寺田真理子オフィシャルブログ
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最新刊は『古典の効能』です。著書、翻訳書はAmazonの著者ページをご覧ください。監修書などはこちらのページでご紹介しています。一部の著作については、作品の内容や背景についてのトークショー動画をご覧いただけます。

『心と体がラクになる読書セラピー』がオーディオブックになりましたAmazonのAudible版でお聞きいただけます。またaudiobookでもお聞きいただけます


中国語繁体字版に続き、『心と体がラクになる読書セラピー』のタイ語版が発売になりました。




読書セラピーについてのインタビュー記事(タイパ全盛の時代に、「癒やし」の本が求められるワケ (flierinc.com))をご覧いただけます。Newsweek日本版からもご覧いただけます。



『ブリコラージュ』で「事例で学ぶ 認知症と性とウェルビーイング」を連載中です。責任編集をさせていただいた特集号とあわせ、どうぞよろしくお願いいたします。



本による癒しの香りBibliotherapy(ビブリオセラピー)を入荷いたしました。
商品のご紹介や香りの特徴、使い方やギフト用のご提案はこちらの記事をご覧ください。



連載『あなたを出版翻訳家にする7つの魔法』の「出版翻訳家デビューサポート企画」からは、企画通過者が次々に誕生しています。すでに翻訳書が発売されたよしとみあやさんのデビュー記念インタビューとあわせてご覧ください。

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4月の読書会『なにか、わたしにできることは?』レポート④

4月11日(木)に開催した読書会のレポートをお届けしています。

 

4月の読書会『なにか、わたしにできることは?』レポート①はこちらをご覧ください。

;4月の読書会『なにか、わたしにできることは?』レポート②はこちらをご覧ください。

;4月の読書会『なにか、わたしにできることは?』レポート③はこちらをご覧ください。

 

今回は、拙訳書のため、私からのコメントや参考情報、裏話などを付け加えながらお伝えしていきます。

 

 

「主人公が抱えている不安とはまた違う類の不安のために、相当苦しかった時期がある。『不安でたまらない』という文章が出てくると、走馬灯のように過去の記憶が思い出され、過去に引っ張られて、読んでいて動揺してしまうところがあった。

 

絵本では最後に主人公がすっきりして晴れ晴れとするが、その先が不安になる。すっきりしたと思ったら、次の日にはそれだけでは解消されない、ということが10年くらい続いていたので、いろいろと思い出してしまう。

 

だが、今それを総括して話せるということは、今は不安を解消したということで、こういう本も冷静に読めるのはラッキーだと思う。

 

『何か違う』という不安があった。『他の人と違って、自分には何かが欠けているのに、そこに気づかないまま生きているのではないか』という不安があった。だが、それが何なのかがわからずにいた。積極的に行動を起こしづらく、不安から逃げることでごまかしていたが、あるきっかけで気づいて、その日を境に変わっていった。

 

納得して整理するのに数年かかり、いまだに過去の欠けている生活に一瞬戻ることはある。仕事や私生活を含め、抱え込むとそうなりがちだが、数日でそのことに気づける。以前は過去の思考回路が継続していていたのが、徐々に気づく時間が短くなっていった。

 

病院にかかったりはしなかった。欠けているかもしれないけれど、自分で気づかないといけないという使命感があった。専門家にかかればよかったのかもしれないが、かかる怖さもあり、一線を越える気がしていた。逃げて、逃げて、究極のところで、逃げの一種として芸術活動に向かっていった。直接向き合わずに、社会から外れた感じで不安と向き合っていった。

 

頭で考える部分が大きくて、いろいろなものを自分に課していて、完璧主義のようになっていた。理想の自分に現実の自分が征服されてしまっていたが、あるとき現実としてここに肉体があることに直感的に気づけた」

 

納得して整理するのに数年かかり、過去に戻ってしまうことがあるというのは、うつ病の場合にも通じるように思います。私も、回復して出版をしたり講演をしたりするようになってからも、急激に処理能力が落ちることがありました。たとえば、「メモを取る」というときに、「メモを取るためには……筆記用具が必要で……ペンとかシャープペンとかで……きっとペンのほうがいいはずで……」という具合に、ゆっくり一つひとつ考えないと対応できないのです。

 

それでも、「今は処理能力が落ちているんだな」と捉えて、たとえば予定が10個あったら「1個できればいい」という具合に、ハードルを下げることができるようになったことに、回復できていることを感じました。以前であれば、「こんなこともできないなんて! もうダメだ!」という思考パターンになっていたでしょうから。「とりあえず今は生きてさえいられればいい」というところまでハードルを下げられることも大切だと思うのです。

 

☆告知☆

拙著『古典の効能』第4回読書会を4月28日(日)に開催します。本書を読みながら、テーマについて一緒にお話をする会です。今回のテーマは「忘れたい失敗」。話すことで、失敗を忘れてしまいましょう。詳細・お申し込みはこちらをご参照ください。

 

 

 

次回のパーソンセンタードケア講座のご案内

昨日は「認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座」をオンラインで開催させていただきました。ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

 

次回は6月19日(水)14:00~15:30の開催となります。詳細・お申し込みはこちらをご参照ください。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

※なお、その次の開催は

 

 

8月20日(水) 14:00~15:30

 

となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

『古典の効能』第4回読書会

拙著『古典の効能』の第4回読書会は今度の日曜日、4月28日の開催です。

 

画像のように講義形式で本書の内容をお伝えするのも好きなのですが、

 

 

読書会では参加者の方々のお話をおひとりずつ伺えるので、また別の楽しみがあります。それぞれの人生をお福分けいただくようで、拙著の世界が多面的に膨らんでいくようにも感じます。

 

今回のテーマは「忘れたい失敗」。いったいどんな失敗談が出てくるでしょうか……?

 

当日は私が講師と進行を務めさせていただきます。

主催は版元の雷鳥社さまとなります。

詳細・お申込みは以下をご参照くださいませ。

 

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古典を参考に、しなやかな生き方を考える読書会です。

『万葉集』の歌人たち、『枕草子』の清少納言と定子、『古事記』の登場人物は、とても柔軟で強く、しなやか。
彼女ら彼らの悩みの乗り越え方や、自身の心の整え方は、現代に生きる私たちの参考になることばかりです。

 

第1回から第3回のテーマは「気持ちの切り替え方」、「苦手な場面の切り抜け方」、「うれしかった贈り物」。
日本の古典を身近に感じながら、家族や友人には話しづらいことを率直に話すことができる機会です。
古典のエピソードや、他の参加者の対処法を知ることによって、心を整えるヒントを得ていただけたらうれしいです。

古典や本書を読んだことのない方も、ぜひお気軽にご参加ください。

 

※テーマを変え、全5回開催予定。1度のみの参加でも大丈夫です。

 

第4回:忘れたい失敗
日時:2024年4月28日(日)13:15~14:45


主君である定子を慕っているという思いが、誰かのくしゃみ(嘘のしるし)によってうまく伝えられなかった清少納言。

言い訳の機会を与えられたものの、心が晴れません。

「うたて。をりしも、などて、さはた、ありけむ(ああいやだ。よりによってあんなときに、どうしてあんなことがあるの)」

そんな『枕草子』のエピソードを題材に、「たまに思い出してしまう失敗」「失敗してしまった時の自分への言い訳」

などをみなさんに話していただきます。

人前で話すことで、失敗を忘れてしまいましょう。

  

当日の予定
・著者の自己紹介と本の説明/10分
・参加者の自己紹介/10分
・朗読と解説(心理学の話)/10分
・談話/60分

おひとりずつ順番に話していただきます。適宜、著者から質問やコメントを入れ、

場合によっては心理学的な観点からアドバイスをします。みなさんにコメントを求めることもあります。

 

会場
西荻窪BREWBOOKS2階
167-0053 東京都杉並区西荻南3-4-5
JR西荻窪駅南口より徒歩4分。西荻南児童公園の隣。
※靴を脱ぐ会場です。

 

参加費
各回2000円(お茶・おやつ付き)
※書籍は必須です。
「ご持参」または「当日会場にてご購入」ください。
※お支払いは現金のみです。

 

予約
メール:shoji☆raichosha.co.jp(☆→@)
担当:庄子

※お名前、参加回、人数、ご連絡先、書籍の「ご持参 or ご購入」をお知らせください。

 

定員
各回8名

 

 

著者プロフィール
寺田真理子
日本読書療法学会会長。
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。
読書によってうつから回復した経験を体系化して日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。万葉集や枕草子、徒然草などの古典を清川妙氏に師事。著書に『心と体がラクになる読書セラピー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、訳書に『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと』(Bricorage)など。

 

 

 

 

 

 

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