discord
Amebaでブログを始めよう!
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お久しぶり! 報告があります。

お久しぶりにブログを書き込みます。

TOKYO-FMの『discord』が去年の9月に終了し、同時に僕は『STAR soccer』というまったく新しいプロジェクトを始めました。これはサッカーをバイブルにしたライフスタイル月刊誌と、インターネットを駆使してwebやモバイルやECまでやっていこうという、総合メディア・プロジェクトです。僕はここで編集長とすべてのクリエイティヴ・ディレクターを手掛けています。

もうね、日々、信じられないほど「discord=摩擦」が起きています。

音楽ジャーナリズム15年の男が、同じメディアと言えどもインターネットを駆使して、しかも軸にはサッカーがあるプロジェクトを始める。あまり、というかまったく聞いたことがない挑戦をしています。摩擦は当然でしょう。勝手も違うし、システムも違うんだから。

でも本当に幸せだと思うんです。自慢したいぐらい、幸せだと思うのです。この年齢になってこんな挑戦をさせてもらうチャンスを手に入れられる自分はとても幸せで、「何で月に2回『ロッキング・オン・ジャパン』を出してロック・イン・ジャパン・フェスをオーガナイズしていた時期より忙しく働いているんだろう?」という気持ちが吹っ飛ぶほどの充実した日々を過ごしています。この挑戦の日々を共に過ごしている仲間と、何よりこの挑戦の権利を与えてもらうまでの15年という道を引いてくれたすべての人たちに感謝をしています。

STAR soccerのwebもいよいよ激しく摩擦を起こそうとしています。
今もいろいろな企画が満載なのですが、これから「blog PLANET」というブログ広場を始めます。ここには「サッカー・スピリッツ」「ロック・スピリッツ」を持った者が集まり、約20個のブログを書き綴ります。
僕もこの「blog PLANET」でブログを始めることにしました。URLは――
http://plaza.rakuten.co.jp/starsoccerbp10/

テーマはラフなのですが、「音楽日記」をやります。つまり、「discord」です。サッカー・ブログだからこそ、敢えてロック・フリークとしてブログを開こうと思います。今まではFACTのHPの個人日記にしろdiscordにしろ、音楽ジャーナリストとしてブログ日記を書くことにあまり気持ちが進みませんでした。他のメディアやいろいろな場所に書くことができたし、それが仕事になっていたからだと思います。
しかし、なんかムクムクしてきました。ですので、ここでロック・ジャンキーとしてのブログを立ち上げます。
是非、遊びに来てください。そして今まで同様に、僕とのロック・ミーティングに参加してください。
待ってます。

最後にこのdiscoerdブログに読者登録してくれたみんな、支えてくれてどうもありがとう。そしてアメブロにも感謝します。これからは「楽天広場」に場所がシフトするのでいろいろ変わりますが、勿論、コメントも残せるし、トラックバックもできます。

一緒に遊んでください。



STAR soccer 鹿野 淳

明後日8日はロックとダンスと戯れる新年会、black sunです!

以前にも告知させてもらいましたが、
明後日8日はロックとダンスと僕らの大新年会パーティー、black sunです!

前回の告知後、新たにLIVE ACTとして向井秀徳とOCEANLANEの、
そしてDJとして中村達也from LOSARIOSの、
参戦が決定しました!
(ちなみに向井は、ZAZEN BOYSでも無戒秀徳でもない、ただの向井秀徳としてやってきます! 
何をやるかは当日のお楽しみ~)
最終的なラインナップは下記をご覧ください。
素晴らしい音楽が鳴り響きまくることが伝わると思います。

年が明けても、これだけのグッド・ミュージックやアーティストと共に
「ロックとダンスの缶詰」に詰め込まれる僕らはとことんハッピーです。
すべてソールドアウトとなった過去3回以上の密度で贈るblack sun、
ここはロックとダンスの天使が踊る新年会です。

当日券の発売も決定しました!
14時からリキッドルームの窓口にて、2500円で販売します!
(数に限りがありますので、お早めにどうぞ)。
この値段で踊って笑て過ごす一日って、素敵だと思いませんか?
みんなの最高の笑顔やステップと共に、年明け1発目のパーティーを楽しみましょう!!

鹿野は当日、「汁粉&雑煮BAR」を開きます。是非、喰ってやってください!

明後日の日曜日、振る舞い酒と共に、「黒いハコ」を素晴らしき音で満たして待っています。



black sun
presented by Atsushi Shikano & LIQUIDROOM
supported by NAPSTAR×TOWER RECORDS


LIVE
 向井秀徳
 OCEANLANE
 the ARROWS
 i-dep

DJs
 DJ TASAKA
 KAGAMI
 SUGIURUMN
 高橋孝博 a.k.a. HALFBY 
 Captain Funk(Tatsuya OE)
 中村達也(LOSALIOS)


date : January 8th, 2006
place : LIQUIDROOM ebisu
open/start : 15:00~
ticket : adv/¥2000 door/¥2500(税込・ドリンクチャージ別)
   チケットぴあ(Pコード/218-938)、ローソンチケット
    (Lコード/35012)、リキッドルームにて発売中
info : www.liquidroom.net tel/03-5464-0800

06年、「心の耳」が初聴きした一曲は何だったでしょうか?

明けました!

おめでたくはないですが、でも生きている幸福を感じれる大切な一瞬です。

みんなはどうやった年を越したのでしょうか?


鹿野は今年、生まれて初めて外国で年越ししました。

「マンチェスター」です。

日本が年越しをした瞬間、マンチェスターは午後3時。

ちょうどマンチェスター・ユナイテッドvsボルトンの試合がキック・オフされた瞬間でした。その試合が終わった瞬間、スタジアムに響き渡ったのはU2の”BEAUTIFUL DAY”。

僕には「願いの歌」として聴こえてきました。


そして日本から遅れること9時間、マンチェスターも年越しの瞬間を迎え、僕はトライバル・ギャザリングという、イギリス最大手のレイヴ・オーガナイズ・グループが開催したクラブのニューイヤー・パーティーに遊びに行きました。

汗が吹き出て止まらない中、GROOVE ARMADAのナイスなDJに導かれて歓喜の年越し!

その後2曲目で耳にしたのは(年越し一曲目は知らない曲だったっす。多分、GROOVE ARMADAの曲だと思うんだ)、デリック・メイの”ストリングス・オブ・ライフ”でした。日本でもカウントダウンの瞬間に耳にしたことがあり、自分がDJするときも75%の確立でスピンするアンセムなので、「あぁ、音楽は世界を自由に回すんだなあ」と心の底から喜びが湧き上がってきました。


新年明けて最初にどんな音楽を、どんな場所で、どんな気持ちで耳にしましたか?

あなたの新年一発目の摩擦を教えてください。

このコーナーの下にコメント欄があります。そこをクリックすると、メッセージが書き込めたり、いろいろな人のメッセージを読むことが出来ます(トラックバックも同じ)。


今年も音楽を愛し、いろいろなものを音楽自身に求めながら、ロックしていこうと思います。

音楽というイメージの中で、いろいろ一緒に遊び、そして感じ合える摩擦を起こしせたら嬉しいです。

よろしくお願いします!!


鹿野 淳



05年、みんなはどんなLIVEに素晴らしき場所に連れて行ってもらいましたか?

今年は今まで以上に音楽ソフトの地殻変動が起こり、ポップ・ミュージックからロックまで、それぞれの在り方が問われる一年でした。

実際には、何かが大きく変わったわけじゃないけど、何かを変えたい人は沢山いて、そして何かを変えたいがために音楽ハードが大きな変化を起こしています。

アーティストであるならば、考え出したらキリがないこの一年。彼らが自らの迷いを取っ払うために行った一番大きなことは「ライヴ」だったと思います。

結果的に、音楽を生み出すのはレコード会社やCDやオーディオ・システムのためではなく、自分のためであり、それを求めてくれる人のためなんだ――そんな最も純粋でストレートな音楽の原点としてのライヴが、今年もたくさん開催され、そして興奮させてくれました。


「あなたは05年、どんなライヴに心が震え、そして何を想いましたか?」


discordは今年の最後に、みんなに「素晴らしきライヴの記録」を求めます。

どんなメッセージでもいいです。洋楽邦楽問わず、思いのままを綴ってください。

自分の部屋の片づけをするように、今年のミュージック・ライフを振り返るように、メッセージを送ってください。


このコーナーの下にコメント欄があります。そこをクリックすると、メッセージを書き込んだり、読んだりすることが出来ます(トラックバックも同じです)。どうか楽しみながら、書き記してください。そして読み合ってください。

待ってます。


あなたをぎゅっと幸せに導いた1曲って、何ですか?

あなたをぎゅっと幸せに導いた1曲って、何ですか? 教えてください!———
新年1発目のサンデー・パーティーは、大人気パーティー「black sun」!
2006年も飛びっきりの音楽芸者達が、あなたを天国にイカせます!!



 素晴らしいロックと素晴らしいダンス、そして素晴らしくも何ともない時代に流されることなく素晴らしいミュージック・ライフを送ることができた2005年が終わろうとしています。今、僕らがやることは振り返ることじゃありません、いち早く2006年ゾーンに飛び込んじゃいましょう!

 リキッドルーム新年初のサンデー・セッションは、2005年に名物パーティーとなった「black sun」です。前回は「ダンス番長」ファンタスティック・プラスティック・マシーンと、「男気番長」東京スカパラダイスオーケストラの谷中 敦、そして「歩くイビザ」sugiurumnによるDJ。そしてある人には「音楽水族館」、ある人には「音楽プラネタリウム」なレイハラカミと、「救われなき魂の救世主としてのロック吟遊詩人」シロップ16gの五十嵐 隆、そしてこの日が新バンドお披露目日となったアヒトイナザワ率いるVOLA & THE ORIENTAL MACHINEによるライヴによって、満員御礼の笑顔と共にアンビリーバブル&アンタッチャブルな音楽宴会を開催することができました。

 今回もテーマは非常にクリアなパーティーです。わかるでしょ、みんな。開催日は1月8日、お題は呑めや踊れやの「新年会」だ、おらぁっっっっ!

 宴会芸ならぬ、宴会DJ陣にぬかりはありません。まずは、電子エンターテイメント日本代表のDJ TASAKA、そしてKAGAMIによる「真冬のディスコ・パラダイス」なDJパラダイス。そして前回もジェット気流一直線だったsugiurumnと、わざわざ京都から飛んで来てくれるダンス・ウォルト・ディズニーなHALFBY! さらに復活気流に乗ってアッパー・カット喰らわせてくれるは、あのキャプテン・ファンク
 そんなDJ陣とがっぷり四つに組むライヴ・チームは、「フィッシュマンズが呑んだくれていた時代の下北沢ロック」と呼んでも差し支えないであろう、名古屋が生んだ至福センチメンタル人気バンド、THE ARROWS。そして、北欧のエレクトロニカ勢とは一線を画した、ヨーロッパでも大歓迎されている「ぽっかぽか電子パーティー・ミュージック」、i-dep

 実はさらに「芸達者」が加わる可能性もある'06年1発目のblack sun。同じくFACT鹿野 淳とリキッドルームがタッグを組んだ「都会のプチ・ロック・フェス」HOLIDAY INN BLACKも含め、3パーティー全てソールドアウトした'05年の余勢をかって、さらにハッピーかつクレイジーに盛り上がろうと思います。

 昼の15時から22時までの7時間オーバー・パーティー。1日、ここに居続けてもらうための「余興」もばっちり催しております! 最早このパーティーの生命線となりつつある、タワー・カフェ・プレゼンツ「black sun限定、1コイン(=500円)メニュー」も、新年っぷりを露にしてくれるでしょう。そしてかつて類を見たことがない、「ロビー・フロア、40畳分大人工芝宴会場」では、まさに新年会真っ盛りで、百人一首から人生ゲーム、そしてトランプまで何でも用意してます!………誰か、僕と野球拳やりませんか?

 幸せだからパーティーするんじゃありません。幸せになりたいからパーティーするんです。過去にこのパーティーで知り合ってLOVEが生まれた人多数、うち一組は結婚!!なblack sun。新年だから、儲けはしょったギリギリ・プライスはなんと前売り2000円!!!!! 1時間あたり300円もしないお値打ちパーティーblack sun。バーゲン行くより得るもの多し、素晴らしいNEW YEAR, NEW HOLIDAYを、踊って感じて過ごしましょう! 


———というわけで、鹿野とリキッドは新年早々、再びパーティーをおっぱじめます。
それを記念させてもらい、今回のテーマは
「あなたをぎゅっと幸福に導いた音楽は何ですか?」です。
お年玉のような1曲でも、クリスマス・プレゼントのような1曲でも、
そして、わたしを救った1曲、でも何でも構いません。教えてください。

下の<コメント>というところをクリックすると投稿できます。
たくさんのメッセージ、待ってます!




black sun

presented by Atsushi Shikano and LIQUIDROOM
supported by NAPSTAR×TOWER RECORDS



date : January 8th, 2006
place : LIQUIDROOM ebisu
open/start : 15:00~
ticket : adv/¥2000 door/¥2500(税込・ドリンクチャージ別)
   *先行予約 : 12月17日23:00~www.liquidroom.netにて
   *一般発売 : 12月23日~チケットぴあ(Pコード/218-938)、ローソンチケット
    (Lコード/35012)、e+、リキッドルームにて
info :www/fact-mag.com or www.liquidroom.net ( tel/03-5464-0800)

2005年、心に残った音楽、摩擦を覚えたロックをここに届けてください!

2005年も終盤に入ってきました。
今年もたくさんの素晴らしき音楽がドロップされたと心から感じられた一年でした。

ベテランや影響力のあるバンドが、その役割を真っ向から受けとめ、「時代よりも状況よりも、まずは僕ら個人が繋がろう」と琴音を鳴らした年だったと思います。

そして、名も届いていないバンドが、曲の良さと透明なスピリッツだけで状況を切り崩すばく表われ、06年に向けて宣戦布告を遂げた一年でもあったと思います。


あなたがいいと思った曲、、耳に残って離れなかったフレーズ、
心が揺さぶられた楽曲、アルバム、そして心に刺さったロック・スピリッツは何だったですか?

disocrdに届けてください。

この文章のすぐ下の「コメント」というところをクリックすると、書き込みができます。
あなたが感じたまま、思いのままにその音楽をレヴューして、投稿してください(トラックバックも同じです)。

そしてみんなで読み合って、感じ合って、突っ込み合ってください。

もちろん、洋楽、邦楽は問いません。
たくさんのコメントを待ってます!



向井と岸田―――ⅢとNIKKI

 ここ1週間、ハマりにハマっているアルバムがある。
 ZAZEN BOYZの『Ⅲ』だ。

 完成したようで、送ってもらいました。
 ぶっ飛ぶわ。
 それこそナンバーガール時代から毎回、向井はぶっ飛ばせてくれる。それはメロディから、声から、何よりディストーション・ギターから、そして音楽という名のすべての「間合い」の絶妙な発狂から、彼しか持っていけないやり方でぶっ飛ばせてくれる。
 向井のルーツにプリンスがいるのは有名な話で、彼の金属的なロックに腰の据わったファンクとセクシャルなエッセンスが入るのは多分にそういうところからだ。前作にあたる『Ⅱ』はそのロックとファンクとポップのバランスが異常によいロック・アルバムだった。今回はね、それとも全然違う。あんまバランスは良くないと思うんだ、これ。しかし、バランスを超えた発狂と洗練が詰まっているんだ。発狂はすげえ発狂しているし、洗練されているのはとことん絹のようなアレンジで洗練されまくっている。その極点美というべきなのか、すげえ放熱しているのだ。特に中盤がいい。発狂も洗練も、すべてをバンドのグルーヴが支配していて、今、こんな「猛獣使い」のようなロック・バンドはどこ探してもいないんじゃないか?と震えてくるんだよね。
 このアルバムは、絶対に体験すべきだ。ロックの定めを超えたロック・アルバムだ。

 くるりの『NIKKI』も語りたい。

 僕は、いや、僕以上にいろいろなジャーナリストがくるりとZAZENを、そして岸田と向井を相対させて語る。みんなどういうつもりなんだろうな?
 僕はこの二人の音楽性を真逆なものとして受けとめ、そして楽しんでいる。綺麗なまでに真逆なものとして感じられるのだ。
 向井のところで書いた言葉を使うなら「発狂」と「洗練」のバランスだ。向井は醒めているならではの発狂が大きな世界観を描き出し、その中で自然とポップという名の洗練さがいろいろなものを包んでいく。
 片や岸田は、あまり醒めていないアーティストだと思う。彼は基本的にいつでも無我夢中なアーティストなのだ。無我夢中じゃないときの彼は本当にからっぽで、満タンかガス欠かのどっちかしかないクリエイターだなぁと、個人的に思っている。
 だから岸田はその無我夢中になっているものを何とか形にしようと整理するのが上手だ。だから彼の音楽は発狂というより洗練さが際立っている。洗練された世界のネジを巻くために発狂エキスを降りかける感じ。だから彼の作るくるりのアルバムは毎回、コンセプトがはっきりと聴こえてくる。

『NIKKI』は最初、「なんだかわけがわからんアルバムだなあ」と思っていた。世間が並べる「最高傑作」や「すげえロック・アルバム」という言葉が自分の中では浮いて浮いてまったく共感できなかった。それは多分、これを聴くとすぐに「ボ~っとしてしまう」からだったのだと思う。なんかすごいボーっとするんだ。耳の奥で貝の中から聴こえてくる幻聴のような、そんな感じがしていたのだ。このアルバムを聴いていると、まるで冬の海に大切な人と二人でいるような、「寂しくてしかたがないからこそ感じられる、絶対的な幸福感」が迫ってくるのだった。
 しかし、聴いているうちに幻聴のように感じられたアルバムが、どんどん「超実体」として聴こえてくるようになった。それがくるりの素晴らしいアレンジ能力によるものなのかどうかはわからない。たしかにこのアルバムも今までのアルバムに勝るとも劣らない洗練のレベルが聴こえてくるのだが、その洗練のベクトルは主に「サウンド」に向けられている気がするのだ。
 じゃあ、曲は何なんだ?ということになる。曲はね、「LOVE」だと思うんだ。どしようもなくLOVEしているメロディとハーモニーだと思うんだ。岸田がここまでLOVEを当為なものとしてソング・ライティングしたのは初めてなのではないか? そんな迷いがない無上のメロディが聴こえてくるのだ。洗練させることすらできない、LOVEの純粋さに魅せられたメロディとハーモニー。
 心がしびれるアルバムだ。今、岸田に会うと恋してしまいそうだ。
 みんな、このアルバムを聴くと恋してしまうんじゃないかな。
 切ないほど幸せな、残酷なほど心が魅せられていくあの感じ。
 恋の病が蔓延する、ある意味危険なアルバムだ。ソロになったジョン・レノンをどこかで彷彿とさせるアルバムの気がしてならない。

やっぱ納得いかねえわ

 ロンドンで読んだ(とは僕の英語力だと言えないか)新聞の記事が、ずっと頭から離れない。ロンドンでは「METRO」という新聞が地下鉄駅構内で無料で配られていて、その1面を飾っていた記事だ。

「ビル・ゲイツ、『CDとDVDは死滅(=doom)するだろう』と語る」

 METROの1面にはこう書いてあったのだ。大きなニュースだから、日本でも報道されたのではなかろうか。
 ここで「音楽&映像配信の時代におけるCDやDVDのあり方」を書くつもりはない。そんな論議は何度も行われているし、僕はDVDはまだしも、CDというパッケージはレコードというパッケージの次に好きなものだ。だから当たり前のように、なくなって欲しくない。しかし、それは至極個人的なことで、僕は配信にもとても興味がある。
 だってそこに音楽があるんだから。
 最近、NAPSTARをやっているが、あれは買うというより借りるという意味においてとても面白く、CDなどのパッケージとの連動も考えることが出来てとても興味深い。
 いや、ここで書きたいのは「ビル・ゲイツが——」という部分だ。

 僕はね、ビル・ゲイツにそんなこと決められたくないんだ。だって彼はあっち側の人間だから。

 いや、わかっている。どれだけガキ臭いことを大げさに書いているかはわかっている。確実に時代はCDやDVDのパッケージの次世代マターへと向かっているし、そういうことを話すに最もふさわしいイコンがビル・ゲイツだし、彼のような存在がこういうことを明確に話すことによっていろいろなことが前へ進んで行ける。それはね、わかる。
 だが、やはり嫌なのだ。あっち側の人間がこう言い放ち、それでみんなが安心したかのような顔でそっちを向いて、「やっぱそうだよね、うんうん。俺も前からそう思っていたし」なんて話して、次の日にiTMSなどの配信数がどっと増す。
 そういうのは激しく嫌なのだ。

 関係なさそうで関係ある話なのだが、昨晩(というか、今日の朝まで)はファンタスティック・プラスティック・マシーンの10周年パーティーが新木場のスタジオ・コースト(=ageHa)で行われたので、遊びに行ってきた。田中さん、10年おめでとう。
 勿論楽しかったし、気持ちがとてもよかった。イビザ・アンセムとしても10年に1度ぐらいの名曲“ミュージック・サウンド・ベター・ウィズ・ユー”のヴォーカリストを務めたベンジャミン・ダイアモンドが歌うというので、それがかなり楽しみだったりもした。彼の歌はよかった。けど、その後の彼のDJがあまりにも酷くてね。ちょっとびっくりした。DJは自分が気持ちよくなるためのものじゃなく、踊っている人にハピネスを振り掛ける、そのこと自体を気持ちよがるものなんだよ、ベンジャミンさん。
 と思いながら、それでもフロアで拾ったドリンク・チケットでぐびぐびカクテル呑んでいたら、その後のDJが素晴らしくて! それがMUROとエスカレーター・レコーズの仲くんだった。MUROはヒップホップというかR&Bだし、仲くんはロッキン・ハウスだ。タイプは全然違う。勿論、プレゼント・ソング(僕はDJが流す音楽をこう呼んでます。プレゼントもらってる気持ちになりませんか?)もまったく違うものだった。でも二人ともすげえよかったんだ。

「音楽知ってるDJは最高だなあ!」

 こう思ったのです。絶妙なんだよね。絶妙にセクシーだったり(MURO)、絶妙にガンガンだったり(仲くん)、何しろ絶妙で、本当に気持ちが全部スピンされてる音楽に翻弄されてしまったんです。すごい楽しかった。
 この二人は、レコード・ショップを開いている(MUROはいた?なのかな。服とレコードを渋谷で売っていたのを覚えています)DJで、多分死ぬほど音楽聴き続けてると思うんだ。僕もずいぶんと聴いてるつもりだけど、そんなもんじゃねー!って感じなんじゃないかと思うんです。そう思うほどの「音楽知ってんなあ!」なDJだったのです。
 こういう人は、音楽自体にとって何より大事な存在だと思うんだ。
 だからレコード・ショップを残せ、という話じゃない。いや、僕はレコード・ショップには音楽の達人がたくさんいるので、大好きなのだが、ここもまたそういう話じゃない。

 こっち側にはこんな素晴らしい音楽と伝達者がいるんだ。

 ということを声高々に伝えたいのだ。
 先週、何度かバンプ・オブ・チキンとインタヴューしたのだが、プロモーションという言葉の意味とはかけ離れた、もう何だかわからない告白をし合う会話となった。藤原基央はこんな時代だからこそ、音楽以外のことに関して鍵をかけまくっている。その中で、音楽を作り続けている。こういうアーティストが、リスナーである僕ら側にはいるのだ。MUROにしろ仲くんにしろバンプにしろ、心のそこから誇らしく思える。
 音楽がどんな進化と変化を遂げるのか、それは音楽自体の問題で、システムはそれを補填するべきものなのだ。ラジオもテレビもレコードもラジカセもウォークマンもみんなそうやって、音楽を聴く僕らを進化させ、補填してきたのだ。だから、ビル・ゲイツの発言のような「CDやDVDが死滅する」なんてことはどうでもいいことだし、その発言自体に圧倒的な不信感を覚えるのだ。愛がないんだよ、金と成功にしか愛が感じられないんだよ。頭くるんだ、そういうのが音楽にへばりついているのが。
 音楽も映像も配信することはいいよ。そのシステムによって音楽や映画が好きになった人もいるだろうから。しかし、だからってCDやDVDを殺す必要なんてまるでない。いいものは、進化の過程の中で必然的に人々に選ばれて行くのだ。

 僕らはもっと音楽を聴きたい。けど、やり方なんて誰にも決められたくない。まして、仲間でもない人の一言なんて、聞きたくもない。

9月30日、discordはファイナルを迎えます。最後の摩擦を、共に起こそうよ。

次回のdiscordは、9月30日金曜深夜25時です。
最後のdiscordです。

1年間にわたって起こしてきた摩擦の最終章を共に起こそうよ。

最後に僕は、30分ずっとロックを語り続けます。
最後にdiscordは、30分ずっとロック・ミュージックを鳴らし続けます。
やりたいことをやり、鳴らしたいロックを鳴らす。
最後までdiscordは鳴らしたい音楽と言葉を暴発させます。

テーマは
「僕のロック、あなたのロック、discordするロックって、本当に一体何なんだろう?」
です。

最後の最後まで、ロックと一緒にあがき続けようよ。
こんなクソ面倒な番組もない世の中だから、最後までロックを掲げてあがこうよ。

あなたにとって、ロックとは?
何でもいい、言葉と気持ちを寄せてください。

このコーナーの下にコメント欄(コメントと記してある所です)があります。
そこをクリックすると、メッセージを送ったり読んだりすることが出来ます。

このコーナーに至るまでにも、たくさんのメッセージや意見を投げてもらいました。
宝物をありがとう、心から感謝します。
みんなも振り返りながら、読んでみてください。
そして最後の言葉を、投げてください。

9月30日まで、discordしましょう。

9月9日のdiscord、オンエア・リスト

「あなたにとって、闘いの歌って何ですか?~レベル・ミュージック特集」
をテーマにお送りした9日のdiscord。
みんなからもたくさんのメッセージをいただきました、ありがとうございます。
今回はたくさんの曲を届けたかったもので、DJ形式でバシバシ流して行きました。
楽しんでもらえましたか?
オンエア・リストは以下の通りです。


M1. MO'SOME TONEBENDER / ペチカ(10月19日リリースの同名MSより)

DJ set list
  1. Public Enemy / Fight The Power
  2. Beck / Loser
  3. Rage Against The Machine / Bulls On Parade
  4. Dragon Ash / Viva La Revolution
  5. Radiohead / Airbag
  6. 椎名林檎 / 丸ノ内サディスティック
  7. クラムボン / サラウンド
  ~MC~
  8. Green Day / American Idiot
  9. Primal Scream / Rocks
 10. エレファントカシマシ / ファイティングマン
 11. ZAZEN BOYS / HENTAI TERMINATED

M2. Hawaiian 6 / I BELIEVE


このテーマについて、引き続き、みんなからのコメントを待っています。
この下、3日の番組テーマについての記事まで、メッセージを寄せてください。
よろしくお願いします。

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