出してしまいました。
 エノが「ジェリーがなんか、巻き舌チックなのがポイントよ」と倉橋莉子(リコ)にドヤ顔で解説する追い打ちも笑えます。

 また、意中の人へ贈るプレゼント問答もテンポのよい会話として聞く事ができ、アニメならではの笑いどころとなっていました。
 自分の意見が投稿によって否定されて落ち込んでいる相手へトドメの一言を言い放つマキとエノの会話、まるで漫才を見ているようです。

 作画レベルも高く、イメージを崩さずに原作の独特な絵柄が再現されていたのには驚きました。
 失礼ながら、主演声優陣の名前に聞き覚えが無いので声優さん達の演技面に不安はあったのですが、それは杞憂でした。
 完全無欠の優等生ながら天然ぶりもハンパないマキ、男勝りの姐御肌と乙女っぽい少女趣味を併せ持つリコ、妹属性とドジっ娘が同居した棚橋鈴音(スズ)、クールな守銭奴にして仲間思いの優しさも持つサヨ、感情的になり易い一方で面倒見が良い先輩の風格も漂わせるエノ。
 みなさん、各キャラの個性を見事に演じており、一人の原作ファンとしては満足度100%のアニメに仕上がっていました。
 OPとEDも作品世界をイメージしたアニメーション&歌となっており、こちらにも大満足しています。
 日が変わる直前、保篠龍緒の翻案長編小説「断崖の白百合」を読み終えました。
 モーリス・ルブランが1923年に発表した「女探偵ドロテ」(別邦題「綱渡りのドロテ」)の翻案という事で長らく読みたかった作品です。
 火曜日に某古書店で『現代大衆文学全集続18 新選探偵小説集』(改造社 昭和7年1月・刊)を購入できた為、ようやく念願が叶いました。

 大喜びで読んではみたものの……読後感はよろしくありません。
 ハッキリ言ってしまえば、創作小説としての面白さは今二つ、「女探偵ドロテ」の翻案度は極僅か。期待していた程の作品ではありませんでした。

 物語は花園村でも有名な悪童三人組が活動写真見物に出掛けた帰り道、越後獅子の一座から見捨てられた薄倖の少女と出会う場面から始まります。
 この少女を中心に物語は展開し、美しい婦人の轢死や悪党の跳梁跋扈、さらに秘密書類やメタルの秘密を巡る陰謀も描く、探偵趣味が色濃いスケールの大きな冒険活劇小説に仕上げられました。

 キーアイテムである【龍と城のメタル】の意味も消化不良に感じられ、悪人の耳にエコーする断末魔の謎(219~222頁)も未解決、主人公の美少女が決死の綱渡りを演じるシーンも印象に残らず、期待していた暗号による宝探し要素もありませんでした。
 スピーディーに展開する話の筋だけで読ませる少女小説であり、これを「新選探偵小説集」へ採録した意味がわかりません。

 つい最近まで、「論創ミステリ叢書」監修者の横井司さんへ「『保篠龍緒探偵小説選』を出すならば、「女探偵ドロテ」の翻案という事で「断崖の白百合」を是非とも収録して下さい」とお願いしていましたが、実際に作品を読んでみて前言を撤回します。
 期待が大きかっただけに、理想と現実のギャップが予想を上回る大きさでガッカリしました。
 一ヶ月程前に『少年少女譚海文庫』第1号を購入しました。
 同誌は『少年少女譚海』の臨時増刊として発行され、少なくとも3冊は発行されています。
 公共機関での所蔵は確認できておらず、インターネット上に掲載作品情報がアップされるのは現物所持者の情報提供によるものでしょう。

 せっかく『少年少女譚海文庫』の創刊号を入手したので、久しぶりに掲載作品リストを作ってみました。
 北原尚彦さんの名言「面白いものはみんなで愉しみたいじゃないですか」(本の友社『シャーロック・ホームズ万華鏡』の「あとがき」より)ではありませんが、「せっかくの情報はみんなで共有したいじゃないですか」の精神と言うのでしょうか。
 作品一覧から新しい発見があれば、それだけで情報公開した甲斐があります。


『少年少女譚海臨時増刊』第1号(1巻1号・昭和25年10月発行)

 ・表紙 P1
 ・武禮勝美/山中冬児(画)「テキサスの快男兒」 P2-14
 ・広告 P15-16
 ・目次 P17-20
 ・広告 P21-22
 ・伊藤隆夫「譚太郎捕物帖 第一話」 P23-30
 ・日本野球界の華 藤本英雄投手 P31-35
 ・譚海紙上封切り! 西部活劇 アパッチ砦 P36-38
 ・香山滋/古閑亞十夫(画)「沙漠の女王」 P39-61
 ・竹田靖治/彩田武夫(え)「ロマグナの血」 P62-69
 ・佐次たかし「乱暴武士」 P70
 ・横木健二「無軌道先生 アフリカへ行く」 P71-75
 ・久保よしひこ「デコボコ父子 クリスマ・イブの巻」 P76-78
 ・佐次たかし「ホームラン」 P79
 ・野原完二郎/伊勢田邦彦(絵)「波止場の兄妹」 P80-99
 ・志摩達夫/栗原茂(画)「狼蜘蛛(ウルフスパイダー)」 P100-111
 ・よこき.けんじ「とびこんだボール」 P111
 ・黒部渓三/木俣清史(画)「友情天魔剣」 P112-125
 ・法城純二郎/渡辺郁子(画)「青みかんは悲しからずや」 P126-138
 ・たかし「釣」 P139
 ・吉田久三郎(絵と文)「少年少女野球ファン 見たり聞いたりオドロイたり」 P140-141
 ・久「変ったサイン」 P140
 ・久「大事な土」 P141
 ・佐竹治夫/石井治(画)「地下室の秘密」 P142-156
 ・sige「ローラースケートお手柄」 P157
 ・伊原鶴松/都竹伸政(画)「真珠海の盗賊」 P158-
 ・よこきけんじ「ダァちゃん日記」 P165-174,295
 ・小野正夫「じゅくすい」 P174
 ・合作=横木健二,内田清三,山口よし平,小野正雄「たんかい愉快ルーム」 P175-177
 ・三振亭凡語楼「落語 野球坊や」 P178-179
 ・まんがコンテスト P180-182
 ・冬村砂男/成瀬一富(画)「恐怖劇場」 P183-197
 ・なぞなぞ遊び P189
 ・富田邦彦/伊勢良夫(画)「二つの太陽」 P198-203
 ・城戸禮/川原久仁於(画)「腹ペコハイキング」 P204-213
 ・湯島次郎/阿部和助(画)「人喰虎ガダック・ザック」 P214-229
 ・世界珍談 熊のおまじない P229
 ・陣出達朗/矢島健三(画)「怪盗小夜叉」 P230-246
 ・☆鳥-獣-問-答☆ P237
 ・特別大懸賞 P247-248
 ・『少年少女譚海』新年特大号広告 P249-250
 ・横木健二「漫画あそび」 P251
 ・細島喜美/土端一美(画)「山を行く狐火」 P252-269
 ・久保よしひこ「弱い者いじめ」 P270-271
 ・野一色幹夫/加藤敏郎(画)「浅草の小鳩」 P272-287
 ・おのまさを「的外れ」 P286
 ・(『少年少女譚海』新年号 福引券記事)P287
 ・南沢十七/陣野重晴(画)「怪異壺男」 P288-304
 ・(『譚海文庫』第2号告知)P304
 ・横木健二「まんがの落ち」 P305
 ・鮎沢浩/平野林作(え)「燃ゆる山脈」 P306-323
 ・物識りページ 雪のいろいろ P324-325
 ・松永健/藤形一男(画)「上海群狼団」 P326-346
 ・愉快ルーム(一七五頁)の答 P346
 ・編集室便り P346
 ・広告 P347
 ・明治のこどもほけん P348
 数年前、前谷惟光の描くギャグ漫画にハマっていた時期がありました。
 泥臭くも緻密に計算されたギャグの見せ方は前谷の真骨頂であり、そのユーモアセンスは下手な雛段芸人のトークを遥かに上回っています。
 前谷の作品は主に貸本用漫画として発表されており、今から半世紀以上前に描かれていますが、ギャグの切れ味は最近のギャグ漫画と比べても遜色がありません。

 前谷の代表作『ロボット三等兵【貸本版】』がマンガショップより全3巻本として復刊されたのは2007年夏。それ以降、前谷作品の長編短編が次々と復刻され、知られざる作品とも出会えました。
 その中から、今回は買ったばかりの『ロボットスター+お茶づけ剣法』と『ロボット捕物帳+め組のロボット』を紹介しようと思います。


◎『前谷惟光傑作集26 ロボットスター+お茶づけ剣法』(マンガショップ・刊 2010年1月1日発行/2013年5月19日購入)

 漫画の主人公である事に嫌気がさしたロボットは映画スターを夢見て「大東京撮影所」へ乗り込み、守衛や社長と騒動を繰り広げた末、エキストラとして採用されました。
 殴られたり、階段から落とされたり、海に投げ込まれたり、鱶に襲われたり、エキストラの役目も大変です。
 苦労の甲斐あって「ターザン」の主役に抜擢されるものの、ここでもツキに見放され、とうとう主役の座をデブ公に奪われてしまい、「スターの末路というものはあわれなものだ」と嘆きながら前谷先生の許に帰ってくるのでした。(「ロボットスター」より)

 坊さんの宣託を信じた徳川将軍により、日本中へ「どんな動物も殺してはいけない」という命令が出されました。
 一匹の蚊さえ殺せない狂った世の中。そこへ颯爽と現れたのが浪人・春風夢之助です。
 襲ってくる犬を蹴飛ばし、役人を豪快に投げ飛ばす春之助は鬱憤の溜まっていた人々から「ばんざーい」と喝采を浴びます。
 将軍一行の追手を退けた夢之助ですが、化け猫騒動を利用して三味線屋を助けたり、一万両横領詐欺の共犯にされたり、彼の周りに騒動は絶えません。
 一万両を取り戻すべく行動を起こす春之助は、ひょんな事から辻斬りと間違われ、それがキッカケでトッピ正雪の目論む国家転覆計画を知り、八面六臂の大活躍で天下の乱を未然に防ぎ、同時に一万両も取り返したのです。(「お茶づけ剣法」より)

 新しい漫画のアイディアが浮かばない前谷先生は、横綱の東富士がプロレスラーに転身する新聞記事を読み、彼への取材を思いつきました。
 脱兎の如く家を飛び出した前谷先生。向う先は東富士の自宅です。
 無事に東富士と面会できた前谷先生は、彼の幼少時代から相撲引退までの半生を聞き、さらにレスラー転身後の活躍ぶりも含め、一編の長編漫画を仕上げたのでした。(「横綱レスラー 東富士」より)


◎『前谷惟光傑作集2 ロボット捕物帳+め組のロボット』(マンガショップ・刊 2007年10月2日発行/2013年5月20日購入【古書】)

 江戸八百八丁を騒がせる大怪盗・いたち小僧次郎吉。その容姿が旗本のトニー小次郎と瓜二つである事からテンヤワンヤの大騒動が勃発します。
 盗まれた黄金の大黒像や小判を取り戻し、いたち小僧を捕縛すべく、トッピ平次、むっつりロボット、ロボット犬は捜査を開始します。
 行く先々でドジを踏む一行ですが、トニー小次郎の子分・ごくらく二人組の活躍もあり、無事に盗品を取り戻せたのでした。
 息つく暇もなく、むっつりロボット達は河童が犯人だという盗難騒動に巻き込まれますが、こちらでは損な役回りを与えられ、最後の最後で大失態を演じてしまいます。(「ロボット捕物帳 第一幕」より)

 バカ殿の贅沢三昧で前谷藩の財政は火の車。少しでも出費を抑えようと大幅な人員整理が発表されたものの、組合のストライキに屈してしまい、とうとう蔵の中にある茶壷を古道具屋へ売るハメになりました。
 その日の晩、二人組の泥棒がオケラ城へ忍び込みます。ところが借金まみれの貧乏大名、お城の蔵はガラクタばかり。しかたがないので二人は茶壷を奪って古道具屋へ持ち込みますが、家老が茶壷を持ち込んだのと同じ店だったので話はややこしくなります。
 警察が出動する大騒ぎにまで発展する一方、バカ殿は夢の中で先祖のお告げを聞き、隠し財産の存在と地図の隠し場所を知りました。
 殿と家老の話を盗み聞きしていた腹中黒兵衛は、機先を制して行動を開始。茶壷を買い戻して隠された百万両を掘り起こします。
 五人と一匹は知恵を絞って百万両を取り戻そうと大がかりな作戦を決行。無事に埋蔵金は前谷藩の物となり、泥棒二人組は武士、古道具屋の親父は藩の重役になりました。
 ここに哀れを極めたのは黒兵衛。ボーナスの代わりに馘首の通告を渡されたのです。これも自業自得の結末。これにて「ロボット捕物帳」は幕を下ろします。(「ロボット捕物帳 第二幕」より)

 ロボット早吉は「エイトマンのような早さで火事場」に向かい、行き止まりであろうと道を見つけて現場へ急行する江戸の火消しです。
 風呂屋で騒動を起こし、鮨屋の親父を怒らせ、川べりでは金を落とした絶望から自殺しようとする町人を助けます。
 貸家での幽霊騒動、死人のカンカン踊り、鯛の頭事件、クソ壺水甕贈答、占い受難。ロボット早吉の楽しくも騒々しい日々は笑いに事欠かないのでした。(「め組のロボット」より)
 これまで7ヶ月以上も放置していたブログですが、ようやく更新できました。
 更新を再開できたものの、不定期更新なので今後の更新ペースは自分でも予測できませんが……。

 更新再開初回のネタは「ドキドキ!プリキュア」です。
 この作品は「スマイルプリキュア」の後番組として、2013年2月3日から放送が始まりました。【プリキュアシリーズ】として通算10作目となります。

 第15話「大いそがし! 真琴のアイドルな日々!」(2013年5月12日放送)は、剣崎真琴と相田マナ達の友情が深まる過程を丁寧に描いたエピソードでした。
 新作映画「白雪姫」で主役の座を射止めた真琴ですが、ハードスケジュールの疲労や王女様探しに焦る気持ちから演技に集中できず、先輩の大物女優に叱咤されます。
 彼女が手にするボロボロの台本を見た真琴はプロ意識に欠けていた自分を反省し、トランプ王国の護衛戦士「プリキュア」ではなく、多くの人に支えられながら活動する「芸能人」としての『自分の使命』をハッキリ意識するようになりました。
 王女様探しの手伝いを申し出るマナ達の好意を受け入れた真琴は演技に集中し、撮影も順調に進んでいきますが、クランクアップ直前、謎の少女が現れてジコチューを誕生させ、現場を混乱の渦に巻き込みます。
 クランクアップの現場を見に来ないかと真琴から誘われて撮影所を訪れていた三人も合流し、プリキュア四人でジコチューと対峙しますが、キュアハートの【プリキュア・ハートシュート】が効かず浄化できません。
 四人の力を合わせた合体技【プリキュア・ラブリーフォースアロー】により、辛うじてジコチューを浄化できましたが、戦いの一部始終を見ていた謎の少女は戦闘終了後、自分はキンジコチューの一人娘であるレジーナだと正体を明かします。
 唖然とするプリキュア達を尻目に、レジーナは「まったね~❤」と言い残して姿を消しました。

 これまでの真琴は一匹狼的な性格が抜けきれず、かなり打ち解けたとは言え、一歩引いた位置からマナ達と付き合っていましたが、今回のエピソードで精神的な垣根が取り除かれたように感じました。
 より強固な絆で結ばれた四人。これからの学園生活パートにも変化が見られそうで楽しみです。

 ◎余談1:ジコチュー戦を攻撃しようとするキュアソードがレジーナの「カーット」の声に反応して動きを止めてしまう職業病的描写、ユニークな発想(?)で面白かったです。
 ◎余談2:レジーナの微妙にロリっぽい声、まさか渡辺久美子さんの声だったとは……エンディングのクレジットを見て驚きました。どこかで聞いた声だと思っていましたが、記憶の正体はケロロ軍曹(またはクインシー・イッサー)でした!
 第35話「やよい、地球を守れ! プリキュアがロボニナ~ル!?」(2012年10月14日放送)は、第19話「パパ、ありがとう! やよいのたからもの」(2012年6月10日放送)に続く黄瀬やよい主役回でした。

 やよいに誘われ、みゆき達はTVアニメ「鉄人戦士ロボッター」の新商品を買いに来ました。
 そこへバッドエンド王国の三幹部が現れ、バッドエンド空間を作って人々のバッドエナジーを集めます。
 五人もプリキュアに変身しますが、マジョリーナの発明した『ロボニナ~ル』によってキュアハッピーがロボットになってしまいました。
 一人では動けないハッピーロボ。
 黒っ鼻の力でハイパーアカンベェ化けしたオモチャのロボットと融合したウルフルン&アカオーニに攻撃されるハッピーロボを見かねた四人はロボに乗り込みますが操縦方法が分からず、絶体絶命の危機に追い込まれます。

 前作「スイートプリキュア」の第41話「ファファ~♪ 最後の音符はぜったい渡さないニャ!」を思わせるユル~イ展開が面白く、プリキュアとロボット物を無理なく組み合わせるセンスは見事です。さすがシリーズ第1作目(「ふたりはプリキュア」)から脚本を担当している成田良美さん。
 早くもAパートで5人がプリキュアに変身し、後半はロボット対決という異色の構成は新鮮でした。
※第1話~第6話については、こちらを参照して下さい。


【第7話】
 完成に近づいた「不幸のメロディ」を歌う為、加音町の時計台広場へ作られたステージに現れたセイレーン。しかし、人質にとられたハミィが拷問で苦しむ姿を見て心の奥に封印したハミィへの友情が目覚め、第3のプリキュア・キュアビートに変身した。ネガトーン化した時計台に苦戦を強いられるメロディとリズムだったが、ビートは「プリキュア・ハートフルビートロック」の一撃でネガトーンを倒してしまう。
 キュアビートが初登場(アニメ版では第23話が実質的な初登場)し、メフィストが人間界へ始めて姿を現します(アニメ版では第34話で人間界に降臨)。ベースとなったアニメ版エピソードは未確認。

【第8話】
 プリキュアに変身したエレンは多くの人を不幸にしてきた過去の行動に煩悶するが、大切な仲間を得た事で心を開き、これからは人々を幸せにしようと決意を新たにする。
 ヘッドフォン装着でパワーアップしたトリオ・ザ・マイナーが初登場(アニメ版では第26話が初登場)しますが、容姿の変わった理由については説明がありません(響の「トリオ ザ マイナー! …ってゆーか なんかいつもと ちがう!?……」」と言う台詞のみ。アニメ版ではメフィストによる『悪のノイズ』でパワーアップしたとの描写あり)。
 アニメ版第24話がベースになっています。

【第9話】
 魔響の森で伝説のアイテム「ヒーリングチェスト」を手に入れた三人のプリキュア。トリオ・ザ・マイナーはメフィストの命令で「ヒーリングチェスト」を奪いに来るが、作戦虚しく強奪に失敗してしまう。
 クレッシェンドトーンが初登場(アニメ版では第29話が初登場)。終盤のみアニメ版第25話がベースになっています。
 魔響の森と「ヒーリングチェスト」については冒頭の2コマで簡単に説明されているだけですが、アニメ版第29話では詳しく描かれています。

【第10話】
 人間界に現れたメフィストとプリキュアの戦いが始まった。一進一退の戦況が続く中、遂にキュアミューズが正体を明かす。娘(=キュアミューズ)と妻(=アフロディテ)の愛でメフィストは本来の姿となり、メイジャーランドと人間界に一時(ひととき)の平和が訪れた。
 素顔のキュアミューズと変身メフィストが初登場(アニメ版では、どちらも第35話が初登場)。アニメ版第34話Bパートと第35話がベースになっています。

【第11話】
 封印を解かれたノイズは小鳥となって人間界に現れ、集まった音符を奪おうとアコに近づく。音吉によって正体が暴かれた時、禍々しい姿となったトリオ・ザ・マイナーが現れてパイプオルガンをネガトーンにしてしまった。力を合わせてネガトーンを倒したプリキュアだが、ノイズに逃げられてしまう。
 最終形態に変身したトリオ・ザ・マイナーが初登場(アニメ版では第36話でファルセットが変身、第37話でバスドラとバリトンが変身)しますが、変身理由については説明がありません(響の「ト… トリオ・ザ・マイナー!? …なんで!? みるたびに凶悪な姿になってく……」と言う台詞のみ。アニメ版では変身したファルセットがノイズに与えられた力でバスドラとバリトンを変身させますが、ファルセット自身は何の説明もなく第36話の終盤で変身しています)。
 音吉とノイズの因縁をアニメ版第37話から借り、アニメ版第38話と第40話をベースにしています。

【最終話】
 クリスマスの夜、人間界に現れたファルセットは「キュアモジューレ」を奪って「不幸のメロディ」を完成させてしまう。完全体となったノイズは世界中の人々は石化させ、ファルセットと共に姿を消した。失われた音楽と笑顔を取り戻す為、プリキュアはノイズとの決着をつけようとメイジャーランドへ向かう。
 ここで雑誌連載は終了し、2月発売の『おはなしブック』(未見)へ続きが掲載されると告知されていました。
 アニメ版第44話がベースになっています。